二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 青の祓魔師/気まぐれな遊戯
日時: 2011/08/06 12:57
名前: 奈央 (ID: ICvI0sBK)

初めまして奈央(nao)と申します!よろしくお願いしますね!
私は青エクが大好きな、中学二年です(勉強しろ
更新度は亀さんよりも遅いですね(←
何とか隙を見て、更新しますぞ(笑

まあ、そんな訳でどうぞ、暖かく見守ってくださ…(ずうずうしい
というわけで、どうか、暖か…(しつこい
後、タメは断然というか喜んで受け付けますんで笑


            ○


#00 プロローグ>>1
#00 キャラ紹介>>2


#01 >>5
#02>>6

Page:1 2



Re:  青の祓魔師/気まぐれな遊戯 ( No.4 )
日時: 2011/08/02 15:13
名前: 奈央 (ID: ICvI0sBK)

     * まりにゃーず

初コメありがとうっ!(ちょ、最初からタメかよ笑
銀魂かあ、見たことないんだけど、
面白そうだねっ!
青エクのアマイモンとメフィストが大好きすぎて死ぬかもぉ(笑
そんなわけで、どーか、今後もごひいきに(黙ろうね←

Re:  青の祓魔師/気まぐれな遊戯 ( No.5 )
日時: 2011/08/04 18:44
名前: 奈央 (ID: ICvI0sBK)

  #01 



俺は処刑されることになった。散々に痛めつけられ、弱った体。
ある祓魔師に蹴飛ばされて、深く掘った穴へと落とされた。
処刑場の土はやはり、冷たい。

「…………っ!」

鈍痛に顔を歪ませながらも、何とか上半身を起こし、地を這いずって、土の壁に寄りかかった。
そして見上げて目に映った——— 塾の皆。そして雪男が手にスコップを持っていた。
その表情は………忌まわしいと物語るような眼差しで。
掘られた土を、穴にいる俺に構わず、土を戻し、埋め始めた。
勝呂、志摩、しえみ、子猫丸、神木、シュラ、メフィスト……そして雪男が無表情で埋め続ける。
両腕を拘束されている、俺は徐々に埋まっていく体から土を払いのけ、もがく。
目隠しされたけど、外れた僅かな隙間から見えた、俺の家族、仲間であるはずの奴らが。
俺を、俺を。………生き埋めにする場面を見るなんて、最悪だ。

「………何、で?」

目から涙が零れ出した、頬に伝って地面に落ちる。黒い染みが幾つも出来た。
それでも、埋める作業の手は止まらない。
誰も、俺なんかに見向きもしなかった。しかし、雪男がちらりと俺の方を見て。

「兄さん。兄さんの所為でどれほどの人が傷つき、悲しみ、迷惑をかけたと思ってるのさ。僕は兄さんと血が繋がってるだなんて、本当に大恥で仕方なかった。でも……それは今日で終わりだ。さよなら、兄さん。嫌な悪夢を一刻も忘れたいから、早く埋めてしまおう。忌まわしいサタンの子供を」

何でそんな笑ってられるんだよ。何で俺の方を見て嘲笑うんだよ。神木なんか、軽蔑する眼差し。
それで、鼻で笑ってて、唯一の友達である朴と共に……笑っていた。
勝呂たちは笑わずに、ただ—— 睨みながら、埋めている。雪男の言葉に、俺は声を失う。
嘘だろ、嘘、嘘、嘘、嘘、嘘———………嗚呼、そうか。
頬にまた一粒の涙が伝う。
お前らは最初から、ううん、正体がばれた時点でもう敵だとみなしてたんだな。
あの言葉も全て過去のこと、世間のことを考えたら、巻き込まれたくないから、捨てたんだ。
つまり、俺のことを裏切った。
勝呂たちはまだ分かる。だけど雪男としえみと神木は関係ないのに裏切った。
俺、信じてたのに。信じて認めてくれて、嬉しかったのに。信じてた。
目から涙とは違う………血が伝った。嗚呼、血の涙か。

「……………ない」
「え?」

雪男が短く発した同時に俺はゆっくりと口を開く。


「許さねぇ……絶対に許さない………信じてたのに、俺のことを認めたって言った癖に……例え……血を引いてても、俺は俺だと言った癖に。皆……許さねぇ………絶対に許さない………サタンも………物質界と虚無界も…………お前ら、未来永劫………呪ってやる、絶対に許さねぇ。お前ら……恨んでも恨んでも………恨みきれない………この恨みを……子孫たちをも巻き込んで………ずっと、ずっと………恨んでやるっ!」


