二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.9 )
日時: 2012/11/08 19:01
名前: 黎 (ID: kgjUD18D)

「・・・ん・・・・?」
 むくっとトーマはベッドからゆっくりと体を起こす。
 なぜベッドにいるのだろうか。
 私はあの少年少女3人に突撃されて気絶してしまったはずだ。
 しかも、ココの部屋はなんだか高級な気がする。
 そんな思いがトーマの中でうずく。
 ふと、自分の近くにトーマの腕を枕代わりのように椅子に座って寝ているアラジンを見た瞬間・・・。
「えっ!?だ、だれですかーーーーーーーーーーッ!!!」
 トーマの羞恥心と焦りが混ざった叫びが交差する。






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「ごめんよお姉さん。ココは王宮さ。驚かせるつもりはなかったんだ・・・。」
「…少しやりすぎたようですね・・・。」
「ごめんな。」
 トーマの叫び声を聞き、駆け寄ったアリババ、モルジアナはアラジンと共に謝罪の言葉を口々に言った。
「私こそごめんね。驚いてしまったからさ…。」
 トーマはそういって微笑した。
「僕アラジン!こっちのお兄さんはアリババ君で、こっちのお姉さんがモルさん…いや、モルジアナだよ!」
「よろしく!」
「よろしくお願いします。」
 アリババはグッと親指を立て、モルジアナは軽く会釈した。
「私はトーマ!トーマ・アンダーソニック!」
「トーマか!」
 アリババはニッと笑った。
「…お2人とも、そろそろ修行の時間です。行きましょう。」
 モルジアナがハッとしていうと、
「あッ!そうだね!ヤムさん怒ると怖いからなあ…!」
「いや、こっちの師匠のほうがすっげえこえんだぜ…!わりい!トーマ、もうちょっとでシンドバットさんが来るからそれまでちょっと待っててくれ!」
「あ・・・うん。」
 そう言って3人はあわただしくトーマが寝ている部屋から出て行った。
「・・・シンドバットさん?」
 ふと、その名を口にして首をかしげるトーマ。
「と、というか私の荷物!特にあの書物がないと…!」
 荷物に気付いたトーマは急いでベッドから降りた。
「…これのことかい?御嬢さん。」
「な・・・ッ!」
 いきなり現れた紫の髪の男、シンドバットに驚く。
「あ・・・あの・・・。」
「俺はシンドバット。ここのシンドリア王国の王様さ。」
「え?」
 ぐるぐると混乱し始めた。
—ココの王様男前だからね〜—
 おばさんの言葉を思い出した。
「1つ、いいですか?」
「ああ。なんでもいいぞ。」
 ギギギ…。とロボットのような首の動きでシンドバットをトーマは見た。
「私がここにいることと、あの3人は絶対関係あるんですか…?後その本についても・・・。」
 頼む、嘘であってくれ。たまたまだと言ってくれ。
 そう必死に思いながらトーマは言った。
「…ああ。俺もそのことを話したくてここに来た。」
「いやああああああああああああああああッ!!!」
 トーマは心の涙を流した。



—神様、あなたって残酷ですね。—