二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【オリキャラ募集】トゥモロー・ガール 【銀魂】
日時: 2012/07/21 12:14
名前: サチカ ◆iYEpEVPG4g (ID: IGAMlEcf)





   ——欲しいのは、ただ、終わる物語だけ。





 ◆index◆◇◆ ———————————————————————————————

始めましてこんにちは、サチカと申します(´・ω・`)
この作品は以前執筆していたものの修正verとなります。
使いまわ(ry)違います、リメイクです。
まあ久しぶりに書こうと思ったらスレ落ちしてただけなんですけどもね。
こういうテンションなのはお察しください。
この小説は、ギャグ5割、シリアス4割よくわからないジャンル1割で構成されております。
まだまだ至らぬ点もあるかとは思いますが、どうぞお楽しみください。

   トゥモロー・ガール / サチカ


 ◆up date◆◇◆ ——————————————————————————————

H24現在
 
7・18 メインページつくったったー\(^q^)/
7・21 オリキャラ募集開始 >>3


 ◆about◆◇◆ ——————————————————————————————

当スレは銀魂を取り扱う夢小説です。
原作者様、出版者様及びその他関係者様とは一切関係ありません。
無断転載は禁止です。ご理解ください。最低限のマナーやルール・掲示板の規約は守りましょう。
無理な方はバックプリーズ。上記のことを踏まえてお進みください。


 ◆novel◆◇◆ ———————————————————————————————

こちら、現在執筆中の長の見開きメニューになります

満ち足りた人生ほどつまらないものはない
(言い訳だとほざいてみるけど)

※お話は時系列順が異なる場合があります

 
ヒロイン紹介 >>
オリキャラ募集開始 こちら>>3


00/とある神様に捨てられた人のおはなし >>
01/メランコリー・アイデンティティ >>1
02/ホワイトカラー・エグゼンプション >>2
03/さよならわたし>>


05/I don't knowの大量使用は御止めください >>
06/愚か者には視えない彼女 >>
07/campus >>
08/そこに居ることがわかっているのなら、ここに居るのと同じでしょう >>


09/遺され爆ざる硝子の破片>>
10/生きていく矛盾 >>
11/あなたがこんなにも小さいことを知ったとき >>
12/世界を攫う雨音 >>



 ◆short◆◇◆ ———————————————————————————————


ブルー・バードに愛と夢と絶望を/見当ちがいのホラ吹きめ/終焉グッドナイト
牡丹にくちづけ/アンダーストゥッド・ユー/愛しているのは自分だけ
溺れる淡水/セカンド・ストーリィ/マザーグースの子守唄
水晶体に視る青/愛恋アイデンティティ/つめたい遺骸/ミルクココアを
透明な花/きっと捨て駒にすらなれない/さまよえる槐樹/篝火より終末を埋める
セピアの街灯/ポルックスの消失
太陽の瞳に初夏は焦がされ/夜明けまで、あと//愛を片手に飛び降りて


——————————————————————————————————————

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Re: トゥモロー・ガール 【銀魂】 ( No.1 )
日時: 2012/07/20 11:28
名前: サチカ ◆iYEpEVPG4g (ID: IGAMlEcf)

01/メランコリー・アイデンティティ 


「いやっほうぎんときー!キュートでプリティーなあかねおねーちゃんが会いに来たよー!いやあおっきくなったねえ、でも相変わらずアホみたいなツラは変わらないねー」


 目の前には、赤髪の笑顔全開キチ女が立っている。そしてあろうことか俺に向けて喋っている。誰がこの女をに押し付けやがったのかは知る由も無いが、とりあえず送りつけたやつは死ね。全身を切り刻まれて死ね。待て、とりあえずこれに至ったまでを考えてみよう。


朝目覚めて、寝起きが悪かったから布団も片付けず歯ァ磨いて、定春に餌やって、いちご牛乳飲んで。朝飯か昼飯がなんだか分からない時間帯にたまごかけごはんを食ったぐらいは覚えている。   
 アルバイトの2人は今日はお泊り会だとか熱が出たとかで来ないらしいから、そのままぼけーっとだらだらした1日を過ごすつもりだった。録画した再放送のドラマを再生しようとリモコンを探したが、どこへ行ったのやら見つからず、真っ黒のテレビ画面が空しくあるだけだった。   
 そして外の空気でも吸うかと思い立って寝巻きのままチェーンロックを外して玄関を開けた。

