二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女
日時: 2012/09/06 20:07
名前: 鳳凰 (ID: ia9Umcvq)

初めまして、
フェアリーテイルの映画にちなんで鳳凰って名前にしました。

ちなみに、映画はもちろん行ってきましたよ。
ラストがやばかったです!もう、ルーシィとナツがサイコー!!

まあ、この小説にはエクレアとか出て来ませんけどね?
あたり前か。

あと、ぜっっっったい〝駄文〟になりますんで、気を付けてください。
面白くないと思ったらすぐに退場してください。


よろしくお願いします。

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Re: FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女 ( No.5 )
日時: 2012/12/19 22:23
名前: 朱雀 (ID: ia9Umcvq)

第3話

《ユウキ目線》

ユ「う・・・ん・・・」

目を開けて最初に入ってきた光景、それは青空・・・ではなく、建物の天井だった。
左手のあったかい感触と重みに気付いてみると、カナメが寝ていた。

ユ“風邪ひくぞ、バカ。”

俺は自分が来ていたコートをカナメにかけ、部屋を出た。
ガヤガヤとうるさい方へ歩いていくと、女の人に出くわした。

 「あら、目が覚めたのね。よかった。」
ユ「ここは?」
 「ここは、フェアリーテイル。私はミラジェーンよ。」
ユ「ユウキ・バレンタインです。助けていただき、ありがとうございました。」
ミ「いいのよ、お礼なんて。そういえば、もう一人の子は?」
ユ「寝ていますよ。ぐっすりと。」
ミ「無理もないわね。一睡もしないで隣にいたから。」
ユ「一睡もしてないってことは・・一日中寝てたんですか!?俺は。」
ミ「ええ。」

ミラは「みんながいるところに案内する。」と言って、半ば強引に俺を騒がしい方へ連れて行った。
俺はあまり見ていなかったが、主要メンバーやよく見るメンバーは分かった。

マ「お!目が覚めたのか。」
ミ「ええ、さっき廊下で見つけて。」
マ「お前さんも大変じゃったの〜。怪我は大丈夫なのか。」
ユ「おかげさまで。」
エ「しかし、なぜ奴らは君たちを襲ったのだろうな。」
グ「魔力は持っているが、女相手にあんだけやるかって話だよな。」

俺はミラに差し出されたご飯を食べながらそのやり取りを聞いていた。
「助けてもらった礼の代わりに話すか。」そう思った時、こいつらよりもっとうるさいやつがやってきた。

カ「ユウキ!!」
ユ「ん?って、うわぁ!!」

ガシャーン!!

カ「もう!すっごく心配したんだよ!勝手にあたしを逃がすし、戻ってきたら気絶するし、ほんとに大丈夫なの?まだ寝てた方が・・」
ユ「カナメ、説教は後で聞くからどけ。この人たちにも、昨日何で襲われたのか言わなきゃいけねーし。」
カ「あ、ごめん。」


《全員目線》


カ「改めて、あたしはカナメ・シャインゴットです。こっちは・・」
ユ「ユウキ・バレンタイン。」

カナメとユウキは改めて自己紹介をした。
ナツたちも軽く自己紹介をし、いきなりだが昨日の話をした。

エ「昨日、何故あいつらがお前たちを狙ったのか、心当たりはあるのか。」
ユ「おそらく、俺の力だろ。」
カ「ユウキはね、〝四神獣〟っていう特別な魔法を持ってるの。」
グ「聞いたことねえ魔法だな。」
ユ「その桁違いの破壊力を恐れ、今ではゼレフの書と同じくらい禁忌とされてる魔法だ。」
エ「何故お前がそんな魔法を持ってる?」
カ「えっと、それは・・・」
ユ「いい、自分で話す。」

Re: FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女 ( No.6 )
日時: 2012/12/19 22:25
名前: 鳳凰 (ID: ia9Umcvq)

第4話

—回想—  ≪ユウキ目線≫

当時、俺の家はアンティークを主に扱ってる雑貨屋だった。
父さんは俺が生まれた時に事故で即死、店は俺と母さんの二人で営業していた。

母「ユウキ、ちょっと・・」
ユ「何?」
母「ユウキ、よく聞いて。母さんね、再婚しようと思うの。」
ユ「再・・婚?」
母「もちろん父さんの事を忘れた訳じゃないわ。でもね、あなたのこれからの事を考えると、再婚した方がいいって思うのよ。」
ユ「反対はしないわ。母さん、今までずっと苦労してきたもの。肩の力を落とす時が来たのよ。」
母「ありがとう、ユウキ。」

