二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜
- 日時: 2010/07/23 14:36
- 名前: さくら (ID: 3KWbYKzL)
- 参照: コメント・感想、待ってます!!!
人々はその少女を
『最強』
と呼んだ。
※ライオコット島からのお話になります。
※前、書いていた小説が消えたので、書きます。
===夢の世界へ===
◆設定…オリキャラさん…>>01
▼本編
ep01【プロローグ】「これが、始まり」…>>02
○第一章 【少女と始まりと少年】
ep02「来たぜ!世界大会!!」>>03
ep03「イタリアエリア」>>04
ep04「なっ!?」>>05
ep05「欠点は無い」>>06
ep06「はい、大好きなんです!!」>>07
ep07「了解♪」>>09
ep08「ごめん、ボールを!」>>11
ep09「携帯の相手」>>14
○第二章 【サッカー勝負と親善パーティ】
ep10「シンプルなドレス」>>17
ep11「凄いメンバー」>>18
ep12「そろそろ私も…」>>19
ep13「時と場合」>>20
ep14「若干可哀想だが…、」>>21
ep15「運命の歯車、廻り始めた」>>22
○第三章【世界と頂点】
ep16「試合の中で進化し続ける」>>23
ep17「えっ!?」>>24
ep18「眼は金色」>>25
ep19「絶体絶命、イナズマジャパン」>>26
○第四章【新しい何かと初戦の結末】
ep20「・・・お前、根性あるな」>>27
ep21「読まれた戦略」>>29
- Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.21 )
- 日時: 2010/07/16 20:37
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
『…こんな感じかな、』
サクラはそう呟いて、自分の姿を鏡で確認する。
光のような黄色。派手では無く、寧ろシンプルな方だ。
『…私には似合わないな、ドレスって』
はぁ、とひとつ溜め息をつくと、外で待つエドガーの元へ向かう。
『エドガー、お待たせ』
「着替え終わった、か…!」
サクラはエドガーの語尾が何故か可笑しかったのを感じ、
『やっぱり似合わなかったよね?』と半泣き顔で聞いた。
「い、いえ、寧ろ…」
そこで若干口ごもったが、顔を赤く染め、「寧ろ、どんな女性より綺麗だ。凄く…かわいい」
こう続けた。
するとサクラは口元を緩め、安心したように笑った。
『良かった…、思わず似合ってないって言われると思ったよ〜』
どうやらこの少女、さっきのエドガーの言葉を軽く受け流しているようだ。
まぁ、若干可哀想だが…、彼女が鈍い子なのでしょうがない。((by さくら
案の定、エドガーは額に手を当て、溜め息をついていた。
『うん?どうしたのかな、エドガー君?』
「いや…、何でも無い」
じゃあ行こうかと言い、手を差し出すエドガーに
サクラは笑ってその手を握った。
- Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.22 )
- 日時: 2010/07/17 07:37
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
翌朝。
ライオコット島の海岸に、サクラは足を運んでいた。
朝日に照らされて、海はその輝きを増している。
サクラはそんな海を見ながら、何かを呟く。
『私は止めなければならない。私があの人を、止めなきゃ…』
彼女の呟き。
彼女に隠された秘密。
そして、"ガルシルド"の野望。
その全ては、この物語の終わりにある。
『じゃ、今日はコトアールの所に行ってみますか…』
"彼"がいる場所へ。
サクラは心の中でそう呟く。
『円堂守。この人は…』
貴方の運命を狂わせるかも知れませんよ。
もう、運命の歯車は 廻り始めた。
- Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.23 )
- 日時: 2010/07/17 13:59
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
スタジアムに広がる歓声。
サクラはその声に耳を傾けていた。
『相変わらず、凄い人だね…ん?』
白に染まったこの席の中で一際目立つ、赤いキャップ。
(あの人は…一体何なのか…)
その人に近づこうと階段を下りる。
『すみません、隣いいですか?』
「ん?あぁ、いいぞ、」
見た目は普通の老人。
なのに何故か、サクラはこの老人を知っている気がした。
(私は何でこの人を知っている…?)