「何で?ねえ何で?タイムスリップ?不老不死ですかあんたァ?!」
「やーねえ、でも最近は昼寝の時間とか増えてきてるしちょっと運動能力が落ちたかなあって。あと70年ぐらいでじき死ぬんじゃないかなー。けど自称16歳、心も16歳、体も16歳、いやァもう16歳ってことでいーんでない?」
        
「良くねーよ若作りがァ!」
「褒めてくれてありがとう、でも何をしようとこの胸の小ささは埋められないのよ! ボインの夢は叶えられないのよう! 一生若く美しいままで居られるってなら大歓迎だけど自身の容姿に満足してないままで成長が止まるってのはどうよ? 」
「ざまあ」
「うぜえ」

         
「会いたかったよ、銀時」
    
 悪戯っぽい目元がにっと笑って、口元が上がる。濃い藤色の羽織が、いっそうそれを引き立たせた。
 相変わらず「あの時」と同じ格好で、「あの時」と同じ言葉で。終わらない感覚というのはどんなものだろうか。その片端を味わっただけだけれど、ふと訊いてみたくなった。あかねがぱっと紙袋を目の前に出した。「たちばな」と薄碧色で書かれたそれは、いつも自分があしげなく通っている和菓子屋の名前とぴったり一緒。最初の頃の怪訝な気持ちはどこへやら消えて、むしろ感動すら、いや哀れみのほうの感動すら覚えてきた。
                  
「ハイお土産、江戸の隠れた名店《たちばな》のお団子セット!もうすんっごいおいしいの!」

 ははは、と作る笑いも無いぐらい気力なく声を出した。

「・・・何しに来たんだよホントに。つか江戸で俺への土産買ってどうすんだよ」
              
 わけがわからないという感情と同時にこの女はわざわざ調べてこの団子を買ってきたのかあるいは俺の味覚が悲しいことにこの年齢詐欺女と同じだっただけなのかどちらであろうかと迷う。どちらでも嫌だ。
 結局こいつは頭がすっからかんな原始生物だから、とい理論に基づいてその辺の売り文句に引っ掛かって買ってみただけなのだろうと結論づけた。
この年代の少女というものはパフェだのアイスクリームだの新しいものが大好きではなかったか。

「ごめんお前少女でもなかったな」

 ああ、と頷くと気に障ったようで紙袋の上側がぐしゃりと潰れた。そうしたらさっきの厭味ったらしい顔ではなく薄ら笑いを顔に貼り付けた。噛み付いてくると踏んだのだが、彼女は息を吐き出して紙袋を差し出した。
 図々しい物言いも相変わらずだが、ちいとばかし気を抜けば小さく丸め込まれてしまう。銀さんは遊ぶ方なのに、と心なしか悔しい。まるで手のひらで転がされているような感触で、やっぱりその辺は自分達より年上なのだなと感じさせられる。
        
 じゃあとりあえず上がらせてもらうわね、とおかしな声が聞こえ、無理矢理扉の隙間から室内へ入り込むキチ女。靴を投げ出して足早に手前の部屋へ入っていった。がちゃり、と鍵の音のようなものが聞こえたから、きっと部屋を閉めやがったにちがいない。
   
 ふざけるなよ。意地でも開けてやろうと意気込んだ。

Re: トゥモロー・ガール 【銀魂】 ( No.2 )
日時: 2012/07/20 17:45
名前: サチカ ◆iYEpEVPG4g (ID: IGAMlEcf)

 三時間ほど前のことである。


「諸君! 世の中には、ブラック会社というものが存在する。というか、この世の働く場所、つまり社会というものは理不尽なことだらけなのだ! 普段どんなに努力を惜しまないでいても、つまるところそんなものはちっぽけなことにしか過ぎない。残念ながら労働者を守る法など軽視されているのが現状だ。……そして平社員の最大の敵は、上司という史上最悪の生物である! 第一に我々はこの避けることのできぬ災厄をどう凌ぎいかにして撃破するかを目標とし…」

「はあ」

 マスクをしたメガネの青年、とオレンジ髪の楽しげな中国系少女がひとり。悲しい顔をしながらわたしの話を聞いている。聞けば、ある会社で働いているのだが、雇用者は給料も払わないし無理難題を押し付けるし勝手で無能だと、そういうことで悩んでいるらしい。よくよく見れば、どちらも細っこくて食べるにも困っているのではないか。
 因みにこれは「就職氷河期と労働の限界〜社会の今を生きる〜」の第2部冒頭部分である。全く酷い奴もいるもんだ。こんな大人になっちゃいけないなあと息を零した。

