二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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嘘物語【化物語】
日時: 2010/08/20 11:51
名前: 綾峰 ◆UJJPIME8p. (ID: wJQanU3q)

どうも、初めまして。アヤミネです。

二次がOKということなので、書いている化物語の小説をあげてみようとやってきました。

こういったところにうpするのは初めてなので、何度も読み返した後ですが、とてもオドオドしておりますw
何か間違いがありましたら、お手数おかけしますが指摘して頂けると助かります。

感想・アドバイスについては、頂けるのであればきついものでも構いません。皆さん、肥えた目でズバズバどうぞ

では、長くなりましたが。よろしくお願いします。

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Re: 嘘物語【化物語】 ( No.5 )
日時: 2010/11/03 09:21
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: duKjQgRl)

ここの書くルールをよく知らないので、コメントへの返しはこのまま書けばいいのかなと悩みながら——(#の後を忘れてしまい、ちょっと変わってるかもです)

コメントありがとうございました。久しぶりに見にきて、すごい嬉しいコメがw
一応ゆーっくりと続きカキカキしてたんですが、またやってく勇気をもらえました^^  

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.6 )
日時: 2010/11/04 16:18
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: duKjQgRl)

 七月十日、日曜日。八九寺に勧められた通り山歩きを始めて十数分。
「はぁ……はぁ……はぁ…………」
 僕ははぁはぁしていた。
 いや、これではあまり正確に伝わらない。まるで僕に全然体力がないようにしか聞こえない。もっと具体的に言おう。
「……………………」
「はぁ……はぁ……はぁ…………」
 僕は女の子を押し倒してはぁはぁしていた。
 これなら正確だ。第三者的な情景描写においてだけだが。前者の方がまだよかったような気もする。
 この説明で分かることといえば、とにかくこの姿を第三者に、特に戦場ヶ原にだけには、見られるわけにはいかないということだけだ。
 こんな山の中に戦場ヶ原が来るとは思えないが、世の中には万が一というものがある。起こるわけがない。そういったことは、案外に起きやすいのだ。
 多少の名残惜しさを感じながら、少女から身体を離し立ち上がる。
 今の行動で叱咤がとんでこないあたり、この近くに神原はいないのだろう。あいつのことだから、その辺の木の陰に隠れて僕の行動を見守っていてもおかしくはないと思ったが、僕の杞憂であったらしい。これが八九寺ならば僕だって好き放題できるわけだが、初対面の子に痴態をはたらくほど愚かではない。
 歳は僕より下だろうという憶測をもって、多分中学生。ここらじゃ見かけない制服に身を包んでいる。中肉中背。目立った装飾品も身に付けていないので特筆すべき特徴がなく、実に形容しづらい。
 かと思いきや、髪だけは特筆すべきだった。薄墨色の腰まで届きそうな髪。
 彼女はその髪を後ろ手に結んでいた。ポニーテールだ。
 絶滅危惧種がこんなところで息づいていた。
 八九寺のツインテールも絶滅危惧種といえばそうなのだが、あいつは小学生だ。それほどレアじゃない。
 中学生。憶測ではあるが、中学生のポニーテールである。
