二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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Infinite Storatos〜空で奏でる交響曲〜
日時: 2011/03/21 12:15
名前: black ◆cCs7Efvhes (ID: Xi0rnEhO)
参照: http://www.tbs.co.jp/anime/is/

初めまして、blackです。
小説はロクに書いたこともない人ですが、今後ともお願いします。

Infinite Storatos<インフィニット・ストラトス>についてはURLからどうぞ!

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Re: Infinite Storatos〜空で奏でる交響曲〜 ( No.1 )
日時: 2011/03/21 13:21
名前: black ◆cCs7Efvhes (ID: Xi0rnEhO)
参照: http://www.tbs.co.jp/anime/is/

…それはまるで、子猫のようだった。

彼女の左眼に輝く黄金色の瞳は、明らかに人工的なものである。
今まで何とも思わなかった黄金色の瞳を、初めて人に褒められた。

「その目…、綺麗だな」

彼の言葉が何度も頭を駆け巡る。
次第に頬が熱くなり、照れ隠しのようにベッドの枕に顔を沈める。
何故彼を意識し始めたのか…。
よく考えてみろ、ラウラ・ボーデヴィッヒ…、私は今まで強さだけを求めて生きてきたんだ…。
しかし、あのトーナメント以来、私の人生は180度変わってしまったかのよう。
彼…織斑一夏<おりむらいちか>に倒されてから、私の内の何かが変わった。

「…織斑…一夏…」

独り言のように呟いたそれは、部屋の中で静かに響いた。
時刻はもう深夜で、さっさと寝なければ明日の教官の授業で眠くなってしまう…。
教官の前で寝る…、そんな醜態は晒したくない。
そのためにも寝ようとするのだが、寝るに寝れない。

「…ん」

ふと寝返りをうつと、私の待機状態のIS、シュヴァルツェア・レーゲンがほのかに光るのを感じた。
それは見ていると妙に落ち着く光だった。
何だろう…何故か眠たくなってきた。
その波にのまれるように、私は深い眠りについてしまった。


—翌日—
時計は昼過ぎを指していた。

「どうしたラウラ、風邪でも引いたのか?」

「私の嫁」こと織斑一夏が心配そうに声をかけてきた。

「ゴホゴホ…どうやらそうらしい、面目ない」

今朝、とてつもない頭痛に襲われ、保健室で先ほど薬をもらってきたのだが、まったく効いてない気がする。

「ふぅん…風邪か…なんか買ってきてやろうか?消化にいいやつでも」
「いや…私の嫁にそこまで迷惑をかけるつもりは…」
「遠慮すんな、あとで部屋まで運んどくから」
「ゲホ…助かる…ゲホゲホ」

終始咳に襲われ、ロクに会話もできないと悟った一夏は、「じゃなー」と手を振って人ごみに消えてしまった。
取りあえず部屋に戻らなければ…。
今日はISの戦闘訓練等があったが、本調子じゃない為か、一般生徒相手に防戦一方を強いられてしまうという醜態をさらしてしまった。
自分でも、やってしまった…とは思ったものの、教官が歩み寄ってきて、「どれ、熱があるか見てやろう」といって額を当ててきたのには驚いた。
やはり、強く、凛々しく、優しいというのは変わっていないようだ。
部屋につくと、早速寝る支度をした。
とはいえ私には寝巻がないので、基本的に寝るときは全裸だ。
布団に入り、意識がゆっくりと遠のいていく…。
そして、ゆっくりと眠りに落ちそうになったときだった。
ノックが数回とともに一夏の声が聞こえる。

「ラウラいるかー?開けてくれー」
「…ん、…待ってろ」

そうして、私は寮のドアを開けた。
無論、全裸で。

「げっ・・・・!」
「な、どうした…」

その姿を見るや否や、一夏は仰天に目が見開かれ、硬直してしまう。

「ど、どうした、一夏」
「お、お前、服着ろって…!そんなんだから風邪ひくんだろ!」
「だ、だが…私には寝巻がない!」
「自慢じゃない!とにかくバスタオルでもいいからなんか巻いてくれ!」

やれやれ、仕方がない。
私は洗面台に行くと、適当にバスタオルを一枚羽織った。

「…上がっていかないのか?」
「お、おう、邪魔するぞ」

若干戸惑いながら、一夏はうどんの乗ったおぼんを持って部屋に入ってきた。

「あ、これうどんな。消化にいいんだぜ」
「ああ・・・悪い、助かった」

うどんを受け取るため、手を伸ばしたところだった。
羽織ったタオルが床にパサリと静かに落ちる。

「…あ」
「?」

別に私は見られても気にはしないが、どうやらほかの人はそうでもないらしい。
一夏は再度硬直してしまった。

「…服を着てくれ!」
「ゲホ…面倒くさい」
「ほら、風邪ひいてるんだろ!なんか着たほうがいいって!」
「私は構わん」
「…もう知らん!俺は帰る!」

行ってしまった…、そんなに怒ることもないのに…。
取りあえず私は机に残された湯気を上げるうどんを食べ始めることにした。
シンプルながら、深いこだわりのあるそれは、とても美味だった…。

続く

Re: Infinite Storatos〜空で奏でる交響曲〜 ( No.2 )
日時: 2011/03/23 20:35
名前: black ◆cCs7Efvhes (ID: V2fBShP3)
参照: http://www.tbs.co.jp/anime/is/

