二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.1 )
- 日時: 2012/11/17 13:09
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「暇だよー暇だよー、暇すぎて溶けるよー」
ある日の昼頃、カービィは家の前の丘で暇すぎて暇すぎてゴロゴロと転がっていた。
正直迷惑である。いや、この辺りにある家はカービィ宅だけであるが。
しかも、空は綺麗な青い色ので、外で誰かと遊べよ、と思えるような状況だ。
「暇でしたら、拙者と一緒に遊びませぬか?」
そんなカービィの背後から、声が聞こえた。男にも女にも聞こえる声。
振り向くと、つぶらな黒い瞳に、黒い球体ボディに猫のような耳。
そう、エヌゼットだ。
「えーと……エヌゼットか! 一緒に遊んでくれるの? 今暇だし、一緒に遊んでくれるの!?」
「ええ、おすすめのゲームがあるのです」
そう言ってにっこりと笑う。
「クトゥルフ神話TRPG……と言う物をご存じですか?」
「なぁに? それ?」
「“恐怖”を楽しむためのTRPGです。TRPGとは、テーブルトークRPGの略だそうです」
「へぇー! つまり怖いの?」
「えぇ、神話生物たちと戦うのですが、普通のTRPGとは少し違い、一般人として戦わなくてはいけませぬ。なので、即死即発狂等々、難易度は少し高めですが、ロールプレイングを楽しむゲームとしては最適でせう」
面白そう! と言って笑うカービィに、エヌゼットは薄く微笑む。
「では、やりませうか?」
「勿論やってみようよ! でも、僕1人だけで出来るの?」
首(?)をかしげて訪ねるカービィ。
じっとエヌゼットの目を見詰めて、キラキラと目を輝かせている。
そんなカービィを見て笑い、エヌゼットは答えた。
「できなくは無い、のですが。今回は大人数の方が貴方は良いでせう? というわけで、参加者を募りましょう」
「楽しみ!! 友達に参加しないか聞いてくる!」
こうして、カービィ達はクトゥルフ神話TRPGをすることになったのである。
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.2 )
- 日時: 2012/11/17 15:10
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「それでは、最初にプレイヤーキャラクター達を作成いたしませう」
カービィの家にて、部屋の中にはエヌゼットを含めた7人が、テーブルの上にあるパソコン越しに座っている。
他にも、テーブルには3面、6面、10面等々のダイスや、メモ用紙、筆記用具等々が置かれていた。
「で、今回はパソコンも使ったクトゥルフなのカイ?」
「はい、上司がプレイの再現VTRを作ってくださるそうなので。他にも色々な作業のため、パソコンを使用いたします」
「初心者ばっかで良く分かんないけど、ダイスを振れば良いのサ?」
「ええ、サイコロを振って自身の分身となるプレイヤーのステータスや技能を決定してくださいませ」
すでに興味津々なカービィが、10面ダイスを振って遊んでいるのを、マホロアは一発グーで殴り、落ち着かせる。
そんな様子をワドルディとリボンは苦笑いしながら眺めていた。
そして、ワイワイとプレイヤー決めに取りかかっていくのである。
「あー……確か、EDU(教養)×20で技能の割り振り……であってるか?」
「そうッス! オイラは一応一回だけマホロアさんとやったことあるんで、少し皆さんより先輩ッス!」
「確かワドルディ、前回はSAN値が0になったんだよネェ」
「……苦い思い出ッス……」
ニコニコと笑いながら言うマホロアに、げんなりとした表情でワドルディはダイスを振った。
ダイスはコロコロと転がり、止まる、ワドルディはメモ用紙に記入する。
「……僕、初心者だし全然分かんないんだけど……」
「ジャ、僕が代わりに振ってあげるヨォ、マルク」
「……別に良いけど」
少々、いや、本格的に影を含んだ笑みでマホロアはマルクのダイスを振っていた。
「職業……私はどうしましょう…………?」
「あ、リボンさんは申し訳ありませぬが今回、学生探索者です」
「学生ですか?」
「はい、年齢的に……」
「大丈夫です! 頑張ります!」
エヌゼットは笑いながら、学生探索者は弱いんですけどね……と呟く。
しかし、リボンは何か言いました? という風に訪ねる。
エヌゼットの心の小さな呟きは、リボンには届かなかったようだった……
「さて、みなさんプレイやキャラ達は決まりましたでせうか?」
「うん!」
「みたいなのサ」
「ダヨォ」
「OKッス!」
「大丈夫です!」
「いけるぜ」
全員の声がそろった。
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.3 )
