二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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学園アリス〜未来はきっと夢色に〜
日時: 2010/06/26 17:53
名前: 雪兎 (ID: SSGIlw3x)

よっしゃー!!!
お客さんゲットー^^
初めまして☆

キャラは「一匹」を除いて全く変わりませんが、話しとか設定がかなり変わります


※荒らしはやめて下さい

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Re: 学園アリス〜未来はきっと夢色に〜 ( No.1 )
日時: 2010/06/26 17:55
名前: 雪兎 (ID: SSGIlw3x)

第一話〜蜜柑、決意する〜

「嘘や・・・・・」

持っていた手紙を取り落として、その少女は大きく瞳を見開く。今突き付けられた現実を、誰かに否定してほしいと、そう思っているのだろう。少女の握りしめた手は、僅かにふるえている。

「蛍が・・・・蛍がウチを置いて、行くはずないやんっ」

その声は弱々しく、少女の今の心情を表している。
周りに集まっている、同級生や地域の人たちも、その少女と同じくらい、暗い顔をしている。

「ごめんなさいねぇ・・・・・・蜜柑ちゃん」

近くに立つ一人のおばさんが、労わるように蜜柑に声を掛けてきた。

「蛍ちゃんから、どうしても蜜柑ちゃんには、転校する事を言わないでほしいって云われてねぇ・・・・・」

申し訳なさそうに言うおばさん。
蜜柑の顔にさらに影が差すのは、おばさんが事実を教えてくれなかったことが原因ではなく、蛍がそれを蜜柑に「知られたくなかった」ということだからだ。

「そんな・・・・・」

「元気だして、蜜柑ちゃん」

友達も、そんな蜜柑をどうにか元気付けようとする。
蜜柑はそれに応えるように顔を上げ、そして

「ウチを、ウチを置いてくなんて・・・・・」

思い切り

「蛍のドアホウ———ッ!!!」

叫んだのだ。

「・・・・・・」

もちろん、周りにいるみんなは仰天し、驚きのあまり声も出なかったのだ。

「絶対ッ絶対ッぜぇ—ったい、許さへんからな——!こうなったら、ウチも蛍のところへいったるわっ!」

そして、蜜柑はアリス学園への第一歩を踏み出したのだ。



第一話
〜終〜

二話へ続く


Re: 学園アリス〜未来はきっと夢色に〜 ( No.2 )
日時: 2010/06/26 18:51
名前: 雪兎 (ID: SSGIlw3x)

第二話〜予想外にも入学です〜

「お嬢ちゃん、次降りるんじゃないの?」

唐突に掛けられた声に、蜜柑はうっすらと虚ろな意識の中、ゆっくりと重い瞼を上げた。

「降り・・・る?」

まったく思い当たらないその問いかけに、蜜柑はぼんやり辺りに視線を泳がせて、自分が何処にいて何をしようとしていたかを思い出す。
と、

「あぁーっ!?ここ電車ん中やっ!おばさんありがとぉ!」

早口に、跳び起きた勢いでお礼を言うと、脱兎の如く勢いで電車を降り、蜜柑は電車のホームを出た。
しかし、その勢いは入口から一歩踏み出した瞬間に、止まってしまった。辺りには、人、人、人。とにかく蜜柑が今まで見たこともないほどの人の山(?)があった。

「な・・・・・」

今朝、こっそりじいちゃんの目を盗んで家を出てきた蜜柑は、もちろんアリス学園の場所など聞いていない。行く度々に、周りの、全く知らない人に聞いてきたのだ。
それを思うと、よくまぁここまで来たもので、軌跡にも近いのかもしれない。

「ど、どないしよ・・・・蛍の居場所わからへんよ・・・」

かるいパニック状態に陥った蜜柑。
あたふたと周囲を見回しても、視線だけをちらりと向けてくるだけで、いかにも興味なさげに、人だかりが通り過ぎて行くだけで、誰も皆、蜜柑を助けてくれそうにない。

「どないしたらええんや・・・・・」

人だかりに流されるままに、とりあえず、歩いてみるものの、やはり行き当たりばったりではアリス学園にはつきそうにもない。
先程から見えるのは、行き交う大勢の人々に、たくさんの車。そして、蜜柑の目的をまるで阻むかのように聳え立つ高く巨大な、先程から長々と続く壁。

「ここはどこ〜?ウチは誰なんやろ〜・・・・」

気の抜けた声で冗談めいた事をいっても、誰も応えてはくれない。周囲から、変なものでも見るような目つきで見られている。
真夏と言うわけでもないのに、何故だかぼーっとしてくる。

「そうや!これは夢なんや!蛍がウチを置いてくなんてのが、まず有り得へんもん」

誰にいうまでもなく、人に話しかけるように自分に言い聞かせて、さきほどとは打って変わって、笑顔になる。

「そうと分かれば、はよ覚めんとな、って!?」

いきなり蜜柑の目の前を、黒い物体が横切った。
一体どこから?
そう思う暇もなく、蜜柑はその場に尻もちをついた。

「いったぁー。なんや、今の?」

頭の上にビックリマークと、?を浮かべて、その物体へ目をやる。

「なんやネコかぁ〜。ビックリさせへんでよ」

そこに居たのは、一匹の黒猫。艶やかな毛並みに、良く似合う赤いリボンをした、どこか人を寄せ付けないオーラを放った不思議な猫だ。

「・・・・・・」

猫はじっと蜜柑を見つめて視線を離さない。

「ん?どないしたん?いきなりやったからビックリしたけど、別に気にしてへんよ」


続く


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