二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら—
日時: 2010/12/23 20:34
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

もしも、ローゼンメイデンのドールズが


普通の人間で、女の子だったら———?


ふと思いつき、考え付いた妄想小説。


よければお楽しみくださいねッ☆

(ほぼ蒼星石メインです;;)

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Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.11 )
日時: 2010/12/24 20:14
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

ぱぁあ

蒼星石の胸に薇が現れる。


「こ、これ……非現実すぎるです…。」


キリッ。


一度まいて、二度まいて。
それを続けるうち、薇がつっかかる。

「……ぅ…。」

「!!」


「立派に死にゆくことはさしてたいしたことではありません。
そう、本当に難しいのは立派に生きゆくこと。
自分を他人の為に犠牲にし、そして生きることです」


パチンッ。
三人の下に黒い穴が現れる。


「さようなら三人方、お帰りは兎の穴から…。」


ヒュルルルル
ズシャッ。


「あのウサギ、今度会ったら丸焼きにしてやるですぅ。」

「……おい、蒼。大丈夫か?」


ジュンに抱きしめられ、頬をぺちぺちと叩かれた蒼星石。
さすがに起きてしまい、ぱちりと目を開ける。


「ジュン…君、翠星石…。」


蒼星石はお気に入りのくんくんパジャマ(1900円)をきていることに気づき、入院しているのだと感じ取る。

それと同時に、カアアアッと赤くなる顔。
よりによってこんな子供っぽいパジャマだ…。


「…うぅ〜」

「そ、蒼星石!?どこか痛いですか!?」

「ち、ちがっ…ジュン君のっ…」


「ジュ〜ン〜」


きらりと翠星石の目が妖しく光る。
今にも食われそうだ。いや、食われかけている。


「ジュン君の前でっ……こんな子供っぽいパジャマっ…。」


「「はぁ?」」


食われているジュン、襲っている翠星石が同時に声をあげる。
そしてため息をつく。


「……なぁんだ、それですかぁ。」

「いいじゃん、くんくん柄」


ガラガラガラッ。
病室に入ってきたのは。



ルカだった。



「何しにきやがったですぅ、てめーなんぞの見舞いはいらねーです。」

「冷たいんだね…。」

「ったりめぇです」


蒼星石は泣きそうな顔で、ジュンの服の裾を握った。
いや、既に泣いていた……が正しい言い方である。


「蒼星石」


ルカが語りかけると、びくんっと体を震わせる。
そんな蒼星石を見てか、ジュンがかばうように立つ。


「てめーは今更どの面下げてきたです、ほれ帰るです」

「無理だね」

「なっ!?」


翠星石はどこから出したのか、如雨露の水をぶちまけた。


「…だ、やだ…。助けてジュン君ッ」

「蒼。お前、どうしたんだ?」

「僕は……。」


ふらっ


蒼星石は、青白い顔で倒れた。
ジュンがベッドに運ぶ。


「今日は都合が悪いね、それじゃあまた後日。」

「二度と来るなですっ、ジュン塩をまくですぅ」


しばらくすると、蒼星石が目を覚ました。

Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.12 )
日時: 2010/12/24 20:32
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

「…ん、おはよう…。」

「太陽をよく見るです、西ですよ」

「ほんとだ。」


ジュンがしばらく黙りこみ、
やがて顔をあげた。


「…さっきの奴とお前は、何の関係だ?」

「あぁ。…僕は転校生、だろう?」

「…そうだったな」


「僕らの住んでいた村では、オッドアイは不吉だったんだよ」



—僕たちが住んでいた村は、古くからの言い伝えがあったんだ。


それは。



“オッドアイの双子は不吉だ”


おかしいよね、笑えちゃうよ。
僕らが何をした?唯生まれてきただけ。
…親に望まれていたかもわからないけれど。
僕らは村が大好きだった。


僕らが大きくなった頃、次第にいじめが生まれた。
オッドアイは消えろだの、不吉な双子だの…。
物はなくなるし、壊されたり。


「…そんな毎日がいやだった。
裏の指揮者が、さっきのアイツなんだよ」


初めて会った時、村長の息子だと言ってた。
お偉いさんだった。


だけど僕らの味方だとうぬぼれてた。彼だけはいじめなかったから。
だけどある日……。


「翠星石。話していいの?」

「ジュンにはいいです…。」


「聞いてしまったんだよ…。


“あいつら、俺を信じてる…。馬鹿だよな、裏でいじめの指揮をとってるのは俺なのに”って。」


「ひでぇ…!!」



「だから僕らは逃げてきた。…なのに、なのに!」


ベッドの布団にしみができていた。
きっとまた、アイツのせいで泣いているんだ。


「…僕らはあの時から、必死で逃げた。
暗い闇に飲み込まれる夢をよく見て、二人で泣いたこともあった」



ぎゅっ…。


「!!」

「…泣かなくていい、お前らは一人じゃないから。」



「チビ人間、とかなんとかいっといて!!