「そろそろ停車駅かな、バス代工面ありがと、青年よ!」

強いて言うならわたしもまんざらではないのだが。そうだお礼、と鞄の中に入っていたいつぞやのクッキーを投げ渡す。バスを降りると、陽のひかりに晒された翠色の葉桜がきらきらと光っている。バスの排気ガスと車体の熱気が空気を伝わってくる。やわらかな笑みにすこし汗を滲ませ、額に手を当てた。


02/ホワイトカラー・エグゼンプション



「銀さーん、明後日に仕事取れたんですけどどうします? 遅くなりましたけど良くなったんで来ましたよ」

 今日は万事屋にいつものメンバーの姿は無い。新八は夏風邪をひいていたし、神楽は女友達とお泊り会。新八が久しぶりの仕事を持ってきた以外には、それと変わりのない日々、になるはずだった。ただひとつの訪問者を除いては。

「あァ? 明後日?」

「何してんですかァ!?」

 言うにや早く、新八がドアに走り向かう。自宅件事務所の扉を開ければ必死の形相でリビングの部屋のドアを開けようとしている銀時の姿。とうとう狂ったかと心中にその言葉をとどめ、銀時をドアから引き離す。

 きゅるきゅる、と小気味良い音がペン先で鳴った。
あかねの視線の先には白髪頭の男の写真———言わずもがな、銀時が映っている。安っぽいプラスチックの写真立てに飾られた貧相なそれには、その白髪頭を囲うようにしてふたりの人物が映りこんでいた。どうも見たことがある顔だと思えば、朝のバスでの二人にそっくり。果てさてどうしたものか。

 尚更、銀時の生気の無さが際立つ一枚である。死んだ魚のような目が、いかにも面倒そうにレンズを見つめているのがありありと脳裏に浮かぶ。そういえばドアを叩く音と罵声が聞こえなくなったなあとそろりとそちらへ足を伸ばした。

 ばこ。
ああ嫌な音が、気付くも時既に遅く、耳を覆う音と沸きだつ埃の砂。粉砕されたドアの下から白い手が伸びる。あかねが瓦礫を避けながら抜け出すと、銀時の背後に写真の彼が立っているのを見つけ声をあげた。

「あー! 新八くん!」
「・・・・・・あ! どうもあかねさん」

「え? 何? お前ら知り合い? 新八お前このキチ女と知り合い?」

「と、するとだな、なるほどー、銀時があの」
「ええ」


 相槌を打ちだす二人に、銀時は困惑するばかりであった。粉砕されたドア、と髭を書き足された銀時の写真を後目に、あかねは銀時の方を見て笑ったとか笑ってないとか。

Re: トゥモロー・ガール 【銀魂】 ( No.3 )
日時: 2012/07/21 12:12
名前: サチカ ◆iYEpEVPG4g (ID: IGAMlEcf)




◆オリキャラ募集用紙◆◇◆ ———————————————————————————————
(という名のアイディア吸い取り用紙)



名前/フリガナ【/】
性別【】
年齢【】
容姿【】
戦闘能力【】
口癖、性癖など【】
性格【】
設定など【】
一言で言うと?【】
SですかMですか?【】
キャラ崩壊してもいいですか?【】
サンボイ【】
最後に何かお願いします【】

Thank you!


——————————————————————————————————————

Re: 【オリキャラ募集】トゥモロー・ガール 【銀魂】 ( No.4 )
日時: 2012/07/22 11:58
名前: サチカ ◆iYEpEVPG4g (ID: IGAMlEcf)

 食欲、睡眠欲、性欲。人間の三大欲求。それらはヒトを決定付ける定義である。

 頭が痛いのは、べつだん今朝食べたハーセルヘラッセの乗ったパンが不味かったとか、最近当分寝ていないだとか、鼻につく馨しい死臭だとか、そんなどうでもいい理由ではない。ただ純粋な欲求が、突き動かすせめてもの序曲。ああ、≪おなかがすいた≫。


