二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- Wand of Fortune 虹色の幸福
- 日時: 2010/01/08 19:54
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
初めまして、日向といいます!!
初の夢小説なので、よろしくお願いします!!
※注意※
1:タメ&呼び捨てOKです。
2:駄目文&亀更新です。
3:オトメイトに興味がない方は結構です。
【目次】
主人公紹介 >>01
Prologue >>02
第0話 突然の出来事
>>03 >>04 >>05 >>06 >>07
よろしくお願いします!!
Page:1 2
- 第0話 突然の出来事 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/25 21:09
- 名前: 日向 (ID: QPMsskdF)
1時限目の数学。あたしはシャーペンを弄っていた。
(全く、つまらない説明を長々と・・・・・・、飽きないのかな?)
そう考えながら机の上に置いてあるペンダントを見た。
金色の円形のペンダント。六芒星のマークがあって、周りに不思議な文字。
どっかの小説に載っている魔法陣みたいな形をしていた。
昔のことを慕っていた所に、先生の声が聞こえた。
「特に山根。お前みたいに赤丸0点ばっかり取ってると———」
「顔まで赤くなっちゃうぞぅ〜〜〜〜〜〜??」
隣の岸田がからかい、どっと笑いの嵐を呼んだ。
からかい対象の山根は苦笑していた。
「先生!」
あたしは立ち上がって、数学先生である今川先生に声をかける。
「何ですか?」
「魔法使ってもいいですか?」
「魔法?」
そう不思議に首を傾げる今川先生を無視し、あたしは机の中にあった赤い絵の具を出して右手に満面なく出す。
そして。
「それっ!」
「うわぁっ!?」
赤い絵の具が付いた右手を岸田の顔につけた。遠めで見ていた咲たちは驚きながら笑っていた。
「な、何すんだよっ!?」
「中村!一体何を・・・うわぁっ!!?」
止めに来た今川先生の顔にも絵の具が付く。そして、近くにいた細木にも被害にあった。
「山根。安心してよ、皆真っ赤だよ。あははっ」
そう高笑いした瞬間、
リーン・・・
「っ!?」
突然耳に入った鈴の音に頭痛が走った。思わず頭を抱えたあたしに、岸田はあたしの机を見た瞬間。
「頂きっ!!」
机に置いてあったペンダントを岸田が奪い、その後ろに細木も一緒に走っていった。
「あ、ちょっと!こらっ!!」
あたしは急いで岸田たちを追いかけた。
授業中の為、別のクラスの人たちは野次馬のように騒いでいたけれど、そんなのは気にしなかった。
岸田たちが旧校舎の修繕途中の工事現場まで来た時。
「あんた達返さないと、バレンタインにチョコあげないよ!?」
そう言いながらあたしは細木の腕を掴む。
捕まえたと思った瞬間、
リーン・・・
「痛っ!?」
さっきの鈴の音があたしの頭を痛くさせた。それも、最初よりも少し痛く。
「何なのよ、これ!」
そう文句を言いながらあたしはまた走り出した。
岸田たちを追い詰めたのは工事現場のギリギリの所。
下は崖になっており、落ちたら一溜まりもない場所。
「ちょっと、こら!」
岸田たちは崖近くまで来て、
「返してほければ、皆に謝れ!」
右手にペンダントを持ちながら謝罪要求する岸田に、あたしは無視しながら近づく。
「ったく、謝るのはあんた達のほうでしょ?!」
そう言いながら、岸田が上に上げている右腕に手を伸ばしながら無理矢理返そうとする。
(あれは、お母さんの形見。命より大事な大切な宝物。あたしの、【幸福】を取り戻さないと・・・!)
