二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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怪盗クイーンとけなげな少女
日時: 2011/11/10 18:18
名前: 真由 (ID: XlTUhOWG)

少女はいつも考えていた。





ドウシタラ、自由ニナレル?

ドウシタラ、コノ小サスギル牢屋カラ出ラレル?






答えなど見つかる訳ないじゃないか。
「学校」なんて牢屋は存在しないよ。





時と共に、少女の瞳は虚ろになっていった。










「ねぇ。あたし、自由になんかなれないのかな」

悩む少女にお気楽なクイーンは答える。

「そうだね。本当の自由さえ理解できたら・・・連れて行ってあげてもいいかな。ロリコン野郎も喜ぶだろうし」











「・・・・・・怪盗?」




赤い夢に、よくいらしましたね。
そのお荷物お持ちしましょう。・・・え? いいのですね、かしこまりました。
たいへん分別のあるお方です。ちゃんと帰り道を知っていらっしゃるようで。
では、この廊下を真っ直ぐにお進みください。
けっして振り向かないように。
・・・振り向けば、赤い夢に囚われるとでも、思っているといいですよ。
まあ・・・、振り向かずとも囚われる可能性はナシではありませんから。
どうぞ、みなさん。真っ直ぐに、ですからね。

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Re: 怪盗クイーンとけなげな少女 ( No.1 )
日時: 2011/11/10 21:07
名前: 真由 (ID: XlTUhOWG)

ーなんだ、あの二人組は。

ー変な格好だな。そのうち、誰かに110番されるんじゃあないか?




人々がいぶかしげに通り過ぎる中、たった一人だけ勇気をふりしぼった者がいた。いや、勇気など無いのかもしれない。逆だ、空っぽなのだ。

「・・・すいません。ここはおかしな人が来るところではないのですが」

無表情で言い放つ少女の後ろの本棚の影からは、従業員が冷や汗をかきながら会話を聞いている。

「? おかしな人? なにかの勘違いだよ。わたしたちは本を探しているだけだ。ねっ、ジョーカーくん」

「・・・ぼくは十分怪しいと思いますけど」

ジョーカーと呼ばれた男性のほうに少女は反応した。

「怪しいと自覚してるんなら、なんで止めないんですか? すごく迷惑なんですけど」

「迷惑? なんでだい」

デパートに白いスーツと黒い中国服を着てくれば、周りの客が怯えて入ってこないだろう、と従業員は少女を説得した。
だが、それは本当だろうか。
少女のあたまに疑問が渦巻く。

「質問してもいいですか」

疑問を解決するべく本人に尋ねる。

「デパートに変わった服装で出入りすると、客足は遠のきますか」

「うーん・・・。まあ、わたしたちの場合そんな事態はありえない」

「断言できるんですね」

この人がいうと、ありえないような気がしてくる・・・。少女は威厳を感じた。

「ああ。だってわたしたちは、」

「クイーン!! なに正体ばらそうとしてるんです」

胸を張る白スーツ・クイーンをジョーカーが叱った。
ぺろりと舌をだすクイーン。

「いいじゃないか、誠実な女の子に教えたって」

ー精神年齢低い・・・。

大人たちを色のない目で見つめる少女。

「あの、正体がなんとかの件はどうでもいいです。なんで本屋でこそこそしているのかを教えてください」

「夢水清志郎探偵ノートの最新刊を買いに来たんだ」

クイーンが口を挟む前にジョーカーが手っ取り早くいう。
あっ、と少女は珍しく感情を示した。

「卒業、ですか」

こんどは負けじとクイーンが答える。

「そうだよ」

「すみません。わたしがさっき買ったので最後でした」

「「えっ!!」」

少女は確かめようと従業員を振り返ったが、本棚の影に人はいなかった。
しばらく考えた後、解決策を提示する。

「・・・あなたがたが先に読んで、読み終わったら返してもらう、というのは」

「ありがとう。でも、この人は数日なんかで読めないんだよ」

にこやかなジョーカー。ぶつくさ文句をいうクイーン。

「わたしだって本気になればそのくらい・・・。っていうかキミ、感動しているのかい? まったく、子供に甘いんだから・・・」

「失礼ですね」

空気が凍る。

「・・・ごめんね、ジョーカーくん」

クイーンは素直だった。





Re: 怪盗クイーンとけなげな少女 ( No.2 )
日時: 2011/11/10 21:10
名前: りんご (ID: 6i18Tf8q)

はじめまして!私、怪盗クイーンシリーズ大大大大大大好きなの!

Re: 怪盗クイーンとけなげな少女 ( No.3 )
日時: 2011/11/11 17:32
名前: 真由 (ID: fDBw1c1j)

はじめまして、りんごさん☆

真由も怪盗クイーン大好き〜!!

特にクイーンの子供みたいなところと、ジョーカーの突っ込み。
ヤウズもけっこう気に入ってしまった☆

・・・自分の読み返して「うわわ!!」と思います。
「下手だっ」
読んでくれてありがとうございます☆
「下手」でごめんなさい。

Re: 怪盗クイーンとけなげな少女 ( No.4 )
日時: 2011/11/11 18:00
名前: 真由 (ID: fDBw1c1j)

「・・・け、けんかは終了しました?」

「けんかなんかじゃないよ。元々友達ではなくて、仕事上のパートナーだからね」

訂正するジョカーから殺気は消えた。
ああ、こわいよ。とクイーンがふらり歩いて行く。
しっかりクイーンが視界から外れたことを確認し、少女は切り出した。

「あの人はなんのお仕事をやっていられるのです? ・・・迫力がありました」

「・・・・・・」

少女は、てっきりジョーカーが嫌がっているのだと思った。
けれど彼は「RD」と会話しているだけで、嫌がってなどいない。

「RD。どうしたらいいだろう」

(彼女から犯罪組織に情報が漏れる確率は0.001%です。クイーンの言う通り、誠実な女の子に教えてあげてはどうですか?)

二文目は、自分で遊ばれているのだとジョーカーはわかった。

「誠実誠実って・・・。僕に恨みでも?」

(いいえ。クイーンの注文です)

とっさにとぼけるRD。世界最高の人工知能はウソまでつける優れものだ。

「クイーン・・・」

ジョーカーの怒りは凄まじい。
少女が後ずさりする。

「ど、どうしたんですか・・・」

クイーンと同じ迫力を感じた少女。どこかヤバい雰囲気を察した客が一人、二人と逃げていく。

「今日という日こそ・・・やってやる!!」

「やるってなにを!?」

「クイーンを倒す!!」

「た、倒すって・・・だからけんかは終わったんでしょ」

「けんかじゃなくて、仕事上のパートナーだ!!」

怒りのあまり言葉が正常に出てこないジョーカーにRDはあきれた。

(友達じゃなくて、ですよジョーカー)

あきれたついでに、責任も吹っ飛ぶ。



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