二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【青の祓魔師】 -月楼の紡ぎ歌- 【短編集】リク募集!
- 日時: 2012/06/01 18:51
- 名前: ぽんこ ◆xsB7oMEOeI (ID: ff/SEmxn)
- 参照: http://incomplete.hanabie.com/index.html
クリックありがとうございます!
タイトル変更しました。旧→「青の祓魔師 -ちいさな物語たち-」です
あ、タイトルに意味はありません←
揃いも揃って駄作ばかりの作品置き場ですが
参照まさかの300越えにめっちゃドキドキしております<イヤッッハアァァァ!
あ、誤字脱字とかあったらもう遠慮なくビシバシ指摘してやってくださいね
【作品説明】
一話読み切りの形で書いておりますので、
どれから読んでもOKです!
作品の長さや雰囲気は気分によって変わりますが←
あと、キャラ指定とかも特にしてないので
できるだけ色々なキャラを書いていけたらなぁと……
時々キャラ崩壊ありますのでご了承ください(え
更新不定期&駄作オンリーでよければどうぞ。
ではでは。
【お知らせ】
リク募集中です☆
気軽に応募用紙コピペしてください(^.^)/
+.*☆作品☆+.*
【不可解な感情】(燐・メフィ)>>1
【ただ、そばにいること】(燐・獅郎)>>2
【爆弾投下まであと何秒?】(燐・勝呂)>>3
【隔絶された中心】(雪男)>>4
【自己犠牲も程々に】(メフィスト・アマイモン)>>8
【彼の理由が知りたくて 前編 】(志摩・出雲+勝呂・子猫丸)>>9
【彼の理由が知りたくて 後編 】>>12
※表記を(前編・後編)に変更しました
【奇術師の話】(メフィスト・アマイモン)>>14
短い上に意味不明です。
リンク先はお題配布サイト「不完全燃焼中」様です☆
お世話になってます(^^)
- Re: 【青の祓魔師】 月夜の書庫 【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2011/05/15 16:12
- 名前: ぽんこ ◆xsB7oMEOeI (ID: Wx.cjsE7)
【不可解な感情】
それはふとした瞬間に訪れる。
たとえば廊下を歩いていて、誰かに「おはよう」と言われた時。
たとえば退屈で死にそうな授業を、半分眠りながら受けている時。
たとえば一日を終えて部屋に戻り、勢いよくベッドに飛び込んだ時。
そういう何気ない瞬間にふと思う。
自分が怖くてたまらない、と。
ぼんやりと物思いに耽りながら暗い夜道を歩いていると、不意に誰かとぶつかった。獣の匂いがした。
「痛いじゃないですか。下を見て陰気に歩くのもいいが、たまには前を確認していただきたい」
見上げると、淡い月光を浴びながら、呆れたようにこちらを見下ろす瞳と目があった。
驚いて後ろに飛びのくと、ピエロのような奇抜な衣装に身を包んだ彼は口元に手を当てくつくつと喉で笑う。
ちらりと牙がのぞいた。
「何もそんなに驚くことはないじゃありませんか」
「いきなりあんたとぶつかったらフツーびっくりするだろ。つーかなんで理事長がこんなとこ歩いてんだよ」
「月夜に散歩するのもなかなか優雅ではありませんか。紳士は常に紳士らしい振舞いをするべきです」
はぁ、と気の抜けた返事をする。この男は常に何を考えているのか分からない。
とりあえず、じゃあ俺はこれでと立ち去りかけたその時、待ちなさいと鋭い声が飛んできた。振り返ると彼は腕を組み、口元にうっすらと笑みを浮かべている。
「どうも顔色が良くないようだ。何かお悩みでも?」
さすがは悪魔というべきか、人の心を読むのが上手い。
思わず身を固くした自分を見て、彼は満足げににやりと笑った。人が動揺しているところを見るのはどうやら彼のお気に入りらしい。
「私の鋭い洞察力から察するに、君は何かに脅えているようだ。サタンの落胤であるあなたが、一体何を恐れる必要があるのです?」
彼はもう笑っていなかった。探るような目つきでこちらを見ている。
