二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ONEPIECE —雪の舞う日に—
- 日時: 2011/03/21 13:42
- 名前: 愛海 (ID: Qx27qPYR)
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雪が舞う季節にしか
生きられない〝運命〟
そして不老不死の〝定め〟
毎年雪の季節になると
一人の少女が何処となく
海に現われ春になれば
何処となく消え去っている
船乗りたちは彼女を
〝雪姫〟
だと言い伝えた——。
儚さと美しさしかない
悪魔の実が
彼女を捕らえ続ける
永遠に——
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- Re: ONEPIECE —雪の舞う日に— ( No.1 )
- 日時: 2011/03/21 19:07
- 名前: 愛海 (ID: ZMeIuJbG)
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CAST—*.
ヴァートネット・ハーミィ・ルナ
ユキユキの実を食べた所為で
雪の季節にしか活動できず、
不老不死になった子。
お嬢様口調で神秘的な、
ミステリアスで謎の多い性格。
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- Re: ONEPIECE —雪の舞う日に— ( No.2 )
- 日時: 2011/03/21 19:36
- 名前: 愛海 (ID: ZMeIuJbG)
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灰色の空を眺める少女がいた。
(もうすぐ地上とはお別れ、か…)
哀しく切なさに胸が痛む気がする。
何故こんな運命になったのか
今でも責め続ける。
空に住む父母に会いたい。
がそれは永遠に出来ない夢と化していた。
背後に何者かの気配を感じた。
「…………誰ですの?」
振り向かずに問う。
既に人物は分かっていた。
「フッフッフ、相変わらずだな」
「ドンキホーテ・ドフラミンゴでしたわね」
短い金髪にサングラスと派手なピンクの毛皮——
そして健康的な褐色肌に不敵な笑み。
一度見れば憶えやすい人物だった。
はあ、とルナは溜息をする。
相手は相変わらず態度を崩さない。
良く〝雪姫〟にそのような態度よね、
と付け加えた。
「ヴァートネット・ハーミィ・ルナ、通称…雪姫さまだろ?」
「だとしたら、どうしますのよ?」
忌まわしい悪魔の実の名が付いた
通称が憎くて嫌いだった。
「政府は不滅だとほざくがいずれ滅び…新しい政府が出来る」
彼が謎めいた言葉を言うのは
いつもの事だった。
大して気にせずに放っておく。
「お前の存在は世界的に有名だ、すぐ勧誘されるさ」
「嫌ですわ、死にたい」
「死なねぇんだろ?…俺には暇潰しにもってこいだな」
ドンキホーテの言葉に目の色が変わった。
気付ているが気付かぬ振りをする。
ルナも見抜いているが、目の色を変えない。
漆黒の腰まである黒髪に雪みたいな色白の肌、
小枝みたいにまとまったスタイルの良い体、
目は澄んだ水色の海みたいな空色の目—。
目の前にいるルナは美しかった。
だがドンキホーテは惚れずに。
「来た理由は勧誘だ、早く七武海に来いよ」
「嫌でございますわ、無理だと分かりませんの?」
「政府も海軍も冬限定だと認めるって言ってたぜぇ?…フッフッフ!」
不敵な笑みに苛立ったルナは
下半身を雪に変え空中に舞った、
「とにかくあたくしは入りませんわ、……ご苦労様でしたわね」
言い終えない内に消えた。
ドンキホーテは静舌打ちをする。
面白そうな奴が消えたからだ。
退屈だ、と言い放ち何処にへと消えた。
——
雪と混じり空中を舞うルナに
急に下から声が聞こえる
「………?」
「う……うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!」
下から麦わら帽子を被った黒髪の少年が
ルナの元へと来るのだった。
驚いたルナはとっさに避ける。
が少年が今度は下に落ちるのだった。
「まあっ…!」
助けなくてはと言い下へと降りる。
落ちていく少年をつかんだ、
そして下から彼らしき名を呼ぶところに行くと、
旗からして海賊だと言うことが分かった。
とりあえず船に降ろした。
「いやあー危なかったよ!」
「当たり前だろっ!馬鹿っ!」
短い金髪だが右目を隠してある青年が怒鳴る。
少年の周りには色んな人たちが囲っていた。
初めてのことにルナは呆然とした。
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- Re: ONEPIECE —雪の舞う日に— ( No.3 )
- 日時: 2011/03/21 20:00
- 名前: 愛海 (ID: ZMeIuJbG)
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「いやー本当にありがとうなっ!お前っ!」
良く見れば少年の右目の下に傷跡がある。
無邪気に笑う少年に思わず笑った
「危なかったですわね」
「きゃああああっ!!超レディなあなたぁあああああ!」
体を回転させながら目をハートにし、
大いに喜ぶ青年に隣にいた黄緑髪の
青年が言った。
