二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- チャオアドベンチャー
- 日時: 2010/01/03 15:12
- 名前: 緋那乃 ◆BKAzd0w7uU (ID: xYsyTAw0)
- 参照: http://www.tyao.adobentya/sonikku/hinano
リニューアルしました!
もっと更新できるように精進しますので
よろしくお願いします!!
キャラ設定↓(多少変更あり)
チャイス:主人公。15歳 トレジャーハンター 男
気さくで正義感が強い。金目の物には目が無い。
武器は剣。
チャクナ:14歳 草魔道士 女
気弱で少し対人恐怖症ぎみ。予言ができる
武器は草魔法。
チャイ:15歳 槍使い 女
気が強く地獄耳。チャイスと幼なじみ
他人の恋話が大好き
武器は槍
チャナ:13歳 シスター 女
活発でわがまま。エルミール教会のシスター
杖で傷を癒すことができる
チャウス:15歳 氷魔道士 男
真面目な性格。暑いのは苦手。
武器は氷魔法
チャコル:16歳 幻術士 男
基本的無口。人とあまり関わりたがらない
妹には逆らえない
武器は幻術と炎魔法。(まだあるかも)
チャコロ:14歳 幻術士 女
おとなしい性格。怒ると怖い。兄想い
チャコルの妹
武器は幻術
Page:1 2
- Re: チャオアドベンチャー ( No.1 )
- 日時: 2010/01/03 15:22
- 名前: 緋那乃 ◆BKAzd0w7uU (ID: xYsyTAw0)
- 参照: http://www.tyao.adobentya/sonikku/hinano
今までの話↓
◆第一話◆ 始まりの少女
ここはチャオ島。そこは人間も知らない島。
そこではチャオという生物が人間と変わらない生活をしている
そんな島で一人、町の路地裏で走る少女がいた・・・
『はぁ、はぁ、はぁっ・・・!』
『あっちにいったぞ!追え!』
『っ・・・!』
捕まるものかと華奢な体に残っている力を振り絞って懸命に走る少女。知らない男が3人追ってきている
どれくらいの差があるか確認するために後ろを向いたそのとき、
どんっ!
『ふぇ!?』
『んっ?』
目の前に見知らぬ同い年くらいに見える少年が立っていた
今作の主人公、チャイスである
『あ、えっとすまねぇ、大丈夫か?』
すまなそうな顔を少女に向けるチャイス
が、何か誤解されているのか、少女はおびえた顔を向けてくる
『いたぞ!さっさと捕まえろ!』
さっきの3人組が追いついてくる
《こいつ・・・追われてるのか・・・?》
『さ〜、観念しな嬢ちゃん。鬼ごっこは終わりだぜ』
『嫌っ・・・助けっ・・・!』
何となく状況を掴んだチャイス
『下がって』
そう言うと少女の前にすっと移動する
『えっ・・・あ、はい・・・』
チャイスの思いがけない行動に戸惑いを見せる少女
『何だお前は!俺たちは後ろの嬢ちゃんに用があんだよ、そこどきやがれ!』
『嫌だね、誰がそんな団子3兄弟みたいに連れ添ってる奴の言うこと聞かなきゃいけねーんだよ』
『だっ・・団子3兄弟!?・・・へっ、ガキのくせになめてくれんじゃねーか。おい、お前らあのガキしめてこい。二度と生意気なこといえねぇようにしてやれ』
リーダー格の男が言うと残りの2人がこっちに向かってきた
『おっ、やんのか?子供だからって舐めてたら怪我するぜ』
2人組に応戦するため剣を取り出すチャイス
“出る”という漢字を逆さまにしたような、不思議な形の剣だった
『おらっ!』
剣の一振りで一気に二人組をなぎ倒すチャイス
『こっこいつ・・・強い・・・!?』
粋がっていた3人組の顔が一気に青ざめる
『いっ・・・一端引き上げるぞ!!』
台詞と共に慌てて逃げていく3人
『へっ、口ほどにもねぇ奴らだな』
剣をしまうと、後ろで怯えている少女に声をかける
『おい、大丈夫か・・・』
少女に触れようとした瞬間、
『嫌っ!!触らないでっ!!』
『え!?』
いきなり叫ばれて驚くチャイス。
《何か悪いことでもしちまったのかな・・・?》
『どうせ・・・彼方も私の力が欲しいだけなのでしょう・・・?だから私を助けたのでしょう・・・?もう・・・騙されませんからっ・・・!』
どうやらさっきとは別の悪い奴だと勘違いされているようだ
『そうか・・・お前今までそんな事されてきたんだな・・・大丈夫、俺はあんな奴らとは何の関係もないよ』
安心させるため精一杯の笑顔で言うチャイス
『ほ・・・んと・・う?』
『あぁ、・・・もしかしてお前、いつもこんな風に追われてるのか?』
『え・・・えぇ・・・まぁ・・・』
『そうか・・・だったら俺が守る!な、良いだろ?』
『えっ・・・本当・・・ですか・・?
・・・・・ありがとうございます・・・!私、こんな風に接してくれた人・・・はじめて・・・です・・』
『お前、名前は?』
『チャクナ・・・です・・』
『俺はチャイス、よろしくな』
『はい!よろしくお願いします!』
チャクナは初めてチャイスに笑顔を向けた
◆第一話◆ 終
◆第二話◆ 予言
『で、何で追われてるんだ?』
さっきから気になっていたことだった
見たところは何の変哲もない・・・むしろかわいいとも思える少女なのだから尚更だ
『それは・・・私の力を狙っているのだと思います』
『へぇ!どんなのなんだ?』
興味津々で目を輝かせてチャクナを見るチャイス
『あの・・・予言・・なんです・・見せましょうか・・・?』
と言うと、何やら気を集中させ始めた
『あ・・もうすぐ・・・雨が・・・降ります』
『えっ?』
ちなみに、今日の天気予報は一日中晴れ、空にも雲一つ見あたらない
チャイスはそのことを言おうとした
が・・・・
ぽつっ
『んっ!?』
何かが頭に当たった
後からその数はどんどん増していった
ザアァァァァァァァァァ・・・
『おぁ!?ぁ・・雨!?』
『ね?当たるでしょう?』
雨に濡れながらこっちを向いて微笑むチャクナ
どこか得意げに見える
『すげぇな・・・ってこんな事してる場合じゃねぇ!早く雨宿りしないと!!』
『あ、慌てなくてもすぐ止みま・・ひゃぅあ?!』
話など聞いてないとばかりにチャクナの右手をいきなりつかみ、雨宿りできそうな家の屋根の下まで引っ張って行った
『す・・すみません・・有り難うございます・・・』
『いいって、気にすんな』
チャクナの方を向くと、なぜか目を逸らされた
《いきなり引っ張ったのはさすがにまずかったかな・・・;》
チャクナは胸の前で右手を左手で包み込む様にして押さえ、頬を赤くして俯いた
気がつけば雨はすっかり止んでいた
『あの・・・お願いがあるんです・・』
真剣な顔を向けてくるチャクナ
『実は、私は今”水晶玉”という物を探しているんです・・・それで、それを探すのを手伝ってくれませんか・・?私一人ではとても・・・難しくて・・・』
不安そうな目を向けてくる
もちろん言うべき言葉は一つだ
『分かった!手伝うよ』
『ほっ・・・本当ですかっ!?』
うれしそうな顔を見て少し安心するチャイス
《これでさっきのはチャラになったよな・・・》
さっきのことをまだ気にしていたチャイスだった
『じゃあまずはその方法だな・・・今のところ何か分かってることはあるのか?』
『いえ・・・特に何も・・・ただ、予言で”図書館”・・・と出ているくらいでしょうか・・・』
『図書館・・・?そう言えばこの近くに図書館があった様な・・・よし!行ってみようぜ!』
『あっ・・はっはいっ!』
チャクナはこの急な展開に驚きながらも、少し楽しくなりそうだなと思ってしまうのだった
入り組んだ町中を歩いていくと、図書館を発見することができた。それほど大きくない町には不釣り合いなほど大きい図書館だった
『さてと、この中から探すのかぁ・・・』
中に入ると外から見たより広く感じる
この中から探すとなるとさすがに気が滅入ってしまいそうだ
『とっ・・とりあえず手分けして探しましょう・・』
二人はとりあえず見あたる棚を片っ端から見て回ることにした
『しっかしこの図書館いつ来ても無駄に棚が高いんだよなぁ・・・』
その無駄に高い棚を見上げるチャイス
目的の物が上の方にあっても困るので、ジャンプをしてできるだけ上の方に手を伸ばすが、勢い余って棚に足をぶつけてしまった
『痛っっっっっっ!!』
足を見るためしゃがみ込んだそのとき、
ずどどどどぉぉっ
『わ〜〜〜〜〜〜っ!?』
すさまじい音と共に本が大量に落ちてきた
さっき足をぶつけて本棚を揺らしたのが原因だろう
しゃがんだ所をナイスタイミングで大量の本が落ちてきたのでチャイスは本に生き埋めにされてしまった
『ぷはっ・・・ったくひどいめにあっt!?』
やっとの事で本から抜けようとしたチャイスにさらなる悲劇が襲った
ゴッ!!
さっきの衝撃で落ちきれなかった一冊の本がチャイスの頭に降ってきた
『って・・・ったく俺に何の恨みがあんだよ・・・』
本棚の仕返しにあったチャイスは何気なく今さっき自分の頭に落ちてきた本を手に取ってみた
すると・・・
『ん・・・?これは・・・!』
『ちょっと何の騒ぎ!?』
声のする方を見上げると、さっきの騒音を聞きつけた図書館の館長が立っていた
『あっ!お前・・・!』
◆第二話◆ 終
◆第三話◆ 行き先
『あら、何か聞き覚えのある声だと思ったらあんただったのね?』
『・・・チャッ・・・チャイ・・・!』
チャイはこの図書館の館長
チャイスにとっては幼なじみであり、一番恐れるべき存在である
『ちっ・・・ちがうんだ、これはだな、その、高いところの本を取ろうとして・・・』
『言い訳するならまずこの散らかった本を何とかしてからにしなさい!!』
彼の言い訳もあっさり途中で中断させられ、チャイの鬼のような形相にしょうがなく従うことにした
『だいたい、あそこに台があるんだから使えばいいじゃないの』
と言うとチャイはすぐ近くの棚のそばにある台を指さした
『えぇ!?』
《何だあったのかよ・・・》
今気づいた様子のチャイスに正直ため息がつきたくなったチャイだった
『あの・・・大丈夫でしたか・・・?』
さっきの音を聞きつけ一足遅くチャクナが駆けつけてきた
『あら、見ない顔ねどちら様?』
『あぁ、こいつはチャクナ、俺の友達だ』
何の躊躇もなくさらっと言うチャイス
『とっ・・友達・・・』
チャクナは驚いた様子で顔を赤くする
『えっ、嫌か?』
『いえ!・・・・嬉しい・・・です・・!』
次の瞬間キラーン☆とでも効果音をつけたくなる様なあるセンサーが発動した
『はっはーん、なるほどねぇ♪』
とだけ言うとチャイはチャクナの背中を押し、チャイスには話し声が聞こえないくらいの距離を取った
そして一言
『あんたチャイスに惚れたな?』
『ふぇ!?』
思いっきり不意を突かれた
『どっ・・どうして・・』
戸惑いを隠せないチャクナ
『私そういうの得意なの♪』
さっきの鬼のような形相とは想像がつかないほどの笑みを浮かべるチャイ
・・・・楽しそうだ
『やだ、心配しなくても良いわよ!あいつは幼なじみだけどそんなありがちなこと全く持って思ってないから☆ていうかむしろ応援するわ!』
ありがちってどういうことだ・・・?とつっこみたくなる一言をはくチャイ
『えっえぇ・・・あ、ありがとうございます・・?』
何がなんだか混乱するチャクナだった
『お〜い、さっきから何話てんだよ〜!俺も混ぜ』
ずごんっ!!