- 日時: 2012/11/17 17:05
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「それでは、それぞれの皆さんのキャラクター紹介です。ステータスはこちらのパソコンに纏めましたので参照にしてください。では、カービィさんから自己紹介をお願いいたしまする」
そう言って、エヌゼットは視線をカービィの方へと向ける。
それと同時に、他のメンバーの視線もカービィに移ったのが分かった。
カービィは少し動揺しつつも、元気に紹介を始める。
「えっと……僕のキャラは【星野 桃太/ほしの ももた】! 職業はジャーナリストだよ! 因みに、リボンちゃんのキャラとは親戚同士って言う設定になってます! あと、マルクのキャラとは幼なじみだよ!」
手を上げて紹介するカービィに、メンバー達はおのおのの反応を見せる。
中でも、リボンとマルクはカービィ……星野の設定を知らなかったらしく、少し驚いていたが、逆にすぐ合流しやすいだろうと気づき、小さく安堵の溜息をついた。
「細かいステータスはこうなっております」
【星野 桃太/ほしの ももた (24) ジャーナリスト
STR(筋力):8 INT(知性):15 APP(外見):13
CON(体力):9 POW(精神):12 EDU(教養):18
SIZ(体格):9 DEX(敏捷):16 SAN(正気):60
技能…写真術(80)図書館(80)信用(70)言いくるめ(70)こぶし(60)説得(60)応急手当(50)隠す(40)隠れる(40)忍び歩き(40)】
「んー? ……教養と敏捷が良いんだな……」
「……アレ? こいつ無駄に技能が探索面には高スペックじゃネ?」
「……ですね、戦闘は微妙ですが、探索面では期待できるでせう」
少しばかり微妙な顔をしたエヌゼットは、パソコンに何かを打ち込む。
そして、
「次はマホロアさんです、お願いします」
今度はマホロアの方に視線が移る。
そんな周りに、マホロアは少し溜息をついた。
めんどくさそうに自分のステータスを書き込んだ紙を見ながら、言う。
「僕のキャラは【青木 遥/あおき はるか】職業は探偵ダヨォ」
「マホロアさんは結構やりこんでいるタイプのプレイヤーさんのようですね……こちらが細かいステータスです」
「当たり前ダヨォ。一応初心者じゃないシ。マァ、今回も生き残るヨォ」
【青木 遥/あおき はるか (25) 探偵
STR:10 INT:15 APP:14
CON:13 POW:15 EDU:16
SIZ:10 DEX:14 SAN:40
技能…心理学(50)目星(80)拳銃(80)鍵開け(35)自動車(30)言いくるめ(45)クトゥルフ神話(16)】
「ふむ。ザ・探偵というキャラですね。拳銃は何故お持ちで?」
「モデルガンだヨォ。元々このキャラは刑事だったシ、前回のことで色々あってネェ」
「あ! マホロアさんクトゥルフ神話の技能持ってるじゃ無いッスか!! 前回の遥さんッスよね?」
「そうだヨォ。ま、クトゥルフ神話はあってもあんまり良いことはないヨォ、SAN値の最大値が減るしネェ……」
「クトゥルフ神話技能って?」
首をかしげてカービィはマホロアに訪ねる。
よく見ると、他にもリボンやデデデ、マルクもなんだそれはと言った表情をしていた。
初心者であるメンバーにとってはしょうがないのであるが。
「クトゥルフ神話技能とは、宇宙的恐怖を味わった者だけが習得可能な技能です。SAN値の最大値が減りますが、神話的生物など、宇宙的恐怖と遭遇した際に、それらの弱点などが分かる場合があります」
「便利なんだねー!」
「全然。SAN値が40とかちょっとしたグロッキーで発狂だヨォ」
盛大に溜息をつき、やれやれと手を振るマホロア。
それは何処かに弱点がある、と言いたげなようだ。
そして小さく、
「だって僕のキャラが発狂して拳銃でみんなを大虐殺とかあり得るからネェ?」
と言うと、エヌゼットとワドルディ以外のメンバーの表情が凍り付いたのは言うまでもない。
「では次、リボンさんお願いします」
ニコリとした表情で、エヌゼットはリボンの方を向く。
待ってました! と言うように目を輝かせ、ふふんと自信満々に目を輝かせている。
リボンは立ち上がると、笑顔で手を上げて紹介を始めた。
「はい、私のキャラは【活莉 歩夢/かつり あゆむ】です! えーと、女子高生って言う最強職らしいですよ!」
「嘘吐け」
真顔でマルクが誰よりも早く突っ込んだ。
「女子高生が最強だなんて聞いたことが無いのサ」
「え!? だってエヌゼットさんが……」
「拙者、一言もそんなこと言っておりません。むしろ紙でせう」
そう言って、エヌゼットは歩夢のステータスをパソコンに表示する。
【活莉 歩夢/かつり あゆむ (17) 学生
STR:3 INT:10 APP:17
