二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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薄桜鬼 Loyal  —誠— 第八章  〜忠告〜
日時: 2011/04/20 21:54
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

——明け方——

私は千鶴ちゃんを起こさないようにそっと部屋を出た

厚着をして外に出る

冬の寒さが身にしみてくるのを我慢してしばらく

待っていると、前方から二つの影が現れた

よく見なくてもわかる

あれは土方さんと山南さん

土方さんも私に気付いたのか、こっちを見ると眉間に皺を寄せた

いや、そんなに眉間に皺よせないでよ・・・

「なんでお前がここにいる?」

厳しい口調で土方さんが私に問いかける

「えー、ひどいですよー。開口一番それですか?」

「いいから、答えろ」

カルシウム足りてないんじゃないの?

そう思いながら私は土方さんに向かって言った

「ひとつ、大阪への出張にあたって忠告しに来たんです」

「なんだと?」

「呉服屋に入るときには気をつけてください。特に・・・山南さん・・・」

山南さんに視線を向ける

「では、川尻君は私が弱いとでも・・・おっしゃりたいのですか?」

「いや、そういうわけじゃありません。でも、私の忠告聞いとかないと山南さんはとても危険な状態になる」

「そうですか・・・。分かりましたわざわざのご忠告ありがとうございます」

山南さんが微笑んだ

「じゃあ、気を付けて・・・いってらっしゃい」

「はい。じゃあ、いってきます」

そう言って二人は屯所を後にした

しばらくして、太陽が段々昇ってきた

私は急いで部屋に戻り、着替えをする

ちなみに今日の服は、男物のTシャツに黒のパーカーだ

着替えが終わると千鶴ちゃんが目を覚ました

「おはよー千鶴ちゃん」

「おはよう、美波ちゃん」

千鶴ちゃんが天使のような微笑みを浮かべた

ああ、Myスウィートハニー!

なんてかわいいんだろう

「めしだぜー」

声が聞こえ、それと同時に部屋の戸が開いて

平助君が顔を出す

部屋の戸が開かれたことによって、寒い空気がいっきに入り込んでくる

「寒い!平助君寒い!戸を閉めてー」

「おおっ!?わりぃ!!」

そして、平助君が戸を閉めた

「つーか平助君さー、冬なのにその格好って寒くないの?」

「全然寒くない」

「そっか・・・なんとかは風邪ひかないって言うもんね・・・」

後半のほうを聞こえないくらいにボソッと呟いた後に私は千鶴ちゃんの布団を片付けた

「あ、美波ちゃん。ありがとう」

ああ、だからMyスウィートハニー!!かわいすぎだってば!

「それよりとっとと飯食っちまえよ」

平助君が割り込んでくる

「まぁ、いっか。いただきます」

それから私たちは朝ごはんを食べ始めた

食べ終わる頃にはもう、日は高く昇っていて

暖かい日差しが差し込んでいた

「今日もいい天気だなー」

平助君が傍らでお膳を片付けている横で呟いた

「あっ、そうだ美波。今日の巡察どうすんの?」

平助君が首をかしげた

「うーん・・・今日は誰なの?」

「えーっと・・・確か、総司だった気がする」

沖田さんか・・・

まぁ、いいかな?本当は斎藤さんがよかったけど・・・

「まぁ、それでいっか・・・。じゃあ今日行きたい!」

「じゃあ、総司に言っとく。でも、その格好じゃ出られないから・・・」

「斎藤さんに借してもらおうかな・・・てゆーか、貸してくれるかな・・・」

「わかったじゃあ一君に借りてくる!!」

そう言って平助君は、部屋を後にした

しばらくするとまた平助君が戻ってきた

「あのさー、一君着流しだけで袴を持ってないから貸せるのはこれだけだって・・・」

そして、平助君は私に黒い色の着流しを渡した

「わぁ!!嬉しいな!!斎藤さんと同じやつなんだー」

そう言って私は着流しを広げた

「でもね、平助君・・・。私、着方がわからない」

「あー・・・そっか、じゃあ一君をこっちに来させるから待ってて」

そう言ってまた、平助君は部屋から出て行った

「美波ちゃんの住んでたところってどんなところだったの?」

千鶴ちゃんが声をかけてきた

「うーんとねー・・・この時代よりも便利だったな・・・いろいろと」

「へぇ・・・じゃあ、美波ちゃんの友達ってどんな子だったの?」

「・・・そうだね・・・とっても・・・面白い子達だったよ・・・」

私は空を見ながら笑った

部屋の外から人の気配が近づいてくる・・・

斎藤さん達だろう

「待たせたな」

声が聞こえて部屋の入り口に斎藤さんが姿を現した

「いえいえ、待ってませんよ。それより着流しの着方を教えてください」

そういうと斎藤さんが着流しの着方について説明を始めた

分からないところを詳しく聞くと斎藤さんは嫌がるそぶりも見せず素直に応じてくれた

1時間以上はかかっただろうか?

私はようやく着流しを切れるようになった

「ありがとうございます。斎藤さんはいい男ですね」

「べ・・・別に大したことはしていない」

斎藤さんが顔を赤くして言った

かわいいな・・・そう思っているとまた私の部屋に訪問者が訪れた

「昼飯持ってきたぜー」

平助君が入り口から顔を出していった

「うん!ありがとう」

そういうと平助君はお膳を私と千鶴ちゃんの前に置いた

「平助君、私は巡察のときどうしてればいいの?」

平助君に聞いてみる

「うーん・・・今日は俺も行くからじゃあ、俺の横にいればいいよ」

「そうか、じゃあよろしくね?後で沖田さんにも挨拶しないと嫌味言われそうだから言っとかなきゃね・・・」

私がそういうと平助君が笑った

「そーかもな!」

千鶴ちゃんも珍しく笑っている

「外は・・・楽しいんだろうね・・・」

その呟きは誰に聞こえるでもなく消えていったのだった・・・

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