『あんたはまだ片付けの途中でしょうが!さぼらずさっさとやる!!!』
けっこうの距離があったにもかかわらずマッハのスピードでチャイスに鉄拳を食らわすチャイ
『いって!良いだろちょっとくらい!!』
目に涙を浮かべながら反論するチャイス
まさか自分の名前が二人の恋バナに出てくるとは夢にも思ってないだろう
『はぁ・・・全くあんたって奴は・・・チャクナちゃん、こんなののどこがいいの?』
『あっチャイス様、私も手伝います!』
てきとーにはぐらかすことにしたチャクナだった
『あ、そうだ忘れてた!チャクナ、良い本見つかったぞ!!』
本を片付け切る前に、チャイスは思い出したように一冊の本を差し出した
それを机の上に置き、あるページを開いた
そのページには何やら古くさい紙が挟まっていた
『これ、水晶玉がある場所の地図じゃないか?』
紙を広げて見せる
『わぁ・・!本当ですね!予言はこのことを指していたんですね!!』
嬉しさのあまり手を組み合って喜び合う二人
『じゃまするようで悪いけど、いったい何の話?』
はっと我に返ったチャクナが慌ててチャイスの手を離す
『あぁ、俺たち”水晶玉”って言うのを探してるんだよ』
『ふーん?それもトレジャーハンターの仕事なの?』
『へ?あ、いやそうじゃない・・・人助けだよ』
何と言っていいか言葉に詰まるチャイス
『へぇ!あんたが金以外のことで旅するなんて珍しいわね』
冗談ではなく本気で驚いている様子
『あのなぁ!俺はそんな人でなしじゃねーの!!』
『そうです!!チャイス様は優しい人です!!』
一同沈黙。
『えっ』
『はぇ・・・!』
普段叫ぶなんてありえなそうなチャクナが叫んだ事により一同沈黙
チャクナは慌てて両手で口を押さえた
てゆーかお前らここが図書館だって事忘れてないか・・・?
『すっ・・すみません私・・』
自分でも予想がつかなかった自分の行動に戸惑うチャクナ
すると
ぽんっ
『ありがとな、チャクナ』
チャクナの頭に手を乗せるチャイス
『!!?っ』
チャクナの頭から今にも煙が出そうだ
チャイスって意外と天然たらしなのかも、とチャイはニヤニヤしながらその様子を観察していた
『さて、それじゃあ早速地図に載ってる所にいこうぜ!』
と、チャイスが踏み出そうとした瞬間
『ちょーっとまったぁ!!』
チャイがいきなり叫ぶ
『なんだよ!?』
『私も連れてきなさい!』
『は!?』
突然の申し出に驚くチャイス
『つれてけってお前、図書館どうすんだよ!』
『あんなものどうにだってなるわよ!』
自分の図書館をあんな物扱いにするチャイ
『いいからつれてきなさい!いいわね!!』
『しょうがねぇなぁ、良いよなチャクナ?』
『はい!、もちろんです』
新しいメンバーが増え、喜ぶチャクナ
『チャクナちゃんの恋もちゃんと見とどけなきゃだしね!』
『もうっ!チャイさんったら・・・』
『あ、それと、まだ片付け終わってなかったわよね?』
『あ』
《嫌な予感が》
『おらさっさとやれっ!!』
がすっ!
チャイスを蹴るチャイ
『いってぇ!ちょっとはお前も手伝えよ!!』
『だめよ、あんたがやったんだから責任取りなさい!』
『・・・ちっ、このケチ女め』
細心の注意を払ってささやいたつもりだったが、
『はい?あんたさっき何か言いました〜?何かケチ女って聞こえたんだけど!?』
チャイの地獄耳には効かなかったようだ
『いえ!なんでもありません!!』
チャイスの作業の手が速くなった
《これから先の旅が思いやられる・・・》
悩みの種が増えたチャイスだった
第三話 終
◆第四話◆ 氷山
『さっっっっっむ!!!』
チャイスが半袖にもかかわらず袖から手を引っ込めて震えている
『半袖でくるあんたが悪いんでしょ』
『だってこれしか持ってきてねーんだもん』
チャイス達は地図に書いてある最初の場所、エルミール氷山というところに来ていた
寒がるのも無理はない
『だあっもう寒いわ歩きにくいわ最悪だぁっ!』
チャイスは寒いのはあまり得意ではないらしい
『あぁもう、さっきからうだうだとうるさいわね・・・あれ?チャクナちゃんどうかした?』
さっきからぼんやりと空を見ているチャクナ
『ふ・・・き・・』
『え?』
チャクナが何かをつぶやいた
『吹雪・・・になります・・・』
『えっ・・・どういう・・』
突然のチャクナの呟きを聞き、戸惑う
『おっ?チャクナの予言か?』
チャイスはなんだか楽しんでるようだ
『予言?まっさかそんなこと・・』
チャイはどうやら信じていない様子
『当たるんだぜ?チャクナの予言は』
といった瞬間!
ひゅるうぅぅぅ・・・・
『な・・・なんか風が・・・?』
ごぉおおぉぉおおおぉおおおっ!!
『吹雪だぁぁぁぁ!!!?』
突如暴風と共に雪が舞い上がっていく
『な?当たるだろ?』
こんな状況にもかかわらず素っ頓狂なことを言ってくるチャイス
『んなこと言ってる場合かぁ!!!どうすんのよ!!』
『とっとりあえず家を探しましょうっ!』
向かい風に雪もプラスされて顔やら服やらもう誰が誰だか分からなくなってしまう位に体を雪まみれにしている三人、そしてようやく
『あっ!あれ!』
チャイが指さす方にうっすらと建物が見えた
『・・・家・・?』
ただの家と言うにはとても立派な作りだ
『とりあえず誰かいるかいってみようぜ!』
近づいてみると、そこには”エルミール教会”という表札があった。どうやら教会だったらしい
『すいませ〜ん!だれかいませんか〜!!』
早くこの状態から抜け出したいチャイスは一目散に門の前へ、
『あ〜もうめんどくさいな・・・どちらさん?』
中から女の子が出てきた。水色のローブを着ている
教会の人とは思えない一言が聞こえたような気がするがあえて気にしないでおこう
『あの〜すいません。吹雪が止むまでいれてくれませんか?止んだらすぐ出て行きますんで』
早く入りたいチャイスは早口で言った
『だってさ』
女の子は後ろを向いて誰かと話している様子
『いいって、どうぞ〜』
扉を開いてくれた
『おっじゃましまーす!』
やっと助かったとばかりにはしゃぐチャイス
『こら、人様の家ではしゃがないの!!』
『こんな所までお客様なんて珍しいですね』
部屋の奥から女性が出てきた。さっき女の子と話していた人だろう
『あっおじゃましてます』
『ゆっくりしていって下さいね』
さっきの子とは正反対でシスターらしい人だ
『ねぇ、ついでに水晶玉のことも聞いてみたらど
う?ここに住んでるんだから何か知ってるでしょう』
というわけで聞いてみることにした
『あの・・・すみません・・・』
『ん?なに?』
さっきの女の子だ
『水晶玉がこの辺にあるって聞いたんですけど、何か知りませんか・・?』
『水晶玉!?何で知ってるの!?』
女の子はとても驚いている。そんなに知られてはいけないことなのだろうか
『何か知ってるんですか?』
『う〜ん・・・ほんとはおしえちゃだめなんだけど・・・もう知ってるなら良いか・・・』
何か知っているらしい
『あのねぇ・・・』
◆第四話◆ 終
◆第五話◆ シスター
バコッ!
『あいったぁ!!』
突然杖でぶたれる女の子、後ろにはさっきのシスターが立っていた。さっきの優しそうな様子とは全く違っている
『チャナ・・・?だめでしょう?そのことを口にしては・・・・』
落ち着いた口調でにっこりと笑っているが明らかに殺気が漂っている
『はいぃっ!!ゴメンナサイッ!』
これにはさすがに逆らえないだろう
『そうですか・・・あなたたちの話は聞かせてもらいました。あれはとても貴重な物です。なのでそこには必ず番人とその使い魔、そして試練が待ち受けているといいます。・・・それでも行くというのですか?』
『ばっ、番人!?』
まさかそんなに貴重な物だったとは思ってもいなかった。それにそんなに手に入れるのが難しいなんて・・・
『おもしろそうじゃねぇか!』
チャイスのトレジャーハンター魂に火がついた
『そんな苦労して手に入れる物だったら売れば何百万、何千万・・・いや、一お』
ばっしいぃぃっ!
