二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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薄桜鬼 Loyal —誠— 第六章 〜実力〜
日時: 2011/04/20 20:38
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

その日の夜、私は土方さんの部屋に呼び出された

部屋の中に入ると土方さんと沖田さん、斎藤さんがいた

「そこら辺に座ってくれ」

私は斎藤さんの横に腰を下ろした。

「総司。お前、どう思う?」

「別に、可愛くていい子じゃないですか?僕は嫌いじゃないけど」

「そうじゃねぇよ。父親を探しに京に来てその日のうちに隊士達に襲われた偶然にしちゃ出来すぎじゃねぇか?」

「僕はあの子がそんなお芝居が出来ることは思えないけどなー」

沖田さんがちゃかす。

「美波はどう思う?」

沖田さんじゃ話が進まないからなのか、何故か私に回ってきた

「敵意や害意もない、かなりいい子だと思いますよ。土方さんにこれを聞かれるのは分かってましたから。それに、この先あの子は役に
立つ」

私がそう言うと土方さんは微笑した

「そうか、疑って悪かった。もう部屋に戻っていいぞ」

だが私は言いたいことがあったのだ。

「あの、土方さん。そろそろ私を部屋から出してもらえませんか?巡察にも同行したいんです」

「だめだ」

しかし私の申し出はあっさりと却下されてしまった。

それでも私は食い下がる

「お願いしますよ・・・」

すると土方さんは厳しい声で言い放つ

「巡察は命がけなんだ。下手したら命を落としかねない。ただでさえガキっぽいのに・・・お前にもし何かあってもどうしようもねぇだろ」

「じゃあ、明日平助君と一戦やらせてください。絶対に勝てる自信があります」

「平助をなめないほうがいい。あいつはかなり強い」

呆れたように土方さんは言った

「お願いします自分の実力を見てほしいんです」

何回もお願いしているととうとう土方さんが折れた。

「わかったわかった。明日、平助には言っといてやるから今日はもう寝ろ」

そう言い、土方さんは私を部屋に戻るよう促す

「ありがとうございます。おやすみなさい」

私は土方さんの部屋を出て自分の部屋に戻った

空にはまた、あの怪しい月が浮かんでいたのだった・・・

———同時刻 土方の部屋———

「あいつかなり自信満々だったな」

「よっぽど自信があるのでしょう・・・」

「まぁいいんじゃないですか?もし、平助に勝てたら次の相手は僕ですね・・・」

そう言って沖田は怪しい笑みを浮かべた

「あいつにそこまでの剣の腕があるとは思えねーけど」

3人は夜がふけるまで話をしていた・・・

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Re: 薄桜鬼 Loyal —誠— 第六章 〜実力〜 ( No.1 )
日時: 2011/04/20 20:40
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

