二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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コードギアス〜空回りのルルーシュ〜
日時: 2011/05/06 20:42
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: Q6O.mHsI)

クリックありがとう。
蘇る秋刀魚でございます。コードギアスのルルーシュが好きで、こんなの書き始めようと思います(・ω・)ノ

原作を読んだことないって方も、ぜひ読んでください!未熟なもので、アドバイスをいただけたらうれしいです。

〜あらすじ〜

時は皇歴2011年。治安は一時的に安定し、ルルーシュの「ゼロ」という役目も休止状態に入って長らく立つ。

しかーーーーし!!

彼が黒装束をまとわなくなったことで、彼自身の意識の中からゼロの存在は薄れてしまった。その結果、ルルーシュは闇をもつ皇子ではなく、女好きな男子学生に変わってしまう。
思春期真っただ中のルルーシュ。イケメンではあるのに告白してもなぜかいつもフラれる。それでもあきらめず次から次へと告白を試みる皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに、本当の彼女はできるのか!?

プロローグ >>1 登場人物 >>2  —4月20日より— >>3 >>4 —4月31日より— >>5 >>6 >>7
—アッシュフォード学園イベント当日より—>>8 —アッシュフォード学園大図書室より—>>9—5月10日より—>>10 >>11





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Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.3 )
日時: 2010/12/29 09:14
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: AsGC03V/)

—4月20日より—

一大行事、入学式が一段落しルルーシュは、まだ幼さの残る新入生の軍団をじっくりと観察していた。といっても、観察対象は女子に限るが。

「あれぇ?ルルーシュって年上好きじゃなかったっけ?」

横からにゅっと出てきたのは、同じ学年のリヴァル・カルデモンドだった。

「口出しは無用だ。年下は好きじゃないが、万が一、好みのヤツがいたら見逃しはできないだろう。」

「ふーん。相変わらずだねぇ。あっ、あの子なんかどう?」

「おいっ、ちょっ」

リヴァルは足取り軽く、新入生たちのもとへ歩いていき、振り返った女子生徒を連れてきた。

『どうよ?』

今にも吹き出しそうになりながらリヴァルはルルーシュの耳元でささやく。その女子生徒は、なんというか、俗っぽく言えば中の下という感じだった。

「いや、あの、君を呼んだのは俺ではなく、こいつだ。話があるようだぞ。」

「え・・」

もじもじする女子生徒。

「おいっ、何言って・・・」

落ち着きを取り戻したルルーシュは、あわてるリヴァルを背に大ホールを後にした。

(やれやれ、年下ってのはよくないな。おっと、大事な用事を忘れるところだった。)

生徒会室に入り、自分のバッグと大きな紙袋を抱える。
幼馴染の枢木スザクはブリタニア軍の軍使である。ハードな仕事と学校を行き来するスザクのために、ルルーシュは毎週1回ほどささやかな差し入れを持っていくのが習慣となっていた。

トーキョウ租界からブリタニア帝国はそれほど遠くなく、歩いて15分ほどで大きくそびえたつ帝国軍ミッションセンターが見えてきた。
自分が皇子で、それを隠しこの国に立ち入るということに罪悪感はそれほど感じない。今は平和だ、そんなこと気にしてどうする、と、彼は思うようになっていた。

受付を済ませ、スザクのいる32階へのエレベーターを降りた時、物静かそうな女性がこちらへと歩いてきた。
ルルーシュは思わず顔を引きつらせた。やがて女性はこちらに気づき、目を伏せた。それもそのはず、今朝ルルーシュが告白し見事にフラれたのが、このひと、セシル・クルーミーなのだから。
すぐに忘れるルルーシュでさえも、半日経つか経たないかの時間では傷は癒えない。
セシルはためらいながらも、こちらへと歩みを進めてきた。

Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.4 )
日時: 2010/12/29 16:49
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: AsGC03V/)

大きな瞳、優しく孤を描く眉。
桃色がかった髪は彼女が歩くたびに揺れ、見る者をたちまち魅了してしまうだろう。
細身の身体にはしなやかな軍専用のオペレータースーツを身にまとっている。
出会ったのは2週間ほど前だった。いつものようにスザクへの差し入れを届けに来たルルーシュは、ちょうどこのエレベーターを降りたところで彼女とぶつかりそうになったのだ。
言うまでもないが、ルルーシュは面食いである。こんな可憐な風貌のセシルに惚れないはずがない——。
それからというもの、差し入れ回数を大幅に増やし絶世の美女軍使にたびたびアプローチしていたのだった。。。