・・・チャイの激しいツッコミ・・・改め張り手が炸裂した
『売らないの!!!』
『じょ・・・冗談だって・・・』
痛みに耐えきれず床にうずくまるチャイス
『で?どうすんの?行くの?』
『行くさ、チャクナの為だしな』
最初から迷いなんてあるはずが無かった
『ですがっ・・・私なんかの為に・・・皆さんを危ない目に遭わせるなんて・・・私・・・』
チャクナが俯く
『心配するなって!何があってもいざとなったら俺が二人を守ってやるからさ』
『あら、私は馬鹿チャイスなんかの守りなんていらないわよ。だいたいあんたなんかに守ってもらうなんて槍使いの恥だわ』
『あーそうですか、いいぜ俺はチャクナを守るから。せいぜい頑張れよ』
と言うとチャイスはチャクナの肩を引き寄せる
『なっ!』
『はっ・・はいっ・・!』
チャイスの天然たらしが炸裂したところでニヤニヤしている人物が一名いる事は言うまでもない
『・・・そうですか、行くのですね・・・良いでしょう・・・チャナ』
『なに?』
『その場所まで案内して差し上げなさい』
『えー、やだぁめんどくさーい』
『案内して差し上げて・・・?』
にっこりとしながらシスターが言う
『はいっ、それでは皆さん行きましょー!!』
女の子・・・チャナは態度を急変させた
外に出てみるともう吹雪は止んでいた
さすがに雪道は慣れているのか、チャナはすたすたと先に行ってしまう
『おっ、おいっ!・・・チャナ・・・だっけか?・・・もっと遅く行ってくれよ!』
既に15メートル位の差がついていた
『んもうっ何でそんな遅いの!?早く早くっ!!』
『早くって言われてもな・・・;』
雪に足が取られて上手く歩けない
『もーっ、めんどくさいから早く終わらせたいのに・・・そうだ!』
チャナはどこからかバックを取り出し、ごそごそと中を探り始める
『・・・あった!じゃーん!ワープロッド〜!!』
何やら怪しげな杖を取り出したチャナ
『これ使えば一気に頂上までワープできるよ!』
『そんな便利なもんあるなら最初っから使いなさいよ!!』
『え〜、だってこれ魔力使うから疲れるんだも〜ん☆』
てへっvVと舌を出すチャナ
こいつ大丈夫なんだろうか・・・;
『じゃーいくよー・・・えいっ!』
チャナが杖を掲げると、あっという間に光に包まれ、いつの間にか頂上らしき場所へ着いていた
『はい、着いたよ〜』
周りを見渡すと、殺風景な雪原の中に祠らしき物がぽつんと立っていた
『あそこ?』
『うん、じゃ、案内したしあたし帰るね〜』
『『ちょっとまったぁ!!』』
同時にチャナの肩を掴むチャイスとチャイ。かなり必死だ
『何よぉまだなんかあんの?いいじゃん帰らせてよ〜』
『ワープしてきたんだからあんたがいないと帰り道わかんないじゃないの!』
『俺たちを遭難させる気か!!』
『む〜っ、しょうがないなあ〜』
帰りの手段を確保したところで、早速祠の方へ向かう。
『あ・・・・!』
チャクナの足が止まった
『どうしたチャクナ!?』
『・・・何か・・・来ます・・・!!』
◆第五話◆ 終
◆第六話◆ 氷
突然、雪を交えた強い風が吹いた
耐えきれず一瞬目を閉じ、風が止んだところで再び目を開けた。すると、さっきまでは居なかった見知らぬ人物が目の前に立っていた。額にあるダイヤの紋章が特徴的だ
『貴方たち・・・ここから立ち去りなさい。ここは貴方たちのような者が来るところではないわ』
神秘的な雰囲気を持つその女性は言った
『貴女が番人さん?』
『番人・・・?ちょっと違うわ・・・私は精霊・・・氷の精霊、チャシリア・・・水晶玉を・・・この世界のバランスを保つ者・・・』
どうやら神に近い存在らしい
『あのっ・・・私たち・・・水晶玉が欲しいんです!何とか・・私たちに譲ってはいただけないでしょうかっ!』
チャクナが前に歩み出る。何とか説得しようとしているようだ
『えっ・・・!?』
チャシリアはチャクナの顔を見るなり驚いた顔をした
『チャリ・・・いや、違うわよね・・・まさかこんな・・・』
『?・・・私のことを何か知ってるんですか・・・?』
『いえ・・・気にしないで、私の勘違いだったみたい・・でもどうしてそんなことを聞くの?』
『私・・・昔の記憶が無くて・・・何か知っているのかと・・・期待してしまっただけです・・・』
チャクナがしょんぼりとしたように話す
『『『え!?記憶無いの!?』』』
三人は驚いた顔をチャクナに向ける
『あ・・言ってませんでしたっけ・・・?』
もちろん言ってない。チャナはともかく二人とも初耳だった
『で・・・貴方たちはこの水晶玉が欲しいのね・・・?』
チャシリアは自分の手元に青色に透き通った玉を出した
『これは世界を動かせるほどの力を持つ物・・・そう簡単にはあげられません・・・なので条件があります』
と言うと、四人の目の前に立体映像を出した。氷のように透き通った不思議な花のような物が出ている
『これは氷の花と呼ばれる物です。見てみたいのだけれど、私はここから離れるわけにはいかないから・・・取ってきてくれませんか?』
『え、もしかして・・・試練って・・・パシリ・・・?』
『人聞きの悪い・・・まぁそうなんだけれど・・・』
もっと難しい試練だと思っていたチャイスは何か拍子抜けしてしまった
『なあんだそんなことかよ、よし!探してこようぜ!』
『がんばってね〜あたしここで待ってr』
『あんたも来る!!』
チャイは強引にサボろうとするチャナを引っ張っていった
手当たり次第に探していく四人だったが、何時間探しても一向に見つかる気配がない
『無いわね〜・・・ちょっとチャナ!あんたここに住んでるんでしょ!?ある場所とかわかんないの!?』
『しらないよぉ〜、そんなの見たこと無いもん』
『チャクナ、予言で何か分からないか?』
『・・・やってみます』
チャクナは神経を集中させる
『・・・満月・・・が良く見える場所・・・夜・・ですかね・・・』
『満月か・・・そんな感じの場所あったか?』
『う〜ん・・・あ!有るよ!あっち!!』
すかさずチャナ走りだす
『あ、ちょっとまっ・・・』
やっぱり雪に足が取られる
『だからさっさと行くなぁっ!!』
必死でチャナについて行くと、見晴らしの良い崖に着いた。空はもうすっかり日が沈んでいた
『どぉ?満月、ばっちりでしょ!』
崖の端まで行くと満月がはっきり見える。雪に月灯りが反射してとてもきれいだ
『わぁ・・・綺麗ですね・・・!』
『よし、早速探しましょ』
と言った瞬間
『あったあ!!』
『えぇはやっ!?』
いち早く見つけたのはチャイス
映像で見るより透き通って見える
『ま、トレジャーハンターの直感ってとこかな』
『あんたのはただの金への執着心でしょ』
『うっ・・・』
・・・図星である
目的の物を見つけたところで、早速祠まで戻ることにした
『持ってきたよ〜!』
チャリシアが風と共に現れる
『これが氷の花・・・いいわ持って行って』
水晶玉がチャクナの手元へ飛んでくる
『有り難うございます!』
『じゃあ、扱いにはくれぐれも気をつけることよ何が起こるか分からないから・・・』
それだけ言うとチャリシアは消えていった
『これが水晶玉かぁ・・・』
水晶玉を掲げ、下から掲げて見るチャイス
『ちょっと!!危ない事しないでよ!扱い気をつけろって言われたじゃない!!』
『大丈夫だって〜』
月の光に反射されて光る水晶玉は一際輝いて見える
これを売らないとなるとやっぱりチャイスとしては惜しい
『なぁ、やっぱりこれ売』
ばしぃっ!
『だめに決まってんでしょ!!』
『・・はい・・・』
懲りない奴だ・・・;
『ねぇ、これからどうすんの?もう夜だし、良かったら家んとこに泊まってかない?』
チャナが言った。・・・不自然に親切だ
『・・・あんた何か企んでない?』
『べっつにぃ〜?』
『まぁいいじゃねえか泊まってかせてもらおうぜ?』
『そうねぇ・・・じゃあそうさせてもらうわ』
『そうこなくっちゃ、じゃ、いっきにかえるよ〜・・・えいっ!』
チャナのワープロッドで教会へ移動した四人
『・・・・あれが水晶玉・・・・』
一人の人物が見ていたとも知らずに・・・
◆第六話◆ 終
◆第七話◆ 氷のフェニックス
ワープの杖を使って教会の側まで来たメーンバー・・・だったはずなのだが
『あんれぇ?おっかしいなぁ〜?』
チャナは杖を見たり振ってみたりしている
『何ここ?どう見たって教会の側じゃないわよね?どういう事?』
チャイの言うとおり、どこを見渡しても教会はなく、雪原が果てしなくつづいているだけだ
『知らないよぉ〜っ何か杖が変なのっ!!』
よく見ると杖の先端に付いている宝玉が不自然に凍り付いていた
『あ・・・嫌っ・・・怖いっ・・・!』
チャクナの様子が急変した
『どうしたチャクナ!!』
『・・悪しき鳥、宝狙いてこの地に舞い降りんっ・・・!』
チャクナは完全に取り乱している
『なっ・・・!どういう・・・!?』
その時
バサァッ・・・
頭上から見知らぬ人影が降りてくる
フェニックスの小動物をつけ、青いペンダントを首から提げている少年だった
ちなみに小動物とは、その動物の特徴を自分に取り入れられる物で、その動物によって様々な効果がある
ちなみにチャイスはチーター、チャナは虎、チャイはコウモリの小動物をつけている
『あ・・・!?』
その少年はチャナを見て一瞬驚いた顔をした
『・・・まだ・・・ここに住んでいたんだな・・・』
『えっ?』
『おいお前何者だ!何しに来た!!』
少年はゆっくりとこちらを向き、口を開く
『我が名はチャウス。イブル戦闘部隊、リーダー。お前らが持つ水晶玉を渡してもらおうか』
どうやら水晶玉が目的らしい
『・・イブル・・・!私を狙っていた集団です・・!!』
『団子三兄弟の仲間か・・・お前らの好きにはさせない!!』
チャイスは剣を構えた
『なるほど・・・ならばこちらも力ずくでいかせてもらう』
チャウスは杖を取り出し、力を込める
『アイス!!』
チャウスの杖から氷の塊が飛ぶ
『っらあ!!』
氷の塊を剣で吹き飛ばすチャイス
『チャイス!どいてっ!!』
チャイスの背後から飛び出し、上から槍を突き立てる
『!・・・アイスシールドっ』
相手はとっさに氷の盾を出したが、防ぎきれず腕に傷を受ける
『ぐっ・・・』
チャウスは右手で怪我を押さえ、数歩後ろに下がる
『素人がここまで力を持っているとは・・・次はこうはいかない。また会うときまでには水晶玉に南京錠でも付けておくんだな』
そう言うとチャウスは翼を広げ、空の闇に消えていった
『大丈夫か!?』
チャイスはチャクナの所へ駆け寄る
『はい大丈夫ですよ、水晶玉はちゃんとここに・・・』
チャクナは隠していた水晶玉をチャイスに見せる
『じゃなくて、チャクナは?怪我、してねぇか?』
『はえ?・・・はい・・・大丈夫です・・・!』
チャクナは思わず微笑む
『ちょっとぉ!あたしの心配はぁ!?』
ずっとチャクナの横であわあわしていたチャナがひょこっと顔を出す
『あんたはあんだけ足速いんだから、心配しなくても大丈夫でしょ』
『むぅっ!そんなことないもん、か弱い乙女だもんっ!!』
『自分で言うかそれ』
あははははっ!!
緊張が解けたメンバーに笑いが戻った
『さて、それじゃあ今度こそ教会まで行くよ〜っ・・・それっ!!』
白い光に包まれ、教会まで付いた四人は、チャナやシスターたちの言葉に甘えさせてもらい、教会で一晩過ごすことになった
『ここの開いている部屋は自由に使って良いですからね』
案内された部屋はとても広く、三人で泊まるには十分の広さだった
『ありがとうございます!』
『それではごゆっくり』
シスターが部屋から出た。その瞬間。チャイスの本領発揮と言わんばかりに素早く動き始める
『ちょっとチャイス何やってんのよ!?』
たまらずチャイが声をかける
チャイスは慣れた手つきでタンスやらクローゼットやらを隅々まであさっていた
『チャイス様っ、さすがにそれは・・・っ』
『ほら、あれだよ、こういうところにこそ何か冒険に役立つもんがあるだろ?某ゲームの勇者もタンスあけたり壺壊したりすんじゃねーか』
『あのねぇ!!ドラ○ンクエストじゃないのよ!?』
チャイがすかさず突っ込む
が、チャイスの動きが止まることはない
チャイスは革の服を手に入れ・・・
『ないの!!』
チャイが慌ててチャイスの手から引っ張り取る
『ほらっ!ちゃんと元どおりにして!!』
『ちぇっ』
チャイスは渋々中身を元に戻す
『いいからっさっさと寝なさい!チャクナちゃんはもう寝てるのよ!』
この騒ぎの中よく眠れたものだ。よっぽど疲れていたのだろう
『だからってここまですることねぇだろっ!?』
チャイスの体はチャイの腰に巻かれていた帯でグルグル巻きにされていた
『あんたにはここまでしないとあたしらが寝てる間に何するかわかんないでしょ!』
さすが幼なじみ、チャイスのことは熟知しているようだ
『しっかし・・・ぐっすり眠ってるわね・・』
チャクナは帽子も取らずに寝てしまっている
『なぁチャイ。チャクナの帽子の下って見てみたくないか?』
『何よ急に・・・まぁ確かにちょっとは』
『だろ?・・・ちょっと取ってみろよ』
『は?何であたしが・・・あそっか』
チャイスは青い帯でグルグル巻きのままだ
『じゃあ・・・ごめんねチャクナちゃん』
すっ、とチャクナの帽子を取る。すると・・・!
『!!』
◆第七話◆ 終
◆第八話◆ チャナと男の子
『ん・・・』
眠っているはずのチャクナの手が帽子を掴む
・・・簡単には取れそうにない
『あれ?』
『ちっ、惜しかったな』
『ここまでして取られたくないって事は・・・?』
不思議が一つできた二人だった
一方その頃、チャナはベッドの上に座り、考え事をしていた
どうしてもあの少年・・・チャウスが気になる
『う〜・・・誰だったかなぁ・・どっかで会ったような気がするんだよねぇ・・・』
腕を組んで考え込む。
・・が、どうやら彼女にとって長く考えるのは性に合っていないらしい
『ま、いっか!思い出せないならそんなに大事な人じゃなかったのかもしれないし・・・寝よっ』
チャナは勢いよく布団をかぶって寝た
《・・・い・・・・・おい!》
『ひゃ!?』
チャナは目を覚ました
『こんなとこで寝ると風邪ひくぞ?』
気がつくとそこはベッドの上ではなく雪の上だった
そして、目の前には男の子が・・・こんな事が前にもあった気がする
『その杖・・・お前もしかしてここの教会の?』
『・・・うん』
条件反射で・・・そう答えた
いつの間にか手には教会でよく使われている初級者用の杖が握られている
そして自分は小さい頃の姿になっていた
『へぇ!教会の杖使いってすごいんだろうな・・・杖使ってるとこ見せてくれないか?』
『えぇ!?・・・でもぉ・・・』
チャナは杖を構え、適当に振ってみせる
『・・・つかえない・・・の』
『へ!?』
少年は驚いた顔をしてくるっと後ろを向く
『きょっ・・・教会の・・シスターなのに・・・くくっ・・・杖使えなっ・・』
チャナに気を遣って後ろを向いたのだろう。だが結局笑い声が聞こえてしまっているので意味がない
『あっ・・・!あたしだって、好きで使えない・・わけじゃ・・・ないもん・・・・っ』
今にも泣き出してしまいそうなチャナ
『えっ!?あ・・・ごめんごめんっ、俺が悪かった!!えっと・・・・そうだ!』
少年は自分の杖を手に持って言う
『俺、少しだけど・・・杖で氷魔法使えるからさ、教えてやるよ!』
『ほんと!?』
『もちろん!毎日ここで待ってるから、来いよな』
『うん!!
