二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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魔王城の暇つぶし
日時: 2010/07/21 07:14
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 この作品は二作品目になります。
一生懸命書くのでよろしくお願いします。

*魔王城はファミ通文庫の小説です。全五巻の予定らしいです。

*お話は、本編に沿って行こうと思います。オリキャラありです。

 以下、注意事項です。

・荒らし、喧嘩、チェーンメール等はやめて下さい。

・タメはOKですが、悪口はやめて下さい。

・下手だと思いますが、気にしない人は見てください。

・更新は比較的ゆっくりになると思いますが、気にならない人は見てください。

 ・・・・以上です。

*一作品目の「鋼の錬金術師〜生き残った少女〜」も同時進行で書いています。興味があったらそちらもどうぞ。

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Re: 魔王城の暇つぶし ( No.2 )
日時: 2010/07/19 21:01
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 プロローグ NO,2 —リリア、それはきっと『恋』だよ
  〜リリア〜

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 こっそり学校を抜け出した。
彼が今、どうなっているのか知りたくて。

 その気持ちは好奇心なのか、もしくは興味本意なのか感情に疎いリリアは分からない。
体の弱いリリアを姉のフィリアがこっそり連れ出してくれた。

「リリア、それはきっと『恋』だよ」

 素直に感情を表に出せるフィリアが嬉しそうに言う。

   羨ましい・・・・・

 心が完全であるフィリアは、きっと彼に言うのだろう。
リリアの様な感情になったら・・・

『フィリア、あなたに恋してるの』

 と。

 双子のリリア達は二人で一つ。
それは永遠に変わらない。

魔法と耳以外の肉体は完全なリリア。
感情と健康が完全なフィリア。

 リリアも、感情が完全だったら良かったのに・・・
そしたら、素直に彼に伝える事が出来るのに。


「フィリア、マリーベルが許してくれたら、彼の変わりに死ぬのにな・・・」

 嗚呼、またそんな事を言う。

 戦場で必死に戦っている人々を哀れみ、悲しんだ表情をする。
私にはそんな事できやしない。


 リリアは、フィリアに生まれたかったのに・・・

Re: 魔王城の暇つぶし ( No.3 )
日時: 2010/07/21 08:01
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 プロローグ NO、2 —俺もお前らも死ぬ・・!
   〜エイゴ〜

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 衛生兵部隊の隊長として責務を果したら、このザマだ。
数十人もの死を看取ったせいで、カーキ色の軍服がどす黒い血に染まっていた。

 俺は今、兵士を救う者としてもう一つの責務を果しに来たのだ。

「止まれ!」

 美しい装飾の鎧を着た二人の兵隊が立っている。
鎧の装飾には防御用の反応石(魔法の詰った石の様な物)が埋め込まれているらしい。

「止まれといっているだろうっ!!」

 ・・・何だかこいつら、俺を見下している。
おそらく俺が少年兵に見間違われるほど背が低・・

 まあ、そんな事はどうでもいい。

「っるせーな・・!」

 仕方なく立ち止まったが、力尽きて膝を突いてしまう。

「今は戦闘中だ!撤退の命令は出ていないはずだぞ」

 俺から見て左側の兵隊がそう言う。
よくよく見ると、俺は丘に続く唯一の道を通って丘の麓まで後退していた。

 後ろはまだ戦闘中で、あちこちで戦う音が聞えるが、双方の兵隊の数が減ったせいか最初よりも悲鳴や銃声が少ない。

「・・・第二衛生小隊長のエイゴ・ノイマン軍曹だ。
 司令官殿は何処だ?」

 怒りを自我で押し殺して俺はそう告げた。
こんな童顔が軍曹と名乗ったせいで兵隊達が驚く。

「用件は?」

「決まってんだろ・・・・!このくそったれな戦いを今すぐ止めさせるんだ。
 何のために戦ってるんだか分からないんなら、いっそ撤退しちまった方がマシだろう?」

「何を馬鹿な・・」

 二人の兵隊が怪訝そうな顔をする。
その顔だけで、俺の頭に無くなりかけた血が上る。

「馬鹿なのはどっちか、てめーらでも分かるだろう?見ろよっ!」

 俺の背後に広がっている地獄を、二人に指し示した。

「今あそこで、俺たちの兵隊が戦ってるんだよ!
 お前らが開発した新兵器の起動時間を稼ぐ為に」

「・・・・そうだ。この作戦はそういうものであって・・」

「だったらとっとと起動しろ!これ以上待ったら壊滅するぞ!?
 俺もお前らも死ぬ・・・!新兵器がダメなら、他に色々あるだろ?何チンタラやってんだ!」

 新兵器がどういうものか、兵達は知らない。

 しかし、不調があれば待機なり撤退なりすればいいのだ。
作戦に疎い俺には、何故こんなにも待たせるのか検討もつかない。

「どうした!?反論があるなら言ってみろ!
 でなきゃ早く階級章をジャラジャラ付けた重そうなのを呼んで来い!」

 きっと彼らも分かっているのだ。
前線にいる人々が、どんな理不尽な死に晒されているのか・・

「しかし、我々ではどうにも・・」

「おい、何の騒ぎだ?」

Re: 魔王城の暇つぶし ( No.4 )
日時: 2010/07/28 12:00
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 プロローグ NO,4 —彼の変わりに死ぬのにな・・・
   〜フィリア〜

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 誰かの叫ぶ声がする。
おそらく戦争を止めるように上官に言っているのだろう。

 何て哀れで、悲しいのか・・・・・人間は。

 地位がなければ、その人の思いは届かないのだ。
何でもかんでも地位・身分・お金。

 そんな者にならなくて良かったと表面では思っているが、悲しいと感じるのは何故・・・?

