二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 怪談レストラン 特別編
- 日時: 2010/03/08 18:56
- 名前: 漣 (ID: hQNiL0LO)
怪談レストランへようこそ。
私、支配人のおばけギャルソンです。
当レストランでは、原作の中からいくつか選んだお料理を小説にさせていただいております。
お料理にはお時間かかることもございますが、ご了承を。
では、ゆっくりお楽しみください。
どうも。漣です。
いや・・・。消えました。と思ったら復活して。
と思ったら過去ログへ・・・。
まあ前回とメニューは変わりますが、少しずつ更新していくのでよろしくお願いします。
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- Re: 怪談レストラン 特別編 第1話 ( No.2 )
- 日時: 2010/03/08 18:57
- 名前: 漣 (ID: hQNiL0LO)
怪談レストランへようこそ。
私、支配人のおばけギャルソンです。
当店では皆さまの背筋がゾーッとするようなお料理を多数取り揃えております。
ではさっそく、火の玉ボーイお勧めの特別メニューをご覧ください。
ファイヤー!
まずはっ!焼き立ての本場ドイツ風パンの盛り合わせ、『もえる男たち』、
メインは、背筋も凍るイギリス風冷製パスタ、『もうひとり、おのりになれますよ』
デザートは、どきっ、とするイタリア風クリームブリュレ、『とうさんの足』
まず!最初は『もえる男たち』。
世の中には助けを必要としている人たちが多くいます。
そして中には、霊も助けを求めていることも・・・。
これはそんなお話です。
ファイヤー?
ではまた後ほどお会いしましょう。
- Re: 怪談レストラン 特別編 ( No.4 )
- 日時: 2010/03/08 19:01
- 名前: 零 (ID: PU7uEkRW)
スイマセン・・・。(汗)
- Re: 怪談レストラン 特別編 もえる男たち ( No.5 )
- 日時: 2010/03/12 22:58
- 名前: 漣 (ID: hQNiL0LO)
一学期の終わりに、私とショウ君、レイコやマリ、ユウマ君やタクマ君と肝試しをすることになりました。
そこでショウ君が肝試しの前に・・・と話をしてくれました。
「これは、ドイツの話なんだけどね・・・。」
『もえる男たち』
「11月のはじめ。ドイツでは万聖節というのがあって、その日は死者たちのお祭りの日で、死んだ人たちがこの世に帰ってくるといわれていたんだ。
そしてその万聖節の夜、村の一番のケチの金貸しのヨハンという男が、町からの帰りでさみしい沼地を通りかかった。
あいにくその晩は新月で、あたりはまっくらだったんだ。
その沼地で、ヨハンは"もえる男"を見つけたんだ。
もえる男っていうのは、この世で悪事を働いたために、きちんと墓場に葬ってもらえず、墓場の周りをさまよっている霊のことなんだ。
ヨハンは、
『よし、これで明かりが手に入る。ランプ代が儲かったぞ。』
といってもえる男に向かって大声で叫んだ。
『おーい、こっちに来て、照らしてくれ。パンの塊をやるぞ。』
とね。
でもヨハンは本当はパンをやる気なんてさらさらなかったんだ。
ヨハンが呼ぶと、もえる男はすぐに馬車のとなりの席に座って、あたりを照らしてくれた。
おかげて真っ暗な道も迷うことなく進むことができた。
暗い森を抜けて、自分の村からそう遠くない広い道にでた時、ヨハンはもえる男にいった。
『もういい。ありがとう。ここからは一人で大丈夫だ。』
と。
しかしもえる男は動かない。
(ははーん、こいつ、パンをくれるのを待っているな。誰がやるもんか)
そう言って男はだまって家の近くまで馬車を走らせた。
屋敷についてももえる男はまだ座っていたんだけど、ヨハンも怒ったんだ。
『いつまでそこにいるんだ。わしはもう礼を言った。おりてくれ。お前はもう必要ないんだから。』
もえる男がなおも馬車に座っていると、
『わしはもう馬をほどいて、家に帰って寝るぞ。おまえはいつまでもそこにいるがいい。』
そう言って、ヨハンは寝てしまった。
しばらくして、ヨハンと同じ部屋で寝ていた息子が叫んだ。
『とうさん!部屋の外が、火でいっぱいだ!』
ヨハンが飛び起きると、窓にたくさんの火の玉が押し寄せるのが見えた。庭じゅうがもえる男たちで埋め尽くされていた。しかもまだまだもえる男たちは押し寄せてくる。
『すまなかった。パンをやるから、もう帰ってくれ!!』
だがもう遅かった。
もえる男たちのそれぞれが『パンをよこせ』と迫ってきたのだ。
ヨハンは家にあるパンすべてをもえる男たちにちぎって渡した。
そして最後のひとかけらを渡した時、ようやくもえる男たちは一人もいなくなった。
そしてヨハンは、その後何をやってもうまくいかなくなったという。
もえる男たちは、生きている時に犯した罪を償うため、今も暗闇で道に迷う人に明かりを差し伸べている。
心から感謝され、自分のために祈ってくる人が現れるのをずっと待っているんだ・・・。」
「あ、ユウマ君!」
マリの叫び声で沈黙は破られた。
「おーいアンコ、次はおまえだぞー!」
「わかってるって!」
そう答えた後、あたしの耳にはこんな声が聞こえてきました。
(おい、タクマ、いくぞ。)
(うん。)
しばらく不気味なお墓を歩いていくと、大きな沼に出ました。影取沼とこの地域では呼ばれています。
ここのほとりに置いてあるリボンを一つ持ってくるのが決まりです。
「さっ、戻ろう」
そういったあたしの眼に、明かりが見えました。
しかもそれは人の形をしていて、頭には火の玉が・・・。
「キャーーーーーーッ!!」
そして・・・。
「なんだ、アイツ。」
ユウマ君がいいました。
「ユウマ君のその格好が怖かったんじゃないの?」
タクマ君が言いました。
頭に提灯をぶり下げた、ユウマ君の姿が・・・。
怪談レストラン もえる男たち 完
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