』
さっきの泣き顔を吹き飛ばし、とびっきりの笑顔を作るチャナ
『えっと・・・名前は?』
『あたしはチャナ!』
『チャナか・・・俺はチャウス、よろしくな!』
『うん!よろしく!・・・』
どだんっ!!
『あいったぁ・・・・』
ベッドから落ちた。衝撃で目を覚ましたチャナは辺りを見渡す
もう雪はどこにも見あたらず、フローリングの床や、壁しか見えない
『夢かぁ・・・』
どうやら子供の頃の夢だったようだ
『そういえばあの後、何日もあの子と練習して・・・自分の部屋で杖使ったらできるようになったんだったっけ・・・でも、それをその子に見せようとしたらいつもの場所にいなくて・・・結局見せないままで・・・ん?』
ようやく頭の中でかみ合ってくる
『そういえばあの子チャウスって・・・それにあの人が持ってた杖って・・・!!』
ようやく思い出したチャナ。こうしては居られない
急いで準備を進めることにした
その頃にはもうチャイスも無事、チャイの帯から抜け出すことができ、ようやく出発と言うところだった
『それじゃ、お世話になりました!』
『気を付けてくださいね、雪道がしばらく続きますから』
と言うと、シスターが後ろの廊下の方を振り向いた
『チャナー?お見送りしなくて良いのー?』
『あーーとーーでーー!!』
向こうから大きな返事が返ってくる
『それじゃ、行こうぜ』
三人は山の麓へ向かって歩く
『あーあ、こういうときにチャナの杖が役に立つのよねぇ・・・』
『まぁ、しょうがねぇだろ』
噂をすれば何とやら、後ろから雪を踏む音が迫ってくる
『まってぇーーーーーー!!!』
チャナが叫びながらこっちに駆け寄る
『チャナ?
』
『はぁ〜っ、疲れたぁ』
『どうしたんだ?こんなとこまで追ってきて』
息を切らせたチャナが息を整えてしゃべる
『あのねっ、あたしも連れてって欲しいの』
『え!?何で急に・・・』
『それは・・・・』
チャナの顔が急に深刻になる
『ほら・・・昨日戦ったチャウスって人いるでしょ?その人・・・あたしの友達かもしれないの。だから・・・一緒について行けばまた会えるかなと思って・・・』
『そう・・・ならいいんじゃない?一緒に連れてっても』
『そうだな』
『よろしくお願いしますね、チャナさん』
『ホント!?やったぁ!!』
チャナが飛び跳ねて喜ぶ
『それはいいけどお前、教会の人たちに許可取ったのか?お前も教会のシスターなんだろ?』
『ん〜〜・・・とってな〜い♪』
チャナはえへ、と笑ってごまかす
『『『えぇぇっ!?』』』
三人とも驚きの声を上げる
『だいじょうぶなのそんなんで!?』
『だいじょーぶだいじょーぶ、いっつもこんな感じで教会のお祈りの時間とかすっぽかしてんだから』
『い・・・いつもって・・・』
『ほらほらぁそんな事してないで早く行こーよー!次どこ行くの??』
チャナはこれ以上質問されまいと大声でチャイの台詞を遮る
『えっと・・・次は”風の谷”だな』
チャイスが地図を見て答える
『風の谷?じゃあ風の谷まで一気にレッツごぉーー!!』
チャナがワープロッドを構える
『おいこらっ!勝手に仕切るなよっ!それ俺の役目!!』
『しーらないっ!』
気がつけば四人は光に包まれていた
次の目的地に向けて・・・・
◆第八話◆ 終
◆第九話◆ 風神
『ここが風の谷かぁ』
チャイスたちはワープロッドで谷の手前まで来ていた
先に進むにつれて風が少しずつ強くなっていく
『いかにも風の谷って感じね』
ふと横を見るとチャクナが風に飛ばされまいと必死に帽子を押さえていた
『ねぇ、チャクナちゃん、その帽子って大切な物なの?』
『え・・・っと、この帽子自体はあまり・・・』
とするとやっぱり帽子の下に何かあるのだろうか
『じゃあその帽子のし』
『あっ!・・・感じますこっちです!』
チャクナが小走りで先頭の方へ行き、先導し始めてしまった
『やっぱり怪しいわねぇ・・・』
どうしても気になってしまうチャイだった
しばらく歩いていくと、大きな大木がある少し広い場所に出た
『あれぇ?』
『どうしたチャナ・・・って行き止まりか?』
大木の先には道は無く、果てしなく高い岩の壁に囲まれている
『ちょっとぉ!こっちじゃなかったの〜?』
歩くのが面倒なチャナが文句を言う
『おかしい・・・ですね。確かにこの先に感じるのですが・・・』
チャクナはおろおろと辺りを見回す
すると
『おいっ!ちょっとこっち来てみろよ!』
チャイスがみんなを呼びつける
行ってみるとそこは大木の下。蔓が巻き付いていてよく分からないが、通れそうなくらいの広さの穴が開いていた
『この蔓を退かせば何とか通れそうじゃないか?』
『ホントね!じゃあ早速・・・』
チャイが槍を取り出し、剣のように振り回して蔓を切っていく
『ふぅ・・・こんなもんかな』
蔓を取り払うとその穴から風が吹き込んでいるのが分かった
『やっぱりこの先に何かありそうだな・・・』
期待をしながら穴の中に入っていく
穴の中は薄暗く、少し気味が悪かった
『暗い・・・ですね・・・』
『こんなので怖がってんの?だめだなぁ』
と言ってチャナがふと上を見上げると、
『ぎゃ〜〜〜〜〜っ!人魂ぁ!?』
チャナが悲鳴を上げた。目の前には炎が浮かんでいる
『誰が人魂じゃボケぃ!!』
『なんだチャイかぁ』
よく見ればチャイの頭だ。
チャイはコウモリをつけているので、頭の上に炎が出る
『んな事言ってホントはお前も怖いんだろ?』
『うっ・・・ちっ・・ちーがーうーもーんーっ!!』
思いっきり焦っているチャナ、図星のようだ
『はいはい、ほら出口が見えたぞ』
いろいろと話しているうちに出口に付いた
向こう側から光が差し込んでいる
『わーい!いっちばんのりぃ!』
チャナが飛び出る。すると
『がるるるるるぅっ!!』
『わっ!?』
風と共に、黄緑色の獣が現れる。これが使い魔なのだろうか
『キュウウィッ!!』
その獣はこちらを見るなり尾の先についている水晶体を光らせ、鎌鼬のような風を起こした。
『なっ・・・なんだこいつ!?』
そのとき、
『そこまで!!』
獣の後ろから声が聞こえた
『もういいぞフィリア、ご苦労様』
『キュイ♪』
さっきまで敵意むき出しだった獣・・・フィリアが瞬時におとなしくなった
『あ・・・あの〜・・・っ』
チャクナが声をかける
『もしかして彼方が精霊さんですか・・・?』
『ん?・・・お前どっかで見たような・・・ま、いいや。俺に何か用か?』
どうやら精霊のようだ。前の人に比べてずいぶん雰囲気が違う
『俺は風の精霊チャイド、お前らの目的は何だ?』
『私、水晶玉がどうしても必要なんです・・・!譲ってはくれませんか・・・?』
『水晶玉か・・・じゃあ一つ、頼み事があるんだけど、聞いてもらうぞ』
と言うと、チャイドは一本の草を取り出す。
『この先に洞窟があるんだが、そこでこの薬草を採ってきて欲しいんだ。もう残り少なくてな』
『あ!!?』
チャイスが薬草を見て驚いたような声を出す
『何よチャイス。あんた何か知ってんの?』
『知ってるなんてもんじゃねぇよ!あれはイルフェリっていう薬草で、どんなに難病でも一瞬で治しちまうっていう今すごく数が少なくなってて貴重な薬草なんだよ。だからトレジャーハンターの間ですっごく高値で取引されてるんだよ』
『へ・・へぇ・・・あんたそういう事ばっかり詳しいわよね』
呆れるしかないチャイだった
『だから、そんな珍しいもん手にはいるわけ無いだろ!俺だって一年かかって探したけど見つからなかったんだぞ!?』
チャイスが必死に説得しようとする
『ほ〜う?じゃあ水晶玉はいらないんだな?』
チャイドは黄緑色の水晶玉を手に持って言う
『要ります要ります!やらせてください!!』
『うおぅ!?』
ぎゅむっとチャイスを押しのけて言うチャイ
『よろしい。じゃ、頼むな!』
と言うとチャイドと使い魔はすっと姿を消した
『良いのかよあんなこと言って!そう簡単に見つかるもんじゃ・・・』
『なによ今更。見つければいいことじゃない』
チャイが当たり前のことのように言う
『だいたい、あんたが探すの下手だから見つからなかったんじゃない?』
『ちげーよ!!だからっ!』
『あ〜もうっ!ずべこべ言わない!!さっさと探すよ!!』
反抗するチャイスを無理矢理引きずって行く
『損しても知らねーからなっ!!』
洞窟に向かって歩き出す四人
はたしてイルフェリは見つかるのだろうか
◆第九話◆ 終
◆第十話◆ 闘技大会
『さてと、ここの洞窟のようね』
イルフェリを求めて洞窟へやってきた四人
チャイスは思いっきりふてくされている
『探しても無駄だって』
『はいはい、じゃ、行くよ』
洞窟の中に入ってみると、どこかじめじめしていて居心地が悪い
『にぎゃっ!』
ずてっ、とチャナがこける。薄暗くて足下が良く見えないため石に躓いてしまったようだ
『いったぁい!んもう、良く見えないよぉっ』
『そうですね・・・これではイルフェリがあったとしても見つけにくいかもしれません』
『ほらな、だから言っただろ?』
皆が探している中、チャイス一人だけ腕を組んで座っている。始めからあきらめモード全開だ
『ちょっとチャイス!あんたも少しは・・・ん?』
何かを察知したチャイが洞窟の奥の方に耳を傾けている
『どうしたんですか・・・?』
チャイは黙って何かを聞いている
[・・・だ・・じゅ・・かい・・・・と・ぎ大会・・・・ゆ・・・賞品・・イルフェリ・・]
『?』
チャクナが耳を澄ませても何も聞こえない
『ねえっ!ちょっと聞いた!?』
『え?何が?』
皆には聞こえていないようだ。さすが地獄耳チャイ、といったところだろうか
『だから!この洞窟の奥の闘技場で闘技大会が行われるらしいんだけど、その優勝賞品がイルフェリだっていう話!』
『へ!?』
チャイスが素っ頓狂な声を上げる
『やったあ!探さなくてすむじゃん!!』
チャナやみんながそれぞれ喜びの声を上げている
『っつかこんなとこに闘技場なんてあんのかよ?』
チャイスは上手くいきすぎていて納得がいかないようだ
『まったく疑り深いわねあんたは、行ってみれば分かるでしょ!』
というと、さっさと走っていってしまうチャイ。その後ろを二人が付いていく
『あっ、おいっ!!』
チャイスは慌てて洞窟の奥へと走り出した
[さあ!始まりました、第14回イルフェリ闘技大会!今年の優勝賞品はその名の通りイルフェリです!さぁ!今年の優勝は誰の手に!?]