CON:8 POW: 9 EDU:14
SIZ:7 DEX: 8 SAN:55
技能…忍び歩き(50)乗馬(50)回避(60)目星(60)図書館(60)】
「ちょっと待テ、何で乗馬技能なんて持ってるんダイ!?」
「え!? ダメですか!? お馬さんに乗ってみたかったんです!!」
「現代も道端に馬が走ってればね、なのサ……」
「しかも敏捷性が9って……」
「体格が太ってるわけじゃ無いんだろ? んじゃあれか? リボンの所の王女みたくドジっ子か?」
「逆に面白くなりそうでせうね」
流石にこのステータスにはみんなが食いついたようだ。
パソコンの画面にみんながツッコミを入れている。
「あ、次行きましょう」
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.4 )
- 日時: 2012/11/19 17:39
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「ん? 俺か」
少し、間が空いた後に少し大きめの声が響いた。デデデである。
リボンのキャラへのツッコミに食いつきすぎて、自分の紹介の番だと忘れていたらしい。
「俺のキャラは【氷室 大我/ひむろ たいが】刑事だぜ! あと何か護身術ってノリで武道やってたらハマって、いつの間にか特技になったって言う設定があるぞー!」
「ガチムチですよ、ステータスをどうぞ」
【氷室 大我/ひむろ たいが (42) 刑事
STR:17 INT:10 APP:11
CON:15 POW:14 EDU:14
SIZ:15 DEX: 8 SAN:80
技能…組み付き(99)武道:マーシャルアーツ(90)回避(80)追跡(11)】
「コレは……明らかな戦闘タイプだネェ」
「シナリオが探索系だったらやばいッスよ……お払い箱ッスよ……」
初心者では無い2人組から突っ込まれて、デデデは少し焦ったのか、わたわたしている。
よく分かっていないらしいカービィとリボンはきょとんとしていて、そんな様子を見て、マルクとエヌゼットはニヤニヤと悪戯っぽく笑っている。
「まぁ、シナリオは探索も戦闘も兼ねた物でせう。心配はいりませぬ」
「良かったぁぁぁぁ…………」
壁により掛かって大袈裟に息を吐くデデデに、今度は完全にツボッたらしいマルクが爆笑した。
ほのぼのとした空気を確認し、エヌゼットは次の方、と声を掛ける。
「オイラの番ッスね! オイラは【中谷 和戸/なかたに かずと】大王と同じく刑事をやってるッス! 因みに大王の後輩ッスよ!」
「鉄板の刑事でせう」
【中谷 和戸/なかたに かずと(22) 刑事
STR:11 INT:10 APP:16
CON:11 POW:15 EDU:14
SIZ: 8 DEX:16 SAN:75
技能…拳銃(75)説得(30)目星(80)聞き耳(75)回避(80)図書館(10)】
ふむ、とワドルディこと和戸のステータスを見て、マルクは簡単に考察を述べた。
「簡単に言えば、基本的に探索でもしもの時は拳銃って言うタイプか……そこの猫耳と似てる気がするのサ」
「猫耳じゃネェよ。ぶっ飛ばすぞ道化師ガ」
2人とも笑顔であるが、目が全く笑っていない。
こころなしか、2人の間にダイヤモンドダストが吹き荒れているような気がした。
「つ、次行きませう……耐えられない……」
エヌゼットの声は、最後の方は掠れていて周りには聞こえなかった。
「最後は僕か……えーと……【道興 紫化/みちおき ゆかりか】……職業は……ハァ!?」
「……こちらをどうぞ……でせう……」
【道興 紫化/みちおき ゆかりか (24) 詐欺師
STR:4 INT:16 APP:16
CON:6 POW:14 EDU:17
SIZ:7 DEX:12 SAN:75
技能…心理学(90)信用(70)言いくるめ(45)目星(90)回避(30)】
「こ……れは……」
「コレは酷い」
「言い切ったな!!」
全員、職業の辺りで最早うわぁ……という目をマルクに向けている。
「違うのサ!! 僕はマホロアに適当に振って貰っただけなのサ!!」
「何言ってるんダイ? 僕は助言しただけで、職業自分で決めて、自分で振ってたじゃ無いカ。似合うよ似合ウ……ププッ」
「いっぺん輪廻、巡って来い」
「上等だヨォ」
ドンパチ始めた2人から逃げるように、エヌゼットはパソコンを抱えて家を飛び出した。
流石にデータの詰まっているパソコンを破壊されてはきつい上に、エヌゼットにはあの修羅場をパソコンを守りつつ潜り抜けられる力を持っていなかった。しょせんは雑魚キャラ、悲しき運命である。
ただ、そんなエヌゼットにもやることはあるらしく、カービィの家の裏で中の喧噪を聞きながら、パソコンのメールを打ち込み、何処かへと送信したのだった。
————
これにてプレイヤー紹介は終了、次回からは本編……です。