二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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二ノ国 不思議な世界で
日時: 2012/01/24 17:39
名前: テテ (ID: IycwIUpg)

こんにちは、テテといいます♪ちょっとわかりにくい部分とかもあるかもしれませんが、よろしくお願いします・・・。

人物紹介(オリキャラ)

ナウィン・無口で毒舌。人に気持ちを伝えるのが苦手。12歳の少女。
     回復魔法と補助魔法が得意。

ショウ ・無表情。マイペースだが、運動神経は良い。12歳の少年。
     風属性の攻撃魔法が得意。

フィン ・さっぱりきっぱりした性格。明るい。15歳の少女。
     ナウィンの姉。水属性の攻撃魔法が得意。

あとは、イマ-ジェンがしゃべります。
オリバー、マル、シズク、ジャイロもでます。

二ノ国が好きな人、見てくださると嬉しいです。

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Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.31 )
日時: 2013/01/20 18:31
名前: 彌浪 (ID: u6knrXHP)

ちゃーっす(殴

久しぶりですなー

一気に読んだけど、ほんとひきこまれていく…
…オリバー君は鬼で悪魔で天使です☆
ルッチいい奴…

姉妹幸せになれたらいーなぁ。

更新がんば!

Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.32 )
日時: 2013/01/27 22:14
名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)

あ!また来てくれたんだね。いっつも更新遅くなってごめんなさい。
応援してくれてありがとう♪
彌浪さんのことも応援してます!
これからもよろしくね。

Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.33 )
日時: 2013/07/22 18:16
名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)

15・「痛みと引き換えで」

シトシトと、小雨が降っている。
開け放った窓から雨特有の湿った土の匂いが流れ込んできた。
薄暗い朝は、普段なら起きることが出来ない・・・のだが、
今日は違った。
「いっててて・・・。」
そう、痛かったのだ。
何がって?・・・身体だよ。ココロなわけあるか。
痛い。大変痛い。
昨日、誰よりも戦った・・・。
あの瞬間、誰より強さを欲したから。
———所謂、全身筋肉痛って奴だ。
冒頭に『普段なら起きることが出来ない』と言ったが、今日にも
それは正しく当てはまっている。
・・・あまりの痛みに起き上がることすらままならない、
ただ意識だけが冴えていった。
昨日の戦いの一つ一つをまだ鮮明に覚えている。
血豆ができて、潰れて、またできたこの掌も
初めて剣を握った時の重みも
消えていく時の哀しそうな嬉しそうな
魔物たちの表情も
全て、全てまだ覚えている。
この毎日を繰り返す、彼らの力に驚愕した。
・・・弱い——、弱かった。
私はずっと『力』から逃げていたから・・・、
私はこの世界ではあまりにも
・・・・・・弱すぎた。
———悔しくって、空しくって
泣くしかできなかったあの頃。
これじゃ、あの日と変わらない・・・無力だ。
彼らのように
彼女のように
もっともっと、強くなれ。
いつか護りたい時に、助けたい時に
私が逃げないように。


この痛みと引き換えに手に入れたのは、『力』と向き合う為の”強さ”だった。


Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.34 )
日時: 2013/08/01 17:38
名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)

16・「歌え、踊れ」

ババナシア———、広大な砂漠の中心辺りに位置する王国・・・。
「こ、この辺さぁ・・・特に暑くない?」
「・・・・・・・・・うん・・・。」
ちょっとは涼しくなる対策(構造とか)してるのかなって期待してたのに!
日光燦々じゃないかっ。建物に囲まれて寧ろ風通し悪いし!
「ふざけんなぁぁぁ〜・・・・・・・・・・。」
最早喋る気力も体力も無くし、ただ乾いていく喉と固まる唇を
殆ど出ない唾液でしきりに潤した。
「あら、旅人さんね?お疲れのようだけど・・・喉でも乾いてるなら、
良い所へ連れてってあげるわよ!」
「!!」
突然ヒョコっと現れた少女。
陽気なソプラノの声で紡がれた言葉にフィンは素早く反応して
目を輝かせた。
「・・・ありがとう!お願い、連れてってくれる?」
「よし来たっ、さぁ・・・いくわよ。こっちこっち!」
少女はフィンとショウの手を力強く握るや否や、意気揚々と歩き始めた。