「ルルーシュ君、あのね・・・」

その魅力的な声に反応して、ついつい赤面するルルーシュ。

「歳の差ってものがあるでしょ。あなたの気持ちはうれしいけど、私はもう26よ。わかって、ね?」

「たった10歳の差じゃないですか!」
そんな言葉が込み上げてきたが、ぐっと飲み込んだ。今更こんなこと言ったらただの恥さらしだ。

(おびえるな、俺。クールに、あくまでクールにやり過ごすんだ。)

「っん゛っん゛〜ん」

大げさな咳払いで声が裏返る。

「お、おれは、わかってます。だからこれ以上は、なにも言わないでくだ、さい。」

「・・そうね。ありがとう・・・。そうするわ」

すれ違いざまに、さよなら、と言われ、悔しさが込み上げた。
嗚呼、この俺がこんなフラれ方。。。

「こんなはずじゃなかったのにぃぃぃぃぃぃ.....!!」

悲しみに浸りながらも特務室へと向かう。

「スザクッ」

「おぉ〜ルルーシュ!!」

なにやらめんどくさそうなコンピューターの前に座っていたスザクが立ち上がる。差し入れを渡しながら、今日のできごとを大まかに話した。
スザクは行事とあってもなかなか出られないのだ。
あまり思い出したくないのだが、ルルーシュはセシルのことをたずねてみた。

「なぁ、セシル・クルーミーさんってさ、どんな人なんだ?」

「どんな人って・・。この特務室のチーフオペレーター。知らなかった?」

「へぇ・・・」

そんな偉い役職だったのか。あんなにか弱そうなのに・・・

「もしかして、好きなのか?」

「っ////...ちっちげぇよ! 今は・・・・」

スザクはにやにやしながら差し入れを口にした。

「なに、ってことはもうフラれたのか。何回同じことやってんだか」

「・・るせーー。」

皇歴2011年4月、あちこちで春が芽吹き始める頃、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは相変わらず青くもない春を送っている。

Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.5 )
日時: 2010/12/29 17:15
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: AsGC03V/)

—4月31日より—

「なぁなぁ、暇だと思わないか?」

「そう思うなら授業にでたらどうだ?今から行けば4時間目に遅刻ってことでイケるぞ。」

リヴァルがジト目でソファの方を見る。

「そんな冷たいこと。ねぇねぇルルちゃん、何かおもしろいことしようよぅ。」

「っな、、ルルちゃんって言うな!!!」

ルルーシュが一番嫌いなあだ名、ルルちゃん。
だがこのあだ名、生徒会役員たちには常用されている。

「はいはい、ルルーシュ様。」

「まったく、書記の分際でこの男子副生徒会長の名を軽々しく呼ぶとはな。」

「たかが副だろふく!!俺となんら変わらねぇよ。」

フンっと鼻で笑う。思いっきり友をバカにしている。

「なぁ、ルルちゃん。明日から5月だろ。5月といえば、イベントだよな!」

「イベント?興味ないな。」

「いやいや、そう言わずにさ。アッシュフォード学園の全生徒が待ち望んでるよ。」

「イベントと言ってもだな、ブリタニアのお偉い大臣ヤロウがそんなの許すと思うか?始まって10分で解散だぞ。」

そう言われてまじめに考え込むリヴァル。本気でやるつもりなのか・・

「大丈夫だ!!理事長がいるじゃないか。会長におねだりしてもらえばなんとかなるって。」

「フン。人生そううまくいかないぞ。諦めろ。」


そう吐き捨てのち3時間ほど経過。


「何!?OKもらったのか!?」

〝思い立ったら即行動" とは、実に恐ろしい言葉だ。
頭で考えるよりも、行動派のリヴァルにはこれ以降何も任すまい。

Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.6 )
日時: 2010/12/29 18:18
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: AsGC03V/)

「言ったろ?理事長に頼めば大丈夫だって。なにしろ会長の父親なんだから。」

「そんなこと言ったって、一体どうやってこの短時間で許可ゲットまで至ったんだよ!?」

(待て待て、俺。完全に動揺している。いやだ、イベントなんてそんなめんどくさいもの、絶対にやりたくない!!)

