二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 不動の願いを突き通せ 少陰×ぬら孫
- 日時: 2012/07/24 15:07
- 名前: 桜 楓華 (ID: TEtEJYHD)
初めまして 桜 楓華です。
小説をどこかのサイトにUPするのは初めてなので、お手柔らかにお願いします。
この小説は題名の通り、少陰×ぬら孫です。
更新は気が向いたら&学業の手の空く時期に…
2012年7月末、移転&受験のため仮凍結決定。
移転先URLは凍てつき刃の最終スレッドに。
手が空き次第、更新分をこちらに載せます。
人物
安倍昌浩
大陰陽師二代目。
息子が一人。孫が四人。長男の子が一人。次男の子が三人。
孫の一人が羽衣狐と結婚。
原作の晴明(晴嵐)が誕生。
孫2が若くして病死した後、原作のあの晴明の事件が起きる。
帝からひ孫と狐を追えとの命が出た。
その後、彼らとの戦いが元で三年後に死亡。けどかなり長命だった。
藤峰 桜璃
性別:女
性格:優しく、頑固で一度こうと決めたら曲げない。負けず嫌いな面も。
藤峰組の頭。その組員のほとんどは、桜璃の式や彼女を慕う者達で成り立っている。
中には、伊勢組やその仲間たち、千年前からの馴染みも。
自称は『私』
変化すると銀髪と金色の目になり、キレると『俺』になる。
服は、白い狩衣と緋衣の羽織を被っている。
武器は、刀銘は『日華』
外見は若菜似だが、変化すると晶霞に似て美人。
リクオの一つ上で十三
リクオの父、鯉半に拾われ奴良組に育てられた
式
一巻でのあの付喪神。
名前は『鈴』
見た目は十歳ぐらいの女の子。
真っ直ぐに切りそろえた前髪に、巫女さんヘアー
式の契約の証として、桜璃とお揃いの桜の飾りを身に着けている。
他にも十人ほどいる
紅蓮(十二神将・騰蛇)
人間時:蓮 紅(れん こう)
前世の育ての親。今は相棒けん、お兄ちゃん的存在。
普段は桜璃の傍に隠形している。
PS.当初載せていたものと大きく変更しました!
見て下さっていた方々、すみません…!!
- Re: 不動の願いを突き通せ 少年陰陽師×ぬらりひょんの孫 ( No.2 )
- 日時: 2012/06/04 16:34
- 名前: 桜 楓華 (ID: K10UiDSA)
関東平野にある浮世絵町
そこには現代では滅多にお目にかかれないほど大規模な日本家屋の屋敷があった。
そこには人々から畏れられる人外の者…妖怪共が住まう場所だ。
桜の美しい季節。
朝日の差し込む大部屋に妖怪の幹部たちとぬらりひょんは集まっていた。
「今年もダメか…」
「駄目ですね、普段の若があれでは」
苦々しく呟くぬらりひょんに、木魚達磨は廊下を歩く少年を指示した。
制服の下にジャージを着て、鞄を手にした少年・リクオは横を通りすぎた母・若菜に声をかけた。
「母さん、行ってきます」
「あら、リクオ早いのね。お弁当用意してないわ〜〜」
「いいよ、購買か何かで買うから」
そんな日常風景を見ていた二人はあの日のことを思い、渋い顔をした。
「何であれ以来変化しんのかの〜…」
「『あの時』は立派な妖怪になるものと思いましたが……」
春の温かい陽気の中、暗い顔をする。
そんな二人を見つけたリクオは、どたどたと祖父であるぬらりひょんに走り寄った。
「じーちゃん、悪巧みばかりしてちゃ駄目だよ!ご近所に迷惑をかけないよーに!」
じゃ、学校に行ってきます!
