二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.7 )
- 日時: 2012/11/27 18:14
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://ははは、検索が大変だ。
1章 始まるのは一体何か
【PL】
カービィを呼びに行こうと、玄関に向かっていたエヌゼットにマホロアが声を掛ける。
「そう言えバ……完全に聞きそびれてたんだけどモ、このシナリオのタイトルは何ていうんダイ?」
愛すべき雑魚キャラであるはずのエヌゼットが、一瞬、ほんの一瞬だけどもどこかが歪だと感じられるように、妖艶に微笑んだ。
それは何処かで見たこともあるような気さえもしたような気がする、と思ってしまうほどに。
「【漆黒に染まる者】で御座いまする」
そう言って、家の外に出て行った。
「……アイツ、本当に何者だヨォ……」
「どうかなさいました?」
こんな時でもリボンは若干マイペースであった。
そんなリボンに溜息を吐きつつも、さて、とマホロアはリボンと向かい合う。
「ここで一旦作戦会議ダヨォ」
「え? 良いんですか勝手に?」
「むしろこういうワイワイ会話もTRPGの醍醐味ダヨォ。まぁ、KPはRPを楽しむタイプらしいケド」
「ふぇ−……」
一応納得したのか、ふむふむとリボンは頭を縦に振る。
その反応に満足したのか、マホロアはそのまま話し出す。
「で、取り敢えず話したいのは今後の動きダヨォ」
「んーと、明日は警察に行くんですよね」
「ソウソウ、多分そこで合流できると思うけどネェ。んでもって、色々探索が始まるわけダヨォ」
「?」
「……分かってないのカイ……」
頭にハテナマークを浮かべて、リボンはじーっとマホロアを見詰める。
「分かってる分かってる、説明するカラ。だからそんな目で見ないでくれヨォ……」
惨めな気分になったマホロアだった。
「例えば、色々聞き込みをしたり、さっきの場所をもっと詳しく調べたりしてこの事件の全貌を明らかにするんダヨォ。とは言っても、好きなように動いて良いから結構暗中模索な状態だと思うんだけどネェ……」
「凄いんですねぇ……!」
「最終的には神話生物来るから覚悟しとけヨ。阻止できる場合もあるけどネェ」
すると、ガチャリと扉が開く音がして、カービィとエヌゼットが帰ってきた。
「では、星野さんは今どこに居ますか?」
「家だよ! 良いネタ探してるの!」
「分かりました。では2人はどうします?」
「ジャア、ここを……して、んで………で」
「では! …………で!」
【RP】
駅から歩いて10分くらいのボロボロのアパートにて。すでにもう日は沈み、辺りには真っ暗になっている。
顔面蒼白な遥が、震える指でアパートのインターホンを押した。
ピンポーンと言う少し古い感じのする音が聞こえた後、ドアの向こうからどたどたという慌ただしい音が聞こえてくる。
「はーい、どちら様ですか−?」
がちゃり、と玄関を開けたところに居たのは星野桃太。
星野は遥に背負われた歩夢を見ると、パッと笑顔になった。
「歩夢ちゃん久し振りだね! そちらの方は……?」
「青木遥デス。ちょっと訳があって……歩夢ちゃんは、先程何者かに襲われて足を怪我していまシテ……」
「えぇっ!? 歩夢ちゃん大丈夫!?」
「はい、遥さんが助けてくださったので……」
そう言って、歩夢は微笑んだ。
「本当は家に送ろうとしたんですケド、遠いので……明日、一緒に警察に行こうと思うんですヨォ」
「成る程ね……そういうわけか、勿論大丈夫! 泊まってきな歩夢ちゃん!」
【PL】
「色々とツッコミどころがあるから言わせてネェ。星野は自室の所に泊まらせるつもりなのカイ?」
「え、違うの?」
「……お隣さんが、お友達の帰国子女な女性で現在大学生の安藤澪(あんどう れい)、略してアドさんが居ます」
「そこに泊めてあげてヨォ」
「RPとダイス次第でせう」
【RP】
「あ! でも今、僕の部屋汚いんだ……えへっ」
幼く見える星野だからこそ許される物の、大の大人がえへっ、等やっているのはみていて痛い、と遥は思った。
星野の後ろをよく見てみると、レトルト食品の容器やら、書類やら、スナック系統のゴミが散乱していた。
とてもでは無いが、人を泊められるようになっているとは思えない。
「どうしよう……あ、そうだ」
星野は、アパートの廊下に出てくると右隣の部屋のインターホンを鳴らす。
暫くすると、赤いベレー帽を被った女性、安藤澪が顔を出した。
「あー、星野か……どうしたの?」
「アドー、お願いがあるんだけどもさ」
「お金なら貸さないわよ」
「違うから」
あははー、と乾いた笑いをする星野、何回かそういうこともあったらしい。
そんな星野に冗談冗談、とアドは笑った。
「この子、歩夢ちゃんって言うんだけども僕の親戚でさ、ここの辺りを通って帰るときに襲われたらしくて、足を怪我しちゃって……それで僕の所に来たんだけど、僕ん家今あれじゃん。んで泊められなくって……っていうわけだから、泊めてあげてください!」
「……星野らしいって言うかねー……」
「お願い!! 本当にお願い!!」
土下座する勢いで頭を下げる星野に、慌ててアドはいいよいいよ、と止める。
「同じ女性として良いって事よ! それにしても大丈夫? 歩夢ちゃん……だよね、警察には?」
「あ、明日行きます」
「そっか、じゃあこっちにおいで」
「はい」