得意げにするリヴァルに唯一ツッコミを入れる者がいた。

「ちょっと!パパに頼んだのは私なのに、自分の天下みたいなこといっちゃだめじゃないのよ!」

ハツラツとよく通る声。
この女をよく知らない男子は大抵、この女に憧れてしまう。しかし、こんなキンキンうるさいヤツはまっぴらお断りというのが、生徒会男子メンバーの全一致意見である。
アッシュフォード学園の現役生徒会長、ミレイ・アッシュフォードその人は、見た目と内面のギャップが激しいようだ。

「あぁ〜。いいじゃんちょっとくらい。」

「いいことないわよ。そんなこと言ったらこの生徒会長の偉大さが曇るでしょ。」

ミレイとリヴァル、この二人が議論し始めたらいつ終わるのやら。それをいつまでも待っていようものなら命がいくつあっても足りないかもしれない。

「おいおい、そんなことは後でいいから。ほんとに、その、イベントやるのか?」

「「当たり前でしょ!!」」

おぉ。。ナイスにハモッた。

「5月はやけにイベントのニオイがするのよね〜。リヴァルもこういう時だけ役に立つんだから。」

「俺はいつも役に立ってるだろ。」
すかさず突っ込むリヴァルの言葉を無視し、ミレイはバンッと机をたたいた。

「とりあえず、明日生徒会メンバー集めて会議開くわよ。イベントの内容はその時に決めます!」

「ちょっ・・・。でもな、いろいろ大変だぞ。事故とかも起こりうるし・・」

ルルーシュは必死でイベント開催を阻止しようと試みた。あれこれとイベントの危険性を並べ立てた。

「ルルーシュ!あんたねぇ、いくら面倒くさがりだからって人のモチベーション落とそうとするのは反則よ。」

「そーだよルルちゃん。もう決定したんだからさ、この際楽しもうよ、な?」

「・・・・・」

渋い顔をしていると、リヴァルはすっと近づいてきた。

『知ってるか?学校際で恋は生まれるんだぞ』

『何。。。!?』

こういうことに関して、リヴァルはルルーシュをよく知っていた。これはスザクを超えているかもしれない。
彼女がどうしても欲しいルルーシュにとって、それはめんどくさい事柄から実においしい話へと形を変えた。

「まったく、、しょうがないな。一肌脱いでやるか。」

リヴァルはにやにや。

「よし、明日この時間、みんな遅れずに集まれよ!!」

Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.7 )
日時: 2011/04/17 12:15
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: lyvuYd3F)

「新学期恒例、サクラの似合う男・女対決〜〜〜〜!」

ミレイ・アッシュフォード生徒会長の声に歓声がわく。
つまらなそう、いや、完全につまらない感むきだしの顔をしたルルーシュ。

「ふん、5月に咲く桜なんて見るに足らんものだぞ。日本以外でサクラなんて・・・」

と、ことは1週間前にさかのぼる————


「よし、みんな定刻に集まったわね。話はリヴァルから聞いていると思うから、さっそく本題に入りましょ。」

生徒会室には、会長ミレイと書記のリヴァル、おなじく書記のナナリー、女子副会長のシャーリー・フェネット、会計係のニーナ・アインシュタインとめずらしくスザク、そして今回の催しにはやけに乗り気なルルーシュがいた。

「会長、イベントっていっても何かいい案があるの?」

「うーん。春らしい事しようと思っているんだけどねぇ...スザク君、なにかアイディア出して。」

急に振られてあたふたするスザク。

「えっ、えー。。なんでしょうねーーっ。あっ、」そういえば、春と言えばやっぱり花見ですかね!」

「ハナミって何?」

純ブリタニア人のシャーリーは花見を知らなかった。もちろんリヴァル、ニーナも同じようだ。

「花見ってのはね、春に咲く桜を眺めてその美しさを堪能するものよ。日本特有の文化なの。」

「へぇー。会長ってなんでも知ってるのね!!」

あたりまえでしょ、と自慢げに返すミレイ。スザクも本気で感心している。
そんな会話をよそにルルーシュは持ち前の策略脳をフル稼働させ、彼女づくりに最適なイベントを考えていた。

(全女子生徒に1人ずつ出し物をさせてじっくり選ぶか?いや、不可能だ。。それとも俺が完璧なパフォーマンスを披露し誰かに告白されるのを待つか?いや、そんな恥をさらすような真似はできない。。。)