そう思いながらペンダントに手を伸ばす。
「オイ、危ねぇって」
岸田の声を上げた。その時。
「「「あっ!」」」
岸田が持っていたペンダントを落としてしまい、あたしと岸田たちは声を上げる。
あたしは、反射でペンダントに手を伸ばして上手く取った瞬間。
「「あぁっ!!」」
あたしは足を滑らしてしまい、ペンダントを持ったまま落ちてしまう。
「・・・っ!!」
あたしは目をギュッと瞑って、大声で叫んだ。
「わぁあああああああああ」
もう死ぬんだ、と思った瞬間。
リーン・・・
あの鈴の音があたしの耳に入った瞬間、あたしは意識を手放した。
二人の少年は、工事現場で呆然と立ち尽くしていた。
「オ、オイ」
「き、消えた・・・。消えちゃったよっ!!」
一人の少年、岸田はそう驚きの声を上げた。
先程まで悪戯をした少女のペンダントを奪って、取り戻そうとしてペンダントと一緒に落ちてしまった少女が、
まるでしゃぼん玉の様に———・・・消えてしまったから。
- 第0話 突然の出来事 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/06 15:03
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
さわさわ、と風が木の葉が耳に入る。
音に導かれて意識がぼんやりとしながら戻る。
「・・・ん・・・?」
あたしの目に入ったのは晴れ晴れしい青い空と白い雲、そして活き活きとした木の葉。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
数秒くらい思考停止して、あたしは勢いよく上体を起こす。
(えっ!?あたし・・・、生きて——)
ズキッ
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!?」
勢いよく起こした所為か、頭に酷い頭痛が走る。
「いたた・・・、それにしても・・・・・・ここ、何処?」
右手にしっかり握ったペンダントを首に提げながら、立ち上がる。
眼前に広がるエメラルドグリーンの湖と一帯の森。
何処かの外国でしか見られない景色。
回りを見渡している時、少し離れた先に見えるものにあたしは絶句した。
「・・・・・・あれ、お城・・・・・・?」
あたしが目にした物は青い屋根をした城が見えた。
かなり昔に建てられた城みたいだけど、あたしはそれを唖然と見ていた。
「な、何なのよ、これ・・・・・・」
あの城を目にして、あたしは足から力を向けてそのまま座り込む。
いきなり過ぎる事で混乱していた頭を少し落ち着かせようと、起こったことを振り返ろうとした。
「落ち着け、あたし。これまでの事を振り返ろっか。何で、あたしはこんな所にいるんだっけ?」
「さぁ?どうしてかな?」
「どうしてって・・・先生のつまらない授業を聞いてて・・・」
「うんうん」
「それで、少し悪戯したら男子が怒って、あたしのペンダント奪われて・・・」
「それで?」
「あたしは追いかけて返そうとしたら、足を滑らせて工事現場から落ちちゃって・・・」
「それは災難だったね。で?」
「その後、音を・・・というか、授業中に聞こえていた鈴の音をまた聞いて・・・」
「で、その音に反応して、ここにいた、と」
「そうそう。・・・・・・・・・・・・・・・ん?」
「ん?」
自問自答して訳ではない。
誰かが質問していたから答えただけ。・・・え?もしかして、誰かいるの!?
自分以外の声に気付いて振り返れば、そこにはダーコイズブルーの髪とラズペリーピンクの瞳をもした青年が、あたしと目線を合わせる様にしゃがみ込んでいた。
呆然と青年を見ていたあたしの視線を絡み合うと、青年がにっこりと微笑み、あたしに問いかけてきた。
「君、こんな所で何をしてるのかな?」
「・・・・・・そんなの、あたしが知りたいよ」
青年の質問に、あたしはそう答えた。
- 第0話 突然の出来事 ( No.6 )
- 日時: 2010/01/06 15:46
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
恨めしいくらいに冷静に働く頭にため息を付いた後、あたしは立ち上がれば、青年も合わせて立ち上がる。
女にしては少し背が高いあたしより、青年のほうが少し高かった。
これは男女の差なのかもしれない。・・・・・・あ、何かムカついてきた。
「それより、あんた誰なの?いきなり現れてさ・・・・・・」
「誰、なんてつれないね。俺だよ、アルバロ。覚えてない?」
「見たこともないし、会ったこともないし、聞いたこともないし、喋ったこともない人に言う台詞?それ。そもそも初対面でしょ、あんた」
「はははっ!君、なかなか面白いね」
どこが面白いんだが・・・、と言いたげな目を送れば、アルバロと名乗った青年は苦笑しながら参ったというように両手をあげた。
ひしきりに笑うと、アルバロは先程と同じ笑顔で問いかけた。
「で、君の名前は?」
「・・・・・・中村リク・・・・・・」
脱線した会話にあたしは呆れ半分で渋々と名乗る。
すると、アルバロは難しそうに眉間に皺を寄せて困ったような顔をする。
「聞き慣れない響きだね。どこから来たの?」
「どこって・・・・・・日本だけど・・・・・・」
素直に返したけれど、それが逆にアルバロを困らせてしまったらしい。
さっきよりも眉間の皺を深くさせて、口元に手を当てて何かを考える様に黙ってしまう。
困ったあたしは、脳内で考え事をする。
(・・・・・・どうしよう。あれ?そういえば、スカートの中にケータイが入っていたような・・・・・・)
そう思いながらごそごそとポケットを探ると、向日葵柄にプリントされたケータイを取り出した。
開いて、ケータイのディスプレイを見ると【圏外】の文字が浮かび上がっていた。
(・・・・・・・・・・・・・・・え?)