「黙ってろ、クソコック」
「んだと?クソマリモ!」
急に態度を変えたのだった。
ルナは苦笑いをする。
そこに怒鳴ってルナを話しかけるのは
オレンジ色の髪をした少女だった。
明るい、とルナは思った。
隣に喋るトナカイと黒髪の女性がいるのだった。
後ろには短い水色の髪をした男性と、
アフロヘアーのガイコツがいた。
「あんたの名前は?」
「リラと言いますわ」
名乗るほどでもないのだから、
思わず偽名を使った。
長居する必要がないとルナは思ったからだ。
「ふーん、あたしはナミよ」
「俺はルフィ!」
「お…俺はサンジでーす!」
「俺の名前はゾロだ」
「あたしはロビンよ、よろしくね」
「お…俺の名前はチョッパーだっ!!」
「俺の名前はフランキー!!サイボーグだっ!」
「よほほっ!訳ありでガイコツですが、ブルックと申します!」
一斉に名乗られ戸惑ったが、
ルナは愛想良く笑った。
「あなたたちは……麦わら海賊団ですわね?」
「そうだぜっ!」
とルフィが誇らしげに言った。
彼等は陽気だと、ルナは見抜く。
だが彼等も寿命があるのだ、
親しくなれば最後は悲劇のみ。
ルナは言った。
「申し訳ございません、あたくしはこれから用事がありますの」
「えぇっ!?……ゆっくりしていけよー」
残念な顔で言われても困る。
ルナは心を鬼にして言い放った。
「早く行かないとダメですの……ではっ!」
「あっ…待ちなさいよ!」
言い終わらない内にルナは消えた。
突然消えたルナに一味は
呆然と空を見て立ち竦んだままだった。
遠い空に舞うルナは己を責めていた。
「親しくなろうとするなんて…何たる失態ですのっ!!」
下半身が雪の粒となっている
ルナは一見すれば無いように見えた。
気にせず、ただ空の上をさ迷う。
早く早く何処か遠くに行かなくてはいけない。
「親父、変な女がいるぜ」
エースたちは大騒ぎしていた。
下半身が雪となったルナが、
偶然にも白ひげの船の上に飛んでいたからであった。
エースは面白いと言い放つや否や、
あっという間にルナを追いかけ始めた。
エースの存在に気付いたルナは慌てて逃げ始める。
(な……何なの!?……いやあああああああっ!!)
此処まで取り乱したのは、
初めてだった。
ルナは空の上を飛び続ける。
エースも追いかけ飛び続けるのだった。
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- Re: ONEPIECE —雪の舞う日に— ( No.4 )
- 日時: 2011/03/22 20:12
- 名前: 愛海 (ID: ZMeIuJbG)
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完全にパニックに陥ったルナは、
近くにあった船に降りてしまった。
「おーやーじー!!たっだいまぁ!」
「きゃあっ!」
と下からエースが船に降りた。
彼が降り〝親父〟という単語に
ルナは血の気が引く。
此処は彼の船だと。
ルナは逃げようとするが、
背後に気配を感じた。
振り返れば目の前に大きな初老の男がいた。
身長はざっと見て2mくらいはある……
何処か見た事のある顔の男だった、
男はグラララッ!!と急に笑いだす。
「エース、この子は雪姫だ」
忌まわしい通称を呼ぶ男。
眉間に皺を寄せる。
「えぇっ!!雪姫っ!?」
「この子が雪姫なのかよぃ」
と次々船員たちがルナの周りを囲んだ。
人間と馴れ合わないようにした
ルナの努力が一斉に水の泡になった。
—— クラクラと頭が眩む気がした。
ルナは自分の後ろにいる〝エース〟と
大きな男から呼ばれた青年を見る。
何処かルフィに似ている、
そんな感じがする笑みだった。
「お前さん、エースに追いかけられてたんだな、すまねぇ」
「いっ…いいえ、良いですわ」
上品な言葉使いに真似する船員もいたが
近くのリーダーと思しき人物に
頭をたたかれる人が続出した。
ルナは下品だと、心の中で呆れた。
「とにかく俺はエースだっ!」
「黙っとけい!、エース!……俺はマルコだ」
「………あたくしの名はヴァートネット・ルナですわ」
一刻も早く逃げたい。
人と馴れ合わないようにする、
悪魔の実を食べたときから
誓いが崩れていく—。
早く逃げたい自由にさせて欲しい、
ルナは息が詰まる思いだった。
そして上の大男を見る。
思い出した。
〝エドワード・ニューゲート〟
通称白ひげと呼ばれる〝世界最強の男〟
伝説的な海賊だ。
エースと呼ばれた青年も思い出す
〝火拳のエース〟
だった——。
強敵揃いにルナは怯む。
が目の前の強敵は能天気に見えた、
と言うのは、よそうと思ったりもした。
「しばらく泊まってけや」
伝説的海賊に言われるがまま、
ルナは何も言えずに、
ただ頷いた。
と同時に船内は歓声に満ちた。
ルナはマルコと呼ばれた男を見る、
指名手配書通りの顔だった。
特徴的な髪型だ。
思わず噴出しそうになる。
ルナは口を両手で押さえた。
「……何だよぃ」
明らかに不機嫌の態度で、
マルコはルナを睨む。
「お前の髪型が可笑しいんだよっ!!ブブッ…!!」
急に割り込んだエースは噴出した。
マルコはキレて軽い喧嘩状態に。
ルナは戸惑うが他の船員に呼ばれてしまい、
そのまま、その場を立ち去ってしまった。
「大丈夫かしら……?」
ルナの心配は無駄だった。
二人はとっくに、
軽いふざけ合いを始めていた——
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