 至急保護を要請する。今この時ばかりは、神原が近くにいないことが悔やまれる。
 脳内にて赤ランプを点滅させ、サイレンを響き渡らせていると、彼女はむくりと静かに起き上がった。
「……………………」
 無言。何をするでもなく、ぼーっと突っ立ったままだ。
 少ししてから、気づいたように自分の服や身体についた砂埃をはたき、服の皺を直した。
 動きには感情がない。まるでただ転んで、そして起き上がっただけのように。なんでもなかったかのように。
 あんなことをしようとしていたにも関わらず。
 あらかた汚れを落としたのを確認すると、彼女は無表情のままに僕に顔を向けた。
 顔を向けてはいても、見てはいない。まるで、そこに誰も、何もないかのような目。
 羽川にLOOKとSEEの違いを習ったことがある。意志を持って見ることをLOOKとして、無意識に、ただただ視覚的に見えることをSEEとする。それならば、今の状況はまさしくSEEだろう。ただただ、視覚に収まっただけ。彼女が僕の方を向いたというよりも、彼女の向いた先に偶々僕がいた。そんな感じだ。
「ありがとうございました」
 LOOKやSEEに誘発されてか、そういえばこの英単語はどういう意味だったっけと、受験生が陥りがちな思考の泥沼にはまっていると、彼女は一言そう言った。蚊の鳴くような声——ほどではないが、それでもやはり小さな声で。
「けど、お礼は言いません」
 …………ここは突っ込むところなのだろうか。
「いや、じゃあさっきのありがとうはなんだ」
 やってみた。
「……………………」
 またも無言。
 重い。空気が重い。なまじ発言してしまったばかりに自分の発言が最後になってしまい、気まずい思いが充満する。僕が悪いわけではないのに、非常に謝りたい気分でいっぱいだ。実に非情である。
「…………有難うございました。滅多にないことだと言ったんです」
 テンポ悪っ! 用法がおかしいだろうと突っ込むのさえ忘れてしまった。
 そりゃ確かにこんな山の中で中学生女子を押し倒す状況は有難いけども。そこまでテンポの悪い会話をする奴の方が有難い。有難いが、ありがたくはない。
 さらに無言。
 手馴れた奴ならこのまま音もない時を悠々自適に数えていられたのかもしれないが、いかんせん僕は沈黙というものがあまり好きではない。
 こちらから何か話すべきだろうか。かといって、何を話せばいい。相手は初対面だ。こういう時は、身近なことに置き換えて考えてみるのがいいという。
 戦場ヶ原の場合。多分あいつはこのまま無言で帰るな。というよりも、自分からわざわざ関わろうとはしないだろう。あくまで傍観者を決め込む。悪魔な傍観者。
 八九寺の場合。そういえば、あいつと最初に出遭った時も上手く会話が成立しなかった。どうやってあの怪獣を懐柔したんだっけ。ああそうだ、殴ったんだ。八九寺式対話術、暴行。しかしあいつの場合は、親切にも声をかけてあげた心優しき高校男子を罵倒したからであり、正当な理由があった。彼女の場合、なんという理由で殴る? 会話のテンポが悪いから? 僕はどこぞの先輩芸人か。八九寺式対話術、却下。
 神原の場合——は考えるまでもない。却下だ。犯罪の匂いしかしない。けれど、神原とは初対面でも普通に話していたな。活発な性格なので誰とも親しみやすく、それが僕にとっても例外ではなかったからだろう。あいつの第一声といえば、とにかく相手を誉めていた。この僕をして尊敬と言うほどに。そういえば、女性とは誰しも誉められることを喜ぶものだと神原が言っていた気がする。
 よし、ならば誉めてみよう。狙いはやはり、あの髪型だろう。
「そのポニーテ——」
「どうして、抱きついてきたんですか?」
 だからテンポが悪いよっ! それに抱きついたって……。
 確かにいきなり抱きついたけれども、それにはちゃんとした理由がある。というよりも、当人も分かっているはずだろうに。彼女なりの冗談なのだろうか。

