二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第六十二話 ( No.91 )
日時: 2012/12/02 09:12
名前: 時橋 翔也 (ID: Sr8Gveya)


試合が終わり、白竜に案内されてやって来たのは、森の中の温泉だった

「温泉だ!」
天馬や信助、狩屋などは思いきり温泉に飛び込む
「皆の分の水着…用意してよかった…」
「さっすが葵!」
天馬は言った

「て言うか…なぜ水着を…」
海音は呟く
「…気持ちいいね〜」
茜は言った
「ミュウは来なかったのかな?」
海音は辺りを見るが、ミュウはいない

「白竜…よくここを知っていたな」
「訓練で傷ついた体を癒すためだと…以前に教えてもらった」
白竜は剣城に言った

「…動物達が入る温泉もあるから、後で行ってみる?」
「うん行くよシュウ!」
天馬は言った

「そういえば、円堂監督たちは?」
「訓練生を家族の元に帰すための船の手配をしてるよ」
海音は言った
「手伝わなくてよかったのかな…」
「皆は帰るまでゆっくりしろだって」
葵は言った

「ボクらはいつ帰るの?」
「明日の夕方ごろ 白竜さん達もね」
「白竜…いいの?」
「ああ …お前たちの事をもっと知りたいしな」
白竜は言った

「後で他の皆にも教えようか」
「そうだな」
霧野は言った

「そういえばこの辺りには他にも温泉がある… 行きたいならいくといい」
「おお!そうか!…じゃあ温泉制覇ぜよ!」
「あ 錦先輩僕も!」

温泉から出た錦に信助、狩屋、輝はついていった
「神童 俺達も行こう」
「ああ」
神童と霧野も温泉から出ていった

「んじゃ私も…」
「私も行く!」
「あ!水鳥さん!茜さん!」
次に水鳥、茜、葵が抜ける

「アツい…」
海音は岩にもたれ掛かる
「おいおい早すぎだろ」
「…ボクお湯に入るの苦手…」
海音は言った
雪女だからな…

「…海音 無理しないで上がった方がいい」
見かねた剣城は言った
「そーしようかな…」
海音は呟く
「…剣城はやけに海音に優しいな」
「そりゃそうだよ、だって剣城は海音がす『バシャン!!』

「ん?どしたの剣城…」
「なんでもない 」
「そう?…じゃボクは上がるね」
海音は温泉を後にした

「え…剣城本当か?」
白竜は言った
「うん そうだよ」
天馬はかけられたお湯を拭きながら言った
「だって剣城…キャプテンと話してるの聞いたけど、海音を抱きしめ…」
「だああああああぁぁ!!!松風ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
剣城は叫ぶ

「…以外だね…」
シュウは言った
「ああ …人生で一番驚いたかもしれない…」
「ッ〜…」
剣城は真っ赤だった
温泉のせいだ いや違う

「…天馬、ここにいたら殺されそうだから… 別の温泉に行こうか」
「うん…そうする」
危険を察知した天馬とシュウは温泉から出ていった

あいつら…後でしばく

——————

「なんか不気味だな…」
森を歩いていた霧野は呟く
辺りは日が入らず、薄暗い
「そうだな… 」
神童も言った

「…そういえば なんかあの日を思い出すな…」
「あの日?」
神童は訪ねる

「小一の時、クラスで肝試ししただろ 俺とお前と貴志部の三人で墓場を進んでさ ……そしたら出ただろ」
神童は思い出したのか青ざめる
「…もしかして…」
「ああ…幽霊」

「…ここら辺も出るのか?」
「あの時みたいに泣くなよ?」
「な…泣くものか!」
神童が言った時だった

向こうに何かが見えてきた 温泉のようだ
「あ 温泉があるぞ!」
霧野は駆け出す
「おい霧野…」
すると変な音がした

ふと横を見ると
血まみれの人間がいた

「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」

「どっ…どした神童!?」
霧野が戻ってくると、神童は涙目になって腰を抜かしていた
「ゆゆゆ…幽霊…」
「あ…キャプテン?」
幽霊は言った

キャプテン?
「その声…海音か?」
霧野はいうと、相手はうなずいた
「何で血まみれなんだよ」
「いや…歩いてたら突然木の実が頭に落下して果汁がついて…洗おうと森をさまよってたらキャプテンを見つけました」
海音は言った

「…わかったから、そこの温泉で顔を拭け」
「はーい…」
「まったく…」

——————

「あ、温泉に猿がいる!」
温泉を見つけると、天馬は言った
「ここが動物達が入る温泉なんだよ」
「へー…」
天馬とシュウも入る

「でも何で…ここだけ動物達が入るんだろ…」
「…昔は他の温泉にも動物達は入ってたんだ」
シュウは言った
「けど… ゴッドエデンが出来てから、温泉が汚れたんだ …よく見てみて、この温泉のお湯はとても透明だから」
「あ…本当だ!」
天馬は言った

すると次々と他の動物達もやって来る
だが中にはおかしな鳴き声も聞こえた
「…なんだろ…この鳴き声」
「まさか…」
「え、何シュウ?」
「森の王様だよ」
シュウが言った時だった

森から巨大な熊が現れた

「うわあああ!!熊だああああ!!食べられる〜!!」
天馬は絶叫する

だが熊は二人を襲う様子もなく、普通に温泉に入った
「え… 襲わない?」
「…くっ あははははっ!!」
「ちょっ…シュウ!からかったな!!」
天馬は赤くなる

——————

錦達が来たのは、白い煙が立ち隠る崖だった
「真っ白だ…」
「ひるむな! 温泉制覇ぜよ!」
「先輩!ここに立て札があります!」
輝は言った

「なんて書いてる?」
「…この先に温泉あり!」
「やはり!ワシの言った通りじゃろう!」
「よーし 温泉に行こうぜ!」
「ああっ待って狩屋! …但し、一定時間毎に温泉が吹き出す 間欠泉があるので要注意…」
「間欠泉?」
信助が言った時だった

錦の下からすごい勢いで温泉が吹き出した
「あ〜れ〜!!」
錦は星になりました☆

「戻ろうか」
「賛成!」
「じゃあ急いで…」
すると再び下から温泉が吹き出す
「うわあああ!!」
三人は星になりました☆

——————

「おい まだ怒っているのか?」
「だまれ」
剣城は言った

「…にしても こんな風に親しく話す機会なんてなかったな」
白竜は言った
「訓練生トップの座を争っていた俺達が親しくする理由もなかったしな」
剣城は言った

「…そういえば、お前に聞きたい事があった」
「なんだ白竜?」
「お前… 歌うの好きなのか?」

剣城は一瞬頭が真っ白になる
「ゴッドエデンにいた頃、お前いつも施設を抜け出して森で歌ってただろ」
「なッ…!!」
なぜそれを!?
「しかも何気に上手いし」

「………」
剣城はうつむく
「…悪いかよ 歌うのが好きで」
「別に …俺は歌えないから少しうらやましい」
白竜は言った

「歌えないからって…お前音痴なのか?」
「じゃなくて… 歌い方がわからないんだ 歌った事がないから」

そんなやつもいるんだな

「…先に出てもいいんだぞ」
白竜は言った
「そっちこそ!…顔が俺より赤いぞ」
「お前も汗が酷いぞ …のぼせるまえに上がれ」
「お前が上がったらな」