———翌朝———

朝起きて、窓を開けると心地よい風が吹きこんでくる

しばらく風にあたり、それから布団を畳みおしいれにしまった。

千鶴ちゃんはまだ寝ている・・・

私は起こさないように歩いた。

そして、私は心の中で黎と話をした

「ねぇ、黎・・・今日の試合で瞳の色が変わらないギリギリの力を出せる?」

すると、黎が喋りかけてきた

『そんなもの楽勝だ』

「そう・・・じゃあ、今日はよろしく」

『わかった』

黎は私の頼みを受け入れるとそれ以降は喋らなくなった

しばらくすると、千鶴ちゃんがもぞもぞと起きはじめた。

「千鶴ちゃんおはよう」

「あ、美波ちゃん。おはよう」

千鶴ちゃんはにっこりと笑った

それから千鶴ちゃんは布団を畳み押入れに戻す。

すると、人の気配が近付き部屋の戸が開いた

現れたのは斎藤さんと沖田さんだった

「朝飯を持ってきた」

斎藤さんはそう言って持っていた膳を下ろす。

「もしかして、今日の朝ごはんは沖田さんも作ったんですか?」

「なに?僕が作ると問題でもあるのかな?」

沖田さんが黒いオーラを出し始めた

「問題大アリです。沖田さんが作るとしょっぱすぎたりするので健康的によくないんです。ただでさえ部屋の中で生活してるのに

塩分取りすぎで太っちゃうのは嫌ですから」

「確かにそうだ。その意見には俺も賛同しかねる」

斎藤さんがズバリといった

「えー、一君ひどいなー」

「本当のことを言ったまでだ」

二人の口げんか?みたいなものが始まったので私と千鶴ちゃんはその横で朝ごはんを食べ始めた

私はご飯をかっ込んだ。

「ごちそうさまでした」

「今日は早いね。何かするの?」

千鶴ちゃんが不思議そうな顔で聞いてきたので私は千鶴ちゃんにいう。

「今日は、平助君と一戦やるんだ!だから、早く着替えようと思って・・・?あれ?道場に行かなきゃならないから洋服じゃなくて袴じゃ
なきゃ駄目なのかな?」

私が斎藤さんに問いかけるように言うと斎藤さんではなく沖田さんが答えた

「今日は天気がいいから他の隊士さんたちは外で練習するから洋服でいいんじゃないかな?」

「じゃあ、洋服に着替えなきゃ。さぁ、今日は何を着ようかなぁ?」

二人を一旦部屋の外に出し、それから私は洋服に着替えた

そして千鶴ちゃんが食べ終わるのを待って

二人を部屋の中にいれ、お膳を運んでもらった

しばらくすると、斎藤さんが戻ってきて私を道場まで連れて行ってくれた

千鶴ちゃんは部屋で待機ということになった

Re: 薄桜鬼 Loyal —誠— 第六章 〜実力〜 ( No.2 )
日時: 2011/04/20 20:40
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

道場に入ると既に平助君が準備をしていた

幹部の人たちも集まっていた

「美波じゃん、とっとと準備しろよな」

平助君が言った

「あー、ごめんねぇー?今すぐ準備するよ」

ちょっと馬鹿にしたように言うと平助君が挑発を始めた

「引くなら今のうちだぜ?」

「何言ってんの?私が負けると思ってんの?私は勝つよ」

「いや、俺が勝つし」

「私が勝つの」

二人の間に見えない火花が散った

「おいおい、とっとと準備しろよ。どっちが勝つかなんてやってみねーとわかんないだろ」

左之さんが仲裁に入る

「両者位置につけ!」

そこに土方さんが入る

「ルールはなんですか?」

私が聞くと土方さんは困ったような顔をした

「る・・・るぅる?」

おもわず現代の言葉を使ってしまったため土方さんに伝わらなかったようだ

この時代の人でもわかる言葉を考える

「えっと、試合形式のことです」

「そういうことか。試合形式は、相手の木刀を落とすか首に突きつけるかすれば勝ちだ」

「そうですか」

そう言って私と平助君は、位置につく

「始め!」

その声を合図に平助君が木刀を構えて私に斬りかかる

それをかわした直後に再び木刀が振り下ろされる

それを自分の木刀で受け止め、後ろに飛びのく

今度は私が木刀を突き出し、平助君を狙う

そして、そのまま木刀を振り下ろす・・・フリをして平助君の上を飛び越え

背後に回り、木刀を刀に突きつける。

「そこまで!美波の勝ち!!」

試合終了の声に平助君は驚愕の表情を浮かべる

「嘘だろ・・・俺が負けた?」

「平助君、まだまだ甘いね」

私は平助君の首に当てていた木刀を下ろした

その様子を黙ってみていた沖田さんが立ち上がり近づいてきた

そしていつものあの笑みを浮かべながら言った

「へぇ、君って結構強いんだね。今度は僕と勝負しようよ・・・真剣でね・・・」

分かりやすい殺気を放っている沖田さんに私は余裕の笑みを浮かべる

「いいですよ、受けてたとうじゃないですか!」

私が言うと沖田さんは再び笑みを浮かべる

「じゃあ、僕が勝ったら何でも言うことを聞いてね?」

「分かりました。そのかわり、私が勝ったらここら辺のお店で一番おいしい白玉ぜんざいをおごってください。・・・てゆーか、何でもって
具体的に何するんですか?」

私が聞くと沖田さんが黒いオーラを出し始めた

「うーん、そうだねー・・・主に僕の使いっぱしりかな?」

「負けねェェェー」

つーか、パシリじゃんそれ!!