伊達メガネを押し上げさってゆく孫に、ぬらりひょんはさらに沈み込んだ。
「総大将、桜璃様はどうでしょうか。先ほどでの会議でも話は出ましたが、『あの血』を引くとはいえとてつもなく大きな力を持っています。そして、優しく、人望も厚い」
「…だが、反対している者もいる」
沈んだままぼそりと呟くぬらりひょんに木魚達磨は続けた。
「まぁ、そりゃそうでしょうな。しかし、リクオ様がますます立派な人間になって行ってしまっている今では…」
「わかっておる」
木魚達磨の言葉を遮り、リクオの背中を見つめる。
「あやつの未来はあやつに決めさせる」
神妙に呟く妖怪の主の瞳には老いてなお、強い力が宿っていた。
————————
あとがき
原作沿いですが、一部オリジナルも入れていくのでよろしくお願いします。
というか、総大将真面目過ぎだ…
- Re: 不動の願いを突き通せ 少年陰陽師×ぬらりひょんの孫 ( No.3 )
- 日時: 2012/06/04 16:41
- 名前: 桜 楓華 (ID: K10UiDSA)
第一章 出会い
ここは東京浮世絵町。その一角にある中学校にそれらは来ていた。
「ここが新しい学校ね」
『姫、大丈夫ですか?』
『なんかここ東京なのに京都と似た感じがする』
「そうね。けど、それなら袁鬼達がいる可能性が高いと思うわ」
現代でも珍しいほど長く伸ばした黒髪が風に揺れてさらりと方に流れる。
「すんません、この学校の方ですか?」
「えっ……」
振り返るとそこにはゆったりとしたふいんきのこがいた。
「すみません、私は今ここに来たばかりの者ですが……」
「そうですか、ほなすみません」
そう言うと何処かへと歩いていった。
「なんだったんだろう……」
見る限りここの人間ではないようだったが
「京都から来ました藤原彰子です。よろしくお願いします」
「じゃあ、一番奥の端に座っている彼女……花開院さんの隣に座ってもらえるかしら。
『あ、さっきの……』
太陰が小さく声を上げた。もちろん、彰子にしか聞こえないし視ることもできないが。
「よろしくね」
「こちらこそ」
彰子が話しかけると微笑をして返してくれた。
あの時は一瞬だったのでよく分からなかったが近くで見るとかなりおとなしそうだ。
それと同時に懐かしい彼と似た神秘さが感じられた。
なぜだろう。
「転校生君、我が清十字団にはいらないかい?入ればおもしろいよ〜」
周りは非難を清次君に浴びせる一方、彰子は。
「……いいかもしれないわね」
と返事をした。
しかし、その内心はと言うと。
なんで昌浩に似ていると思ったのだろう。
神将達に築いている風ではなかったので感がいい訳ではなさそうだ。
なら、神将達に頼んで調べてもらうと言うのはどうだろうか。
と、自分の思考に埋もれていたので自分が何を言っ他のかさえ気が付いていなかった。
「よーし決まりだ。今夜、奴良君の邸に行って妖怪散策するぞー」
「えっ?あ……なに?」
大声に驚き思考の底から浮かぶもすでに遅し。
哀れなことに彰子は強制的に奴良家に行くことになっていた。
『……彰子姫、かわいそう』
太陰はひとり呟いた。
————
いきなり、ゆらや彰子達が出ましたが、きちんと桜璃も出します!
- Re: 不動の願いを突き通せ 少年陰陽師×ぬらりひょんの孫 ( No.4 )
- 日時: 2012/06/04 16:59
- 名前: 桜 楓華 (ID: K10UiDSA)
「奴良君、今日はお招きありがとう」
「いや、招いてないから」
「では、おじゃましまーす」
リクオのツッコミも綺麗に流され清次たちは家へと上がり込んだ。
しかし、誰も気が付いてはいなかった。ひっそりと忍び寄る影とそれを見つめるものに。
ここは大仏のある広場。
ビュウウウーと不気味な風が吹く中彼らはいた。
「なんか出そう…」
「そうね」
皆が不安がる中彰子だけはのほほんとしていた。
「なんか、めずらしいわね。そう思はない?太陰」
「そうだね」
「ああ」
彰子は、今回の護衛の太陰と玄武に話しかけた。
二人は隠形しているので視えないが、いつも必ず神将の誰かが彼女の傍にいるので不安はあまり感じない。
「いい雰囲気だな。今日はプロの陰陽師の妖怪レクチャーを受けたいと思います」
「陰陽師……」
だから似ていると思ったのか。
彰子は納得した。
「そうですね……」
始めようとしたその時、ふと何かに気が付いたように顔をあげた。
それと同時に神将達も同じように反応した。
「なんだ……?」
「なんか見られているような……」
そう、後ろにある人鬼は大きな仏像に目をやる。
すると、そこから大きな灰色の獣か現れた。
「キャー、ネズミ!」
避けるように家長さんが足を引くが後ろにいた清次君たちをしりにしくかたちで倒れ込んでしまう。
「彰子姫、下がれ!」
「彰子姫には指一本触れさせない!」
「玄武、太陰……」
太陰の威嚇におびえたのかネズミは部屋を出て縁側へと逃げ出した。
「待ちや!」
「彰子姫はここに居て」
ゆらが駆け出すのと同時に太陰は飛んでいった。
奴良邸から少し離れた所にいた影は瞠目し、その方向へと視線を投じた。
「——妖気とこれは……!」
禍々しい妖気と共にあの懐かしい霊力が感じられた。そして、その周りに微かな神気が二つ。
それは、会う事がないと思っていたものだ。
「……」
その影は空を仰ぎ、瞑目するとその姿を消した。
「妖怪の類やな……」
ネズミを敷地の壁に追い込んだとき物の怪はゆらに追いついた。
先を越された…
物の怪は歯噛みしたい気分に駆られた。