洞窟を進んでいくと一際明るく、本当に洞窟内なのかと疑ってしまう程の広さの空間が広がっていた。観客は千人以上といったところだろうか
・・・洞窟内なのにどうやって電気を通しているのだろうというつっこみはしないでおこう
『うわ・・・すっげぇな・・・!!』
あまりの賑やかさに息をのむチャイス
『丁度始まる所みたいですね』
『どうするチャイス?』
『決まってんだろ!』
さっきまでうなだれていたチャイスが何かを取り戻したかのようにひょいっと人混みをすり抜けて司会者の方へ
『はいはーい!!俺ら四人も参加しまーす!!』
人混みの中で精一杯手を振ってアピールするチャイス
[飛び入り参加ですね?分かりました。それでは選手待機室へ移動して下さい]
と、一名、ある事に気づいた
『ん?四人って・・・あたしも入ってんの!?』
チャナが言う
『あったり前だろ』
『えぇえ!?無理だよあたし!杖しか持ってないし!戦えないし!!』
チャナが焦って言う。教会でシスターをやっていたのだから、さすがに戦った事は生まれてこの方やった事が無いのだろう
『しょうがないだろ、何かノリで四人って言っちゃったんだし。大丈夫だって!お前なら杖振り回してりゃ勝てるって!』
かるーく言ってのけるチャイス
『ノリって何よ!?てゆーか無理だって!!痛いのやだぁ!!』
『おら文句言うな行くぞ!』
さっきまで文句を言っていたのはどっちだ、と言ってやりたかったチャナだった
[それでは早速第一回戦を行いたいと思います!記念すべき第一回戦の選手は・・・チャルグ・グランデ対、チャイス・アナローグ!!]
『おっ!早速俺からか!』
チャイスはすぐさま柵を軽々と乗り越え、やる気満々だ
『チャイスー!頑張れー!!』
『おうっ!まかせとけっ!!』
《さ〜て、相手は、っと・・・!?》
闘技場の中央、チャイスにとって嫌になるほど見覚えがある顔が・・・
『ん?あー!!お前は!!』
向こうから声がかかってくる
『チャイス!!』『チャルグ!?』
お互いに驚きの声を上げる。二人はトレジャーハンターのライバル同士だ
『もしかしてお前もイルフェリ目当てか!?』
『あったりまえだろ?ま、残念だったなチャイス、お前は一回戦敗退決定だぜ、うわ、ダッセ!』
『ふん、余裕な事言ってられるのも今のうちだけだぜ、135戦中135引き分けの決着、付けさせてもらうぞ!』
チャイスは剣を構える。と同時にチャルグは拳を構えた
『あんたらどんだけ勝負してんのよ!?』
というチャイのツッコミは置いておこう
[それでは第一回戦、勝負開始!!]
『はぁっ!!』
チャルグの先制攻撃。しかしチャイスは軽々とかわし、縦に剣を振りかぶる
『させるかっ!真剣白刃ど』
と言い出したのを聞いて、とっさにチャイスが剣を横振りに変える
『なぁっ!?』
言うまでもなく、剣はチャルグの横腹にあたる
『だいたい、自分の作戦口に出すからいけないんだろ』
『なっ・・・!いっ今のはお前にハンデをやってやっただけなんだからなっ!!』
明らかに焦っているチャルグ
『なぁんだ、チャイスの相手・・・チャルグだっけ?あいつ言うわりには馬鹿じゃない。チャイスなら楽勝ね』
『もちろんです!チャイス様はお強いですから!』
チャイスの事だけはよく反応するチャクナ
が、その時だった
『もう手加減は無しだぞチャイス!!』
素早く間合いを詰めたチャルグは目にもとまらぬ早さで拳を連打する
『!?・・・くっ・・・!』
チャイスは何とか剣で受け止めているが、剣越しに衝撃が響いてくるので押さえるのがやっとだ
『っらぁっ!!』
ガキィン!!
『ぁぐっ・・・!!』
チャルグの力を込めた一発で剣ごと後ろにとばされ、壁に激突する
『チャイス様!!』
チャクナが思わず声を上げる
『あ・・・アホなんだか強いんだか・・・よくわかんない奴』
チャイが呆れながらもある意味尊敬する
『さぁて、そろそろ終わりにしようぜチャイス?』
チャルグは拳を地に向け、力を溜め始める
『・・・・っ』
チャイスはさっきの衝撃で身動きが取れていない
『はああああぁっ!!』
チャルグの拳から地を這う衝撃波が放たれる
『っ!・・・チャイス様ぁっ!!』
◆第十話◆ 終
◆第十一話◆ トーナメント戦
ドオンッ!!
辺りに砂煙が舞い上がる
『勝負あったな、俺の勝ちだチャイス』
砂煙が晴れる。が、そこにチャイスの姿は無かった
『雷光・・・!』
『なっ!?』
チャルグが気が付いた頃には既にチャイスは背後に回り込んでいた
『はぁっ!!』
ザンッッ!
後ろから攻撃されたチャルグは防ぐ術もなくその場に倒れた
『俺の得意技、忘れたとは言わせないぜ』
”雷光”とは光の速さで移動し、相手を斬りつける技。
チャイスはぎりぎりのところで雷光を発動させ、衝撃波をかわした様だ
『・・・雷光・・・か・・ふん、今回は・・負けを認めてやる・・』
チャルグの体から力が抜ける
[勝者、チャイス・アナローグ!!]
観客の歓声と共に戻って来たチャイス
『勝ってきたぜ!』
控え室の扉をばんっ、と開けて入り、言う
『まったく!一回戦目からひやひやさせないでよね!』
チャイスが入ると四人が声をかけに来る
『チャイス様っ、お怪我はありませんか?』
といわれて”ぎくっ”っとするチャイス
『あ、あぁ、全然っ、大丈夫大丈夫!』
背中を見せないように壁の方へ後ずさりをする
壁にぶつけて傷を負っていたチャイスだったが、
《あんまり心配させたくねぇしな・・・》
という事もあり、たいした傷でもないので隠すことにする
が、後ずさりしすぎて・・・
『あ゛っづ!!』
壁が背中に当たってしまった
激痛で思わず声が出る。予想以上の痛さにそのまま床にしゃがみ込んでしまった
『チャイス様!?』
さすがに気づいた三人が駆け寄る
『だっ・・・大丈夫だって・・』
『いいから背中診せなっ!』
チャイがぐっと引っ張り背中を見る
『ちょっ・・・!あんた血出てるわよ!?』
その言葉を聞いて驚いた。自分でも正直そこまでの傷だとは思ってなかった
『はいはい、よけてよけて〜こういう事はあたしにまっかせっなさ〜い♪』
チャナが短めで赤いリングが付いた杖を取り出す
『いっくよ〜・・・ヒールっ!!』
杖が青白く光る。すると、いつの間にか傷は治っていた
『へぇ、さっすがシスターだな』
『さっすがシスターだな、じゃないでしょこの馬鹿!!』
ばしっとチャイスの背中をたたいて言うチャイ
『って!馬鹿はどっちだよ、治ったばっかなんだぞ!?』
『こんなひどい傷、あたしたちに隠そうとする方が馬鹿でしょ!!たいした傷じゃ無いと思ってもちゃんと言いなさいっ!・・・心配するじゃない・・・』
『そうですよっ・・・!』
『まぁ、あたしに頼めばいつでも治してあげなくもないよ?』
思いもよらない言葉に目を丸くするチャイス
『・・・あぁ、すまねぇ』
四人の絆が深まったような気がした
[それでは、第二回戦に移りたいと思います。次の対戦者は、チャクナ・エゾワージュ対、ディルグ・ソウル!]
『わっ・・・私ですかぁ・・・?』
チャクナが自信無さそうな声で言う
そういえば今まで一回もチャクナが戦っている所を見たことがない
心配になったチャイスが声をかける
『大丈夫か?戦えなかったら俺が代わりに・・・』
『あっ!・・・大丈夫です・・・一応・・・』
と言うと、チャクナはふらふらと対戦場へ向かう
見た目からして華奢なチャクナ。戦っている姿は想像できない
『大丈夫かしら・・・』
『・・・・・;』
黙るしかないチャイスだった
チャクナが対戦場へ入ると、赤と黒、といういかにも強そうな大剣を持った男が立っていた
それを見たチャイが思わず
『あ〜・・・これは・・・』
と、言葉を漏らす
『チャクナ〜っ!無理だと思ったらすぐ戻って来いよ〜っ!!』
心配になったチャイスが叫ぶ
『あ・・・あの・・・お手柔らかにお願いしますね・・・』
『あ、あぁ・・・;』
対戦相手も戸惑う始末。本当に大丈夫なのだろうか
[それでは第二回戦、勝負開始!!]
『お先にどうぞ』
華奢なチャクナを見て勝てると確信した相手は先攻を譲る
『え、あ、はい・・・それでは・・・』
チャクナは自分の身長と同じくらいの高さがある緑色の杖を出した
『行きます・・・リーフ・・・!』
チャクナが呪文を唱えるとチャクナの周りに木の葉が舞い始める
『草魔法!!』
『へぇ〜、チャクナって草魔道士だったのか!』
チャイスが驚く
『まぁ、あの華奢な体で斧とか振り回されても困るしね』
チャイの言葉を聞いて想像してしまったチャイスは思わず吹き出してしまった
そんな話をしている間に、完全に油断していた相手はチャクナの出した魔力のこもった木の葉に囲まれて身動きが取れなくなっていた
『わぁ・・・チャクナちゃんすごい・・あたしより魔力強いよ』
チャナが感心したように言う
『何で分かるのよ?』
『だってあの木の葉をちゃんと自由に操ってんだもん』
『それって普通の事じゃないのか?』
『普通じゃできないよあんなこと、だってあの魔法、普通は真っ直ぐにしか飛ばないはずだもん』
意外と魔道に詳しいチャナ。さすがシスターだ
『ブレイクっ!!』
チャクナのかけ声と共に相手の周りに集まっていた木の葉が一斉に斬りかかる
『うっ・・・!』
かわす術を失った相手は無数の切り傷を負う
『くそっ、このままじゃやられるっ・・・!』
チャクナの力を思い知らされた相手はチャクナに向かって大剣を振る。が
すっ
チャクナが消えた
『なっ・・・!どこに・・・』
チャクナは後ろにいた
『弱葉!!』
『後ろっ!?』
気づいたのと同時にチャクナの一撃が決まった
『っ・・・・く・・・そっ・・・!』
[勝者、チャクナ・エゾワージュ!!]
『うわ、勝っちゃった!』
チャイが驚いたように言う
『あっ・・・!すみませんっ、大丈夫ですかっ!?』
チャクナが倒れた対戦相手の方へ駆け寄り、頭を抱える
『あ、あぁ、・・・強いんだなお前・・・』
その光景を見たチャイス
イラッ
《・・・んっ???》
今まで感じたことのない感情におそわれるチャイス
《何か・・・妙にイライラする・・・?》
無意識に不機嫌なまなざしを向けているチャイス
それを気付かずにスルーするわけがない・・・約一名が
『あら、チャイス。もしかして焼き餅焼いてんの?』
『へ?』
ニヤニヤしながら言うチャイ
『焼き餅?誰に?』
『決まってるじゃない。チャクナちゃんによ』
『・・・?、そうなのか?』
すっとぼけた返答
『はぁ、あんたって本当に鈍感というか天然というか・・・』
呆れるしかないチャイだった
[それでは第三回戦の出場選手の発表をします。前年の優勝者、チャコル・イルナーガ対、チャナ・フリーズ!]
