二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

箱庭の少女 
日時: 2012/07/01 11:44
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

 はじめまして(?)*momo*です。これは、ボーカロイドの「箱庭の少女」を勝手に解釈&ノベライズしたものです。荒しはご遠慮願います。コメントはくださると泣いて喜びます。
 「箱庭の少女」 mothy_悪ノP/作をお聴きになることをお勧めします。





本文↓





この部屋の中には、あなたと私だけ。
二人で唄を歌い続けていましょう。
外の世界?そんなもの、知らなくていいわ。
あなたがそれを望むなら……。

Page:1 2 3



Re: 箱庭の少女  ( No.11 )
日時: 2012/07/29 18:04
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

「こっちよ、お嬢ちゃん」
 はっきりとした女性の声。ハスキーで素敵だ。でも、今はそれどころではない。
「誰!?」
 急いで振り返ると、なんとそこには真紅のドレスを着、真紅の傘を持った茶髪のショートカットの美女が立っていた。第一印象は、「紅」。手袋まで真紅であることに気付いた。驚く私をよそに、紅の美女はリラックスして口を開いた。
「今さらそんなに驚くこと無いじゃない。いつもあなたの部屋にいる、「グラス・オブ・コンチータ」よ。ほら、これ、お返しするわ。」
「グラス・オブ・コンチータ」が、グラスを投げた。私の膝に飛んできたため、落とさずキャッチ出来た。それより、聞きたいことがある。
「どうして人になってるのよ!?」
「人じゃないわよ、悪魔よ。七つの大罪の。」
「悪魔!?」
「そ。「悪食」のね。ほら、あんた達も出てきなさいよ。」
「グラス・オブ・コンチータ」が手招きをする。すると……嗚呼、なんということでしょう。部屋の小物達から、悪魔なのであろう人の形をした者達が出てきたのです……。私が特に驚いたのは、父とそっくりの者が出てきたことだ。

Re: 箱庭の少女  ( No.12 )
日時: 2012/08/04 14:20
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

「ああ、狭いところね。何にも無いじゃない。ちょっと、お菓子を取ってきてよ。私、お腹が空いてるの。」
「そこの緑の娘でいいや。お姉ちゃんはブリオッシュが好きなんだ。取ってきてよ」
「嫌よ。絶対嫌。何でいきなり出てきたチビ悪魔の言うこと聞かなきゃいけないのよ。面倒くさい。何この人達、我が儘だし傲慢……」
「ご名答!!」
「!?」
 「グラス・オブ・コンチータ」が叫んだ。そんな大きい声出さないでほしい……。やっぱり悪魔何てのはろくでもない奴ね。
「その超我が儘なガキ共が、「傲慢」の悪魔。双子そろって本当やな奴らよ。」
「私、こんな安っぽい鏡とか、本当はやなんだからね」
 弟の方が「ルシフェニアの四枚鏡」を投げた。まったく、顔に当たるじゃない。
「やれやれ……」
 「グラス・オブ・コンチータ」 が首を振る。あのー、自分も投げたの忘れてませんかー?

Re: 箱庭の少女  ( No.13 )
日時: 2012/09/01 20:20
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

「私のことを忘れてないか」
 のっそりと出てきたのは、お父さんのそっくりさん。青い髪をしていて、父と同じ美しい顔をしている。
「私は「強欲」の悪魔。四つの器が揃っているのも貴女のお父さんに私がとりついているからですねー」
 ぺこりとお辞儀をしたのはいいが……。え。この人、今何て言った。
「お父さん!?お父さんにとりついているの!?」
「そ。あんたの父さんはね……「お姉ちゃん」何すんの」
「ちょっと待ってみようよ。罪のなれ果てがどんなものか……お姉ちゃんも、見てみたいでしょ?」
「ふーん……。まあ、ちょっとだけね。ちょっとよ。ちょっと」
「はいはい」
「??」
 意味わかんない。罪のなれ果て?どういうこと?でも、ああ……正直、『面倒くさい』。

Re: 箱庭の少女  ( No.14 )
日時: 2012/09/16 14:05
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

「ねえ」
 グラス・オブ・コンチータが、私の肩に手を置く。こころなしか悲しい目をしていた。
「私達と貴女は……似た者同士なのよ」
「え?その……「貴女は、「怠惰」の悪魔。その体は、グラスと同じ器に過ぎない」
「今日は、あんたのために来て、わざわざ教えてやったんだからね。感謝しなさい。」
 そう言って双子は鏡に戻った。グラス・オブ・コンチータはやっぱりスプーンを投げてからグラスに戻り、父のそっくりさんは一礼してからスプーンに戻った。小物達は、いつの間にか棚に帰っていた。
「フー……」
 思わずため息が出た。意味がわからない。私が悪魔?父にとり憑いている?なんだかもう、眠たい……。
 瞼が重くなる。私は、すぐに目を閉じた。

Re: 箱庭の少女  ( No.15 )
日時: 2012/10/06 13:07
名前: *momo* (ID: xJyEGrK2)

 父は知らない。私が器達の仲間であることを。たった今、それを知ったことも。
 そして……私は「怠惰」の悪魔であり、貴方の本当の娘ではないことを。でも、それでもいい。別に知らない振りをしていればいいもの。父がこのことを知れば、何かが、いえ全てが変わってしまう気がする。ねぇ、お父さん。貴方は、自分にとり憑いている「強欲」の悪魔のことを知っているの?きっと、聞くことも知ることも無いでしょうね……。


Page:1 2 3



この掲示板は過去ログ化されています。