神将である自分がこの邸に充満している妖気に邪魔されるとは。
二人が見つめる中ネズミの妖気が増大したかと思うとネズミ自身の大きさも変わり大きな猫ほどの大きさになった。
「——————。」
物の怪が戦闘態勢に入ろうとしたとき白い何かが飛ばされネズミの体に張り付いたかと思うとそこから煙がたちこめる。
「ギャー————」
耳障りな声を上げネズミはひっくり返り体を痙攣させた。
「陰陽師・花開院の名において、あなたをこの世から滅します」
「なっ!」
「花開院、今確かにそう言いましたよね?」
「はい」
心配になり駆けつけてきた彰子はゆらに質問した。
「そっか、藤原さんは今日来たばかりだから知らなかったんだ」
「彼女は、京都の大陰陽師の一つ開下院の末裔だ」
そのあとについてきたリクオ、かな、清継が説明した
「これをみたまえ」
そう言って見せられたのは
「……えーと、妖怪脳………?」
「なにそれ、変な名前」
彰子に続いて太陰が呆れ声を出した。
玄武は何も言わなかったが、無表情の中に微かに呆れを混じらせている。
「そう!ボクが作ったサイトで日々たくさんの妖怪情報が寄せられるんだ。そして、それは全世界にも通じるぐらい情報網は広いんだl」
「それ初耳だけど……」
リクオがツッコミを入れるがスルー。
その間にも長々と自慢話が続づく。
なんだが、これから大変なことになりそうな気がしてきた彰子は神将たちと顔を見合わせ苦笑を漏らした。
「昌浩も楽しく過ごせていたらいいわね……」
誰にも聞こえないようひっそりと呟く声は風に消えた。
- Re: 不動の願いを突き通せ 少年陰陽師×ぬらりひょんの孫 ( No.5 )
- 日時: 2012/06/04 18:16
- 名前: 桜 楓華 (ID: K10UiDSA)
ちょっと時間軸が変わります。
————
式との出会い
ふらふらと夜の街を出歩く影。
それは、百年の時を経て打ち捨てられ、恨み持ち妖に転じた人形。
先ほどゆらの攻撃により器が木端微塵に破壊されたため、新しき依代を探している。
そんな時、白い獣を従えた一人の人間が目の前に現れた。
「ねぇ、何をそんなに恨んでいるの?」
子供特有の高い声が闇に響く。
——捨てられた…、だから恨みを晴らすために…
薄い膜を通したような不自然な声に彼女は頷く。
「そっか、悲しかったんだね。けど、その誰かに復讐しても何も良い事はないよ。ただ恨みの連鎖を増やすだけ。」
何の感情も見出せない声で語る少女の言葉は、妖の心に酷く突き刺さった。
責められている訳でもなく、怒られた訳でもない。
なのに強く、強く突き刺さる。
「“人を呪わば穴二つ”…まぁ、君は人間じゃないけど誰かを呪えば自分自身にも跳ね返る」
何も言い返せない妖に少女は手を差し伸べる。
「その恨みを捨てたい?」
——あぁ…
「なら、一緒においで。うちにはいっぱい君みたいのが居るから、仲良くなれるよ」
そう言ってほほ笑む彼女の手を取り妖は頷く。
それを見て彼女は瞑目する。
「…我が名、桜璃の名の元に『鈴』の名を与え、ここに主従の契約を結ぶ」
その言葉にはっと驚いた妖は目を見張る。
しかし、その間にも呪文は続く。
「バン・ウン・タラク・キリク・アク」
五芒星を描き、邪念を取り払う。
そして、目を開けると十歳ほどの少女が立っていた。
多少透けてはいるが、本当の力を取り戻せば治るだろう。
「よろしく、鈴」
「よ、よろしくおお願いします、我が主……」
噛みながらも必死に返す式に苦笑を漏らした。
- Re: 不動の願いを突き通せ 少年陰陽師×ぬらりひょんの孫 ( No.6 )
- 日時: 2012/06/04 18:24
- 名前: 桜 楓華 (ID: K10UiDSA)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=24310
集会後の大部屋にて一人座っていたぬらりひょんは背後に懐かしい気配を感じ肩越しに後ろを顧みた。
そこに立っていたのは十四〜六ぐらいの若い少女だった。狩衣に似た深い色の衣をまとい、肩には緋色に羽織をかけている。顔は男とも女ともつかない色白の顔。背に掛かる黒髪をつむじのあたりで一つに結んでいる。
「……お久しぶりです、鏡月おじさん」
鏡月とは彼女がぬらりひょんを呼ぶ時の名である。
「ああ、旅は終わったのか?お前がいなかった数年間でリクオは大きくなったぞ。顔は見てきたのか?」
「いいえ、この街に帰ってきてすぐここに立ち寄ったのでまだ」
「そうか。……お主もこの街の不穏な気配について感じたであろう?」
「はい…窮鼠ですよね?けれどそれは氷山の一角。まだまだ、大物が埋まっている」
その言葉にぬらりひょんは頷いた。
先日、リクオのクラスメイトである家長カナと開花院ゆらの二人が人実に取られるという事件があった。しかし、それはリクオの覚醒によって事なきを得た。
だが、リクオの覚醒はまだまだ不安定だ。
いくら、氷麗や青が護衛に付いているとはいえ心もとない。
まして、変化時の記憶も自覚もないとなると安全とは言えない。
そこで、幹部クラス以上の実力を持つ彼女を呼び寄せたのだ。彼女がいれば、並大抵のものは大丈夫だ。
「このゴールデンウイークに捩眼山にいくそうです」
「あそこは牛鬼がいるが安心は出来ん。頼むぞ」
「はい……」
————
やっと主人公でた…!!
長かったな〜。
ちなみに、桜璃(おうり)は昌浩の転生者です。
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