03/いきる



「居るよ、居るよ。死なない喰悍、みいつけた」

 右腕にぱっくり開いた傷が、燃える様に熱かった。痛みより先に感じたのはその熱。すんでのところで避けた鈍い光の鉄刀が、頭上近くに刺さりこんでいた。

 ——やられた、

 先手をとられたな、とあかねは状況を識別する。次の衝撃の瞬間まで与えられる時間は少ない。視界の悪い中で、嗅覚の優れたあいつらに先制するのは難しい。かといってそれを許せば分が悪い。腰刀を抜いて刃先を奔らせると、肩を割く痛みが奔る。それでも握らぬわけにはいかない。

「ちょうだい」

「惜しいわね、あとちょっと…うーん70点ぐらい? でも残念、あなたひとりに倒されるほどヤワではないわ」

 閃光はもうもうと沸き立つ砂埃の中で起こる。鋭い金属の叫びと共に。黒服は身体を翻し、あかねは血の滴る刀を守りに徹させた。一撃一撃が重い。怪我故か。靴の踵で踵を返すと、宙に浮いた身体は頭上の隙を見逃さなかった。ゆっくりと、やがて見える景色がスローモーションのように遅く垣間見える。仕留めそこなった獲物へと再度切りかかるため後ろへ下げられた刀の起動が白い線となって見える。きらきらと光に反射して舞うのは、赤い髪。——遅い!

 肉を斬る感覚はちゃあんとしているのに、刀身を握る感覚は鈍い。とんだ皮肉だと笑った。べちゃりと床に伏したそれは赤い液体をフードから滴らさせて未だ蠢く。わたしはそれを待ってやるほど優しくは無いの。飛び掛かって剣を突き立てようとした瞬間、服の袖から伸びた黒いものがあかねの剣を捉えた。それは一瞬の混乱を誘う。手は咄嗟の犠牲? いや、違う! 警戒すべきはもう一方だ。反対の手の骨を貫き刺した瞬間、衝撃が飛ぶ。かわしたそのすぐ横でまた、横刀が空気を切る。ふたり、いる。それも普通のよりは格段強いのが。

「ちょうだい、ちょうだい、ちょうだいちょうだいちょうだい」
「……ッ、嫌ぁよ。あんた達には必要ない!」

「生き損ない、持ってるくせに」

 ざしゅり、
目の前の鮮血は明らかに自分が下したものでないことがわかった。仕留めたのは、焔色の双眼。円を描いて飛んでくのは刀。

「ごめん、ありがと。——とりあえず、もう一匹を」

空中の気配を察したあかねは刀を握る。

「片付けてから、ね」
 
 断末魔を上げて目の前で崩れ落ちた、黒と赤と。あかねはもう動かなくなったそれに手を伸ばす。浮かぶのは、捕食者の笑み。手につかんだ肉は生暖かく、それでいてすこし生臭い、死人の臭いがした。

 あの笑顔と共に。変わっていないと絶望するのは、描いた紅のがらくたをを貪る、赤い髪の魔女。口を滴る血液は熟成された美味な≪嗜好品≫のようで、骨の折れる音は心地よい≪歯ごたえ≫。増していくのは空腹を満たすという≪充実感≫。自分の手で朽ちていくものに対する≪愛情≫。

「いつもながら、偏食だよなァ。俺ァそんなゲテモノ喰えねえわ」
「人間はできるだけ食べたくないってのがポリシーだから。適当な頻度で襲ってくるこいつら食料にした方が効率いいでしょー、それに、食べれるときに食べないと腐るし」

「なあ、あかね。」
「ん、久しぶりで気が引けましたか銀時くん?」

「いや、なんでもない」
「ふーん、ごちそうさまでした。おなかいっぱい」

 腰から取り出した白いハンカチで口元を拭くあかね。べっとり付着した赤は暫く取れそうになさそうに見えるのだが、銀時がそれを声にすると撥水加工だから大丈夫だとのこと。変な所用心するなよと肝が冷えた。

「皆さんさっきの地震みたいなの大丈夫でしたか……ってうわァ! ちょっ!血みどろじゃないですかあかねさん!」
「あー大丈夫。多分あと1時間ほどしたら治ると思うから」

「どこが大丈夫なのか教えてほしいですね、とりあえず消毒と、包帯はあったかなー」

 崩れる壁砂が肩に舞い降りる。またこれはお登勢さんに怒られるなと心中で思う新八と、修理には誰を呼んでやろうかと考えを巡らす銀時。右肩は本当に痛いが、治るまでに一時間と言ったが半時間ほどで傷は塞がるであろう。ぽっかり壁に空いた空洞が、こちらを見つめている。其の場に座り込んで、茜差す夕暮れに、赤い魔女は感傷に浸った。


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