蒼星石だけ抱きしめて言うセリフじゃねーです」


「/////」


「わりぃ!!」


「へいきのへーざです。……蒼星石が、あのころのよーにならないようにするですよ。」


蒼星石は僕の手をすり抜け、いつのまにか寝ていた。
そしてもっと想像を絶する過去を聞いてしまったんだ。




「蒼星石は…その頃から、翠星石以外信用しなかったですぅ…。
笑いもしないし、無気力で。今にも死んでしまいそうだった…。


不安は現実のものとなったです。……蒼星石は…。」



翠星石は、そこで言葉を飲み込んだ。
そして意を決したように話した。




「リストカットを……していたのです…。」

Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.13 )
日時: 2010/12/24 21:18
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

—リストカットを していたのです—


僕はその言葉に、心底耳を疑った。


「……え?」

「聞こえんかったです…?
証拠ならあるですよ」


翠星石は、まだ寝ている蒼の腕を握る。
そしていつもしていたリストバンドを僕に見せた。


「———!!」


痛々しい、傷跡。
リスカ特有の細い線が何本もある。


「傷ついているのを隠して、学校でも外でも普通に過ごして。
いつの間にか笑わなくなって、リスカを繰り返したです。

……そこまで気づいてやれなかったのは、私の一生の不覚です」



スッとリストバンドを元に戻し、手を握っている。
僕は直感した。


今にも消えそうなこいつを、守らなきゃ。
愛しい人を全身全霊で———。


「…あれ?ぼ、僕また寝てた?」

「ですです、意外に眠るのが多いですねぇ」

「気疲れしちゃった。」

「そうと思って、ご飯作ったです。おにぎりですぅ。


お塩のかわりにお砂糖で握って、具にはなんと鈴カステ「ゴミ箱はそっちだからね?」


「ひどいですーっ。」


うっぷ。
想像しただけでまずそうだ。


「…はぁ。まったく。」

「ジュン君の言うとおり、君はおかしなものをつくるよねぇ」

「す、翠星石の好物なんですぅ」

「君の舌はどうなってるんだい?」



気丈にふるまっていても、心はまだ傷ついている。
僕だけじゃない、傷ついているのは。
……きっと蒼のほうが、もっと…。


「じゃあこれはどうです!!

なんとぉ、お砂糖たっぷり卵の中にお肉の代わりにビターチョ「生ゴミの収集日は明日だよ」


「なっ!!」


「……うぇえ。」


こんな光景も、蒼にとっては幸せなのだろう。
すごくうれしそうだ。


「しかたねーやつです、まったくもう」


ぶつくさ言いながら、ちゃんと捨ててる。
捨てるくらいなら…つくるなよ…。


「……ジュン、頼んだです」

「は?」


ガラガラガラッ。


「!!」

「やあ蒼星石。」

「ひっ!?来るな、くるなぁあああああ!!」


枕を投げつけている蒼。
それをおかまいなしのように歩くルカとやら。


「いや、いやだあああああ!!」

「落ちつくです蒼星石!!!」

「いやああああああっ」

「蒼星石ぃっ!!落ちついてですっ…。」


頭を手で押さえ、唸っている蒼。
僕はその姿を見て、走った。


「アイツの所に行くな、諸悪の根源」

「ジュン……!!」



僕は、たとえ自分であろうと



蒼を傷つける奴は、大っきらいなんだ。

Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.14 )
日時: 2010/12/24 22:35
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

「……ジュ、ン…君…。」

「あ、落ちついたです?」

「うん、なんとかね。」

蒼は涙をごしごしとふかれている。翠星石に。
そしてきゅっと抱きついて、こちらを見ている。

「…どいてくれる?」

「嫌だね」

「そうか。なら、どけ。」

「…命令口調ねぇ」


蒼はまだがくがくしている。
…僕はかわいそうに、そう思い頭をなでてやる。


「!!??///」

「てめぇ何するですー!?
さっさとこの悪魔を退治するですぅ、狙撃者を呼んでやるです」

「おいっ」


僕はびしぃっとつっこんで、再度あいつに向き直る。
…眺めて改めて感じた。
コイツ、目が相当イカれてる。


「……君、何の真似?」

「お前こそ。」

「ふっ。」


嫌味のように笑い、出て行ってしまった。
外ではアイツがこうつぶやいたことは、神しか知らないだろう。



「……謝りたかった、だけなんだが。
まぁアイツには、ナイト様がいるからなぁ」



Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.15 )
日時: 2010/12/25 19:43
名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)

「…ふぅ。何とか落ち着いたですね」

「うん、ごめんね。翠星石」

「蒼、もう平気か」

「……うん、もう大丈夫だよ」


しばらく気絶していた蒼星石に、ジュンが問いかけた。
三人はため息をつく。
まさか、こんなことになるとは思わなかった…。


「…ねぇ。」

蒼星石がふと思いついたように、二人に語りかける。


「「ん??」」


「僕、思うんだけど……。

こ、このままジュン君が…僕ら二人の傍にいたら…。
また迷惑かかるんじゃないかな?」


おどおどと言葉を発する蒼星石。
予想外の言葉にしばし唖然の二人。


「…それも、そうですね」

「でも、僕は大丈夫だっつーの!!」

「チビ、往生際がわりーですぅ。
蒼星石の心配を無駄にするんじゃねーです!!」


翠星石とジュンが口論を始めた。
それをあきれ顔で眺める蒼星石。


いつもの事に慣れてしまい、しばし放置。


「もー我慢なんねぇです!!」


どこに隠していたのか、如雨露を手に持つ翠星石。
ヤバいと察知する蒼星石。


「ストップ。部屋、壊す気?」

「いいえ。コイツの体と心をぶっ壊すのです」

「怖いこと言うなぁ!!!」

「……じゃあ、てめぇ往生際よくなりやがれです」


「俺は蒼と離れたくないから♪」



ズバッ、と言うジュンに蒼星石は顔を赤らめる。
…これは進展するですね、と思う翠星石は部屋を出て行った。


「さ、今夜はお赤飯です♪」



—病室


「…んっ、むぅ…。」

夕陽に照らされ、重なり合う二つの影。
そして幸せそうに、そのまま倒れこんだ。





「……やっぱり、辛いですけど。
翠星石は…二人とも大好きですからね…。」





*END*



なんか最後中途半端だぁああ((


次はどんな小説を書こうかなぁ…。


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