二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- TOA -唄扉-
- 日時: 2010/05/30 00:13
- 名前: 彩凪 (ID: WKZwKa5Q)
—…トゥエ レィ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ …—
—クロア リュオ ズェ トゥエ リュオ レィ ネゥ リュオ ズェ—
—ヴァ レィ ズェ トゥエ ネゥ トゥエ リュオ トゥエ クロア—
—リュオ レィ クロア リュオ ズェ レィ ヴァ ズェ レィ —
—ヴァ ネゥ ヴァ レィ ヴァ ネゥ ヴァ ズェ レィ —
—クロア リュオ クロア ネゥ トゥエ レィ クロア リュオ ズェ レィ ヴァ—
—レィ ヴァ ネゥ クロア トゥエ レィ レィ—
—透き通るような歌声が、朝のタタル渓谷に響き渡る。朝日の真っ白な光が山の間から差し込み、1人の歌姫に降り注ぐ。歌姫は瞼を閉じてかつて共に旅をしていた者たちを思い、歌う、歌う。
「……お願い…、帰ってきて……」(ルーク…)
—歌姫はただひたすら歌う。彼を想い、彼へこの想いを届けるために…—
======
<目次>
プロローグ >>0
ACT1
「始まりの唄」
Page:1
- ACT1 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/30 00:48
- 名前: 彩凪 (ID: WKZwKa5Q)
—そして今日も、あたしはゲームをしていた。
これは、そんな退屈な少女の退屈なお話。
=====
既に太陽は真上に昇っていた。だが少女はずっと家の中にいた。しかも一心にテレビ画面を見て、ずっとコントローラーを握っている。もう何時間もやっているのか、彼女の傍には飲みかけの缶コーヒーとポテトチップス(ほとんど空)が無造作に置かれていた。
カチカチカチとコントローラーのボタンやグリップをいじくりまわす少女。だが一通りいじったところで、はぁっとため息をついてコントローラーを離す。
「…だめだぁ……、また同じところで負けたぁ〜」
バフッと近くにあった大きなクッションに身を預ける少女。かけていたメガネを外し、ゴシゴシと目をこする。そして再びメガネをかけてコントローラーを手に取る。
「よぉし…、今日はバイトもないしがんばるぞー。打倒ヴァン!!」
そう言うと彼女は『コンティニュー』を選び、再びスタート画面から『LOAD』を選びだし、いくつもあるメモリーからさっきまでやっていたメモリーを選びだす。
「せっかくの休みだもん!!絶対に今日倒してやる!」
と意気込み、自分の分身となる『画面の中の主人公』を動かす。『主人公』はタッタッと軽快に走りながら、無機質な白い建物の中を走っていく。時々出てくるモンスターを軽く薙ぎ払い、途中途中少女はブツブツと言いながら画面をずっと睨んでいる。
「…んぅ……やっぱりナタリアは強くしといたほうがいいかもなぁ…。回復役にティアだけじゃ怖いし、ガイ使いやすいけどあたしルーク使いたいし…。」
と『主人公』がしばらく走っていると、途中で『蒼い魔方陣』が現れた。急な事に驚き、プレイヤーの彼女は吃驚するが何もイベントが起きないのでそのまま『主人公』を動かして『最後の場面』へと急ぐ。
(…何さっきの魔方陣……、友達から何にも聞いてないけど…)「まいっか、後でリクに相談してみよー」
—そして今日も彼女はゲームをしていた、ずっと。
何で?「つまらない日常」に飽きてしまったからである—
- つづき ( No.2 )
- 日時: 2010/05/30 01:20
- 名前: 彩凪 (ID: WKZwKa5Q)
『…ふぅん、やっぱりヴァン倒せなかったか〜』
「やっぱりって何だよ!!ってかヴァンの倒し方教えてよー!!あの剣構えてバァーンッとするやつ無理だって無理!!」
『んなもんフリーラン機能でやれよ』
「フリーランって何〜?(泣」
—受話器を片手に相手に泣き寝入りする少女。
『もういい大人なんだから攻略サイトみて頑張れよー。お前理系大学やねんし、そういうの得意やろー』
「理系は理系でも、あたしは『なんちゃって理系w』なの!!」
『あははーワロスワロス』
少女の必死の声に相手の少女もくすくすと笑う。すると少女はさっきの魔方陣について聞いてみた。
「そういえばさ、さっきゲームした時に魔方陣みたいなん見かけたんだけど」
『魔方陣?』
「うん。ヴァンと戦う前に突然現れたんだけど、なんのイベントもなかったからそのまま通り過ぎた」
『ふぅ〜ん…』
「ねぇねぇ、もしかしてその魔方陣ってヴァン攻略と何か関わりあんの?」
『いや、うちがやったときはそんなん見なかった。バグとかそんなんちゃうかな』
「そっかぁ……」
(まぁ…バグだったらいいか)
『じゃあ明日も早いし、うち寝るわ』
「うん、遅くまでありがとう。じゃあお互いがんばろな」
『おうよ』
—そして彼女は受話器を置いた。彼女の中に『魔方陣』の文字が残っていた…—
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。