目隠しから外れた左目に血の涙を一滴流し、恨みごとを言う俺にしえみは怯えてスコップを放り投げた。
それでも、土はもう体の上半身を埋め尽くし、もうすぐで完全に土の中に埋まる、その寸前でも、吐いた。

「許さない………許してたまるものか………っ……」
「燐………っ!」

最期にしえみの泣き声が聞こえた気がした。その言葉を最期に俺の視界と意識は暗闇へと落ちた。
嗚呼、恨んでも恨みきれない。俺はまだ……死ぬわけにはいかないんだ。
まだ、あいつ等に復讐が出来てない。




             ○




完全に兄は生き埋めにされた。僕等の手で。僕は兄さんが昔から大嫌いだった。
少なくとも、サタンの子供だと父さんから知らされた日から。
皆を悩まし、父さんを危険にさらす、あんな奴の血を引いている兄さん。
僕は人間だ。サタンなんかとは血すらない。というか、別人なんだ。
兄さんの恨みの言葉にすっかり怯えきったしえみさんを優しく肩を手に置いて。

「気にすることはないですよ、あれはただの……負け台詞です」
「………でもっ……燐の、あの目………!」

たしかに、あの目は怖かった。目隠しが外れて覗いた左目から流れた、血の涙。たった一滴でも。
だけど、怖かった。しえみさん以外に勝呂君たちも怯えて震えている。
シュラさんも険しい表情を見せ。理事長はいつもと違って真剣な表情だ。

「もう、忘れましょう」

とだけしか、僕は言えなかった。







.

Re:  青の祓魔師/気まぐれな遊戯 ( No.6 )
日時: 2011/08/05 16:48
名前: 奈央 (ID: ICvI0sBK)

  #02


「奥村燐はここに生き埋めにされたんですよね、兄上」
「そうだ、アマイモン。丁寧に掘り起こすんだぞ」

私と地の王アマイモンは、正十字騎士團の公式処刑場のひとつ、生き埋め処刑場にいる。
ここに、奥村燐専用の生き埋めの、埋められた穴がある。
理由はそう、サタンの息子だという理由で。
可哀想に、と笑えば、アマイモンの無表情な顔の視線がこちらに遣る。

「まだまだ、楽しい玩具箱を楽しませたいのでね、さあ、早く掘れ」
「はい」

回復力は半端ではない、我等の末の弟だ。今頃きっと絶望に打ちのめされ、恨みを吐いているだろう。
土に埋めるその寸前まで、あの青い炎と同じ目で大きく見開いて、こちらから視線を外さなかった。
今、思い出すだけでも、息が詰まり、胸が圧迫する感じに襲われる。

—— 許さねぇ

嗚呼、哀れな末の弟よ。その恨みを抱きながら、物質界を赤の液体で染め上げよ。
ただし、完全に悪魔とならないでおくれ。私からの切実な願いだ。
面白くさせる為の準備の一環として、使うだけ。
まあ、用が済んだら殺しますが。物質界の脅威を拭い去らなければいけませんし。

「結構深く掘ったんですね、兄上」
「ああ、騎士團の奴等は用心深くて困る」

それほどの時間がかかってなくても、悪魔の力なら容易く深く掘れる。
それでも、追いつかないくらい、深く深く掘られたのだ。
だからこそ人間は、ますます面白い。
そして、私の背後に隠れて様子を窺う、愛しのレディもだ。

「ルナ、そこにいるんですね」

と言えば、木の影から、出てきた———………私の姪、ルナ。
白いワンピース、黒革のベルト、茶色のロングブーツ。
そして、空みたいな、透明感ある淡い水色の瞳、雪白な色白の肌。
足首まである、長い艶やかな黒髪。全体的にスリム抜群のしなやかさ。
淡い桃色の頬と薄い桜色の唇。ぷるぷると新鮮な果実のようだ。
美しく愛らしい、私の姪。
可憐な美少女。
性格は可憐とは…………ものすごくかけ離れ、父親そっくりだが。

「久しぶりだわ、パパ、兄上」

何故、私のことを兄上と呼ぶのかと言うと単なる伯父の言葉を言われるのが嫌なだけ。
深い意味はない。まあ、ルナの方から自然と呼んだから定着したまでのことだ。

「ルナ、物質界に来るなら僕にちゃんと言いなさい。危ないではないですか」
「だって、なかなか…帰ってこないんだもの」
「明日には帰ると言ったじゃないですか」
「いいえ、聞いてないもん」

