二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- Wand of Fortune 未来への幸福
- 日時: 2010/02/06 16:22
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
【挨拶】
初めまして、雛苺です。
今日から小説を書きますが、よろしくお願いします!!
【注意事項】
1:駄目文を書きます。
2:亀更新で更新されます。
3:タメ&呼び捨てはOKです。
4:本作主人公・ルルも登場しますが、ルル≠主人公ではありません。
主人公紹介 >>01
第0話 憧れの地 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>8
こんな感じでよろしくお願いします!!
Page:1
- 主人公紹介 ( No.1 )
- 日時: 2010/02/04 22:02
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
☆名前
リク・ナカムラ
☆年齢
15歳
☆性別
女
☆身長/体重
167cm/44kg
☆誕生日/星座/血液型
9月27日/天秤座/O型
☆性格
明るく元気で前向きで友達思いだが、正義感が強くしたたがで多少の事ではへこたれない。
お人よしで優しいが自分のことは後回しすることが多い。
☆容姿
髪:腰の辺りまであるストレートの茶髪
瞳:澄んだ茶色
顔立ち:中性的で童顔だが、少年のような顔立ちの所為で男と間違えられるほど
☆服装
制服:上は胸元のボタンを一つ外している。下は黒のスカートで、丈は膝のちょい上くらい。
黒のニーハイを履いており、靴は茶色の革靴。
私服:ジャンルは問わないが、主にセーターやキャミソールを好んで着ている。
☆属性
不明 (後に判明する)
☆魔法媒介
星がシンボルの杖。幼い頃に義母・ハルカから貰った宝物でもある
☆備考
極東の国・テイトの出身者で魔法使いの見習い。地元では知らない者はモグリと言われるほどの有名人。
どんな病気をも治す不思議な治癒能力を持つため、ミルス・クレア魔法院への入学許可を貰う事になる。
勉強が苦手だが、魔法に関する魔力と技術はかなり高い方であり、高度な魔法や詠唱が使える程。
怪力で年上でさえ軽々と持ち上げるほど。かなり不器用で料理や裁縫は不得意。
しかし、家事等はハルカによって3歳の頃に仕込まれている為得意である。
ラギ同様でツッコミ役をしている。無茶をするのが激しく、周りに心配掛けられている。
筋金入りの鈍感だが他人のことには鋭い。素直に言えない部分があり、孤立する事がある。
常に故郷で撮ったアルバムを持ち歩いていることが、あまり誰かに見せることが無い。
こんな感じでよろしくお願いします!!
- 第0話 憧れの地 ( No.2 )
- 日時: 2010/02/03 23:47
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
オギャアオギャア、とドアの向こうで泣き声が聞こえた。
「・・・・・・泣き声?子供?」
「いや、あんたの身体は子供が産めにくい体だから産んでないよ。はて、何だろうね?」
町で有名な産婦人科の先生が玄関のドアを開けた時、茶色の籠と白いおくるみがあった。
中にいたのは茶色の髪をした女の子の赤ん坊と星がついた大きい杖。
「おやま、捨て子だよ。しかも、田舎のさらに端の」
「まぁ」
「可哀想に、子供は生む親を選べない。さて、あんたの診察も終わったし、私はこの子を役人のところに連れて行くね」
「あ、待って先生」
籠を抱き上げた先生を見て、私は思わず先生を止めてしまった。
「その子、私が育てちゃ駄目かしら?」
「突然何を言ってるいんだい、あんたにはもう夫がいない。女手一つで育てるのは骨が折れる仕事だよ」
「分かっています。でも、その子は私から離れたくないと言ってるわ。それに、私にはあの人の分まで頑張る責任があるもの」
「再婚でもして子供を生めばいいじゃないかい。あんたなら出来るだろう?」
「いいえ、私の最愛の人はあの人だけ。だから、私は死ぬその時までその子を育てたい。て言うのは、ワガママですか?」
