二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.61 )
- 日時: 2012/10/07 23:15
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
- 参照: 第四篇/Let's Cooking! & Fight!(サァ “大乱闘” イタシマショウ)
新たに薪を抱えて戻ると、キッチン中にカレーとご飯の香りが。
「水道が無事で良かった。これまで使えなくなったら、近くの川まで汲みに出るところだったよ。ここは私がやるから、君は食器でも用意してくれ。何、百枚や二百枚くらいは無事だろう」
呟きながらオリマー隊長は窯の前に立ち、足で薪を蹴り入れながら、鍋の中身を豪快にかき混ぜている。その傍らには蓋をした土鍋。多分ご飯の香りは此処から漂っているのだろう。……流石、絶望的状況下を現地調達の戦闘力だけで生き抜いた、超凄腕の一般人だが、いくらなんでもプロすぎやしないか。
「慣れてますね」
「当たり前だよ。今でこそヨッシーがクッキーを焼いたり冬場の暖炉代わりになったりしちゃあいるが、元々コンロに手が届かない私用に新設した代物だからね。それよりも、早く用意してくれないか」
ナ、ナンダッテー!?
素直に驚きつつも、私は食器棚を上から下まで見渡してみる。
——なるほど。道理で残っている皿の枚数が桁外れなわけで。
どうみても壁より奥の方に、大量の皿が所狭しと並んでいる。食器棚は壁に埋まっていたのだ。
まさかこんな事態を想像してあの右手袋は、などと考えつつ棚に失敬し、中段に潜り込んで皿をまず十人分程度引っ張り出した。そしてあちこちが凹みまくったシンクに運び、湯で埃を落とすと同時に温める。それを計五回繰り返し、五十人分の皿を確保。ついでに、五十人分のスプーンも同じように洗っておいた。
あの時のティーカップ運びがこんな形で役に立とうとは。夢にも思わなかった。やっぱり経験はしておかなきゃだね! プロテインだね!……いかん、テンションがおかしい。
湯気の出ている皿とスプーンを拭く私を尻目に、オリマーの方は赤ピクミンだけを自分の周りに固めて、縁ぎりぎりまでカレーの入ったずん胴鍋と土鍋をその上に乗せていた。流石火に強い力持ち、触ったら絶対にただ事ではすまなさそうな煮えたぎる鍋を、平然とそのちっこい手の上に乗せている。
「それ、リビングまで持っていくぞ」
ピクミンへと上げた声は、心なしか明るい調子。
「もってけ、もってけー持ってけー」
「りびんぐーリビングー」
窯の火を消し、歩き始めたオリマー隊長の後ろを、カレー鍋と土鍋付き赤ピクミン五十匹がぞろぞろと付いてくる。その後から、私も五十人分の皿をお盆に載せてよろよろと追従。そして私の背後から、青や黄色や白や紫のピクミンも両手を広げて走ってくる。
しかし中々どうして、不思議な光景だ。その中に加われているというのは光栄なことなのだろうか。
To be continued...
私にしてはほのぼのな話だったのに、小夜子さんが食器棚の容積を深刻に受け止めすぎるせいで、妙にシリアス臭い話が出来上がってしまった。くそう。
基本的にオリマー隊長とピクミンは日常パートによく出てくるメンバーです。