「ここよ!どう?凄いでしょ。あれ、ミルクの泉っていうのよ。
魔法の泉だからなくなることもないし、すっごく美味しいの!
ほら、飲んでみてよ?」
そう背中を押されてその泉の目の前に立つ。
「すっご・・・。」
フィンが唖然としている間にも
「・・・・美味しい。」
ショウは何処からか取り出したマグカップでごくごくとミルクを飲んでいた。
フィンも恐る恐る腰をかがめて泉に口をつける。
「あ、美味い。」
何かミルクに縁があるのかなーとか何とか考えながら泉から口を離すと、少女がニコニコ微笑んでいた。
「いーい飲みっぷりねぇ。美味しかったでしょ?他にも観光してくなら案内するわよ!どう?」
「じゃ、お願い。この国広くって訳わかんなかったんだー。」
「じゃあ、まずは・・・———。」


「どう?楽しかったかしら。・・・すっかり暗くなっちゃったし、お泊りはそこのマタタビスパでどうぞ!ところで、フィンさん。それ・・・その首にかけてる石、ちょっと見してくれる?」
「?いいけど・・・。」
フィンが青い石を少女に手渡すと、少女は唸りながら石を隅々まで観察した。
「やっぱりこれ・・・”水の石”ね。すごく便利よ、使い方わかる?」
「”水の石”?いや・・・貰ったものだからいまいち・・・。」
「教えたげる!これはね、水を大量に貯めて放出することができるものなの。だから何回か使った後は水に浸しておくといいわ。
この砂漠は火属性の魔物が多いからこれがあると楽よ!いいなぁ、この石・・・砂漠を越そうとする人達って皆この石を一生懸命探し回ってるの。珍しいものだからね・・・。」
成程、そういうものだったのか。
「へぇー・・・、説明ありがと!んじゃ、またねっ。」
「えぇ。どういたしまして!じゃあねー、お休みなさい。」
「・・・・・・・・・・。」
ショウもぺこりと頭を下げる。
今日はとても楽しかった・・・路上で歌いながら激しく踊る娘達や、ババナと言う果物の店。
・・・明日はどうしよう。
街の地図は彼女から貰った。
「んー・・・ショウ、明日は自由に街の詮索をしようか。丁度食料も無くなってきた所だし!
お金、後で渡すわね。」
「ん、わかった。」
ついでに言うと、失くした記憶の手掛かりを探している。
何か一つでもいい・・・心にひっかかるような情報を。
「さ、行こうか。」
後ろにいる少年の手を掴んで、目の前の宿泊施設に足を踏み入れる。



——私は、何者?
何処へ、行けばいい・・・?

運命はただ、少年少女を嘲笑う。



Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.35 )
日時: 2013/08/23 21:24
名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)

17・「憂鬱」

カチッカチッと規則正しい時計の音が、完全なる暗闇の中に吸い込まれては消えた。
共に旅をするあの少女とは、今日は部屋が違う。
あの子は光が好きだから、何時もは部屋に何処かから明かりが漏れている・・・でも、僕は闇が好きだから・・・この状態が一番落ち着く。
——本当ならば、あの二人の立場は逆の筈だった・・・伝承通りであれば。


——異界からの訪問者、二人は闇の子 一人は光の子
それぞれは与えられし運命により纏まり、明暗はっきりと別れし時より
二つは一つに変わる
それを結びし者、光の創造 闇の破壊 この二つの力を結び 解き放て
さすれば世界に究極の平和が訪れるであろう———・・・。


でも、何処かで何かが狂って僕らの運命を変えた。
僕が・・・結べないようにする為だろうか。
光の魔導師と共に旅をして、もう一人の闇の子はそろそろ変化し始めている筈だ。
・・・となると、究極の平和はなくなるのか?
以前”運命を変えてやる”・・・と、そう諦め半分な中途半端な気持ちで誓った言葉・・・。
唯の”駒”に過ぎない僕でも———、変えられるだろうか。

フィンと出会って、僕は変わった。
かつてナウィンと初めて出会った時も・・・確かに僕は変わっていた。
明るい彼女と、優しい彼女と、強い彼と、繋げる僕。
やれる。
そんな根拠のない自信が胸に溢れた。


夜は次第に明け、まだ昇り始めたばかりの太陽の光がカーテンの隙間から差し込んで、部屋を幽かに照らし始めていた。
その僅かな光を浴びながら、少年は一人小さく憂鬱そうな溜息を漏らす。
「先ず・・・フィンの記憶が戻らないことにはどうしようもないか・・・・・・。」
そして、起こした身体をベッドに埋めると
真っ黒い隈の出来た両目をそっと閉じて深い眠りへ落ちて行った——・・・。



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