二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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マリア様が見てる  色々修正しました
日時: 2012/04/25 06:30
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)

ぼろぼろと矛盾点等ありましたので修正中…。
ただいま>>6まで修正完了


<理沙目線>




それは、体育祭が終わりもうすぐ学園祭という時期で
山百合会の仕事もなく、過ごしやすい秋の日の事だった



「ロザリオを、返してほしいの」



お姉さまは、眉を下げながらもハッキリとあたしにこう言った。

お姉さまは紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)。
全校生徒からのあこがれの的である薔薇さまがこんな事をして、
どうなるのかも考えてていないような、少し焦っているような瞳。



「…そうですか」



あたしは首にかけていたロザリオを外す。
お姉さまから貰った、グリーンの色石が付いたロザリオ。

どうして、とか嫌だ。とかは言わない。
お姉さまがこんなことする理由もない、あたしがお姉さまに逆らってまで妹でいる理由も無いからだ。



お姉さまにロザリオを差しだすと
少し戸惑うような…そう、思いのほかあたしが普通にしていたからか。
そんなそぶりを見せつつロザリオを制服のポケットに入れた。








これで、もう、戻れない。



紅薔薇さまは、きっとあたしを捨ててあの子を妹にするのだろう。





その子の名前は国枝小町。


今は山百合会のボランティア…そして、もうすぐ紅薔薇のつぼみとなる子。

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Re: マリア様が見てる ( No.1 )
日時: 2012/04/25 05:31
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)

「お姉さま?お話とは何でしょうか」



目の前で首を傾げているのは私あたしの妹の蛍。
少し茶色がかったショートヘアに赤い眼鏡が特徴だ。



ここは古い温室。少し…いや、結構ボロいが滅多に誰もやって来ないため話をするには最適の場所だった。



「蛍。私、紅薔薇さまにロザリオを返したの」



あの後紅薔薇さまと別れてからあたしは真っ直ぐ一年松組、蛍の教室へ向かった。

クラスメイト達と楽しそうに談笑していたがなんやかんやで連れだして今ここに二人きり。



えっ…と、目を見開いた蛍。
ちなみに今蛍の首に掛かっているロザリオはあたしが蛍のために選んだ深い青の色石が付いたロザリオだ。



「お姉さま…それって、小町さんのせいですか?」




小町ちゃんは蛍のクラスメイトで、五月からずっと薔薇の館に入り浸っていて
一般の1・2年生を(主に薔薇さま&つぼみファン)を敵に回している子でもあった。

…まあ、それは小町ちゃんがずうずうしく押しかけ女房のようにやってきた訳ではなく、
山百合会が人手不足なためあたしの妹になったばかりの蛍が連れてきた子の中で、
最後まで残ったのが小町ちゃんだっただけの話だけど。




あたしは首を横に振った



「そんなことないよ。小町ちゃんのせいじゃない、それに紅薔薇さまも悪くない」



「お姉さま……あ、そうか。だから白薔薇さまと黄薔薇さまは…」
「…え?白薔薇さまと黄薔薇さまがどうかしたの?」
「へっ、いえ何でもないんです」



?どうしたのだろう、蛍は。
でも、何でもないと言っているし…気にすること無いのかな。



ここ数日のお姉さまの言動や行動、そしてそぶりなどから今日、ことが起こるであろうとは考えていた。
姉妹を解消しても、お姉さまは薔薇さまのまま。だがあたしや蛍はそうはいかないのであった



「もう私はつぼみじゃないただの一般生徒だから。もう薔薇の館に行くことはしないわ
でも、あなたの行動までは規制しないから。好きにして」



「お姉さま…」



蛍は、制服のスカートをプリーツが乱れるのも気にしないで握りしめる。



「わたしは、何があってもお姉さまの隣を歩きますから。
確かにですね、こんな形じゃわたしも未練が残ります。でも、そんなものよりお姉さまの方が大好きですので」




…どうしてこの子はこんなにあっさりとこんな殺し文句を言えるのだろう。



「お姉さま、とにかくそういうことですので。それでは行きましょうか?」



少し顔が赤くなったあたしを見て、ふふふと微笑んだ蛍はあたしの手を取ってこう言った



「え、どこに」

「もちろん、薔薇の館です」




…ええっと?

Re: マリア様が見てる ( No.2 )
日時: 2012/04/25 05:37
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)

「…蛍、私の話聞いてた?」



手を繋いで二人で薔薇の館のある方へ歩く。
知らない内に手が冷えていたようで蛍の手のぬくもりが心地よかった。



「もちろんです」



お姉さまの話ですもの、一言一句すべて聞き漏らさず全部記憶しています。
そう蛍が呟いて、また少し頬が熱くなった。



「明日香さまに呼び出されたのはHR終えてすぐですよね?そしてその後は真っ直ぐ私の所に来た。
そうすると、紅薔薇さまは、今頃小町さんと姉妹の儀式でもやっている頃でしょうし
この話を知っている人間は今の時点で薔薇の館には居ません
だから薔薇さま方に報告しに行きましょうよ。私達の事を」



「そう?さっさと儀式を終えればもういてもおかしくない時間だけれど」



…それに、わざわざ報告に行くようなことだろうか?
そんな疑問を口にするあたしに蛍はあっさりと返してきた。



「あら、もちろんですわ。お姉さまは高等部中の生徒が憧れた元紅薔薇のつぼみですよ?」
「それはちょっと言い過ぎだって。…まあ、このこと聞き付けた新聞部から伝わるのも癪だし」



ひょいと腕時計を見ると、紅薔薇さまと別れてからもう結構経っていた。

小町ちゃんが紅薔薇さまの元へ行く時間と、儀式の時間と、
薔薇の館へ行くのに掛かる時間を合わせると、もう着いていてもおかしくなかった。



「うーん、まあ良いじゃないですか鉢合わせしても。私、小町さんに言ってやりたい事があるので」



不敵に笑うと少しだけ歩みを速めて、あたし達は歩く。


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