「いいや、あんたの言う通りだよ、ハルコ。分かった。今日からこの子はお前さんの子供だよ。でも、二人だけの秘密だよ。安心しな、私はもう長くないから黙っているよ」
「ありがとう、先生」
そう言いながら先生はその赤ん坊を私に渡した。
「それで、その子の名前はどうするんだい?」
「そうね・・・・・・。もし私が男の子を産んだら、【逞しく強く生きる子】でいますように望む子、【タクマ】と名付けるつもりだけだったけど。この子には・・・・・・・・・【凛々しく強く生きる子】でいますように望む子になって欲しい。————リク、がいいわ」
それが、あたしが12歳の時に明かされた真実だった。
- 第0話 憧れの地 ( No.3 )
- 日時: 2010/02/03 23:47
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
「こら、リク!いつまで寝てるの?起きなさ———い!!」
暖かい日曜日の朝。家ではお母さんの大声が聞こえた。
「う〜ん・・・、あと五分・・・・・・」
「馬鹿言ってるんじゃありません。今日は何の日か覚えてるの?」
「・・・・・・はう?」
「【ミルス・クレア魔法院】に行く日でしょ?このわすれんぼ!」
「・・・・・・あ」
起きて10秒後、あたしはガバッと起き上がった。
「わぁあ〜〜!!そうだった〜〜〜!!」
慌てて起き上がって寝癖などでボサボサな髪を気にしないまま制服に着替えて、バタバタと階段を降りた。
「うわ〜〜!朝ごは〜ん!」
「何言ってるのよ、食べてたら間に合わないでしょ?」
リビングには呆れ顔なお母さんが立っていた。お母さんはテーブルに置いてあった少し大きめなバスケットをあたしに渡した。
「はい、これお昼。それと入学許可書持って、お財布詰めて。ああ、何なのよその髪は?女の子でしょ?」
そう言いながらお母さんはあたしの髪を撫でながら髪型を直し始めた。
「ごは〜ん!」
「今食べたらドラカーゴに間に合わないわよ。パンだけ齧って行きなさい。ベーコンエッグ乗せてあげるから」
お母さんは出来立ての食パンにベーコンエッグを乗せて、あたしの口に運んでくれた。
「はぐっ・・・・・・。そういえば、連絡手段で手紙って大丈夫だよね?」
「大丈夫よ?ドラカーゴを使えばそのまま届けてくれるわよ」
「そっか。じゃあ、週一にはちゃんと出すね」
「別に、週一じゃなくてもいいわよ。・・・・はい、直ったわよ」
「ありがとう、お母さん」
あたしの髪を直してくれたお母さんに礼を言った後、お母さんが少し寂しそうな顔をした。
「・・・・・・お母さんは、魔法院まで見送り出来ないからね」
「・・・・・・・・・・・・」
お母さんの言葉で、あたしは一瞬間前のことを思い出した。
あれは、今日みたいな天気がいい日。家に届いた一通の手紙。
それは、魔法士を目指す者達の憧れ、【ミルス・クレア魔法院】からの入学許可書が入った手紙だった。
【拝啓 リク・ナカムラ様
貴女は本校に相応しい能力を持っているとお見受けする為、今日をもって入学許可を致します。
おめでとうございます。貴女には我が校で勉学を励んで頂きたいと思っております。
今日から一週間後、魔法都市【ラティウム】でお待ちいたします。
我が校が貴女にとって【幸福】の一つであるようにと願っております。
ミルス・クレア魔法院学長・クレメンス】
この手紙にお母さん、町の人たちや地元の魔法学校の皆でさえ驚いた。
正直、あたしは少し怖かった。あの魔法院に行くことは一生無理な事だと思っていた。
きっと、あっちの間違いで入学取り消しの可能性さえ高い。それが怖かった。
あたしが俯いていると、お母さんは深いため息をついた。
「ほら、入学出来るんだからしっかりしなさい!」
「ひゃあ!?」
お母さんはあたしのお尻をパンッと叩いた。手に持っていたパンとベーコンエッグも一緒に飛んだ。
「いい?涙って言うのは簡単に見せちゃいけないのよ。ちょっとの事で簡単に泣いてはいけない。歯を食いしばって、空を見上げて我慢するのよ」
「お、お母さん?」
「大丈夫、あんたなら出来るわ。学校では結構いい方だったし、魔法使いになるのはあんたの夢だったんでしょ?今からそんなんじゃ叶うものも叶えないわよ。私の子なんだから、きっと出来るわよ」