『ゆっ・・・優勝者ぁ!?』
チャナが悲痛の声を上げる
『無理だよぉ、絶対無理ぃ』
『おら、情けないこと言ってないでさっさと行け!』
『ちょっと!チャクナちゃんの時と態度違く無い!?』
文句を言いながらも渋々対戦場に立つ
目の前には前年の優勝者チャコロという少年が殺意むき出しで立っている
『絶対無』[それでは第三回戦、勝負開始!!]
◆第十一話◆ 終
◆第十二話◆ 対炎・水
『ひいいいいぃっ!!』
対戦場中央。そこでは第三回戦という名の鬼ごっこが繰り広げられていた
『・・・・』
追尾系の炎魔法”フィラ”を放ったチャコルは炎から必死に逃げるチャナの様子を呆れた様子で見ている
『戦う気がないなら降伏しろ』
逃げるだけで全く向かってこないチャナを攻撃するのはさすがに気が引けるのか、チャコルは淡々とした口調で言う
『したいのは山々なんだけどぉっ』
炎から逃げながら必死でチャナはチャイの方を向いて何かを訴えている。すると
『・・・・あぁ』
チャナの必死の合図でチャナが何を言いたいのか理解するチャコル。
まぁあのチャイから発している”自分だけ楽するなちゃんと戦え”オーラは誰が見ても分かることだろう
『しょうがない・・・か』
と言うと、チャコルは懐からサングラスを取り出し、掛ける
その瞬間、一瞬暗くなったかと思うと、チャナの周りには空。いつの間にかとてつもなく高い場所に一人取り残されていた
『ふぇ・・・!?』
少しでも動けば落下しかねないという狭い足場での恐怖に腰が抜けてしまったチャナは、その場にすとんっ、と座り込んでしまった
『あいつ、何地面に座りこんでんだ?』
『・・・さぁ、何かすごく驚いたような顔してるけど・・・』
と、二人が言う。
そう。二人だけでなく、チャクナや観客全員には、チャナはただ平地に座り込んでいるようにしか見えないのだ
それもそのはず、チャコロはチャナに幻術を掛けていた。幻術はその対象の人物にしか効かないためにこういう事が起こる
『・・・そのまま気絶する振りでもしていろ』
『え・・・』
と言うと、チャコルはサングラスを外し、炎でチャナを囲む
チャナは言われたとおりにその場にうつぶせになる
炎はチャナの服を少し焦がしたくらいで消えた
『・・・これで良いだろ。審判、コール。』
チャコルに睨まれ・・・いや、本人にはそのつもりはないのだが生まれつき目つきが悪いため、睨まれたと勘違いされてしまう事が多い。
この審判も睨まれたと勘違いし、恐怖に声を詰まらせる
[あ・・・はい!すいません!、勝者、チャコル・イルナーガ!!]
『おら、立て。』
ぶっきらぼうに言うと、チャナの手を取り引っ張り上げる。どうやら立たせてくれたようだ
『あ、ありがとう・・・』
チャナを立たせる終わると、丈の長い半袖のコートを前で開いたような服の裾を翻し、控え室の方へ去っていった
『あいつ怖いけど良い奴じゃん』
人は見かけによらないなぁ、と思うチャナだった
[それでは第四回戦の対戦者を発表します!対戦者は、チャイ・スピナー対、フィアナ・アルルク!!]
『おっ、やっと出番ね』
チャイが待ってましたと言わんばかりに立ち上がる
『頑張ってくださいねチャイさん』
『ま、チャナみたいにはならないわよ』
チャナに意地の悪いことを言ってから対戦場に走っていくチャイ
『ちょっとぉ!それどーいう意味!?あたしだって死ぬ思いだったんだからぁ!!』
チャナの叫びはチャイに伝わる前に逃げられてしまった
対戦場へ着くと、もうそこには対戦者が立っていた。
『対戦、よろしくお願いしますね!』
対戦相手・・フィアナが声を掛けてくる。とても明るく、顔も整っていてかわいい
『・・・・へぇ〜・・』
《背ぇたけぇな・・・外国人か・・・?》
女なのに背が高いフィアナを見て、珍しげな目で見ていたチャイスだったが、
ぎゅうっ
『い゛っ!?』
突然自分の尻尾に違和感を感じたチャイスがふと横を見ると・・・
『・・・・チャクナ?』
チャクナが無言でチャイスの長い尻尾を握り締めていた
どうやら自分よりかわいいと思うフィアナをチャイスがじっと見ているため嫉妬しているのだろう
《・・・え、お・・・怒ってる!?》
何となく出ている怒りのオーラに尻込みをしながら、何で怒ってるのか全く分からないチャイスだった
・・・遠目で見ながらもチャイのレーダーはそれを察知する
『まったく。チャイスったらほんっと馬鹿ねぇ』
というかここから結構距離があるのに分かるってどんだけすごいんだよそのレーダー
『あら、ありがと♪』
いや、褒めてないから
[それでは第四回戦、勝負開始!!]
だんっ!
チャイが戦闘開始の合図と共に跳び出す
『やぁっ!!』
チャイの槍がフィアナの体を貫く、が
『えっ、水っ!?』
フィアナだと思い込んだ水は、ばしゃっと言う音と共に地面に吸い込まれていった
『答えよ!聖なる宝石アクアマリン!!』
チャイの背後からフィアナが呪文を唱えると、岩のような大きさで海のように青く澄んだ宝石が中央に現れた。その宝石からものすごい勢いで水があふれ出し、みるみるうちに対戦場は足が完全につかってしまうくらい水が溜まってしまった
『きゃっ!?な・・何っ・・・これ・・・っ!』
その水から触手のような物が伸び、チャイの動きを完全に止めてしまう
『・・・ウォータースプリング!』
突如、水面から無数の水の球が浮き出てくる
『上級魔法を二回連続で・・・嘘でしょっ!?』
体には水の触手。周りには水の球体。・・・完全に逃げ場を失ったチャイ
そして
『オブセシオ!!』
『チャイっ!!』
フィアナの詠唱と共に、無数の球体から幾つもの鋭い水の針が飛び出す
ザクッ!!・・・・
生々しい音が闘技場に響き渡る
『っ・・・・!!』
それを聞いた三人は思わず目を反らしてしまう
『終わりね』
完全に勝利を確信したフィアナがチャイに背を向ける
が、その刹那
『っ!?』
◆第十二話◆ 終
◆第十三話◆ 対なる友
フィアナの頬に浅い切り傷ができる。背後からの槍による攻撃
『勝手に殺さないでくれる?』
チャイは立っていた
だがその体はフィアナが放った水魔法により既にボロボロになっていた
『チャイ!!』
『よ・・・良かったぁ・・・』
三人が胸を撫で下ろす。だがチャイは立っているのがやっとだ
ここで反撃をされようものなら・・・
『・・・私のこのコンボを受けて立ってられるなんて・・・まぁいいわ、今度こそこれで終りっ!!』
フィアナの周りが魔力の渦で満たされていく
『っ・・・もう・・・動けな・・・』
チャイには既に逃げる力など残っていなかった
『ウォタル』
フィアナが呪文を唱え終えようとしたその時、
[ピロリロリロリラリン♪]
不可思議な音と共にフィアナの動きが止まった
『あぁっ!もう何よこんな大事なときにっ・・・』
フィアナが取り出したのは・・・携帯電話
どうやらさっきの音は携帯の着信音だったようだ
《試合中なんだからマナーモードにしときなさいよっ!!》
『はい?もしもし?あ、隊長!!何ですかこんな大事なときに!今日は休みをもらっていたはずですよぉっ?・・・え?今すぐ戻れって?無理ですよそんなこ・・・・・わかりましたぁ・・・すぐ行きます』
携帯のボタンを押すと、それを懐にしまう
『じゃ、そんなわけで帰りまぁす・・・』
いかにも残念そうな顔をして言うフィアナ
地面から水が噴き出し、フィアナの全身を丸く包む。そしてその水ごとフィアナは地面に吸い込まれ消えていった
『いや、どういう訳よ!?』
チャイのツッコミも空しく、対戦場にはチャイ一人が取り残されている
[・・・え〜・・・・っと、対戦者が離脱したのでチャイ・スピナーの不戦勝とします]
『うっそぉ』
このまま戦っていたら負けていたところだったので運が良かったと言えば良かったのだが・・・
何となく消化不良のままチャイは待機場所まで戻る
チャイが戻ってくると傷を見かねたチャナが杖で傷を癒す
すると、すぐ放送が入った
[それでは、準々決勝戦を行いたいと思います!対戦者は・・・]
間が開いた。残った出場者達が息をのんで聞く
[チャイス・アナローグ対、チャクナ・エゾワージュ!!]
四人は耳を疑った
『あ・・・』『えっ!?』
気まずそうに顔を見合わせる二人
『嘘、次、二人が・・・?』
できれば避けたかった事だが、勝ち進んでしまったからには戦うしかない
『・・・ここまで来たら全力で戦おう、チャクナ』
『・・・・・は・・い・・』
チャクナはほぼ放心状態で答える
『あんたは全力で戦ったらだめでしょ!』
『手加減しろひきょーものー!!』
チャナたちから批判の声
『んなの分かってるって!』
と言うとチャイスは部屋を飛び出していく
チャクナはその後ろを力なく、俯きながら歩いて行った
対戦場に対戦者として向かい合う二人。どこか緊迫した雰囲気が漂っていた
[それでは、試合開始!!]
しばらくにらみ合う。どう動いたらいいのか分からない
全力で戦おうって言ったのは紛れもない、自分だというのに
『・・・チャクナ・・・行くぞ』
『!』
剣を振るう。だがその太刀筋にはどこか迷いが見える
《剣ってこんなに重かったっけ・・・》
チャクナは剣をかわす。その動きはまるで草のようにしなやかだ
『っ!?』
今まで目の前にいたチャクナが突然消えた。さっきの試合と同じように、チャクナはチャイスの後ろに回っていた
『弱葉っ・・・!』
チャイスは声のした方に素早く向き直り、チャクナの葉を二つに切り裂く
あまり魔力がこもっておらず、切った感覚はほとんど無かった
『やっぱり躊躇ってるわね二人とも・・・』
『むぅ・・・』
チャイスは一端距離を取り、ある事を考えていた
《何とかなるべくチャクナを無傷で審判を誤魔化せる良い方法は・・・》
その時、チャクナは呪文を唱え始める
『ツリーウィップっ!!』
すると地面から巨大な木の蔓が伸び、チャイスの足下すれすれに鞭のような一撃を繰り出す
『っ・・・』
フィールドの床が砕け、破片が目にあたる。辺りは砂埃で、チャクナが見えにくくなっていた
《これだっ・・・!》
チャイスは一気にチャクナとの間合いを詰める。そして剣を上から下に真っ直ぐ振り下ろす
チャクナはそれをかわす。いや、かわさせた。
剣はチャクナを切る振りをして思いっきり床に当たり、床が砕け、砂埃で辺りが満たされた
『っ!!・・けほっけほ・・っ』
砂埃でチャクナが咽せる。チャイスから一瞬目を離した
『・・・!、いない・・?』
チャクナが再び顔を上げたとき、チャイスは既に砂埃で隠れ見えなくなっていた
その時!
ザシュッ!!
煙が晴れ、辺りに血しぶきが飛び散った。
剣を投げ捨て、倒れたチャクナを両手で受け止める
[勝者、チャイス・アナローグ!!]