「おい、総司。やめとけって・・・相手は子供だぞ」

邪魔するように土方さんが言った

「土方さんは黙っててくださいよ」

「そうです!土方さんはとっとと審判してください!」

「わ・・・わかったよ。両者位置につけ!」

私は本物の刀を持つと位置についた

「始め!」

それを合図に沖田さんが先ほどの平助君のように私に斬りかかろうとする

横に移動し、そこから横に刀を振るう。

だが、あっけなく防がれてしまった

沖田さんには隙がない・・・。

刀を首に突きつけるのは不可能に近いので私は沖田さんの刀を狙った

刀と刀が交わり耳障りな金属音が道場の中に響き渡った

私は沖田さんの刀を弾き飛ばそうとしているが、沖田さんの力が強すぎて私のほうがおされている

いったん引こうとしたその時だ・・・・・・

あの耳障りな金属音が聞こえ、それと同時に私の手から刀が弾き飛ばされた。

弾き飛ばされた刀が私の頬をかすり、痛みが走る。

「そこまで!総司の勝ち!」

「あーあ、負けちゃったね。これからは僕の言うことなんでも聞くんだよ」

沖田さんがまた黒い笑みを浮かべた

「あともうちょっと、もうちょっとで私の勝ちだったもん。ねぇ、もう一回やろうよ!あああ・・・私の白玉ぜんざいがーぁぁぁ!!」

私がごねると沖田さんが言った

「だめだよー。約束は約束でしょ?ちゃんと僕の言いなりになりましょうねー」

「大人気ないぞ、総司」

斎藤さんが止めに入った

「ええー。一君ひどいなー」

「大丈夫か?美波。顔に怪我をしたんじゃないのか?」

そんな沖田さんを無視して斎藤さんが私に声をかけてくれた

「ええ、大丈夫ですよ。私けっこう傷の治りが早いんです」

「そうか。よかった」

そう言って微笑んだ斎藤さんがとてもかっこよくて私は顔が赤くなるのを感じた

気付かれたくなかったため私は土方さんに顔を向けると問いかけた

「土方さん。どうですか?巡察に同行してもいいですか?」

「巡察への同行を許可してやる。そのかわり、変なまねはすんなよ」

土方さんから許可をもらった私は嬉しさに頬が緩んだ

「明日から俺と山南さんは大阪に行くことになるから、あとは頼むぞ」

そう言うと土方さんは道場を後にした

「美波、お前けっこうすげーんだな」

「今度暇な時俺と手合わせしようぜ!」

左之さんと、永倉さんが私の頭をくしゃりと撫でた

「いいですよー」

なんだか心が温かくなってくる

すると、沖田さんがやってきた

「はい。じゃあ、美波ちゃんには一番目のお使いを頼みます。うーん、何してもらおうかなー。あ、そうだ!土方さんの部屋から
豊玉発句集とってきて♪」

「・・・・・・は?」

それ、ヤバイよね?メチャクチャやばいよね?

私に命を捨てろと?

「ムリ!絶対ムリ!!」

即答すると沖田さんが不満そうに言った

「えー、何でも言うこと聞かなきゃ駄目だよー」

私が斎藤さんに助けてと視線で送ると斎藤さんが来てくれた

「総司。美波にも出来ない事だってある。だからほかの事にしておけ」

「もー、一君は過保護すぎるんだよー。じゃあ、何やってもらうか考えておくよ」

そう言って沖田さんも道場を後にした

「ふー。助かりました斎藤さん。ありがとうございます」

「たいしたことなどしていない。先ほどの刀の腕はとてもよかったぞ」

そういって斎藤さんは微笑んでくれた


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