「お母さん・・・・・・」
お母さんの言葉が嬉しくて涙が出そうなったけれど、あたしはそれを我慢した。
「あんたは私と似たところがあるわ。だからあんたの名前通り、凛々しく賢く強い女になりなさい、リク」
そう言ってお母さんはあたしの額にキスをしてくれた。
まるで子供の頃に戻ったみたい。甘い、ミルクの匂いがした。
「しっかりやるんだよ?」
「・・・うん」
「いってらっしゃい!」
「いってきます!」
お母さんに背中を押されて、あたしは旅立った。
自分の夢を叶える為に。自分の幸福を見つける為に。
その全ての希望が詰まった憧れの地、魔法都市【ラティウム】にある魔法学校—・・・【ミルス・クレア魔法院】へ。
これが、あたしの物語の始まりだった。
- 第0話 憧れの地 ( No.4 )
- 日時: 2010/02/04 22:00
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
世界の端まで澄んだ青い空。その空にふよふよと浮かぶ小さい雲たち。太陽の暖かい光。
そんな最高の晴れの天気、あたしはドラカーゴと呼ばれる飛行船でのんびりと満喫していた。
「それじゃあ、【ラティウム】に来るのは今日で初めてなのかい?」
「はい。だから、凄く楽しみなんです」
偶然同じ船であたしの席の隣に乗ってきた乗客のおじさんと一緒に談話をしていた。
「なんだい・・・・・・。私はまたてっきり、【ミルス・クレア魔法院】の生徒さんかと。その制服は、魔法士たちを目指す子たちの憧れだからねぇ」
「そうですよね。あたしも、この制服を初めて来た時凄く緊張しました。あたしもミルス・クレア生なんだ!って、思ったくらいに」
「あははっ!制服を着ただけで緊張するとは、面白いお嬢さんだね」
「あはは」
そう会話していると、おじさんはあたしの太股に置いてあるバスケットの中にあったハムサンドを一つ取る。
「しかし、いいのかい?他人の私がお嬢さんのお昼のサンドイッチを食べてしまって」
「あ、いいですよ。今日ラティウムに行くあたしの為にお母さんが作ったんですけど、何か多めに作ってたので大丈夫ですよ」
「そうか、それなら遠慮なく貰うよ」
そう言いながらハムサンドを食べるおじさんをみてあたしもつられてタマゴサンドを食べ始めた。
「それにしても、【ミルス・クレア魔法院】って言うのは世界で名だたる魔法学校だ。その学校に編入出来るなんて、お嬢さんはよほど優秀なんだな」
「・・・・・・え?」
おじさんの言葉にあたしは沈黙した。
地元の学校での勉強は他の学校より遅れているので勉強は少し苦手なほう。
だけど、魔法に関する魔力と技術は舌を巻くほどだって友達からも先生からも言われている。
そしてあれの所為もあるのか、あの入学許可書が来たと思う。
「あのね、おじさん。あたしはそんなに優秀じゃ・・・・・・」
「ほら、お嬢さん、見えてきたよ。あれが世界に名立たる魔法都市・ラティウムだ!」
「えっ!?本当!?」
窓から見えたのは城壁で守られた円状の都市—・・あれが、ラティウムだ。
ラティウムを眺めるあたしに、おじさんはラティウムについて語り始めた。
「ここラティウムは世界の魔法を管理する都市だから警備はとても厳しい。だから、立派な城壁が作られたんだ。外側を守る城壁は一の壁、内側が二の壁。その二の壁の中にある聳え立つ城—・・・あれが、お嬢さんが通うミルス・クレア魔法院だ」
「わぁっ・・・!」
窓越しから見えた青い屋根の城。創立は500年くらいで、改築を重ねた為既に昔の面影はないけれど、どこか歴史がある感じを持たせる城だ。
魔法院を眺めていると、ドラカーゴが発着場に近い上空で回転し始めた。
「ラティウム行きのドラカーゴは、必ず上空を一周してから発着場に降りるんだ。【始まりの地】をひと目みたいと訪れる人たちへのサービスだと私は思うんだがね」
おじさんの話を聞いてあたしはバスケット片付け時、丁度ドラカーゴが発着場に降りた。
「退屈な長旅の相手をしてくれてありがとう、お嬢さん。この地が君にとって【幸運の地】になるよう、願ってるよ」
「はい。こちらこそありがとうございました!」
おじさんのお礼にあたしもお礼の挨拶をして、笑顔のまま別れた。