目が覚めた。

ベットで眠った覚えはないのだが、こうしてベットで寝ているということは、机の上で突っ伏して寝ている私を誰かがベットまで運んでくれたのだろう。

「目が覚めたか?」

部屋の隅で透き通るような声がした。
腕を組みながら立っていたのは教官—…織斑一夏の姉であり、『IS』の世界大会優勝者、織斑千冬である。

「教官…」
「少しは良くなったか?明日は色々と重要な授業がある、明日には治せよ」

こうして、ずっと介抱してくれていたのだろうか?
教官にこうして無防備な姿をさらすのもまた自分の中では恥だったのだが、それは以前の話だ。

「ご迷惑おかけしました、教官」
「教官か…、今の私は教師だ、教官という名前には不似合いな女さ」

と千冬が自嘲気味にほくそ笑んだ。

『お前は私にはなれないぞ』

あの日聞いた言葉だ…、しかし、目標は今でも千冬であることに変わりはない。

「じゃあ、私はこれで戻るぞ」
「え、あ、はい…」
「無理はするなよ、ボーデヴィッヒ」

そう言って彼女は若干早歩きで部屋を去って行った。
…仕事が山積みの中、私を心配してくれたのだろう。
そう思うと、教官のためにも早く元気にならなければ、と思えた。

その夜…、私は普段着ない軍服を寝巻代わりにして、できるだけ早く眠りについた…。

Re: Infinite Storatos〜空で奏でる交響曲〜 ( No.3 )
日時: 2011/03/31 21:30
名前: black ◆cCs7Efvhes (ID: V2fBShP3)
参照: http://www.tbs.co.jp/anime/is/

翌朝。
風邪特有の重くのしかかるような嫌悪感もスッキリと消え去っていて、昨日と比べるといい目覚めだった。
やはり、一夏が言うように、寝巻を購入したほうがいいのかもしれない。
制服に着替えると、適当に身支度をして学園内の食堂へ向かった。

「お、よう、おはよう」
「ああ、おはよう」

食堂へ向かう廊下の途中で、一夏とばったり会ったので、私は一夏と一緒に食堂へ向かうことになった。

「風邪は治ったようだな」
「ああ、寝巻がなかったから本国から持ってきた軍服を着て寝た」
「やっぱりパジャマが原因か、今度買ってきてやろうか?」
「そうか、できれば頼む」

そうこうしている内に食堂についた。
昼間などに比べると幾分か静かではあるが、10代女子がひとたび集まれば朝を彩る(?)音となる。

「一緒に食べようぜ、ちょうど窓際が空いてるな」
「勿論、嫁と一緒に朝食を食べるのは当然のこと」

私は一夏が頼んだ朝食と同じものを頼んで、窓際の席に着いた。
焼き魚特有の旨味が、ゆっくりと口の中に広がってゆく。
やはり、日本の食文化は素晴らしい。

「ふぅ…ところで、今日も訓練だが、大丈夫なのか?ラウラ」
「…昨日みたいな醜態をみせることは無い、今の私は絶好調だ」
「ほどほどにしてやれよ?」
「それくらいわかっている」

一夏が心配するのも当然のことである。
もし、ラウラに手加減なしでやれ、と願うのなら、命まで奪いかねない。
もともとISには操縦者の命を最低限守る『絶対防御』なるものがある。
しかしそれはISの装甲が解除されてしまえば『絶対防御』もろとも消えてしまう。
つまりは、そういうことである。

時刻は昼、ISの実戦訓練。
私は幸運なことに、一夏と組むことになった。
何故か視線を感じるのは気のせいだろう。
まあ、一夏が敵になったとしても、やることは同じだ。
強敵とかいて「とも」として。
また彼と戦えばいいのだ。
宿敵と強敵は違う…以前私は一夏を異常なまでに敵視していた。
だが今となっては違う。
私の愚かさと、私にも心はあるということを教えてくれた。

「よし、それでは始めっ!」

千冬の号令とともに、戦闘は始まった。

無論私たちは順調に勝ち進んだ。
そして、やはり目の前に立ちはだかるのはいつものメンバーだった。
専用機持ちの面々である。

「やはり、勝ち進んでこられましたわね」
「こうなるということは、予測してはいたんだけどねー…」

次の対戦チームはセシリア・オルコット&シャルロット・デュノアのペアだった。

「じゃあ、行きますわよ!」

セシリアの機体、ブルーティアーズが、空を舞った。

「俺がセシリアをやる、ラウラ、シャルは任せたぞ」
「ああ、任せておけ」

プライベートチャネルの通信が終わると、即座に一夏はブルーティアーズを追いかける。

「僕の相手はラウラってことだね、よろしく頼むよ!」
「ああ、手加減はしない…!」

私とシャルロットは同時に動き出した。
空ではセシリアと一夏が攻防戦を繰り広げている。
今のところ一夏は難なく射撃を回避している。
しかし、セシリアも一夏を近づけようとはしなかった、彼の武器は近接一つのみだからだ。
問題は私の方だ。
機体のスペックでは、こちらのほうが上ではあるが、それを補うのがシャルロットの天才的な操縦能力だ。

「はぁっ!」

彼女の操る機体、ラファイル・リヴァイヴ・カスタムⅡの特徴はやはり彼女が独自にカスタマイズした、武器スロットだろう。
どんな状況にも対応でき、さらには武器を即座に持ち替える、『ラピッド・スイッチ』がさらに手強くしている。
だが、私だって負けてはいられない。
『イグニッション・ブースト』で一気に接近し、腕の装甲に取り付けられたプラズマ手刀を振りかざす。
それと同時にワイヤーを展開させる。
勿論相手もそれは承知しているだろう。

私はラファール・リヴァイヴの機体に向かって音速を超え、近づいて行った。

続く


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