二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜
- 日時: 2010/11/02 21:06
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
初めまして!ぬら孫で小説を書きます!
あんまり見てない&マンガもちょっとしか見てないので、完全におかしくなります。
ちょくちょく更新するので、見て下さい♪
〜主人公〜
名前:留欄
年齢:リクオと同じ
容姿:黒髪のショート
性格:少し真面目な部分もあるが、ほとんど雜。適当。飯の話には興味を持つ
備考:今は普通に学校に通っているが、実は妖怪の血も半分流れている。その力は未だ分からない。
元奴良組らしい。
宜しくお願いします。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.41 )
- 日時: 2011/01/01 20:56
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
- 参照: 謹賀新年。今年も宜しく御願いします。
第5章終結 新章・覚醒
〜第33話 姉〜
桜花は風花の言う通り、一人の人として居た。
屋敷に戻ってからは、桜花はすんなりと受け入れられ、打ち解けていった。
人の役目は桜花。妖怪の役目は留欄がやる
ようになった。
学校は桜花が行っていた。
澄み渡った青空。一人で過ごすようになった留欄は、縁側で静かな昼を過ごしていた。
「あ、留欄様。」
後ろから声をかけた納豆小僧。
桶や、酒や食べ物。様々な物を抱えた妖怪達が走っていた。
「何してんの?そう言えば、今日はバタバタしてるわね。」
「桜花様の歓迎会ですよ。」
「ふぅん。」
納豆小僧は微笑む。
桜花は留欄と違い、性格が明るい。
誰とでも話せる、リーダーのような存在。
しかし、二人はお互いの性格を罵るような事もせず、陰口を叩く事もなかった。
「留欄様も手伝われてはいかがですか?」
「嫌だ。」
そう言う性分ではない。
向き直って見た空は、さっきと同じ、澄んだ青だった。
その夜、桜花の歓迎会が始まった。
朗らかな妖気が屋敷を包んでいる。
一人宴の席を外れ、縁側に出た留欄。
酒瓶を一本取り、呑んだ。
「ふう…」
青空は変わり、壮大な満月を眺めた。
ふと、ある気配がする。
殺気立った妖気。
この屋敷の妖気を感じ、来たのだろう。
留欄は桜花からも貰った妖火を持ち、門を出た。
宴の会では、飲むや踊るやのドンチャン騒ぎ。
留欄の事など、気づく妖怪はいなかった。
==========================
最初に気づいたのはリクオだった。
襖を開け、縁側に出ると、留欄が居た。
留欄の酒瓶は3本を突破していた。
「宴は嫌いか。」
「私が宴で騒ぐとでも?」
すると、ある事に気づいた。
手が赤い。血の色だった。
留欄は気づかれ、慌てて隠す。
「さっき、鬼が来てた。」
「一人で止めたのか。」
隠していた手を、見せる。
二の腕まで来ていた引っ掻き傷。
血染めにした着物。
包帯を巻いていたようだが、血が染みている。先程見たのは、その手だったのだ。
「みんなの笑顔が消えるより、手一つで済むなら、私は手を捨てる方を選ぶ。」
「…無茶して命を落としたら、そっちの方が悲しむからな。」
「うん。」
リクオは二つ酒瓶を手にしていたが、一本置いて、宴に戻って行った。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.42 )
- 日時: 2011/01/04 09:35
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第34話 闇は消えない〜
ある日、何時もの昼は屋敷に居るものの、今日は珍しく外に出ていた。
妖怪の姿のまま、外に出たが、奇特の目で見られる事は無かった。
「なんだ、一人で散歩か?」
後ろから不意に声をかけたぬらりひょん。
「何?」
「ちょっと来い。」
誘われたのは、廃ビル。
「何よ。これから帰るのに。」
「お前、この間、風花に会っただろう。」
「お母様の事?」
「その時、桜花がお前の暴走によって死んだ、と言っていたか?」
「うん。あれって、何の事?」
「それを今から見せる。」
抱えていた荷物も下ろし、付いて来ていた納豆小僧も屋敷へ帰らせた。
「“月夜に映る二つの刃”」
「…何すんのよ!」
「“運命より導かれし双子 刃を手にし時”」
「!?」
そこまで言った所で、ぬらりひょんは止める。
留欄の目の色が変わった。
「う…あっ…」
体から力が抜け、何かに体が乗っ取られて行く。
「うわああっ!!!!!」
途端に凄い風が起こり、廃ビルが壊れていく。
そして、ぬらりひょんは言葉を続ける。
「“二頭の竜 宿りし時”」
「やめて…!!やめてっ!!!!!」
「“世界は終わりを告げる”」
「うわああっ!!!」
風が唸り、留欄に取り巻く。
〜学校〜
「…あれ?」
3時限目の授業中。
桜花は何かに気づき、顔を上げる。
隣のリクオがそれに気づく。
「どうしたの?」
「留欄の妖気だ。」
「え…?何で…」
「分かんない。とにかく行こう。」
桜花は留欄に時を止める方法を教えて貰っていた。
それを実践した。
「行こう!また一人で突っ走ってるかも…」
校門を飛び出し、妖気の出ている方へと急いだ。
==========================
