二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケモン ◇置き去りのポケモンと声を聞く者◆ ( No.1 )
- 日時: 2012/11/22 21:36
- 名前: ライ ◆64PzB9jtgM (ID: ty0KknfA)
プロローグ 【2歳少女の武勇宣言←】
ここは緑が多く、そんなに人口も多くはなく決して発展しているとは言い難い村の少し離れたところに立っている少し大きめの綺麗な洋館。
「おかーさん! ねぇ、おかーさん!」
茶色い髪の毛でウェーブのかかったセミロングを揺らしながらキッチンにいるお母さんのエプロンを引っ張る少女。
お母さんと呼ばれた女性は少し呆れあ様な顔で手をとめてしゃがむ。
少し後ろでジャローダがその様子を見ている。
「あのね、あのね。私、大きくなったらおかーさんみたいな英雄になりたい! なるー!」
その言葉を聞きお母さんは少し驚いたような顔で苦笑する。
そして、少女の髪を撫でながら言う。
「誰からきいたの? お父さん? お兄ちゃん? ラル?」
少女は無邪気に笑いながら大きな声で言う。
「おとーさん!!」
そして、ダッとキッチンから走り去る少女。———————どうやら、お父さんのいるリビングルームに向かったようだ。
リビングに繋がら階段をドタドタと走り回る音が聞こえる。母は少し呆れたように言う。
「こらーっ、走り回ったらダメよっ。ルイが起きるわよー!」
それだけ言うとお母さんは料理に戻る。
しばらくして洋館全体に美味しそうな香りが漂い始める頃。
家族4人が食卓を囲む。
「今日もポケモンたちに以上はなかった? カノン」
お父さんらしき人が母親に話しかける。【カノン】とよばれた母親は、にっこりと微笑いながらうなずく。
「うん、まぁ、特に目立ったことはなかったから大丈夫よ」
近くにいたジャローダを撫でながらカノンは言う。
そう、彼女はかつてこの国を救った英雄。一人ではなく、カノンの兄、ユウキとともに。
「ところで。ねぇ、シルク。アノンになんて教えたの? 昔のこと」
「ん? 普通に、キミの武勇伝を少し、ね」
ニッと少しいたずらに笑うシルクと呼ばれた父親。
どうやら二人は昔の旅仲間のようだ。
「もう、」と少してれ気味に言うカノンを小さく見上げる少女——アノン。
その弟とみられる、まだ小さくシルクの腕の中にいる薄い青髪の小さな男の子、ルイ。
カノンとシルクの間に生まれた2つ違いの姉弟。
この二人が旅に出る、すこし昔の話でした。