それから数日、母さんは雑貨屋をやめてカ—ムと再婚した。
始めのうちは、カ—ムも俺達に優しくしてくれた。
悪夢が始まったのは、俺が7歳になったばかりのころだ。

母「あの子に〝四神獣〟の魔法を埋め込む?そんな!あれは禁忌魔法よ!評議会が黙ってないし、第一今のあの子では器が小さすぎるわ!」
カ「大丈夫さ、君だって知ってるだろ?あの子は生まれつき強大な魔力の持ち主だ。きっと上手にコントロールしてくれる。」
母「無茶よ!せめてあの子が10歳になってからでも!!」
カ「うるさい!貴様が私に指図していい権利などない!」
母「っ!!」

そうして、俺は何も分からぬまま母さんと引き離され、四神獣研究所と言うところに連れて行かれた。

—回想中断—

エ「〝四神獣研究所〟?」
ユ「当時、カ—ムが使っていた研究所だ。評議会から裏ルートで調達した四神獣に関する資料をもとに、魔力の高い子供を連れて実験させる。」
カ「生まれつき魔力が高い子供は、その影響で高熱を発症させやすい。それ専門の医療機関として子供を預かり、適合出来るとなればその子共を実験台とし、親には死んだと報告すればいい。」
ナ「何だよそれ!おかしいじゃね—か!!」
ユ「そう言う奴だったんだよ、カ—ム・バレンタインは。」

—回想始め—

研究所での生活は、7歳の少女にとっては地獄と言っていいほど過酷だった。
毎日20時間、修行と実験に費やし、休む時間など4時間程度。
俺にとって唯一の心の支えは、母さんが贈ってくれる手紙だけ。

母『今は苦しいだろうけど、その苦しみを乗り越えれば、その先には幸せが待ってる。だから頑張りなさい。』

母さんはいつも手紙の最後にそう書いていた。
だけど・・

ユ「母さんが死んだ?」

15歳なった誕生日の日に、そう告げられた。
原因は階段から足を滑らせた転落死。その時はそう告げられた。
だけど、後から調べてみて知ったんだ。
あれは事故じゃなく、カ—ムによって計画された殺しだと。
あの時はホント、カ—ムを心底憎んだ。
俺から思い出も温もりも全て奪ったカ—ムをな。
だから俺は、その時親友だったカナメと共に研究所を脱走してきた。

—回想終了—

Re: FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女 ( No.7 )
日時: 2012/12/19 22:33
名前: 鳳凰 (ID: ia9Umcvq)

第5話

ユ「・・・と、言う訳だ。」

ユウキが話し終わると、みんな黙ってしまった。
カナメはユウキの肩に手を置き、心配そうに顔をのぞかせる。
ユウキは「大丈夫。」とほほ笑みながら目で伝えた。

ル「それで、これからどうするの?」
ユ「その事なんだが、一つ、フェアリーテイルにお願いしたい事がある。」
ナ「なんだよ?」
ユ「カナメをフェアリーテイルの魔導士として、ここに入れてほしい。」
カ「え!?き、聞いてないよ!そんな話。」
「今決めた。」

ユウキは真剣な顔をして、フェアリーテイルのマスター、マカロフ・に向き合った。
マスターはキセル?を吹きながらユウキを見る。

ユ「カナメには今まで長い間、ずっと俺のわがままにつき合わせてきた。ここから先、カナメを傷つけずに守りきれる自信が私にはない。お願いします。」
カ「わがままなんかじゃない!私は、私の意志でここにいる。ユウキを一人になんかさせない!」
ユ「言っただろ?俺にはもう、カナメを傷つけないで守り続けるという保証ができない。俺と一緒に危険な橋を渡るよりも、ここにいて幸せを掴むべきだ。」
カ「それはユウキも同じ!いえ、ユウキこそ幸せにならなきゃきけないのよ!」

ユウキは、カナメを傷つけたくない。
カナメは、ユウキを一人にしたくない。
それぞれの友を思う心がお互いを傷つけてると知らずに。
言い合いを続ける二人、その間に入ったのはマスターだった。