チャイスはチャクナを腹の前で抱え、待機室へ入る。
『『チャクナちゃん!!』』
チャイスは駆け寄ってきた二人にチャクナを預ける
『待ってて!今治すからっ!』
チャナが慌てて杖を取り出す。が、チャイがある事に気付く
『あ、あれ?これ・・・返り血・・?』
『え?』
チャナの動きが止まる
チャクナに着いていた血を手で拭き取ると、無傷な肌が見えた
『ん・・・?』
すると、チャクナが目を覚まし、ゆっくりと起き上がる
『え!?ちょっと待ってどういう・・・』
その時だった
『く・・うっ・・・!!』
◆第十三話◆ 終
◆第十四話◆ 紅き炎
三人が呻き声に気付いて振り向くと、チャイスが腹を抱えて蹲っていた
『っ・・・!チャイス様っ!』
我に返ったチャクナが駆け寄る
『ねぇっ、どういう事なの!?』
状況が掴めないチャイが慌てて聞く
『チャイス様はっ!私を庇って・・・!!私をっ峰打ちでっ・・気絶、させてっ・・・誤魔化すためにっ、自分を切って・・血を・・・!!』
チャイスを仰向けに抱え、大粒の涙を零し、突っかかりながらも必死に説明をする
『チャクナ・・・泣くなよ・・俺が泣かせたみたいじゃねーか・・・』
チャクナの頬に手を当て、涙を拭き取る
『泣かせてるんですよぉっ・・・!!』
拭き取った後からもどんどん吹き出してくる涙
『っと!回復させなきゃ!』
チャナが杖を構えるが、
『待って、もうちょっと見てたい』
チャナの服の袖を掴んで言うチャイ
『んなこと言ってる場合じゃないでしょうがぁぁっ!』
珍しくチャナが正論を言い、チャイの手を振り払ってチャイスにヒーリングをかけた
『あー・・・悪い・・・』
チャイスが起き上がって礼を言う
『も〜っ、何でこんな無茶するのよぉ』
呆れたように言うチャナ。ここまで大分魔力を使ったのか顔には少し疲れが見える
『・・・だって、チャクナを傷つけたくなかったっていうか、なんか気付いたら体が勝手に動いてたってゆーかそのっ・・・っい、良いだろ別に!!』
上手い言葉が見つからない。というより気恥ずかしかったチャイスは、ごにょごにょと隠った声でつぶやくように言った
『へ〜、ふ〜ん?そう?』
ニヤニヤと声に出して笑うのをこらえながら言うチャイ
『っおい!笑うなよっ!!』
『べっつにぃ?笑ってなんか無いわよ〜?』
『いーや、お前のことだから絶対心ん中で笑ってるだろ!』
そう言って飛びかかるチャイスをひらりとかわす
すると
[それでは、準決勝戦を行います!対戦者は、チャコル・イルナーガ対、チャイ・スピナー!!]
『お、んじゃ、行ってくる』
チャイが対戦場へ向かう。そこに立っていたのはさっきチャナの相手をした少年。チャコルだ
『あぁ〜〜こいつか〜強そ〜・・・』
思ったことを口にしてしまうチャイ
[それでは、試合開始!!]
開始と共にチャコルがサングラスを取り出す
『あっ!チャイっ幻術来るよ!!』
チャナが慌てて呼びかける
『幻術?』
魔法に詳しくないチャイスが聞く
『幻術って言うのは〜相手に精神からダメージを与えてく魔法で、術者は目の前を暗くしないと使えないの。自分にもかかちゃうからね』
チャナが得意げに答える
『ふ〜ん?だからサングラスなのか』
チャコルがサングラスを掛けると、対戦場の地面が揺れ始める
その刹那
『きゃっ!?』
地面が割れ、その割れ目から溶岩が吹き出した
『暑い・・・でもこれ、幻術・・・なのよね』
分かってはいるのだがどうしても感覚がいうことを聞いてくれない
『とりあえず間合いを詰めなきゃ・・・』
槍が届く位まで詰めるため、割れ目を避けながら走る。が、
がっ
『え、』
いきなり足場にしようとした地面が離れ、足を引っかけてしまう
そのまま体ごと地面にぶつかる筈だったのだが
『!っ』
不思議な力によってチャイの体が浮かび、体制を戻すことができた
『あ、あれっ?』
一瞬何が起こったのか分からなかったチャイだが、チャコルの方を見ると、魔力を使った後の様な光がかすかに煌めき、当の本人がしまったというような顔をしているのを見て、
とっさに助けてくれたんだな、と理解する
『あ、有り難う』
『っ・・・別に・・・』
顔を背けていうチャコル
前大会優勝者の意外な一面を見たところでチャイは気を取り直してチャコルに槍を突き刺すが、割れ目から吹き出した炎によって防がれてしまう
『!?・・・炎が固いっ・・・?』
チャコルがすっと手を前に示すと、槍を防いだ炎がそのままチャイに襲いかかってくる
『きゃあっ!!』
突然のことに反応しきれず、まともに攻撃を食らってしまう
何とか槍を支えにして持ちこたえたが、そう何回も受けていては身が持たない
『相手は強い・・・なら、一気に終わらせる!』
チャイは槍を前に構え、気を集中させる。すると、槍がだんだんと緑色に光り始める
『真空颯波!!』
チャイの声と共に槍の先から鋭い光線が放たれる
『真っ正面からとは・・・甘い』
両手を前に出し、十字に重ねる
『ゼロフレイム・・・!』
チャコルの目の前に炎の渦が遮るように現れ、光線は当たる寸前で炎に吸い込まれた
そしてそのまま吸い込んだ物を跳ね返す
『うそっ・・・!』
最大級の技を防がれたチャイはそのまま立ち尽くすしかなかった
『きゃあぁぁあぁああっ!!』
チャイの体を光線が貫く
そのまま、力なく倒れた
[勝者、チャコル・イルナーガ!!]
『『チャイっ!!』』『チャイさん!!』
チャイスが急いで柵を乗り越え、チャイを担ぐ
『大丈夫か?』
『あは・・・今日はもう散々だ・・・』
力の抜けた声で言うチャイ。体中傷だらけだ
『チャナ!杖!!』
『あいよっ!』
[さぁ、次はいよいよ決勝戦です!今年の頂点の座は、そしてイルフェリは誰の手に渡るのでしょうか!!・・・それでは対戦者を発表します!最後の対戦者は・・・チャイス・アナローグ対、チャコル・イルナーガ!!]
『いよいよ最後か・・・』
『頑張んなよチャイス、ここまで来たら絶対勝ってよ!』
『あぁ、もちろんだ!!』
チャイスは気を引き締める。
ここまで来たら負けるわけにはいかない。自分たちの為にも、・・・チャクナのためにも
◆第十四話◆ 終
◆第十五話◆ 魔法の薬草
[それでは!試合開始!!]
『ファガルガ・・・!』
開始と共にチャコルが炎魔法を発動させる
『よっ!』
炎を切り裂きながら一気に駆け抜け、間合いを急激に詰める
『はああぁぁっ!!』
そのまま力一杯剣を振り下ろすが、背中に付いているオウムの翼を羽ばたかせ、空中に逃げられる
『慣れない炎魔法では駄目か・・・なら・・・!』
チャコルはサングラスを取り出し、呪文を唱える
《幻術・・・来るっ!》
すると、辺り一面が一瞬のうちに凍り付いてしまった
『うわっ・・・さっぶ!!』
チャイスはたまらず剣を手放し、両腕で体を抱え込む
『どうした?隙だらけだぞ・・・!』
氷の山を地面から出現させ、チャイスを体ごと突き上げる
『がっ・・・!』
『ちょっとチャイス!しっかりしなさいよぉ!!』
見かねたチャナが思わず叫ぶ
『だっ〜ってっ!』
寒さが苦手なチャイスは凍えてろれつが回っていない
『もうっ!全く駄目ねあいつは・・・』
チャイがひょいと横を見ると、ハラハラとした様子で見ているチャクナの姿があった
そこでチャイが・・・ひらめいた
『チャイス!あんたが傷つくとチャクナちゃんが悲しむわよ!!』
『は・・・ふぇっ・・・!?ちゃっ、チャイさんっ!!』
『!』
チャイスの表情が引き締まる
《そっか・・・イルフェリを手に入れなきゃチャクナが・・・!》
・・・違う意味で取ってしまったチャイスだった
チャイスは剣を握り直し、相手に向かって走り出す。が、
ざくっ
《え?ざく?》
どうも足が動かないと思ったら両足の爪が地面の氷に突き刺さっていた
『え゛、ちょっ、うわ!?』
『なっ・・・!?』
チャイスは勢い余ってそのままチャコルを巻き添えに転ぶ
『いってぇ・・・』
チャイスが起き上がると、なんとさっきまで一面氷だった戦闘場が元に戻っていた
『えっ・・?どうなって・・・』
『っ・・・あ・・!』
ふと、起き上がったチャコルが慌てて何かを探し始める
よく見るとさっきまで掛けていたサングラスがチャコルの顔にない
《そういえば幻術はサングラスみたいに目の前を暗くしなきゃ使えないんだっけ・・・つーことは・・・!》
思い立ったチャイスはチャコルより一足早くサングラスを見つけ、そこまで全速力で向かう
そして剣を振りかぶり、サングラス目掛けて思いっきり振り下ろした
サングラスは”バリン”という軽快な音を立てて割れた
『どうだ?これで幻術は使えないだろ!』
そう言って余裕の笑みを浮かべるチャイス
『くっ・・・!』
チャコルは悪あがきをするように炎魔法を放つ。が、さっきと同じように剣で振り払われてしまう
そして、そのまま一気にけりを付けるかのように、チャイスは重い剣戟を相手に食らわせた
チャコルはそのまま地面に倒れ込む。勝敗はここで決まったかと思ったが、
『俺はっ、まだ・・・負ける・・訳には・・・!』
チャコルが片足を付いて起き上がる
『おっ、おいっ!もう止めとけ!これ以上戦ったらお前が・・・』
相当重たい一撃を与えただけに、これ以上戦闘が続けばチャコルの身が持たない
そう考えたチャイスは声を掛けるが、
『五月蠅い!!』
全く聞き入れようとしないチャコル。そのボロボロの体のどこにそんな力があったのか、今までにない程の強力な魔力が籠もった一撃をチャイスの向かって放つ
『・・・やるしかないか』
チャイスは持ち前の素早さを生かして攻撃をかわし、剣を投げ捨てる
『いいから・・・寝とけっ!!』
チャコルの脇腹を蹴り飛ばす。もう起き上がるな、という思いを込めて
鈍い音と共にチャコルは壁にぶつかる
『俺はっ・・・勝って・・・妹に・・イル・・フェリ・・・をっ・・・!』
意識が遷ろう中、それでも立ち向かおうと手を伸ばすが、その手がチャイスに届くことはなかった
[勝者、チャイス・アナローグ!よって、今年の優勝者は、チャイス・アナローグさんです!!]