 人間でも、魔人でも、獣人でも無い不安定なフィリア。
リリアがいなかったら、今頃壊れてる。
リリアがいなかったら、今頃病気で死んでいる。

 嗚呼リリア、フィリアの隣でそんな顔しないで。
一緒にいてからもう八年。
自分は感情を表に出せないと、いつもリリアは言うけどフィリアにはわかる。

 —今のリリア、悲しいんでしょう?恋している彼が死にそうになっているから・・

 そんな物でリリアの顔を曇らせたくない。
もしも、もしもマリーベルが許可するなら・・・

「彼の変わりに死ぬのにな・・・」

 フィリア達を捨てた父親にも、この運命にも未練なんて無い・・・

 そう考えているフィリアを叱るように、一人の兵隊の声が聞える。

 その人の言う事は、フィリアにも分かるよ。
だけど、フィリアは人に頼まないよ。
もしリリアを助けるなら、フィリア自信が行動を起こす。

 そんなフィリアとはうって変わって、死の淵に立たされた彼が動き出す・・

「僕、彼らのために・・・」

 上手く聞き取れないが、彼の瞳に火がつく。
そして、死へと向かう準備を始めた。

 リリアが息を呑む。
そんな事をさせたあの兵隊の顔をフィリアは一生忘れないでしょう。

Re: 魔王城の暇つぶし ( No.5 )
日時: 2010/08/05 18:01
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 魔王城最終巻発売です〜〜〜〜!!

エイゴ「いきなりなんだ?!」

だから、魔王城シリーズ完結しちゃったんですよ〜(泣)

エイゴ「この話はまだまだ終わりには程遠いけどな」

 悪かったですねっ!更新遅くて。

エイゴ「プロローグさえまだ終って無いしな」

色々あったんですよ。(溜息)

エイゴ「そういえば、何時になったらプロローグ終るんだ?何時までも戦争に置いとくなよ」

 大丈夫!今月中には終ります!

エイゴ「今月終わりまで後何日だったかな・・・・」

な、何とかなりますよ(多分)ということで、まだプロローグは残っているのでした♪(終)

Re: 魔王城の暇つぶし ( No.6 )
日時: 2010/08/22 10:33
名前: 香菜 (ID: ot2SupHm)

 プロローグ No,5 —仲間を助けてくれよ!
   〜エイゴ〜

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 俺の怒声が聞えたのか、丘から兵隊達が駆け下りてきた。

「どうした?」

 司令官と思われる男が前に出る。
片目に眼帯をつけたその男に、俺は名乗り出た。

「自分はエイゴ・ノイマン軍曹であります。
 ゲロ以下の司令官閣下!
 今すぐにこのガキでも思いつかないようなお遊びを止めてもらいたい所存であります!」

 怒りを無礼な態度に変えて、司令官に言ってやった。

 だが、その男は変人だった。
俺の言葉に、わざわざ返答したのだから。

「残念だが、それは出来ない。
 新兵器の試運転も兼ねているからな」

「だったらすぐに使え!
 それで死者が出ずに済むなら、どんな手でも使えよ!
 それがお前の仕事だろ?」

「君の言いたい事はよく分かる。
 私だって仲間を殺したくは無いが、あの新兵器は・・・・・」

「だがとか、しかし、とかはもうたくさんだ!
 その接続語を使うたびに、命が失われていると思え!
 見たことあるのか?
 腹を裂かれているのに必死で仲間を助けようとしている兵士を!
 少しでも魔力を回復しようと土食ってるやつらの気持ちが、お前らに分かるのかよ!?」

「少し落ち着きたまえ。
 我々も、その・・・全力で・・・」

 何故か苦悶の表情を浮かべ、言いどよむ司令官。

「もうこっちは限界だ!
 仲間を助けてくれよ、敵を倒してくれ!」

 そう言った途端に、兵隊に殴られた。

「黙って聞いてれば、自分の都合ばっかり吐きやがって・・・」

 そのまま馬乗りになって俺を殴る兵隊の目は、何故か泣いていた。

 その隣に、二人の小柄な少女が立った。
髪色や瞳の色が違うが、顔立ちがそっくりの二人が俺を睨む。

 その瞳も、兵隊と同じで泣いている。

 遠のく意識の中で、俺の頭上でオーロラが光る。
それは、新兵器が動き出したことを物語っていた。


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