という事はどうやら、父上が嫌がらせとして伝えなかったようですね。
ルナは父上を馬鹿呼ばわりし、虚無界から追放される寸前でした。
あの時、私とアマイモンが必死に説得しなかったら大変な所でしたよ。
そこで地面から、何かが這い出る音がした。
土をかき分け、もがき、呻きながら地上へと這い出る……奥村燐。
恨みは相当強いようですね。

「奥村燐、地面から出ようとしてるの?」
「そうですよ。………!?」

何かが、奥深い地面の底から起こった。

「なっ…!」

周囲から、私とアマイモンの体を包み込む——— 青い炎。マントで振り払うが、燃やし始めた。
手も、腕も、肉体も、私の体に青い炎がじりじりと焼きつくし、耐えがたい激痛が襲う。
必死でマントを脱ぎ棄て、炎を消そうとするも、地面から泉のように湧きだす炎は止まない。

「兄上っ!?………パパっ!」

ルナはどうやら燃やされずに済んだようですね。良かった。
この様子だと奥村燐を舐めてたようです。
彼の復讐心は—— 物質界に留まらず、虚無界にもする気なのでしょう。
嗚呼、これだとルナが危ない。
私の大事な弟の娘であるルナも一緒に共に灰となってしまう。

「パパっ!パパっ!パパ——パパっ!!」
「逃げなさい、ルナっ!」
「逃げるんですよ、ルナっ!」

嗚呼、青い炎の中心外にいるルナは懸命に炎を消そうとしている。
無駄ですよ。逃げなさいと言ってるのに、聞き分けのない子だ。

「アインス、ツヴァイ、ドライ……」

軽い音を出し、青い炎の外にいたルナは姿を消した。
ふと、穴にいるアマイモンを見遣る。

「ルナ……兄上、父上。ベヒモス、さよならです」
「ああ、さよならだな。アマイモン」
「僕たち、生まれ変われますか」
「知るか。出来たら……今度は人間だな」
「僕はどっちでも……良い、です……」
「………ああ………」

幻想的な青から闇へと視界は落ちた。
悪魔が生まれ変われるか、……知ることが出来るなら、知りたいな。
私とアマイモンの体を炎が同時に包み込んだ。
さよなら、永久に生きた時間よ。
さよなら、我が弟よ。
さよなら、暴君の父上よ。
さよなら、愛しの姪よ。
私はどうやら、人間に感化されてしまったようだな。
自嘲的に笑みを浮かべた。
本当に愉快で楽しい玩具箱よ、さよならは寂しいのが分かる気がする。






.

Re:  青の祓魔師/気まぐれな遊戯 ( No.7 )
日時: 2011/09/09 20:51
名前: 奈央 (ID: /iUvxDbR)

  #03





「パ、パパぁ———…………!」


………死なないで、と言葉が出ない。

処刑場の絢爛豪華に飾り立てられた中世ヨーロッパ風の時計塔、古く歴史を感じさせる鐘が鳴る最上階に少女はいた。
立ち竦み、両目から涙が零れ出す。パパと繰り返し呟く少女の目の前の光景は青い炎が処刑場を焼き尽くしていた。
その中心部に、アマイモンと伯父メフィストが死ぬ間際を見せられて、少女の顔は真っ青だ。
そして、数十人、数百人の祓魔師エクソシスト達が処刑場を駆け寄って聖水で消火するものの、青い炎は逆に強さを増していた。
——— 大勢の祓魔師達が焼殺され、処刑場から祓魔師達の悲鳴が鳴り響く。

「あ、ああああ………ッ!」

涙をこんなに零しているとも、彼女は筋金入りの無表情な顔だった。無表情なかおで涙を流していた。
父と伯父を全て奥村燐に殺された。そう、魔神サタンの青い炎を受け継いだ人間と悪魔の混血ハーフに。


「嫌、嫌、嫌、嫌、嫌、嫌、嫌、嫌………」


八候王の一人、地の王であるアマイモンの一人娘のルナは産まれたばかりの頃、魔神から〝花の王〟を与えられた実力ある少女だ。父親譲りの絶大な力、そして大地を華やかにする花達の王、また父親から溺愛され、容姿は母親似て美しく清楚な娘に育った。
もう、自分には父しかいなかったのだ。自分は虚無界に居ると孤独で寂しくいつも闇のように生きていたころを。












「全く地の王アマイモン様と似た子ね、まあ、良いわ。とにかくアタシはこの人と遊んでくるから、適当に何処か遊びに行くが良いわ。まあ、途中で変な悪魔に殺されても知らないけど。ちゃんと大人しくこの部屋でいつか帰ってくるから、待ってるか、適当にどっかで二度と帰って来ないかはアンタ次第よ。じゃあね。……アスタロト様ァん、お待たせしましたァ」


