二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【ボカロ小説】ココロ×キセキ
日時: 2012/05/26 21:47
名前: +noise+ (ID: H/64igmC)

こんばんは+noise+です!
ボカロ大好きです!前作は見ていただけましたでしょうか??

さて、今回挑戦するのは
トラボルタp&ジュンpの超人気楽曲!!!!!!

「ココロ」×「ココロ・キセキ」

です!!

リンのココロ、レンのキセキを描かせていただこうと思ってます!

「お前みたいなじゅっくじゅくの未熟者がやるのはどうなんだ」
と思っている方…すみません。
どうか皆様のご期待に副えるよう頑張ります!

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Re: 【ボカロ小説】ココロ×キセキ ( No.4 )
日時: 2012/05/26 21:59
名前: +noise+ (ID: H/64igmC)

「蓮。このごろ寝ていないみたいだけど…大丈夫なの?」

デスク上のパーソナルコンピューターに向かっている博士に声をかけたのは

助手の芽衣子だった。

彼女は博士の従兄弟に当たる関係で、

彼の研究——ココロプログラム——に興味を持ち、

自ら助手を希望したのだという

「ん…ああ、だいじょぶだいじょぶ…ありがとう芽衣子さん」

寝ぼけたような顔で礼をいわれてもな、とでも言いたげな表情の芽衣子だ

「あ」

突然何かに気付いた様に顔を上げる

「…壱号機…未来の調整、終わりました?」

「え?ああ……でも蓮、あの娘やっぱり認識能力が低すぎるわ

 何を言っても曖昧な笑顔で対応するんだもの」

しばし芽衣子の話を聞いていた博士だが、

ひとつ溜息を吐き、またデスクに向き直った

「……参号機は…瑠華はどうです?何か変化は?」

「あの娘は蓮の言ったとおり、喋る事だけに特化してるわね

 でも歌の下手糞さといったら…」

笑いながら言っているが、瑠華は芽衣子のいちばんのお気に入りである

「そういえば、海斗さん…いや社長の方も、ロボット造ってるんですってね

 鈴が言ってました。」

「へぇ〜鈴そんなことまで喋れる様になったんだ?すごいね〜」

博士は自分の子供の事のように照れていた

「そうそう、社長のロボット。『GUMI』っていうんだってさ。

 未来よりちょっと明るい緑髪の短髪で、可愛かったよ」

「へ〜」

しばらくそんな雑談が続き、博士はパソコンの電源を切ってまで話に熱中した

新しいロボット——肆号機の企画などの話もしていた

だが、博士は心の中でこう感じていた

鈴は今この世に存在するロボットのなかで、いちばん<ココロ>に近い存在だろう

自分は、鈴より優れたロボットを造れはしないだろうな……と

Re: 【ボカロ小説】ココロ×キセキ ( No.5 )
日時: 2012/05/27 11:28
名前: +noise+ (ID: bR51nOZM)

博士は相変わらず、デスクに向かっている

彼は暗い部屋でパソコンの光に照らされている

社員——といっても今は助手の芽衣子ぐらいしか知り合いが居ないのだが

彼等は研究所内の宿泊施設で眠っている

キィ、と扉の開くような音がした

「や、蓮。」

博士のもとに現れたのは、コーヒーカップをふたつ持った社長だ

「なんですか、海斗さん」

顔はパソコンに向けたままの姿勢で言う

海斗は少し微笑み、コーヒーを少し啜ってから言葉を発した

「…なぁ蓮。」

博士は尚もパソコンに顔を向けたまま話を聞いている

「『ココロプログラム』は、諦めた方がいい」

社長からの、突然の言葉だった。

「…え?海斗さん?」

「もう駄目だ。『ココロプログラム』に熱中しすぎて、君の体が壊れてしまう」

————そんなことない!!

言おうとした。

でも言えなかった。

体から力が抜け、博士はその場に倒れた。

意識が途切れる前聞いたのは、海斗の言葉

「『ココロプログラム』は———」

Re: 【ボカロ小説】ココロ×キセキ ( No.6 )
日時: 2012/05/27 11:28
名前: +noise+ (ID: bR51nOZM)

————なんだ?

