二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【学園アリス】 太陽の光 【小説】 ( No.38 )
日時: 2012/10/31 20:39
名前: 愛理 ◆aGZ9OPSgQQ (ID: KnDfCa0V)

〆黎さん

シリアスはすぐに消えそうです(笑)
でもシリアスな回が多いかもしれません;;
かつお節のアリス見てみたいですww

〆燕去さん

はじめまして燕去さん♪
勿論見に行きます! 学アリの小説少なくて悲しいんですよ…。
誰か書いてくれえええと思ってたところです←

〆レヴェリーさん

雪乃ちゃんの登場に満足していただけた様で嬉しいです!
時使いのアリス、って何か聞いた事あるなあとか思ってたらそう言う事ですか!
いやあ、アホなもので全然分かってませんでした(笑)
ありがとうございます♪頑張らせていただきます♪♪

〆黒簾香菜さん

すぐにシリアスは消えます(((((
そう言ってもらえると嬉しいです♪ 有り難いです♪

〆クロさん

封兄…! いいですねそれ…!
どっちもですね、はい← 
え、賢がアリスつかえてなかった!? え、花が元に戻った!? 
みたいな感じですwww

〆かのさん

申し訳ございません、かのさん。
[>>25]で説明したのですが、これ以上オリキャラを出して頂いても登場回数が凄く減りそうです。
ので、オリキャラ募集は既に締め切っております。
こういうのはしっかりしておいた方がいいと思うので…。本当にすいません!!



09 妹


こんこん、と優子は扉をノックする。
はい、と言う可愛らしい声が扉の向こう側から聞こえてきた。
それを聞いて優子は病室に入る。


「あ、お姉ちゃん! …って何その傷!? 大丈夫!?」

「気にしないで。それより…体調はどう?」

「うん、今日はすっごく元気だよ!」


肩まである黒髪が揺れて、まん丸の黒い瞳が細まる。
パジャマの上にカーディガンを羽織るその姿は、まさに病弱な少女だ。
そんな少女、もとい妹——黒宮悠希を見て優子は薄く笑う。


「よかった。…はい、これ花束」

「ありがと! ねえねえ、皆元気? さっちゃんとかなっくんとか元気!?」

「元気よ。…と言うか毎度、なっくんってうけるんだけど…」


悠希は人に必ずニックネームをつける。なっくんとは棗、さっちゃんとは紗和だ。
花瓶に花をいけながら小さく優子はため息をついた。


「病院の先生から聞いたけど…アリス祭頃には来れるかもしれないんだね」

「うんっ! アリス祭に出たい!」

「じゃあ早く元気にならないとね?」


悠希は小学4年生。優子との歳は1つ違うだけである。
生まれつき体が弱い。それとある出来事のせいで、入退院を繰り返している。
が、今回は違う。体調がかなり整っているのだ。
ので、今回の退院でもう大丈夫になるかもしれないとの事だった。


「ふふふ。ああ〜、早く退院したいよーっ!」

「はいはい。今は安静にしなさい」

「はーいっ」


えへへっと笑う悠希。
優子もそれを見て思わず笑みが零れた。
この笑顔を見れば、もう賢の事なんて頭から消え去っていた。


 * 〜 * 〜 *


見舞いも終わり優子は帰路につく。
そんな時棗とルカに遭遇した。そしてルカの腕には舞姫。
2人は優子を見ると駆け寄ってくる。


「優子。その傷…本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ」

「…あいつに何されたんだ」

「そんな大したことじゃない。安心してよ。ほら、舞姫もびっくりしてる」


そっと舞姫の頭をなでてやる。舞姫はにこおっと笑った。
悠希と同じようなこの笑顔を見れば何もかも忘れられる。
守りたいと、切に願う。


「おねーちゃんいたそう。だいじょーぶ?」

「ほら。舞姫まで心配してるよ?」

「参ったなあ。僕は大丈夫だよ、舞姫。そう言えば棗も大丈夫だった?」

「俺は大丈夫だ。…お前は無茶すんな」

「してないよ。…って、棗。舞姫ががん見してるよ」

「…………」

「…………」


舞姫は棗の事があまり好ましくない様である。
ので、いつも棗と睨みあいをする。
そんな2人を見て優子とルカは苦笑いだ。


「はいはいストップ」

「ほ、ほら、棗もあっち行くよ?」

「まい、おねーちゃんといっしょにいるー」

「可愛いなあ。よし、おいで舞姫」


ぎゅうっと舞姫に抱きつかれる。
この上なく可愛い舞姫に優子は微笑んだ。
その場で棗・ルカと別れて歩いていく。


「舞姫。もうすぐ悠希が帰ってくるみたいよ」

「え!? ほんとーっ?」

「うん。じゃあ今度一緒にお見舞い行く? そしたら悠希、もっと元気出るかも」

「うんうん、行くーっ!」


悠希は舞姫大好きだ。舞姫も悠希を好いてくれている。
じゃあ約束、と優子と舞姫は指切りを交わした。
そんな時、優子の視界に教師——デューンが映る。露骨に優子は嫌な顔をした。


(……大人)

「…ん。…黒宮に…水娥鬼か」

「デューンせんせーこんにちはーっ!」


可愛らしい挨拶をする舞姫。優子はそのまま無視して通ろうとする。
が、がしっ——と腕を掴まれる。舞姫が落ちそうになり慌てて優子は抱きなおした。


「っ…何すんの。僕に触るな」

「…傷だらけだな」


その瞬間優子は体が温かい何かに包まれるのを感じた。
はっと見れば傷が癒えていく。
やめろ、と優子は抵抗を試みるが相手は大人。勝てるはずがない。
あっという間に優子の怪我は消えた。


「っ余計な事しなくていい!!」

「…どうしてだ?」

「僕に構うな!! 関わるな!! 治癒のアリスを作り出して僕に使うなんて…馬鹿げてる!!」

「馬鹿げてなどいない。俺は教師だ。教師が生徒の治療をするのは普通だ」

「っ……とにかく、次からは余計な事はしなくていい」


舞姫を抱きながら優子はその場を去った。
残されたデューンは1人、今治療した傷のあまりの酷さに驚く。

そしてデューンは——どうして優子があんなに怒ったのかを、理解していた。


「……で、いつまでそこにいるんだ? クロノ?」

「——ああ、ばれてたのか」


木陰からゆっくりとクロノが現れる。
その手には——何やら数十枚のプリントが握られていた。
にっとクロノは笑む。


「ちょっとした裏データ、集めてきた」


それを聞いたデューンも、また小さく笑ったのだった。