「全世界のサッカーファンの皆様、お待たせいたしました!
本日はグループA、ナイツオブクイーン対イナズマジャパンの試合を、
此処、ウミヘビスタジアムからお送りいたします!」
聞きなれた声とともに、サクラは弾かれたように顔を上げた。
「実況は私、マクスター・ランド。
解説は、元ヨーロッパプロサッカーリーグMVP、レビン・マードックさんです!」
「宜しく」
選手が入口の方から入場してくる。
その瞬間、ナイツオブクイーンへの歓声が大きく木霊した。
『此処は円堂君、貴方達にとってはアウェイ…、どう切りぬける?』
サクラが意味深に呟いた言葉は、空中に消える。
審判の前では、コイントスが行われていた。
「おっと、ジャパンボールでキックオフです」
コイントスが終了し、円堂にボールが渡される。
そこでエドガーは円堂に手を差し出す。
円堂は握手をしたのだが、何を言われたのか顔をしかめた。
「なんか嫌な感じだぜ」
と染岡が呟けば、
「あぁ、余裕綽綽ってところだな」
そう佐久間が返す。
不動はそんな二人を見、
「奴らにとっちゃ、勝って当然の相手だからな、日本は。」と鼻で笑った。
「勝負は最後まで分からないものよ」
「…はっ」
「さぁ、両チームの選手がキックオフを待っています。
マードックさんから見て、この試合どう予想されますか」
マクスターがそう問えば、レビンは両チームの説明を始める。
「ナイツオブクイーンは、長い歴史を誇るヨーロッパの中で屈指の強豪です。
エースストライカーのエドガー・バルチナスは、
各国のプロチームも期待する実在ですし、ダイナミックなサッカーが期待されます」
「なるほど、対するイナズマジャパンは如何ですか?」
「そうですね…、アジア地区も近年かなりの力をつけてきたと言われています。
世界レベルの相手に対して、
どこまで食らいついていくのか注目したいですね」
ピ———ッ、とホイッスルが鳴った。
「さぁ、試合開始です!!」
彼らイナズマジャパンの世界への挑戦が、今始まった。
- Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.24 )
- 日時: 2010/07/18 17:04
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
『ナイツオブクイーン…
攻撃的な布陣で相手を切り崩し、ダイナミックに攻めていく…。
イナズマジャパンはどんな戦いを見せてくれる?』
ね、お爺さん?
そう声をかければ、隣に老人は黙って此方を向く。
「そうじゃな…、こいつ等はこの試合で一回り強くなる。」
『試合の中で進化し続ける…か。
だからこそ私は、イナズマジャパンに惹かれたんでしょうね』
そう言って選手たちイナズマジャパンを見つめるサクラ。
老人も、同じようにグラウンドを見る。
『あ、』
「…今度は何じゃ?」
『分かった、お爺さんロココ君たちの監督ですよね。
何処かで見たことあると思ったら…』
一人で納得しポンと手を叩くサクラに、老人は溜め息をついた。
『そんな盛大に溜め息つかないでください。泣きますよ』
老人は彼女の性格に呆れたのか、今度のサクラの発言を完璧に無視した。
『…釣れないな』
そう言って老人に目を向けるサクラ。
その瞬間に、エドガーの声がスタジアムに響いた。
「エクス、カリバーッ!」
「出たー!エドガーの必殺シュート、エクスカリバーだぁ!!」
円堂の瞳に、エクスカリバーが映る。
「止めろ、円堂!」と鬼道の声が円堂には届いた。
(このシュート、絶対に止めて見せる!)