————何を言おうとしたんだ?

————「『ココロプログラム』は———」?


目覚めたとき目の前にあったのは、心配そうな芽衣子の顔と

嬉しそうな鈴の顔。

見慣れたラボの天井…。

「あ……鈴…芽衣子さん…」

虚ろな瞳を向けながらも、博士は笑顔を見せた

『博士…良かった、心配したんだよ』

身を乗り出し、ベットの上の博士に嬉しそうに言う弐号機。

「……鈴が笑っている」

芽衣子が驚いた顔で言う。

でも違うんだろう、彼女は笑ってない。

鈴は、目を細め口角をあげ、人間のような表情を作っているだけなのだ

 ≪カチャッ……

病室の戸が開く。誰かが入ってきたようだ。

「やぁ、大丈夫かい…?」

社長だった。

「………海斗さん…」

<「『ココロプログラム』は————」>

博士の前に立つと、社長は言った。

「人払いを頼む、君等も少し外してくれ」

芽衣子と鈴が出て行くのを見送って、社長は椅子に腰掛けた

「……『ココロプログラム』の始まりは、君のお祖父さんの研究だったんだ」

「……は…?」

きょとん、とした博士に、社長は続ける

Re: 【ボカロ小説】ココロ×キセキ ( No.7 )
日時: 2012/05/27 21:32
名前: +noise+ (ID: ./JJ2jTc)

「『ココロプログラム』の研究を最初に始めたのは、君のお祖父さんだったんだ。」

博士は社長の真剣な表情に、黙って耳を傾けている


— 社長・海斗の回想 —

君のお祖父さん……燐斗さんの奥方、つまり君のお祖母さん、恋歌さんは、

弐号機のモデル——鈴と同じ流行病で、56歳の若さで亡くなられた。

燐斗さんは大層悲しみ、彼はまだ僕の祖父が経営していたこの<始音研究所>に

訪れたんだ。

燐斗さんは祖父に、『私にココロを持つロボットを造らせて欲しい』と懇願してきた。

勿論僕の祖父は戸惑ったそうだ。

ココロを持つロボットなど造れるはずが無い、と

それでも燐斗さんは造り上げてしまった———たったの5年で!

え?それなら何故『ココロプログラム』が発表されてないのかって?

…それは彼が死んだからだ

恋歌さんそっくりなロボットに、燐斗さんはすぐ『ココロプログラム』を与えた

——でも、それは失敗だった。

『ココロ』をもったロボットは、老いた自分の姿に怒りを感じたようだった

その怒りはすぐ近くに居た燐斗さんに向けられ——…もう、想像出来てるだろう?蓮…



そうだ。『ココロ』をもったロボットによって、燐斗さんは死んでしまったんだ

あれは…<ココロプログラム>は…

悪魔の、研究だよ

Re: 【ボカロ小説】ココロ×キセキ ( No.8 )
日時: 2012/05/27 21:33
名前: +noise+ (ID: ./JJ2jTc)

「これで、話は終わりだ」

俯きながら社長はいった

博士は呆然としながら、小さな声で呟いた

「『ココロプログラム』は、完成していた……」

「…蓮?この話を聞いて、まだ『ココロプログラム』を

 造ろうとなんか、考えてないよな!?」

びくり、と体を震わせ、博士は黙り込んだ

「………っ」

社長は立ち上がり、蓮を見下ろした

「………そのあと………祖母の容をしたロボットは……………

 どうなったんですか…?」

虚ろな、でも決して諦めてはいないような瞳を、博士は社長に向ける

「すぐ、破棄されたよ。でもラボに居たひとは殆どみんな殺されていた。

 僕の祖父が発見して、<ココロプログラム>と、ロボットそのものを壊した」

それを聞くと、博士は俯いた

「ロボットが……人を、襲うなんて………」

博士の小さな声が部屋の中、やけに、反響した。


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