観客の歓声が辺りに響き渡る。洞窟の外まで聞こえる勢いだった
司会者にイルフェリをもらったチャイスはみんなの元へ戻った
『チャイス様!!』
一番に駆け寄ってきたのはチャクナだった
駆け寄ってきたかと思えばそのままチャイスに抱きつくチャクナ
『良かった・・・!無事で・・・良かったぁ・・・!』
チャクナの思いがけない行動に、思考が追いつかない
『・・・ぅあ・・・えぇっと・・・?』
『・・・!!あっ!ごっ・・・ごめん、なさいっ・・・』
『ん・・・いや、別に・・・』
素早く体を離す。お互いにやり場のない雰囲気になっていた
『うん、やっぱり・・・』
『何ニヤニヤしてんの?』
チャナがチャイの様子を見て問う
『何でもないわよ〜』
これを言うと二人に悪い気がしたのではぐらかした
『ほら!イルフェリは手に入ったんだからさっさと・・・』
先に行こうと催促しようとしたチャイは、ある人物を見て言葉を止める
『あいつ・・・』
チャイはその人物の方へ駆け寄る
『ちょっとあんた!!』
◆第十五話◆ 終
◆第十六話◆ 孤高の鸚鵡
駆け寄った先にいたのは、真っ赤なオウムの羽をなびかせて歩くチャコルだった
呼び止められたチャコルは、思い詰めたような顔を一変させて、こちらに怪訝な表情を向けてくる
「・・・嫌味でも言うつもりか」
突然言われて一瞬キョトン、となるチャイ
「何でそうなるのよ?」
そう言い切って手に持っていた物の一部を千切り、チャコルの手にぐいっと押し込む
「要るんでしょ、イルフェリ」
「!」
信じられない物を見るような目で自分の手に握られているイルフェリの葉を見る
「何の・・・つもりだ」
疑うような眼差しで言う。その目は信じることを忘れた酷く冷たい目だった
「妹のため、なんでしょ?」
「なっ・・・」
妹、と言う言葉を出されて明らかに動揺するチャコル
「俺はっ・・・!お前らなんかに情けを掛けてもらうつもりは」
「あーもう!ごちゃごちゃ五月蠅いわね、要るの!?要らないの!?」
「そ・・・れはっ・・・」
目を泳がせ、目線を斜め下に逸らして、言う
「・・・・・いる」
「よし!よく言った!」
さっきのしかめっ面はどこへやら、表情を明るくするチャイ
「これでさっきの借りは返したからね!」
「・・・!」
チャコルは表情を隠すかのように俯き、後ずさる
「れっ・・・礼は言わないからなっ・・・!」
そう言うと、後ろを振り向き、走り去っていった
冷たかった目に少しだけ灯りがともったような———晴れた表情だった
「あ〜あ、五万円減った〜」
右上の葉が一枚抜けたイルフェリを掲げて言うチャイス
「あんたねぇ、どうせ売らないんだから良いじゃないの」
「・・・やっぱせめて一枚だけでも・・・」
どすっっ!
「さすがにこれ以上減ったらばれちゃうでしょ!いい加減にしないと殴るよ!!」
「・・・・・・もう殴ってんだろ・・・」
腹を抱え、涙目になりながら言う
「はいはい、じゃ〜精霊んとこ行くよ〜、えいっ!」
チャナがワープロッドを振る
一瞬のうちに精霊がいた場所まで着いた
「おっ、早速持ってきたようだな」
気配を感じ取った精霊チャイドが目の前に現れる
「・・・はい、」
チャイスが名残惜しそうに渡す
「サンキュ、じゃ、約束通りこれな」
そう言うと水晶玉を投げ渡し、風と共に消えてしまった
「有り難うございました・・・!」
水晶玉を受け取ったチャクナが風の吹く方にお礼を言った
風の谷を抜け、次の目的地へと進もうとした四人だったが・・・
「ん?何か聞こえない?」
チャイが後ろを振り向く
「風の音じゃないか?」
「もう風の谷からけっこ〜離れたよ?」
チャイは声の聞こえる方を一点に見つめている
「だからっ!俺は礼なんて言いたくねぇっつってんだろっ!!」
「だめよお兄ちゃん、私の気が収まらないもの」
言い争っている二人組が近づいてくる
「あっ、お前は・・・!」
どうやら声の主はチャコルと女の子だったようだ
「・・・・っ」
合いたくなかった、とでも言うように顔をしかめるチャコル
「この人たちよね・・・あのっ!この度は救って下って有り難うございました!御陰で病気を克服することが出来ました。本当に有り難うございます!」
礼儀正しそうな女の子は四人に頭を下げる
「わぁ、もしかして妹さん?」
「はい、チャコロと言います。兄がお世話になりました」
兄、チャコルとお揃いの真っ赤なオウムの羽を靡かせながら言うチャコロ
「ほらっ!お兄ちゃんもちゃんと——」
そう言われたチャコルは聞く耳を持たず、そっぽを向く
「・・・すみません。兄はいつもこうなんです。昔、他の人たちに軽蔑されていたので人見知りが激しくて」
「え?それってどういう・・・」
「おい、用が済んだならさっさと帰るぞ」
チャコルが隠すように口を開く
「あ、待って。あの、お見受けしたところ旅の方・・・ですよね。良かったら私たちも連れて行ってくれませんか?」
「えっ?」
「なっ!!?」
にこやかに行ったチャコロの横で、対照的に顔を青くするチャコル
「俺はもうこいつらと関わりたくなんか・・・!」
「お兄ちゃんは黙ってて!!」
さっきのにこやかな表情からは想像が出来ないほどの恐ろしい顔で実の兄を怒鳴りつけるチャコロ。もしかするとチャイと同等・・・いや、それ以上かもしれない
「・・・・・ハイ・・」
もうチャコルからは反論する勢いも恐怖で冷めていた
「お礼もかねてお手伝いしたいんです・・・今はそれしか思いつかないから・・・」
「そう言うことなら喜んで!」
「よろしくお願いします・・・!」
「やった!初めての男仲間〜!!」
と、チャイスがチャコルの手を握って嬉しそうに言う
どうやら寂しかったようだ
「・・・・・」
チャコルはただ呆れるしかなかった
「で?次どこ行くの?」
チャナが訪ねる。歩くのが面倒なのでワープロッドで行きたいようだ
「ここからだと・・・雷鉱山だな」
「あぁ、あの一年中雷が振ってるっていうので有名なところですよね」
「え゛ぇ!?却下きゃっかぁ〜!そんなとこ行きたくなぁい〜っ!!」
チャナが飛び跳ねて反論する
「文句言わない!!ほら、さっさと行くよ!」
チャイがチャナを掴んで無理矢理引っ張る
六人は雷鉱山に向けて歩き出した
◆第十六話◆ 終
◆第十七話◆ 雷鳴
降り注ぐ雷の音。
六人は目的地へとたどり着いていた
ピッシャァァン!!
「「きゃああぁぁぁ!!」」
さっきから雷が落ちる度に悲鳴を上げているチャクナとチャナ。二人ともがっちりと体をくっつけて震えている
ピシャアァァン!
「「きゃあああっ!!」」
「・・っせぇなぁ、ちっとは静かにできねぇのか・・・」
悲鳴の五月蠅さに耐えかねたチャコルが呟く
「まぁそう言ってやるなって」
「そーよそーよぉ!!」
「お前は黙ってろ」
チャイスの素早い切り返しにチャナはほっぺをぶぅっと膨らませた
「大丈夫ですよ、この山の岩は背が高くて尖ってるから私たちの方へは落ちてきませんよ」
「へぇ〜・・・ってうわ!?」
言った傍からチャイに向かって雷が落ちた
とっさにかわしたから良かったものの、直撃していたら大惨事だ
「ちょっと!これどういう事よ!?」
チャイが青ざめた顔でチャコロに問い正す
「おかしいですね・・・あ!」
チャイをじっ、と見てから周りを見比べる
「あ〜・・・」
「え!?ちょっと、何よ?」
「チャイさんの背・・・岩と同じ高さですね・・・」
チャコロが言いづらそうに答える
「え?」
と言うことは、雷は高い場所に落ちるので、普通は自分の背より高い岩に落ちるのだが、チャイの場合、頭が特殊な形をしている(なんか頭から双葉が生えたみたいになっている)ため、岩と同じ高さ。つまり、チャイの方にも雷が落ちる。ということだ
「ちょっと何よそれ!?あたしだけ酷くない!?」
と、何だか周りから不穏な空気が・・・
「へ?ちょっと・・・?みんな・・・?」
チャイが周りを見渡すと、皆後ずさりをして自分から離れて言ってるように見える
《チャイの傍にいたらとばっちり食らうぞ・・・》
《雷こわ〜〜〜〜い・・・当たるのやだぁ・・・》
《御免なさいチャイさんっ・・・私、雷だけはどうしても・・・・!》
皆、考えていることは同じのようだ
「や、ちょっと!?お願いっ一人にしないで見捨てないでぇぇ!!!」
チャイの必死の叫びも空しく雷は鳴り響いた
「さて、そろそろ頂上ですよ」
先を歩き、先導しているチャコロが言う
「お〜い、大丈夫か〜」
チャイスが山の下の方に声を掛ける
「だいようぶなわけないれしょこの馬鹿チャイス!!」
一際遅れて歩くチャイ。その服は所々黒く焦げている。
「馬鹿チャイスのとこだけまともに言うなよ」
チャイは最初のも含めて雷を三発かわし、四発食らっていた。チャナの回復無しでは確実に死んでいる事だろう
ちなみに翻訳すると、大丈夫な訳無いでしょこの馬鹿チャイス!!である
すると、チャクナが。
「!」
「どうしたチャクナ?」
「あ・・・あの・・・あれ・・・」
チャクナはゆっくりと腕を上げ、斜め上を指さした。その次の瞬間、
「グルルルルルルルルルルルァ!!」
「何!?雷ぃ!?」
「違う!岩の上!!」
見上げると、一際高い岩の上に黄色い毛並みの獣が立っていた
「な、何かこっち睨んでるぞ」
「グルア!!」
まるでこの先へは通さないとでも言っているようだ
「もうっ、無視しちゃいましょ無視!こんなとこ早く水晶玉もらって出ましょうよ!」
そう言ってチャイが一歩前へ踏み出すと、
ビシャァアアッ
「きゃ!!」
獣の毛が逆立ち、まとっていた雷がチャイの足下に落ちる
「グルルルルルル・・・・」
「どうやら戦うしか無さそうだな」
それぞれ武器を構える
「あーもうっ、勘弁してよ・・・」
チャイも渋々構えた
殺気を感じ取ったのか、雷の獣が動き出した
岩を器用に跳び渡り、近づいてくる
「らぁっ!」
近づいてきたところをチャイスが斬ろうとする。が、獣が岩が高すぎて剣が届かない
「駄目だ!届かない!」
「魔法は!?」
「・・・駄目だ。動きが早すぎる。このままだと詠唱している間にやられる・・・おい、お前」
チャコルがチャイに向かって呼びかける
「え、あたし?」
「お前の槍、対竜用の槍だろ。お前の槍ならあの獣が居る岩が壊せるはずだ」
「・・・分かった、やってみる。でもその前にっ!」
チャイがチャコルの真正面に立ち、手を腰に当てる
思わずチャコルが仰け反る
「なっ・・・何だ」
「さっきからお前お前五月蠅いのよ、ちゃんと名前で呼びなさい!」
チャイが少し表情をゆるめて言う
「な・・っ、んな事どうでもいいだろっ!さっさとやれ!」
チャコルが顔を赤くしながら言う
「はいはいっと、じゃ、行くよ!」
少し助走を付けてから獣がのっている岩へ全速力で走る
そして
「たぁぁぁああ!!」
「グルッ!?」
槍が岩に勢いよく突き刺さる。その瞬間、雷にも負けない音を立て、獣の足下の岩が崩れていく
「グルアァッ!!」
バランスを崩した獣はそのまま崩れた岩に埋もれてしまった
「チャイさん、すばらしいです・・・!」
「へっへ〜そう?チャクナちゃんに言われると照れるな〜」
「じゃ、進むぞ!」
六人は先へと歩き出した
・・・・・・・ガタッ
◆第十七話◆ 終
- Re: チャオアドベンチャー ( No.2 )
- 日時: 2010/01/03 16:57
- 名前: 百合 (ID: zz4.lYYr)
あ!緋那乃発見!!
おかえり〜♪
なんか内容的に結構進んだね?
ようしっ うちもそろそろ始動しようかなぁ
チャー「絶対ムリでしょ」
ココナッツ「何ヶ月も前からおなじこと言ってるよね?」
キラキラ「口先だけね。」
うわっ普段はつかない『。』がついた!!
・・・なんか見放されたかんじがする・・・
チャー「はーい、バカ作者はほっといて宣伝宣伝〜」
ココナッツ「ガタッとはなんでしょーか!?」
キラキラ「次回、お楽しみに!」
ユー「それかラ・・・」
一同「あけおめことよろ〜!!」
えっ今更ッ!!?
・・・じゃあ、うちも・・・
あけましておめでとうございます。
今年もよい年になるといいですね。
うちとしては今年はなんでもたのしく、そして・・・
学力が飛躍的にup!する年にしたいです!!
あと、友達ともいっぱい遊んでしあわs「長いわッッ!!!」
・・・すいません
でわ。
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