そんなことを考えた末・・・・

「おい、俺にいい考えがある」

生徒会役員たちの視線は一斉にルルーシュへと移った。

「あら、めずらしいわね。どんなアイディア?」

自信満々に会長を見返す。

「春は桜と言ったな。俺が考えたのは、名付けて『桜の下で大規模合コンパーティー』だ!!」

「「「「な・・・・・・・」」」

全員が言葉を失った。

「ルルーシュ、おまえ・・いくら女好きだからってそんな・・」

「ん?なんだリヴァル。いやか?」

あぁ・・・とかへぇ・・・などとミレイは訳の分らぬ声を発し、シャーリーは笑いをこらえるのに必死こいている中、一人沸騰したやかんのように顔を真っ赤にする者がいた。ルルーシュの妹、ナナリーである。

「おっ、お兄様!!恥ずかしいことを言わないでください!!」

「なんだナナリー。おれの提案のどこが恥ずかしいと?」

「そんなこともわからないのですか。。もうなにもしゃべらないでよ、お兄さ。。」

ナナリーは恥ずかしさのあまり最後まで言葉が出ずに、ついに押し黙ってしまった。

「まったく、みんな俺を変人のように見るのか。こんなにナイスなアイディアを出したのは俺一人だと言うのに。」

それまで沈黙を守っていたニーナが突然口を開いた。

「それ・・・いいと思う。」

「「えーーーーーーーーっっ」」

「おぉ、さすがニーナはよくわかってるな。」

ニーナはルルーシュとは違うが、少し普通の学生とはずれていることがある。瞳からずり落ちそうな丸眼鏡をかけていて、いつももじもじしている。しかし大好きなハチュウ類飼育には人一倍の愛情と時間をそそぎ、カメレオンと触れ合う時だけ人が変わるという、やはりどこかおかしい人格の持ち主だ。

「んー。そうね、合コンかぁ。でも健全第一のアッシュフォード学園でそれはちょぉっとねぇ〜。」

「ルルちゃんは結局かわいい彼女がほしいだけなんだよね。」

「まぁな。あっ、いや、俺は学園と子孫の繁栄に貢献しようと・・・」

ナナリーが絶句して車いすから転倒。

「おいどうしたんだナナリー!大丈夫か?」

ルルーシュとスザクに抱き起こされながら、このしょうもないアニキが自分を悩ませていることに気づく日はやってこないのだろう、と、ナナリーは深くため息をついた。

そんなこんなでルルーシュ推しの合コンは却下され、会議は白黒つけぬまま長引いていた。

「やっぱり、春と言えば、なんだっけ?ホ・・ホナミ?」

「シャーリー、それはは・な・み!」

「あ〜ハナミ。ハナミすればいいんじゃない?」

みんなが黙りこむ。
一番シンプル、いや、地味なイベントだと、そこにいる誰もが思った瞬間だった。

「あーそうね。それじゃぁ、サクラの木の下でファッションショーなんてのはどう?季節感たっぷりの衣装で!」

「「「いいね〜〜」」」

学園全体にもこの話は伝わり、一気に熱が広がった。

その日の午後、ルルーシュは会長ミレイに呼び出された。

「今回のイベント、あなたももちろん参加するわよね?」

「俺はいつもどおり傍観者ですよ。何か準備を手伝えと言うなら、リヴァルに。」

苦笑するミレイ。

「違うのよ、ルルーシュ。いつも陰気くさいあなたにイメージ逆転のチャンスをあげようと思ってね」

そう言って大きな袋から何かを取り出した。

「っな・・・これを着ろと・・?」

ミレイが大きく広げたのは、ピンクピンクした着ぐるみだった。

「どう?名付けてサクラちゃん2号!」

無表情のルルーシュはそそくさと生徒会室を後にしようとする。
そのとき、

「そうはさせませんよ、副会長・・・」

ドア前に立っていたのは、[サクラちゃん1号]を着たニーナだった。

「お前・・何があったんだ・・?会長に言いくるめられたんだな?かわいそうに、今脱がせてやる」

サッとその手を振り払いニーナは自慢げに答えた。

「副会長、これ、いいでしょ?私とミレイ会長が考えたんですよ。私が1号で、副会長が2号。」

やはりニーナはおかしかった。

「そういうことよ、ルルちゃん。コスプレ好きのニーナにかかればもう安心ね。さぁ、これを着てショーに出演よ!もし出なければ、学園中の女の子にあなたがブリタニア軍のチーフオペレーターにフラれたことばらしちゃうわよ?」

それは自称プレイボーイのルルーシュにとって最大の恥だ。

「スザクのやつ・・覚えとけ・・」



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