二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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告白〜ルーピンサイド。セリフ少。ルーピンの感情メイン。
日時: 2010/06/11 14:07
名前: らお (ID: wPjJqZdn)

—もう、何も失いたくない…。


あの日—
ジェームズとリリー、それに両親。そして、シリウス。
彼らを失ってからというもの、少し臆病になってしまったようだ。
全く、我ながら笑える。
やっぱり自分は人に依存しながらでないと生きられない、臆病者なのだ。
ただ、今は唯一気の許せる人がいる。
ジェーン・ボタン。
グリフィンドール生だ。
彼女も、最初はただの1生徒であった。
それが変わり始めたのはいつからか??

栗色の髪、まぶしい笑顔。
快活な笑い声。

そんなものは世界中を探せば五万といるであろうに、私はそれがとても新鮮に感じた。
今までに触れたことの無いヒカリ。
本当にいつからか、彼女を気にかけている自分に気づいた。

——————恋??
この歳になって??
生徒に??
幾つ歳が違うと思っている?
だめだ、絶対に。
彼女はただの生徒。ただの生徒。ただの生徒。ただの・・・・

毎日自分に言い聞かせた。

そんなある日。
そのボタンがやってきて、私に告白をしたのだ。
まさか??
しかし彼女はいたって本気なようで、週2,3回も私の部屋へ来ては「好き」「本気」「スキ」などという言葉を並べて帰るのが習慣になってしまった。

本当は—
本当は、とてもうれしかった。
こんな喜びを感じるのはいつぶりだ?

しかし、そんなことがあっていいわけはない。
そんなことが。
私は人狼だ。
それに彼女との歳の差といったら…世界初??
この恋は、彼女にとっても私にとっても。
決して報われない恋なのだ。

だがある日。
いつものように彼女がやってきて。
愛の言葉を並べる。
いつものように私が、やんわりと断る。
しかし彼女は今日、いやにまじめであった。
いつもは黙って帰るのに、いうことを聞かない。
大声で「私は気にしない!!」などとまくし立て始めた上に、過呼吸で倒れる始末だ。
私は杖でソファを呼び寄せそこに彼女を寝せた。

そんな彼女を見ていると。
いいんじゃないか。そんな気がしてきてしまった。
そんなに思ってくれているなら。
人狼でもかまわないというなら。

彼女が目覚めた後に私は気持ちを告げた。
彼女は、ただただ嬉しそうに笑う。

それでいい気がした。
それで、二人とも幸せだった。

人は—
一人でなんて生きていけないのだ。
どんなことがあっても彼女となら生きていける。
そう感じた。

もう、何も怖くない。






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