母はそう吐き捨てると幼いルナの部屋から出て行ってしまった。
おそらく部屋の外にいるのだろう、腐の王アスタロトと遊ぶらしい。
この世界は無秩序でもあり、浮気や愛人など物質界なら忌まわしい事もごく自然なことだった。
だから、たった一晩の戯れで出来たルナの存在が邪魔らしい。ルナの母親は、植物系の女悪魔だった。母は人型でルナもちゃんと人型である。
母の甘ったるい声とアスタロトの気怠げな声。……途中で母の甲高い悲鳴が響き渡った。

「………………?」

何処かの雑魚悪魔にでも襲われたのか、アスタロトの笑う声が聞こえたが、何処かで途切れてしまう。そして部屋に近づいてくる足音。
—— 誰かしら、殺しても良いのかな?
最高の暇潰しだ。ルナの体が嗜虐心を震わせる。ドアノブが回された。父親に貰われたとされる、大きな斧を振り上げた。
が、その青年はあっさりと身を避けた。今まで負けたことのないルナは見張ってその男を見遣る。
中心が尖った緑色の髪、同じ色の目で貧弱そうな垂れ目の青年。口から棒付き飴を舐めながら、こちらを見ている。


「君がルナですか?」
「え、あ……」


思い出した、実の父親だ。地の王アマイモン。ここは虚無界。血の繋がり等、物質界と違い関係ない世界だ。
親子で殺し合いする者もいるし、母と同じ育児放棄も平気でする世界なのだから、………父に殺されるかも知れなかった。
しかし、アマイモンはルナを抱きあげた。驚いて硬直するルナを優しく頭を撫でた。

「よし、よし。母親失格のあの雌豚は死にました。これからは僕と一緒に暮らしましょう。お腹すかないか?それともあの雌豚の死体を切り刻むか、お風呂に入るか……色んな事がありますよ」

無表情なはずの表情が、薄く笑っていた。










「そんなの———ッ!!」

認めたくない。父親が死んで叔父も死ぬとは。
二人共、あのころの幼い自分を愛でてくれた二人が、殺されるなど。









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Re:  青の祓魔師/気まぐれな遊戯 ( No.8 )
日時: 2011/09/17 16:33
名前: 夏純 (ID: /iUvxDbR)
参照: 名前を〝かすみ〟と改名したョ!

  #04





真夜中の午前零時。世界中の正十字騎士團、その各地の本部が〝青い炎〟で焼き尽くされている。一見、幻想的な光景だ。しかし、—— 確実に、全てを灰に返している。
人も獣も植物も建物も何もかも。民間人の被害者も祓魔師と合わせ過大な被害が出ていた。その炎の中心部、正十字騎士團の本部ヴァチカン。
重要人処刑場から、青い炎がいっそう強く禍々しい勢いで燃えていた。その中心から、あるはずのない人影。
砂埃と土まみれの服装で目隠しが外れた左目から、血が流れ、頼りなく立ち竦む少年。青焔魔サタンの息子で青い炎を受け継いでる、〝奥村燐〟だった。

「死ね、………」


——— 焔が勢い良く燃え広がる。

誰も彼を止める術がない。ただ〝唯一の身内と仲間〟に裏切られた恨みが相当深く根付いているようだ。
青焔魔の息子で燐からしたら、異母兄弟である二人の悪魔も、今は憑依体を含め、魂も灰に変わっていることだろう。
唯一、炎から逃れた時計塔を見遣る。そこに人影があった。地の王アマイモンの一人娘、とされる〝花の王〟ルナだ———。
彼女が、身体を震わせて両目に涙を溜めている、しかし、父親と同じく無表情のままだけれど。

「………………あ、」

しかし、彼女は涙を手の甲で拭った後、命知らずな程もある。自ら進んで青い炎へと時計塔から飛び込んだ。父親の後を追うのだろうか。
等、ぼんやりと考えた時、遠くの方から彼女と思しき女の声がした。振り向くと青い炎の向こう側、薄い人影が揺れている。
そして、声がするのだ。
興味を持った燐が、いつの間にか自在に操れるようになった青い炎を、その方向の勢いを弱める。彼女へ近づいてみた。












視界に映った美しい美少女。白いワンピース、茶色のロングブーツという格好、細く華奢な体格で肌も透き通るような色白に目は空の色だ。水底の意識の中、虚ろな彼女の目が合う。刹那、花の王ルナが、燐にひざまずく。疑問を浮かべる燐を余所に先に言葉を放たれた。

「どうか、パパと兄上を……助けてくださいッ!」






何処かであの二人の悪魔兄弟の声が聞こえた気がした。







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