相手の瞳から視線を反らし口を閉じたままでいると、不意に彼は力を抜いて笑った。
「まぁ、答えは大体見当がつきますがね。それからはどんなにあがいたって逃れようもないのです。お気の毒ですが」
そう言うと、彼はふわりと目の前に進み出て、かがんで同じ目線の高さになった。
それがあまりにも近かったものだから、思わず心臓が跳ね上がる。
何をするのかと緊張しながら動かずにいると、彼は自身の人差し指で、燐の胸をそっと突いた。
「あなたの命のともしびが消えない限り、あなたは永遠に囚われ続ける。あらゆる試練があなたに襲いかかり、ひょっとすると気が狂いそうになるかもしれない」
しかし、と彼は続けた。
その瞳はまっすぐにこちらを見ていた。
「あなたはサタンの息子であり、同時に奥村燐でもある。なに、少々手荒な事をしてくれようが、私たちも制御するくらいの力はあります。恐れることはありませんよ☆」
ぱちりと片目をつぶってみせた彼は、それこそ本物の道化のようだった。
一体彼は何を考えているのか。
口から紡ぎだされる言葉は果たして真実なのか否か。
それを解明できるのは、おそらく彼自身しかいないのだろう。
しかしそれでも。
さきほどまで胸の中で渦巻いていた黒い感情が、少しだけ晴れたのは事実だった。
彼はすっくと立ち上がると、それではまた後日お会いしましょうと歩きだした。
「ただし学園を破壊されないよう! 冷静沈着なこのわたしにも理性の鎖というものがありますから、できるだけ真面目な態度で授業にも臨んでほしいものです」
夜の闇に消えていく彼の後ろ姿を見つめながら、一人残された燐はしばらくその場に立っていた後、くるりと踵を返した。
空を見上げると、無数の星が輝いている。きっと明日は晴れるに違いない。
明日のことを考えた途端、ぐううと大きく腹が鳴った。
すっかり目が冴えてしまったが、朝食まであと何時間もある。これからどうやって時間をつぶそう?
そんな他愛のないことを思いながら、燐は寮目指して歩き続ける。
だから物陰から男が一人、悲しい目をしてこちらを見ていたことなど、燐は知る由もなかった。
——————————————————————
ちょこちょこ修正しました。
メフィが燐にちょっとでも同情してたらいいな…という話。
- Re: 【青の祓魔師】 月夜の書庫 【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2011/05/15 22:33
- 名前: ぽんこ ◆xsB7oMEOeI (ID: Wx.cjsE7)
【ただ、そばにいること】
(りん)
だれかのこえがしたようなきがした。
どこかとおいところから、おれをよんでるきがした。
(りん)
でもおれはだれにもとめられないんだ。
おれのことをかげでアクマだなんていいやがって。ゆるしてなんかやるもんか。
こいつはおれがやっつけてやるんだ。
(りん!)
おれはつよいんだ。おれがこいつをやっつけるんだ。
とめんなよ。こいつはもっとぐちゃぐちゃにしてやらないといけないんだ。
なんでなくんだよ、よわっちいな。もっともっとなぐってやる。もっと、もっともっともっと——
(りん!!)
「うおわぁあ!!」
驚いて飛び起きると、胸の上からクロが悲鳴を上げながら転がり落ちていった。
「うおっ、ごめん!」
慌てて床から拾い上げると、クロは不満げな顔つきでこちらをじっと見つめる。
(いたいぞりん。うなされてたからおこしてやろうとおもったのに)
「ごめんごめん。つーか俺うなされてたの?」
寝ている雪男を起こさないように小声でクロにたずねた時、燐は自分のシャツが汗でぐっしょり濡れていることに気がついた。
不快な熱気をはらうように頭をぶるると振ると、燐に持ち上げられたままクロはうなずく。
(ううぅとか、とめんなあぁとかいってたぞ)
「そっか、わりーな」
笑いながらそっとクロを放してやると、彼は燐の腹の上から動かずにいた。
不思議に思い彼を眺めていると、クロは大きな瞳でこちらを覗きこんでくる。
(りん)
「なんだ?」
(だいじょうぶか?)
