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とある魔術の禁書目録 〜狂気たる復讐の槍〜
日時: 2012/03/31 20:48
名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)

 プロローグ 


 いきなりだが、父親とはどういうものなのだろうか?
 家族を導く者、家族を守る者。それが一般的な考えだろう。
 だが、守るべき家族がいなくなった父親とはどういうものだろうか? 絶望、悲しみ、憎しみ、あらゆる負の感情を持つだろう。家族を奪ったものを怨みまして世界すら怨んで生きていくはずだ。
 
 とある男の話をしよう。
 その男は魔術の道を進み『殲滅白書』という殺すことに長けいて『愛す』ということを理解できず感情もなかったまさに殺人兵器だった男。
 人を殺していく中である一つの命を見つけた。
 幼く、顔を不安と悲しみに歪め一人泣いていた。
 男は殺す、という概念しかなかったはずだが、男は手を差し伸べた。別に可哀想だの助けてやりたいだのそんな概念を持ったわけでも無かった。
 ただ、『興味』をもった。それが『愛』というものだと気付かずに。
 魔術の道を進み誰よりも人を殺すことに長けていた男が一人の少女に手を差し伸べたことに誰もが驚きを隠しきれなかった。
 そして殺すことに長けていた男は『父親』となった。
 男は、魔術の道を捨て少女の掲げた夢の実現を願った。
 そして少女は言った。
「学園都市に行きたいと」
 最初は、色々問題はあったが手っ取り早く片付いた。
 そして入学式、いままで『愛』を持って育ててきた『娘』の晴れ舞台。
 いままでこんな喜びは無かった。
 親に愛すら感じなかった幼少期。教会に引き取られ神の意思を背く異端者を殺す『殲滅白書』に所属し殺人兵器になった青年期。
 男の中でようやく気付いた。
 これが愛なんだと。これが家族なんだと。
 だが、その幸せはたった一切れの紙によって簡単に引き裂かれた。
 
 超能力開発の途中で脳内の暴走によりマリア=ヘヴンフィールドは死亡。

 たったそれだけの一文。
 学園都市の教員は言った、絶対安全だ、と。
 学園都市の教員は言った、娘さんの将来を約束する、と。
 じゃ、なぜ娘は死んだ?
 絶対安全でマリアの将来を約束するって言ったじゃないか。
 そのとき、男の中で何かが生まれた。
 憎悪なのか、怒りなのか、男は理解できなかった。
 昔のような無情の殺意ではない。
 大切なものを奪われた怒り、憎悪、悲しみ、感情ある殺意だった。
 
 復讐。

 それが頭の中で過った。 
 魔術を捨て殺すことをやめた男が今、再び戻った。
 無情の殺人兵器ではない、復讐という殺意を掲げ一人の父親として一人の人間として彼は戦う。
 もう、失ったものは帰ってこない。
 これは父親だった男の復讐の物語。
 英雄も聖者もいない。
 ただ、堕ちてゆく悲しい物語。
  

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Re: とある魔術の禁書目録 〜狂気たる復讐の鎧〜 ( No.1 )
日時: 2012/01/04 16:34
名前: 鴉咲 (ID: zyz/JhZx)

カッコイイ…!!!
続き楽しみです


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