二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【銀魂】泡沫に消える。
- 日時: 2011/08/24 18:55
- 名前: 蒼亜 (ID: rwHJX/mv)
::あてんしょん!!
・出版社、関係者様等とは一切関係無し。
・サイトに置いている短編を長編にしたもの
・別館でも活動しているのでのろのろ進行。
以上の点を踏まえて大丈夫だ、問題ないという方はどうぞお進み下さい。
::泡沫に消える。/学生銀時
すべての始まり(サイトより)>>1
不器用>>2
痛 み>>3
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- Re: 【銀魂】泡沫に消える。 ( No.1 )
- 日時: 2011/08/23 22:51
- 名前: 蒼亜 (ID: RZyCPB/0)
すべてはこの話から始まった。
***
銀時がフラれたらしい。私も見た事があるが黒髪の可愛らしい女の子だった。落し物を拾って貰ったらしくその時から一目惚れらしい。
なんてベタな、と思うけどその子と一日あった事を一々報告してくる銀時は私より乙女だった気がする。
暫く経って銀時が、告白するなんて言い出したとき私は素直に止めとけと言った。告白の仕方が原始人並みだからマシな告白を考えないと後悔すると丁寧に忠告したのにそれを聞かずに一人で突っ走った結果がこれだよ!!!
「で、フラれた訳か」
某有名チェーンフード店のテーブルの上に伏せている銀時はどんよりしている。少し頭が動く事から肯定の仕草だと分かった。溜息を一つついて口を開く。
「なんて言って告ったの?」
「……俺に毎朝味噌汁を作ってくれ」
ぽつりと呟いたその言葉に私は口を莫迦みたいに開けるしかなかった。お付き合い素っ飛ばしてプロポーズしてる事にこの莫迦は気づいていないのか。フラれて当たり前、寧ろ引かれたんじゃないと言い放つと銀時の空気がさっきと比べて下がった気がする。分かりやすい奴め。
「告白する勇気は認めるけど言葉は選んだら? ただでさえちゃらんぽらんなんだから告白の言葉ちゃんとしないと頭の中空っぽだと思われるよ。 その天パみたいに」
泣いていい? 俺、泣いてもいい?とぐずる声を無視してこれからどうすんの、と問いかけると少しの沈黙の後に諦めねェとの返事が返って来た。
そっか、とそれだけ言うと再び沈黙が訪れる。だが銀時は知らない。その子には好きな人がいるという事を。
ざまあみろ
(私にすればよかったのに)
- Re: 【銀魂】泡沫に消える。 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/24 16:35
- 名前: 蒼亜 (ID: glYNRe/q)
綿飴みたいにふわふわしている白銀の髪。死んだ魚の目と皆に言われているやる気の無い血赤色の双眸。性格は雲の様にふわふわしていて掴み所の無いがその整った顔と誰にでも隔てなく接するその気軽さで私の幼馴染はモテている。すっごく。
「さ、坂田先輩の幼馴染の方でしたよね」
これ渡していただけませんか?
朝から私は苛立っていた。理由は単純明快。銀時へのラブレターだ。こうやって銀時に渡してもらおうというのは一度や二度で無いからもう慣れているが御免被りたい。何か好きで好きな相手に人のラブレターを渡さなければいけないのか。最初は嫌で仕方無かったがもう慣れてしまった。胸の痛みにも。
「銀時、これラブレター」
昇降口から教室へ上がり先に来ていた銀時に突きつける。銀時が目を丸くしてえっ告白!?そんな俺は幼馴染とでしか……なんてほざくので頭にチョップを喰らわせた。痛ってェと喚きながら頭を抑えている。自業自得だ。
んじゃ、と銀時に告げてその場を離れる。自分の机に教科書やらを入れていると隣の席の高杉が不器用だな、なんて言うのでうっさいと言い放った。
(分かっているんだよ。 そんな事)
- Re: 【銀魂】泡沫に消える。 ( No.3 )
- 日時: 2011/08/24 16:27
- 名前: 蒼亜 (ID: glYNRe/q)
ホームルームが始まるまで高杉と他愛の無い話をしていると影で高杉の顔に闇が落ちた。横に目をやると銀時が太陽の光を遮っている。その片手には今朝のラブレター。
「なァ、これ渡してきた奴どんな感じの子だった?」
またか、と一人心の中でごちる。この男は必ず渡してきた相手がどんな印象だったか聞くのだ。
「……一年で清楚っていうか大人しそうな子。 黒髪ストレートのセミロング。 顔は普通の上」
何故懇切丁寧に説明しているのかというと銀時が執拗に聞くから。銀時に告白する女の特徴など言いたくも無いし自分で見に行け、と一蹴しても好みじゃねー女に会いたく無い、と言いのける。
自分の好みに合っていたらどうするか。そんな問いの答えは簡単だ。
「へぇー。 じゃあ付き合ってみよっかなァ」
そして何週間も経たないうちに別れる。所謂この男は遊び人。
銀時は積極的な女は嫌いだ。そして縛られるのは嫌だけど縛るタイプ。そんな銀時の好みに当て嵌まるのは自分の事に従順忠実言い換えれば大人しそうな女だ。
銀時が面白そうな笑みを浮かべているのを見て節操無しが、と心の中で呟く。
「いい加減にしないとそのうち背中刺されちゃうかもよ?」
と冗談混じりに言うとおう気を付けねーとな、と自分の席に戻って行く。もう慣れた。このやり取りに。だから自分の本心を隠して冗談を云うのは容易い事。
(それなのに確実に心は痛みを増して行く)
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