二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケモン ◇置き去りのポケモンと声を聞く者◆ ( No.7 )
日時: 2012/11/23 12:13
名前: ライ ◆64PzB9jtgM (ID: o/R20Vhb)

第一ページ【図鑑をもらったんですけど…】


「ルイー、また本読んでるの? 森に行こーよ」


腕にポチエナを抱きながらルイの本だらけの部屋にいるアノン。

ルイは本から顔を上げずにつぶやくように言う。


「嫌…。暑いし…」


今は夏。空は青い空に雲が浮かんでいて、その間から太陽が出たり隠れたりしている。

アノンは、むぅ。と頬をふくらませてルイから本を取り上げる。

ポチエナはアノンが片手になり、バランスを崩して床に落ちる。綺麗に着地をしてルイの近くにいたチュリネを興味深そうに見つめる。



「外いかないと、これ返さないもんね! いいでしょ、バトルしよう?」



「はぁ…、ボクたちにはポケモンいないし、バトルしても楽しくない」


だから返せ。と、髪の隙間から見える目でアノンを見る。

アノンは、「ふふふ」と不気味に笑い。ウィンクする。


「ルイにはチュリネがいるし、私にはポチエナがいるじゃないのー!」


そう言うと、ルイの腕をつかみ外にでる。

ルイはもう、言い返すのもめんどくさそうにため息をつきアノンについていった。










「よーし、じゃあ、ポチエナ行っけー!」


街の広場である程度のスペースを取ってアノンはポチエナを前に出す。

ルイは眠たそうに、チュリネを前にだそうとした。



「ちょっと、ちょっと、アノンちゃん。ルイくん」

アノンの背後から声がする。


「ん?」

「……?」


チュリネとポチエナも不思議そうに声がした方を見る。





「今からバトル? 邪魔するようで悪いけど……今いいかしら?」



穏やかな笑みを浮かべる女性—————フローラ博士。

このルクールア地方ゆいつのポケモン博士。

フローラはふわふわの髪をゆらしながらノートを片手に微笑んでいる。


「あ…大丈夫です」

思わず、アノンは敬語で答える。

ルイも頷き、フローラは安心したように自分の研究所にアノンたちを案内する。





「ここでいいかしら。二人にはちょっとお願いがあるのよ」


アノンたちに背中を向けながらフローラは何かゴソゴソを箱の中を探っている。


「なんですか? 博士」

「ボクたちにお願いって……」

それには答えずそれから3分ほど、たってから突然振り返る。

手に持っているのは長方形の…本のしおりみたいな形の機械。



「これこれ! あなたたちにお願いっていうのはね、これに…ポケモン図鑑を埋めて欲しいの」


ふふふっと、優雅に笑う博士。


急に旅で出る、口実ができました。