「何……したの…」
留欄は、薄れていく意識と、何者かに体を乗っ取られて行く感覚に襲われながらも、ぬらりひょんを睨んだ。
「何でこんな事…!」
そして、渦巻いていた風がどんどん形になって行き、留欄の体の中へと入って行く。
それと共に、留欄の意識が消えて行った。
「…風花…本当にこれで良かったのか…」
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.43 )
- 日時: 2011/01/07 11:33
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第35話 人格のある飛竜〜
「久しいのう。柑風。」
ぬらりひょんが倒れている留欄に話し掛けた。
すると、目が赤い、別人の人格を持った“柑風”と言われた人物が起きた。
「何のつもりじゃ。手荒い真似事で妾を起こそうなどと。」
痛みに顔をしかめるようにぬらりひょんを睨みつける。
「手荒いのは、お前の方じゃ無いのか。柑風。」
一緒、黙り込む。
束の間の沈黙の後、柑風が顔を上げる。
微笑を浮かべている。
「貴様の目は節穴か?」
「何?」
「妾の主は、ちゃんと支配出来ておる。」
「…!」
目が片方、青く染まっている。
何時ものような、深い蒼。
「記憶が飛んだ所を、教えて貰った。」
「それは自分が起こした事も…か?」
「うん。だから、もう二度と迷惑をかけないと誓った。もっと強くなって、暴走ではなく、味方への力になるように…」
「…そうか。」
留欄の目は、次第に青く染まって行った。
桜花達が来た時には、もう全てが終わっていた。
「留欄!!!」
「あれ?桜花!」
「何か凄い妖気がしたんだけど…」
「…気のせいだよ。」
「ならいいんだけど…」
桜花は学校へ帰り、留欄はしばらくして屋敷へ帰った。
「ねぇ留欄。」
桜花が、昼にあった事を聞く。
「やっぱり何かあったんじゃ…」
「そんなに知りたければ…」
一緒、寒気が走った。
目がまた赤く変わっている。
「知らべれば良い。娘よ。」
「…!?」
言葉が終わった時には、もう青かった。
「柑風よ。私の支配している。」
「えっ…?」
「もう心配なんか無い。ね。」
「怪我とか戦いじゃなくて良かったよ、本当に!」
「ごめんね。」
双子を分けた“運命”は、終わりを告げたのか、それとも、始まったのか。
真上には、満月が輝いていた。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.44 )
- 日時: 2011/01/09 12:11
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜番外編 毒羽を好く〜
夜、屋敷で一人、晩酌をしていた留欄。
今日は、何かの会議があるのか、妖怪でごった返していた。
留欄は、なるべく妖怪と会いたくないので、部屋に籠もっていた。
しばらくして、酒を拝借した。
「よう。“病弱女”」
「…鴆!?」
鴆には、昔世話になっていた。
「桜花の事や、色々聞く事はありそうだな。」
「別にいいじゃない。」
「それと、酒だ。」
差し入れか、持って来た物かは分から無かったが、少し上等な物だった。
「桜花は、私との繋がりがある人として居るのよ。」
「性格は真反対だな。」
「余計よ。」
「その傷、どうした?」
腕に残った傷跡。
この間の鬼による傷は、完治しきれず、残ってしまったのだ。
「大した事無いじゃない。」
「相変わらずだな。無茶する所は。」
すると、朧車が庭に降りた。
「迎えか…早いな。」
「酒に溺れてるって心配されたんじゃない?」
「そうだな…」
縁側を降り、朧車に乗り込む。
「今度はお前が来いよ。それよりいい酒持ってな。」
「今度伺いますぅ〜」
「憎たらしい奴だな…」
留欄がクスッと笑った。
朧車は宙に浮き、去った。
「さてと、酒飲むかな…」
留欄は、鴆の酒を開けた。
酒からは、ほのかに懐かしい匂いがした。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.45 )
- 日時: 2011/01/16 19:26
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
最終章・天に召された悪魔
〜第36話 限られた時間〜
正月の宴も終わり、里帰りする者も帰って来る頃。
留欄には、いつしかの平穏が戻っていた。
縁側に座っていたが、いつになく冷たい風が頬を射るように冷たい。
そんな風も、心地良く感じられた。
「暇だなぁ…」
昼は何時もこんな事を呟いて終わるのが“日常”だった。
夜。
満月の夜、深夜0時を回る頃。
留欄は、静まり返る商店街を歩くのが好きだった。
暗闇で、妖怪もいる。
殺意を持った者も居れば、尊敬するような目で見る者もいる。
練り歩くのが終わると、ふと、数人が留欄を取り囲んだ。
人か。妖怪か……
「よう。奴良組の留欄。」
「目障りな奴らぞ。」
剣の音は、静かに消えて行った。
柑風は、手応えの無い妖怪に、一つ警告し、その場を去り、屋敷に帰った。
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私は、こんな事があるんじゃないかと思う。
殺されかけた者が、天に返り、復活して帰って来る。
少なくとも、それを今のから体験するのだーーー