本気で心配してくれている友達を見て、燐はふっと微笑んだ。
ちょっと変な夢見ただけだって。大丈夫だ——そう返事しようとしたその瞬間。
燐の脳裏にふと想い出が浮かび上がった。
夕暮れの寂しい小道を、病院から退院したばかりの父親と二人で歩いていた。
保育園の友達を傷つけ、挙句父親の骨まで折ってしまっていたのだ。
お互いに何も言葉を交わすことなく、ただ黙々と一歩を踏みしめる。
燐は父親を見ることができなかった。
なんと言って怒られるだろう。
あの日は優しくなだめてくれたが、心の底ではきっと怒っているに違いない。
下を向いて歩いていて、頭上から自分を呼ぶ声がした時、燐は「ひっ」と言って身を固くした。
握りしめた手に力が入る。
おこられる!
「——だいじょうぶか?」
——えっ?
燐はしばらくの間、その言葉を頭の中でぐるぐると繰り返していた。
だいじょうぶか?
どうして?
どうしておこらなかったの?
父親を見上げると、その瞳は優しく細められていた。
にやりと口角を吊り上げ、彼は面白そうに笑みを浮かべる。
「お前口よりも先に手が出るタイプだからなぁ。いい加減にしねーと俺も本気出しちゃうぞー……って、な、なんでお前泣いてんだ!」
気付けば自然と涙が溢れていた。それがなぜなのかは自分でもさっぱり分からなかった。
ただ、おろおろと燐の額に手を当てたりしている父親の姿を見て、心の底から嬉しかったことは今でも鮮明に覚えている。
(りん?)
俺は——
——大丈夫だ。
まだ先に何があるのか分からないけれど。
傍に心配してくれる誰かがいるだけで、こんなに心強いことはないと思った。
- Re: 青の祓魔師 -ちいさな物語たち- ( No.3 )
- 日時: 2011/09/24 21:52
- 名前: ぽんこ ◆xsB7oMEOeI (ID: dY0niJTv)
【爆弾投下まであと何秒?】
授業終了のチャイムと同時に、燐は教室を飛び出した。
与えられた時間はわずか十分。
間に合うだろうかと不安が脳裏をちらりとよぎったが、迷っている暇などない。
燐は廊下を全力で駆け抜ける。
「待てや奥村ァァ!!」
突然叫び声がして振り返ると、勝呂が顔を真っ赤にして、こちらに向かって猛ダッシュしていた。
どうやら彼も同じ目的のようだ。
しかし男としてここで立ち止まるわけにはいかない。
立ち止まれば、その瞬間すべてが終わってしまうのだ。
たとえ何があったとしても、この腹の中で眠る凶悪な怪物を外に出すわけにはいかない。
「残念だったな!! 俺は一足先に行かせてもらうぜ!!」
そう叫んだ時、不意に何か硬いものにつまづいた。あっと思う間もなく床に顔面を勢いよく打ちつける。
痛みに歯を食いしばりながら立ち上がり、つまづいたものの正体を確かめると、仏頂面をした囀石(バリヨン)だった。
おそらくどこかの教室から逃げ出してきたのだろうが、悠長に考えている時間はない。転んだことで限界が一気に近づいてしまった。もう一刻の猶予もない。
と、燐の横を一陣の風が通り抜けた。
「誰が一足先やてぇ!?」
勝呂が追い抜いたのだ。燐はすぐに後を追った。
「うおお、勝呂てめぇ!!」
「よそ見なんかしとるからや!! 勝つのは俺や!!」
二人は走る。勝呂の横に燐が並んだ。互いに火花を散らしあった。
角を曲がると、楽園の扉が見えてきた。
二人の速度がぐんと上がる。
あと少し、あと少しだ————
「「うおおおお!!」」
+++
「あーすっきりした。転んだ時は死ぬかと思ったぜ」
「ほんまかぁ? ま、とりあえずこれで一件落着や」
満ち足りた表情でトイレから出てきた二人の前に、きょとんとした様子でしえみと出雲が立っていた。
「え……りん……す、勝呂くんも……?」
「な、なにしてんのあんたたち!!」
「え? なにってトイレ……あっ」
「なぁ奥村、もしかしてここ女子用の……」
その後、二人が無言で神聖なる個室の掃除をしたことは、ほんのひとにぎりの人間しか知らない。
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すみませんでした(爆
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