「…くっ、壁山!」
チームメイトの名前を呼べば、壁山は自身の必殺技、ザ・マウンテンで止めようとする。
しかし、エクスカリバーの威力の前に吹き飛ばされてしまった。
「キャプテン頼むッス!」
「おう!いかりの、てっつい!!」
渾身のいかりのてっついで、シュートは止められた。
「なんと!エクスカリバーを防ぎました!!」
これには、少なからずエドガーも驚いていた。
声にならない驚きを見せ、ぽつりと呟いた。
「私は負けるわけにはいかない…サクラの為にも、」
すると突然、ナイツオブクイーンの監督、アーロンが声を上げる。
「行け!完全無欠のナイト達よ!」
エドガーは、それを待っていたかのように手を上げた。
これから起こる、とある"タクティクス"の為に。
- Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.25 )
- 日時: 2010/07/18 17:25
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
「おっと、ナイツオブクイーンがフォーメーションを変えて来ました」
虎丸と豪炎寺がドリブルで持ち込んだが、ナイツオブクイーンの選手は動かない。
二人が通過した時、エドガーは手を下ろした。
すると途端に、ナイツオブクイーンが動き始める。
「風神の、舞ッ!!」
「うぁっ!」
風丸が必殺技で相手を抜くが、更に別の選手がボールを取りに来る。
その相手も抜き去るが、新たにきた選手にとうとうボールを奪われてしまった。
「くっ、」
「零れ球を基山がフォロー、ドリブルで持ち込む!」
『ボールを持った相手を次々と素早く襲いかかり、攻撃を阻止する…、
これがナイツオブクイーンの"アブソリュートナイツ"…』
観客席でゆっくりと呟くサクラ。
それと同時に、アーロンは「反撃、開始だ!」と叫んだ。
飛鷹と栗松が抜かれ、エドガーにボールが渡る。
「やらせるかってんだよ!」
綱海がスライディングをするが、難なくかわされ、そのままシュートされるが、
円堂はそれをがっちりと止めた。
「ナイスセーブだ」
「負けてたまるか…、
俺たちは、世界一を目指してここに来たんだ!」
「…世界一?」
エドガーがそう問いただすと、円堂は「あぁ!」と立ち上がる。
『どうやらイナズマジャパンは、世界一の意味を分かってはいないようだね…』
「…そうじゃの、」
観客席でのそんな会話の途中に、サクラの携帯が振動した。
『はぁ、こんなときに』
『はい、もしもし』と電話に出たサクラは、突如顔を顰める。
その様子に、老人は驚いたのかサクラを見つめた。
「どうした、」
サクラは溜め息をつくと、顔を上げて『ちょっと失礼します』というと、席を立つ。
出口に向かって歩く彼女を、老人は見て呟いた。
「サクラ…、」と。
『最近は随分と電話してくるようですね』
「早くお前をこっちに戻さないと計画が上手くいかないものでね」
前と同じように、不気味な笑い声を残す相手。
『誰が貴様のような人間の支配下に戻るものか』
サクラはひとつ溜め息をつき、瞳を閉じる。
再び開いたその瞳は、さっきまでの澄んだオッドアイとは違い、
両方の瞳が金色に染まっていた。
「さぞかし、今のお前の眼は金色だろうな」
『それがどうしたんですか』
冷たくなったものだ、と笑う電話の相手。
サクラはそんな相手に呆れたのか、また溜め息をつく。
『言った筈だ、私はお前の悪事を暴くと』
「…お前は常に私の掌にいるようなものだ。籠の中の鳥も同然なのだよ、サクラ」
サクラはしばらく黙りこみ、やがてゆっくりと口を開いた。
『だったら私は、籠の中でやれることを精一杯やって見せる。
私がお前の掌で転がされようが、捻りつぶされようが、私は彼らを…』
"円堂守を信じてる"。
そう言えば、相手は笑い「精々頑張るんだな」と告げる。
『…私に手を出すのは自由だが…、皆に手を出したら・・・』
ブツリ、と電話が切れる音。
スタジアムの中に入ろうとしたら、ホイッスルの音が聞こえ、
それと同時に歓声が響き渡った。
『ナイツオブクイーンが一点とったか…』
サクラはそう呟いて、スタジアムの中へと消えた。