二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

消失の中で (さよなら絶望先生)
日時: 2010/01/25 20:08
名前: 水無月の十二 (ID: j1QX106.)

プロローグ
「時間だよ『風浦可符香』ちゃん」
          (犯人 詳細不明)
走っていた

彼女は走っていた

彼女は希望の絶望

逃げていた

彼女は逃げていた

彼女は決して逃れられない
絶望から逃げていた
だから走っている 逃げている
希望に隠れて逃げている

「時間だよ『風浦可符香』ちゃん」

彼女は止まって振り向く

笑っていた

彼女は笑っていた

次の瞬間彼女の意識は[消えた]

これが『風浦可符香』の最後の記憶

Page:1



消失の中で (さよなら絶望先生) ( No.1 )
日時: 2010/01/25 20:13
名前: 水無月の十二 (ID: j1QX106.)

第一話
「風浦・…?さぁ…知りません。あの、
あなたは誰ですか?」
   (赤木杏 二のへ組生徒出席番号14番)

数日前、彼女が学校の近くで倒れていた

発見したのは彼女の担任である糸色望だった
「風浦さん!」
彼は、彼女を呼んだ。必死に叫んだ。

しかし、意識が戻らないので
救急車を呼んだ。彼女は望の兄の営む「糸色医院」に
入院した。

倒れた原因は不明。

望はとても不安だった。
少しの希望を命綱にして
毎日、毎日医院に通った

そして3日前彼女の意識が戻った
その時、望は彼女の傍らにいた。

「兄さん!風浦さんの意識がもどりましたよ!
よかった!本当に・…風浦さん!心配したんですよ!」
望は『風浦可符香』に呼びかけた
しかし、彼女は首を傾げて、困った顔をして言った

「あの、すいません
私、風浦じゃなくて赤木杏っていうんですけど…」
「えっ・・…?」

望は絶句した。確かに彼女は『赤木杏』だけど、
自ら『赤木杏』と言ったことはない
『風浦可符香』と自分で言っていた、でも
その『風浦可符香』を自分じゃないと言った・・…?

「風浦可符香というペンネームを知っていますか?」
「風浦・…?さぁ…知りません。あの、
あなたは誰ですか?」

望は本当の絶望を思い知った

消失の中で (さよなら絶望先生) ( No.2 )
日時: 2010/02/28 09:57
名前: 水無月の十二 (ID: j1QX106.)

第二話
「学校がとっても明るくて色鮮やかに見えるんです」
   (赤木杏 二のへ組生徒出席番号14番)

「それでは糸色先生よろしくお願いします」
「はあ、こちらこそよろしくお願いします」

目の前にはいつか見たイメチェンした時の髪型
そしていつもの笑顔の彼女がいた

「ふ…赤木さん、そろそろ行きましょうか」
「あ、はい」

二人は廊下を渡って教室へ向かっていった

彼女はときどき、辺りを見回してちょっと
うれしそうな顔をする
望がそれに見入っていると、気づいた杏が声をかける

「糸色先生」
「えっ、あ、はい!何ですか?」
慌てた望を見て杏が笑う

「先生、私はね…高校1年生ぐらいまでの記憶
しかないんです。しかも、そのときになんて名乗って
何をしていたかも覚えてないんです。
でも、何故でしょうね・…とっても明るく見えるんです」

「何がですか?」
「学校がです、先生
学校がとっても明るくて色鮮やかに見えるんです」
「へ?」
「高校1年生までは世界はいつも流れていって
なにも見えなかったような気がするのに、今は
違うんです・…先生」
「そう…なんですか」
遠い目で懐かしむ彼女を見て、
望は何故だかうれしくなった

「あ、そうだ先生」
「なんですか?」
「先生は私のことどう思ってたんですか?」
「え……?ええええええええ!?」

望が絶句したその直後に予鈴がなった
「あ!あ、あか、赤木さん!早く行きましょう!」
「はい、行きましょうか
糸色先生、また今度聞かして下さいね」
顔を真っ赤にしている彼に、彼女は
にっこりと笑ってそう言った


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。