二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 東方龍人伝【東方×オリ主】
- 日時: 2010/06/12 11:49
- 名前: 西北 (ID: eDPPsGjZ)
ここで小説を書かせて頂きます西北です。
初めての投稿ですが宜しくお願いします
——注意事項——
・オリキャラが主人公。
・オリキャラと東方キャラとでフラグを建つ可能性大(カップリングから死亡フラグまでなどなど)
・シリアスの際は多少のグロ注意
・チルノは⑨とかの設定は出来るだけ入れない方向で
・中二病と思わせる描写もたまにあり
・原作の崩壊、作者なりの設定を取り入れての世界観の再構築
これらの事項の中で、見る価値なしと思った人は
悪いことは言わない。すぐに引き返すんだ!
——第一部・おいでませ幻想郷——
夏が終わって、風も丁度いい位に涼しくなったき季節。
冬に入れば瞬く間に肌が痛くなる様な冷たい風になるのだが、紅葉も赤くなるこの時期にそんな事はない。
秋とはやはり、暮らし易い季節の一つなのだろう。だが
頭が痛い喉が痛痒い鼻水止まらない体が熱い視線がぼやける意識がはっきりしないそして何より突発的に咳き込んでしまう今の自身の体の状態が鬱陶しい。
自分の部屋のベッドに寝て、毛布に包まり冷却シートも額に張って薬も飲んで空気の換気もちゃんとして、高熱への出来うる限りの対抗策を講じている。
しかしそれでも、やはり落ち着くまでには時間が掛かるもの。気持ち悪くて寝付けない今この時こそ、病人である加賀美 祥にとって我慢の時でもあるのだった。
「…あぁ熱だ、死のう……って、落ち着け俺。消え去れ邪念んー…」
これもまた熱による異常なのか(主に精神面で)
空しくなる位の枯れた声で、一人でノリツッコミを極自然にした自分自身に、呆れる以上に寂しく思ってしまう。
外の清々しい空気と打って変わって祥の気分はマッハでハイからブルーに直行である。
今の彼に、秋は来てはいないと言っても過言じゃないのだ。
「………………」
無言。頭で考えるのも、それを口に出すのもしんどくなってきた。
しかしこれやばくない?ホントにただの熱か?と自身に問い掛ける祥の意識は僅かに存在している。
ふと傍に置いてあった携帯電話を手に取り、ボーっとした視線で時間を確かめようとする。
(あれ?…おかしいな、俺の携帯の…カラーって紫だったっけ?…極平凡な、白だった…筈なんだが…)
紫…この色を見てるとあの人を思い出してしまうのだが、まぁ多分幻覚でも見てしまったのだろう。
もしそうだとしたら益々持ってやばいのだが、それ以上の事を考えると何か後戻りが出来なくなりそうなので深く考える事はよす事にした。
(午後…6時、か……どうすっかなー…晩飯作ろうにも今は無理だし…)
今日は無理だな。
そう判断した祥は再び布団に潜り込む事にした。
一晩くらい飯を取らなくても死にはしないのが人間、だから今日はそのまま寝てもいいだろう。
祥には親がいない。彼は高校一年なのだが両親は存在しないのだ。
別に寂しいとかはない。両親に関する記憶もはっきり言って全くないのだから。
けれども、彼を赤ん坊の時から育ててくれたあの人の姿もない。
両親は、祥がまだ赤ん坊だった時に交通事故にあって死んでしまったらしい。
その時の祥は自宅で、両親の友人だと言う一人の女性と一緒に自宅にいたから助かったのだ。
それから家事が出来る様になるまでにその女性に育てられた祥だったが、彼が中学一年の時に突然姿を消した。
まぁ一緒に暮らしてる時には『私が突然いなくなる事があったら、それはつまり、あなたは一人でも立派に生きられると言う事、だからその時は悲しまないで、自分のこれからの生き方をちゃんと決めるのよ』と良く言われていたのだから、あぁその時が来たんだなと納得してしまったのも確かだ。
もちろん悲しかったし寂しかっのも事実だ、母親当然だった人が突然消えたら当然生まれてくる感情なのだから。
だが、立派にここまで面倒を見てくれたあの人の言葉もある。期待を裏切る訳にいかない。
しかしそれでも、やはり拭い切れない感情もある。
悲しみ、寂しさ、これ等は克服したつもりだ。
だがやはり、家族が欲しかった。
あの人が一緒に暮らしてくれてた時みたいな、温かさが、欲しかった……
何より今日みたいに病気に掛かった時ほど、この気持ちは大きくなる。
眠っている祥の頬には僅かに流れる涙、その存在は誰も知らない。自分自身でさえ
次の日。空腹が朝から凄まじかったが、熱も見事に下がり体調も万全だった。
嫌な汗をかなり出したのだろう、パジャマは汗でビショビショで冷たくなってる。
これはすぐに洗わなければと浴室にすぐさま向かった。
今日は土曜、部活にも入ってない祥からすれば暇な一日の始まりである。
「今日は物置の整理をしようか」
テレビを付け、朝食のジャムパンをハムハムと齧り付きながら今日の予定について考える。
ふと思い立った倉庫整理、今まで何にもしてなかったのだが、現在テレビで報道されている『物置に中に人が!?家の主をそのまま美味しく頂いちゃった!?』と言う物を見て少し気になったのだ。
正直、ねーよと言いたいところだが実際何があるか分からない、食人種はいなくてもゴキブリがいる可能性は高いのだ。
あいつ等をそのまま放置しとくのは考えればそれだけでも耐え難い。
だから結論した、今日は物置整理、及び掃除をするぞと。
倉庫に到着した。
エプロンとバンダナ、そしてマスクを装備を両手にはもしもの為の殺虫スプレーと箒と塵取りを用意した。
いざ
祥は倉庫の引き戸を開けた。するとそこには———
「…まぁ、何もいないわな」
祥は今まで気張ってた自分から力を抜くかの如く、溜め息をつく。
スッカラカーン。
中身は何一つ存在せず。つまり倉庫に入れていた物は元々ほとんどなかった。
あるのは小さい頃乗っていた自転車やら昔のアルバム(もちろん両親が亡くなった後の)やら綺麗な真珠の様な玉や……
「…ん?これは……?」
祥は、足元に転がっている一つの玉を拾った。
とても綺麗な玉だった。
他の物がホコリまみれなのに対し、この玉だけまるで新品同様のいつも念入りに磨かれた宝石、いや、それ以上の輝きを放っている。
指でつまむ様にしてその玉を持ち2、3分ほど、魅了されたかの如く見続けていると、ふとその玉に書かれている一文字の漢字に気がつく。
光に照らされる白い玉のに浮かび上がった様な青い一文字。
「…『龍』か……」
Page:1