- 第0話 憧れの地 ( No.5 )
- 日時: 2010/02/06 16:24
- 名前: 雛苺 (ID: 0wDrexNa)
気持ちいい潮風が吹いている発着場で、あたしは身を寄せ合って戯れるつがい同士のドラーグを眺めていた。
ドラカーゴのドラーグはつがい同士の二組。つがい同士なら安全に運送が出来る為らしい。
「そういえば、魔法院を案内してくれる人が来るって言っていたけど・・・・・・、まだかな?」
そう思いながら潮風を浴びていると、
「ごめんなさいっ!遅れちゃいましたっ!?」
「えっ?」
耳に入ってきた謝罪の言葉に振り向いた瞬間、ドテッ!と、勢いよく派手に転んだ音が聞こえた。・・・・・・しかも、何もない場所で。
転んだのはあたしと同じ制服を着ている生徒で、フワフワの桃色の髪を一つ結びにした可愛い女の子だった。
「・・・・・・・・・だ、大丈夫?」
あまりにも派手に転んだので、心配に恐る恐る聞いてくると、ガバッと起き上がる。
「う、うん!全然平気よ!」
そう笑いながら立ち上がり、制服についた土埃をパンパンと払う。マントにも付いていたので、あたしも手伝って土埃を払う。
払っている途中、彼女の制服を見て少し疑問に思った。
彼女の制服は妙に新しいので、彼女は転入生かないかかもしれない。そう思っていると、彼女は笑顔で話しかけてくる。
「初めまして、ルルです。えっと、あなたがリク・・・さん?」
「そうだけど、敬語は要らないよ。まだ15だから」
「えっ?それじゃあ、私と同い年なの?」
「・・・・・・同い年、なの?」
「うんうんっ!」
そう頷くルルと名乗る彼女を見て、信じられないと思った。
15歳にしては少し幼っぽく、可愛らしい顔立ち。背は少し低い。とても15歳とは見えない。
・・・まぁ、そう言う自分も言えないけれど・・・・・・・・・
「それじゃあ、学校に行きましょう?先生達が待ってるわ」
「そうだね、それじゃあ一緒に行こっか」
そう言いながらあたしはルルと一緒にラティウムへと向かった。
一の門で審査をした後、あたしは少し目を手の平で押さえながらよろめき歩いていた。
「リク、大丈夫?もしかして、あの魔法陣の所為なの?」
ルルの言うあの魔法陣は、一の門に仕掛けられた【束縛の陣】だ。
その魔法陣はラティウム魔法省の身分証明書や許可がある者を審査する働きを持っている。
しかし、もしそれが偽装されている物であればすぐに陣が動き始め、その者を捕らえる仕組みになっている。
審査が終えて魔法陣が光り始めた為、あたしは眩暈を起こした。・・・正直きついです。
「へ、平気・・・。少し眩暈しちゃっただけ・・・・・・」
「私も初めて来た時には眩暈を起こしちゃったの。だから、大丈夫よ」
「それならいいけど・・・」
ルルと歩き始めて数分した場所、噴水広場までやって来た、ルルが「少し休憩にしましょう」と言うので、あたしもまだドラカーゴに乗った疲れがある為、噴水の傍にあったベンチに座る。
「ねぇねぇ、リクの媒介って何?」
「え?杖だけど・・・、それがどうかしたの?」
「ううん、別に深い意味は無いんだけど・・・・・・、ちょっと気になっちゃって」
「そっか・・・。じゃあ、見せてあげる」
「えぇっ!?いいわ、悪いわよ!」
「とか言いながら、見る気満々の顔してる癖に」
「ううっ・・・!」
図星を指されたルルを見てあたしは苦笑しながら持っていた金色の杖を見せた。
あたしの杖の先端にはレモンイエローの星で、下にはハート型に装飾した金具の真ん中にアウインと呼ばれる青く透き通った宝石が付いており、その金具の下には赤い細いリボンが結ばれていた。
「わぁっ、凄く綺麗ね。これがリクの媒介?」
「そうだよ。ルルの媒介はその杖なの?」
「そうなのっ!これね、おばあちゃんに貰った大事な杖なの」
そう言ってルルが持っていた杖を見た。先端はミルククラウン型でそのクラウンの上にはローズクォーツの宝石が埋め込まれていた。
「そっか・・・。ちゃんと大事にしなきゃ駄目だよ?」
「うんうんっ!勿論してるわ!」
そう楽しくしていると、カーンカーンと鐘の音が鳴った。
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