血の気を引いたあたしは、慌てて電話を掛けた。
すると、プープーと発信がしていなかった。メールも試したが、エラー表示になってしまう。
何度も何度も試したが結果は変わらなかった。
「ああもう!!」
「・・・・・・何やってるの?」
苛立ってわしわしと頭を掻くあたしに、アルバロは呆れた視線を送る。
「見て分かんないの?連絡手段とか色々やってたの」
「へぇ・・・。そんな小さい物で連絡手段が使えるんだ?」
「まぁね。でも、使えなかった」
そういいながら、パチンとケータイを閉めてポケットの中に入れる。
「・・・で?何か思いついたことがあったの?」
そう問うと、アルバロは満足そうに笑う。
「・・・鋭いね。とりあえず、俺と一緒に来てくれる?」
「・・・・・・分かった」
そう返事した後、あたしは先に歩くアルバロの後ろを歩いていった。
- 第0話 突然の出来事 ( No.7 )
- 日時: 2010/01/08 19:44
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
アルバロの後をついて行くと、湖の周りに広がる森を抜ければ、目の前には湖から見えていた城。
此処に来たばかりのあたしに、アルバロは歩きながら説明してくれた。
ここは、世界の魔法を管理する魔法都市ラティウムの中心にある学校、ミルス・クレア魔法院。
世界中の魔法士を目指す者たちの憧れであり、名門の魔法学校。
あの城はすでに500年も前に建てられており、建築を重ねている為昔の面影もないが、昔の不思議な力が眠って居るらしい。
また、魔法院には世界中から集まった優秀な実力者と個性溢れる生徒も多く、変り種も少なくは無い。その為、彼にとっては神秘の宝庫でもあり、退屈しない刺激的な場所らしい。・・・・・・そんなのはどうでもいいが。
アルバロの説明を聞きながら城壁辺りまで来るとあたしは、珍しい眺めに周りをキョロキョロする。
その時、ボフッと誰かにぶつかった。
「あ、ごめん・・・・・・・・・」
慌てて一歩退いて前を見れば、そこにはふよふよと力無く浮く小さい赤い生物。
それはギロリとあたしを睨んだが、見た目が可愛い所為であまり迫力が無かった。
て言うか、これは一体なんだろう・・・・・・?そう不思議に思っていると、
「・・・・・・なんだよ」
「あ、いや・・・・・・・・」
グウゥゥ〜〜〜・・・
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
赤い生き物の問いかけにあたしは言葉を繋げようとしたが、まるであたしの言葉を遮るように盛大に大きな腹の虫が鳴った。
何事かと思ってアルバロに視線を投げると、彼はニコニコと笑いながら目の前の赤い生き物に指差す。
それに合わせて視線をやると、赤い生き物は段々と高度を下げていく。
「・・・・・・・・・おっと」
地面に付く直前で赤い生き物を抱き上げる、が。
「なっ!?オイ、コラ放せ!!燃やすぞ、てめー!」
「えぇっ!?ちょ、暴れないでよ!!」
せっかく抱き上げてあげたのに、何故か赤い生き物はじたばたと暴れだす。
しかし、タイミングよく腹の虫が鳴った途端、赤い生き物は少しずつ力を失くしていく。
「チクショー・・・、てめえの所為で余計な力使っちまったじゃねーか・・・」
「いや、それは違うでしょ。何勝手に責任転嫁してんの?」
まるであたしの所為だと言いたげな目で睨む赤い生き物の言葉にあたしはツッコミする。
そのまま視線を下に下ろす赤い生き物を見て、あたしは少し考え事をする。
(見た目からして、トカゲはまずあり得ないよね。だとしたら、これは・・・・・・)
そう思って、あたしは前にいるアルバロに声をかける。
「ねぇ、アルバロ。このドラゴンに何か食べさせてあげたいんだけど・・・・・・」
「そう言うと思ってたよ。じゃあ、食堂に案内してあげる。」
最初から分かっていたアルバロはこっちにおいで、と手招きをしながら歩き出す。
あたしは腕の中でドラゴンを落とさないようにしっかり抱きしめてついて行く。
歩き出すと、大人しかった腕の中のドラゴンに視線を投げられる。
不思議に思って、あたしは視線を落とすと、バッチリ目が合う。
「どうしたの?」
「いや・・・。何で、俺がドラゴンだって分かったんだ?初対面のやつらは、俺のこと火トカゲとか言うのによ・・・・・・」
視線を地面に落とすドラゴンに、あたしは笑みを作って頭を撫でる。
