二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第一話 ( No.2 )
日時: 2012/09/04 21:00
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)

にしても噂通り雷門ってでかいな… 海音は思った隣の天馬は目をキラキラ輝かせながら辺りを見ている

「ねぇ海音ってサッカーのポジションなに?」
「FWだよ 天馬は?」
「俺は…特にポジションとか決めてないんだよね…」
「じゃあMFは?」
「うーん…考えとく!」
天馬がそう言った時だった

「あなた達…一年生?」
声がした

そこに立っていたのは、赤いメガネを額に掛けた女の先生だった

「はい!…あの、サッカー部ってどこにあるんですか?」
「入部希望?だったら案内してあげる 私はサッカー部の顧問の音無春菜 よろしくね」
「松風天馬です!お願いします音無先生!」
「ボクは雪雨海音です」
「じゃあ二人とも、こっちよ」

二人は音無先生についていった
そしてやって来たのは、校舎の後ろの大きな建物だった
「ここがサッカー部が活動してるサッカー棟よ」
「ええ?!これ全部ですか?!」
天馬は声をあげる

正直 海音も驚いていた

中に入ると、かなり広く、外にもあったのにグラウンドがある
更衣室、シャワールーム、部室は一軍二軍に別れているようだ

「あなた達は一年生だからきっと二軍ね、一軍に入るのは大変だから頑張ってね」
「はい!」

その時だった

「…?」
なんだか胸騒ぎがした
これは…外のグラウンドの方から?

「音無先生っ!!」

すると教師と思われる男が勢いよくサッカー棟に入ってきた

「どうしました?」
「大変です!!と…とにかく第二グラウンドに来てください!!」

海音の予想が当たった

音無に続いて海音と天馬も走り出した

——————

第二グラウンドには、さっきまでなかった土埃が立っていた

土埃が立っているグラウンドの地面には、ユニフォームをきたサッカー部員達が倒れていた

「これは…一体…」
音無は呟く

これをやったのは一体…
海音は目を凝らして土埃をよく見てみる
するとユニフォームを着ていない人影が見えた

藍色の髪をポニーテールにしたつり目の少年だった

「ふっ…この程度か」
少年は呟く

「ちょっとあなた!!グラウンドは喧嘩をする所じゃないのよ?!」
音無は叫ぶ
「喧嘩?俺は喧嘩なんかしてませんよ」
少年は言った

「そ…うです…先生…」
するとキャプテンマークをつけた少年は言った
「そいつは…サッカーだけで…俺達を…」
「そんな…サッカーだけで?」
音無は呟く

「俺は剣城京介 …雷門サッカー部を潰しにきた」
少年は言った
「サッカー部は今日で…廃部だ」

「え…待ってよ!」
海音は声を上げた
「廃部って…ボクはサッカー部に入りたいんだ!」
「…お前誰だ?」
剣城は海音を睨んだ

「ボクは…海音 雪雨海音だよ」
「…ふん、知ったことか」
すると剣城はボールを足ですくい上げた
「くだらないんだよ!サッカーなんて!」
そして剣城はボールを蹴りあげ、近くのゴミ箱に入れた

「まてよ…」
天馬は言った
オーラが変わったのが海音にはわかった
「サッカーは…サッカーはくだらなくなんかない!」
「…お前も入部希望かよ ご苦労なこった」
剣城は言った

「…じゃあ勝負しようぜ」
「勝負?」
海音は声を上げる
「俺からボールを奪って見せるんだ そしたら廃部は取り消しだ」
「…わかった、やろう」
「海音くん?!」
音無は声を上げる
「天馬、…怒る気持ちはわかるけど、ここはボクにまかせて」
「…わかった 海音」
天馬はうなずく

「海音くん…出来るの?」
「出来ると思います…多分」
「多分って…」
音無は呆れた

——————

ジャージを着てきて良かった…と海音はグラウンドに立って思った

ルールは、海音が剣城からボールを奪えたら勝ち

「よし…いくよ!」
海音は剣城に向かってダッシュした

「…ふん」
「うわあっ!!」
だが、簡単にかわされた

思ったよりうまくいかず、ボールが取れる気配がない

「…お前、海音とか言ったか サッカーやった事あるのかよ」
「……………」
無言で海音は立ち上がる

「…ほとんどないよ だって…」
「はぁ?」
「とにかく…ボクは雷門中でサッカーがしたいんだ!!」
海音は剣城にスライディングをかける

それもあっさりかわされた

回りのみんなは もうサッカー部は終わりだなという目をしている

「…?!」
突然剣城は回りの気温が下がったような気がした
気のせいか?

「まだだっ!」
しつこく海音はスライディングを繰り返す
「…チッ しつこいんだよ!!」

「あれは!!」
見ていたサッカー部員の一人が声を上げる

あの技は、サッカー部員達をボロボロにした

「デスソード!!」

漆黒のシュートを剣城は放つ
だが海音は動じない
「海音くん逃げて!!」
「海音ッ!!」
音無と天馬は叫んだ

「……ボクは…サッカーしたいんだあああ!!」

「?!なんだ?」
剣城は声を上げる

海音の周りに、冷たい強い風が吹き始める
それは辺りの気温を大きく変えた
「寒い…」
天馬は声を上げる

ボールは次第に速度を落とし、そのまま海音の目の前に落ちた

「…これで…いい?」
ボールを足で押さえると、海音は言った

「………」
何だったんだ?今の
剣城がそう思った時だった

「お前達!神聖なグラウンドで何してる!」

その声に、全員が向こうを見た

そこにいたのは、色違いのユニフォームを着たサッカー部員だった
「来たか…」
剣城は呟く

「俺は神童拓人 一軍のキャプテンだ 」
ウェーブがかかった髪の少年は言った

あれが…雷門イレブン?