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.7 )
日時: 2010/11/04 16:19
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: duKjQgRl)

 僕が彼女を発見したのは、山の中腹、少し切り開けた丘のような所だった。鬱蒼と視界を覆っていた木々がなくなって視界が広がり、見慣れた町が見渡せるような場所。その丘の先端、つまりは崖のようになっていて、そこからもう一歩前に出ると一瞬で町に帰れますよという所に、彼女は立っていた。
 別にこの山は僕の私有地なわけでもないので、人がいるのは不思議ではない。少し危なげだが、そこから見える町の景色はなかなかのものだろう。立っている場所にも納得はいく。
 けれど、それからの彼女の行動には納得がいかなかった。
 彼女は、一歩前に、ぴょんと飛んだのだ。まるで、水溜りでも避けるかのように気軽に。
 彼女は、自殺をしようとしたのだ。
 人間、咄嗟の時には考えるよりも先に身体が動くものらしい。彼女の行動に頭は動かなかったが、身体は彼女に向かって動いていた。
 全てがスローモーションに見えた。ただそう見えただけなのか、吸血鬼の血のおかげで実際に自分が他の動きよりも速かったからなのか。分からない。僕が崖の淵についた時には、彼女はまだ手を伸ばせば届く距離に居て、手を伸ばせば届いた。袈裟懸けのように右腕を彼女に巻きつけると、ずしりと人間の重みがくる。どうやら、先ほどのスローモーションは吸血鬼のおかげではなく、ただそう見えただけらしい。漫画や小説なんかで、全然重くないちゃんと食ってんのか、なんて気の利いたセリフを主人公が言う場面はよくある。やはり、仮想の世界だからこそか。人間ってものは、どうしてこうも重いんだ。何食ってやがる。
 そうして、必死に彼女を引き上げ、冒頭にいたるというわけだ。
 どうして抱きついたのか。別に抱きつきたかったわけじゃない。抱きつきたくないというわけでもないが。
「お前は、何で死のうとしてたんだよ」
 抱きついたことに関してあれこれ理由を並べるのは、どうにも言い逃れをしようとする性犯罪者のようなので、とりあえず一番気になっているところを突いてみた。質問に質問で返す。
「………………………」
 やはり無言。
 それはそうだ。自殺の理由なんて、気軽に話せるものでもないだろう。ましてや今日初めて遭った他人だ。聞くことの方がおこがましい。
 しかし、他人だからこそ話せることもある。他人とは、後腐れがない。何を話したところで結局は接点がなく、明日になれば、別れてしまえば、全てはなかったことになる。
 話し、悩み、悲しみ、そして励ます。けれども、それは結局、その場限りなものだ。
 無責任。だからこそ、無遠慮。
 しばらくして、彼女はやっと、口を開いた。
「貴方は、何で生きようとするんですか」
 …………出てきた言葉は非常に重たいものだった。想像とは180度違ったが、重さは想像以上だった。
 質問に質問で返したものを質問で返すな。
 会話のキャッチボールはデッドボールだらけだ。もはや没収試合寸前。
 まあ、先に質問してきたのは彼女の方である。道理的に、こちらが先に答えるべきだろう。
 けれど、なぜ生きるか、だ。人類の永遠のテーマじゃなかろうか。そんなものを、こんななんの変哲もない高校男子が答えていいのだろうか。ひいては、歴代の哲学者全てを敵に回すことになり得る。ソクラテスくらいしか知らない僕が、全哲学者を敵に回して果たして勝率はいくらだろう。
 まあ、こういったテーマには、お決まりの逃げ講釈がある。考えても意味がないだの、答えはないだの、精一杯生きるまで分からないだの。その中から適当なものを出せばいい。
 返球の準備はできた。
「生きるっていうこ——」
「きっと、理由を話しても、貴方は理解できないでしょうから」
 …………わざとだよな? もうわざとやってるとしか思えないよな? 僕は怒っていいのかもしれない。
 ひとまずは落ち着こう。落ち着くんだ、阿良々木暦。ここで会話を放棄してしまっては、これまでの苦労が全て無駄になってしまう。文頭からここまで、会話文の少なさと、それに伴う疲労感が半端な数値ではない。
 はあ。盛大にため息をつく。
「言ってみろよ。理解できるかどうかは、僕が決める」
 理由を話しても理解できないだろう。ということは、理由はあるということだ。そして、理由があるということは、できればしたくはないということなのだろう。
 初対面の子に対して、少し失礼というか馴れ馴れしい口調かもしれないが、もう彼女に気を使う気も起こらない。そういえば、僕らはまだお互いの名前さえ知らない状態なのだ。なんだかんだで、結局は遠慮の不必要な会話が成立しているのかもしれない。
「……………………」
 この無言にも、少しだけ慣れてきた。ように思う。
 辛抱強く待っていると、彼女はようやく、口を開いた。
「…………怪異という言葉を、聞いたことがありますか」
 初めて会話のキャッチボールが成立したことに感動する間もなく。半分の納得と、それでもやはり、半分の驚愕で。
 今度は僕が、無言となった。

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.8 )
日時: 2010/11/22 16:22
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: wJQanU3q)

勝手に新キャラなんて書いてしまって 続きが書けなくなって来た……

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.9 )
日時: 2010/12/04 16:01
名前: 白雪 (ID: L7bcLqD7)

ヤバイヤバイヤバイ、すっごい!!西尾維新に語り口がそっっくり!続きが気になる!


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