「何言ってんのよ。確かに体は小さいけど、どっからどう見ても立派なドラゴンでしょ?間違えたりしないよ。・・・・・・少なくとも、あたしは、ね」
自身を持て!と笑顔を向けると、ドラゴンは赤い体でも分かる程顔を赤くしてそっぽを向く。
(・・・あれ?あたし、何か変な事言ったかな?本当のことしか言ってないけどなぁ・・・・・・)
その様子にあたしは首を傾げながら、そのまま歩き続けた。
前を歩くアルバロが笑いを堪える様に口元を手で覆っていた事を知らないまま。
- 第0話 突然の出来事 ( No.8 )
- 日時: 2010/01/11 17:50
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
ガツガツガツガツ。ガチャガチャガチャガチャ。
「よく食べるね・・・・・・」
料理が乗ったお皿を持ってきて、思わず唖然となる。
あたし達以外誰もいない食堂には、食べる音と食器がぶつかる音しか響いていなかった。
「ラギ、まだ食べるの?」
「あぁ!こんな美味い飯は久し振りだぜ!」
その小さな体に大量に作った料理が一体何処に入るのかと疑いたい位に食べ続けるラギに新しく作った料理を机に置いて、また厨房に戻る。
ここに来る途中、あたしはドラゴン——ラギについて教えて貰った。
ラギはハーフドラゴンで、普段は人間の姿をしている。しかし、どう言う理由か2年前に女の子に過剰に接触してしまうと、さっきのドラゴン姿になり、体力が消耗して空腹になってしまう。
あたしとぶつかった時は、既にドラゴン化になっており、いつもの様に食べ物を探していた途中だったらしい。
だから、あたしが抱き上げた時にあんなに抵抗していたのが分かった気がする。
「お待たせー!あ、やっと戻ったんだ!」
「あぁ。悪ぃな、面倒かけちまって・・・・・・」
厨房から戻ると、さっきまであったドラゴン姿は無く、代わりに赤い髪をした少年の姿があった。これが本来のラギの姿だと思う。
新しく作った料理をラギの前に置くと、ラギは目を輝かせてがっつく。それを見てあたしは苦笑しながら向かいの席に座った。
すると、さっきまでつまんなさそうにしていたアルバロが話しかけてきた。
「いやー、リクちゃんって面倒見がいいね」
「そうかな?普通だと思うんだけど・・・・・・」
「だって、空腹状態のラギくんを手懐けるなんて、俺だって真似できないよ」
「いや、手懐けるって・・・ラギは動物じゃないし・・・・・・」
「? お前ら、何話してんだ?」
「えっ!?いや、何でもないよ!」
どうやらさっきまで料理に夢中だったラギの耳に届いたらしく、あたしは慌てて言う。すると、アルバロがわざとらしく声をあげた。
「そうそう。リクちゃん、後で先生達のところに行くから覚えておいて」
「了解。あ、もしかして、さっき案内してた場所って・・・」
「そう。先生達のところ」
そりゃそうだよね。生徒でもないあたしがその辺をフラフラしてたら怪しまれるし、当然の対処だよね。
「なんだ?お前、転入生かなんか?」
「まぁ、そんなところ・・・・・・かな?」
「何だよ、その曖昧な答えは・・・・・・」
料理を食べ終わったラギに曖昧な笑いを返す。その間に食器を片付ける人形を見る。
彼は【ショコラプーぺ】と言う土人形で、同じ土くれから作られたショコラプーぺは意思が共有し、同じ顔をしている。
この魔法院の雑用から生徒達の世話係までしている。所謂ゴーレムと同じらしい。
そんなショコラプーぺを見ながらあたしは席を立つ。
「さてと。じゃ、アルバロそろそろ行こっか」
「あれ?もう行くの?もう少しゆっくりしてれば?」
「生憎、時間は無駄にしたくない性質なんで」
ほら、とアルバロの腕を掴み無理矢理立たせようとすると、彼は観念したようにゆっくりと歩き出した。
「・・・・・・なぁ、お前名前は?」
かけられた声に振り向いてラギを見て、まだ名乗ってないことを思い出した。
「中村リク。リクが名前ね」
アルバロが聞き慣れない響きだと言っていた事を思い出して、分かりやすいように名乗る。
アルバロは間違えてないらしいけど、その先間違えられる可能性があるかもしれない。
ラギに手を振り、食堂を後にする。あたしは次に向かう場所、学長室に向かって歩き出した。
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