マ「よかろう、ユウキ。カナメをフェアリーテイルの魔導士として認める。」
カ「マカロフさん!」
マ「ただし、条件がある。」
ユ「俺に出来る事だったらなんでも。」

マカロフはその言葉を聞いたとたん、まるで悪だくみをしている子供のような笑みを浮かばせた。
ユウキが一瞬だけ「まさか。」と思った事が、今マスターから言われるのだ。

マ「その条件とは、ユウキ、お前もフェアリーテイルに入る事だ。」
ユ「なっ!?マカロフさん!あなたは今の話を聞いていなかったのか!?」
マ「もちろん聞いとった。お前さんの友を傷つけたくないという気持ちも分かる。じゃがな、その気持ちはカナメにとって、かけがえのない友を失うということになるんじゃよ。」
ユ「!!!」

確かにその通りだった。
ユウキは友を守るため、自分一人が犠牲になればそれでいいと思っていた。
なら、その逆はどうなのだろう。
もし大切な友にそんな事を言われたら?
ユウキは、改めてカナメをみた。

カ「もしユウキが私一人ここに残して出て行ったら、あたしは死ぬまで一生ユウキを恨むわよ。」
ユ「・・・ったく、昔から自分の事より他人の事を気にしやがって。」
カ「それはユウキも同じでしょ。」
リ「チィッ!」
マ「歓迎するぞ、ユウキ、カナメ。」

Re: FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女 ( No.8 )
日時: 2012/12/19 22:38
名前: 鳳凰 (ID: ia9Umcvq)

第6話

ユウキとカナメがフェアリーテイルに入って、2週間が経とうとしていた。
ユウキは右肩に、カナメは左の手の甲に、それぞれスタンプを押してもらった。

≪カナメ目線≫

カ「たっだいまー!!」
ミ「お帰りなさい、ユウキは?」
カ「何だかよく分かんないけど、先に帰ってろって。」
エ「妙だな。いつもなら一緒に来るはずだが・・」
ナ「!!?」

さっきまでグレイと喧嘩してたナツが、いきなり入口の方を向いて止まった。
近くにいたガジルとウェンディも、同じ方向を向いてる。

ル「どうしたの、ナツ?」
ナ「ユウキの血の匂いがする。」
カ「え・・ホント!?」
ウ「は、はい。私にも匂います。結構大量の血の匂い・・。」

ウェンディの言葉で頭が真っ白になった私が、すぐに駆けだそうとした時、左腕を抑えて右足を引きずりながら、辛そうな顔をしてユウキが帰って来た。

カ「ユウキ!!」
ウ「ユウキさん!」
ナ「ユウキ!」
リ「ただいま。」

私はユウキに駆け寄って、近くの長椅子に座らせた。
すぐさまウェンディが治癒魔法をかけてくれる。

カ「ただいまじゃないよ!どうしたの!?その怪我!!」
ユ「ちょっとな・・」
カ「ちょっとって・・ユウキ!!」
グ「お前みたいなやつが、どうやったらちょっとの事でそんな大怪我するんだよ!?」
ユ「見た目ほどたいした怪我じゃないさ。デーモンカ—と一戦交えただけ。」
ウ「はい、治りましたよ。」
ユ「ありがとう。」

≪全体目線≫

さっすがはウェンディ、喋ってる間に傷を癒してしまった。
ユウキは両腕にしていた黒い布を巻き直して、カナメ達に笑顔を見せて言ってきた。

ユ「言っただろ、たいした怪我じゃないって。」
ウ「大怪我ですよ!ユウキさんは元々傷の治りが早くてすぐ終わりましたけど、普通なら歩く事なんてできません!!」
ユ「ウェンディ!」
カ「ユウキ、駅で別れた時から知ってたのね!?どうして!?何で教えてくれなかったの!?」

ユウキは頭を掻きながら、カナメから目を逸らした。
その行動を見て、まだ2週間しか一緒にいないナツ達もどうしてか分かった。
おそらく、カナメを傷つけたくないという気持ちからの行動であろう。

カ「もう!ユウキのバカ!そう言うのはナシだって決めたじゃない!!」
ユ「・・すまん。今回は少し強かったし、カナメに怪我させるのもどうかと思って・・」
カ「あんたって人は・・・」
ル「ま、まあ、怪我もすぐに治ったしいいじゃない。ね?」
ナ「ユウキ、今度喧嘩する時は呼べよ!」
ユ「了解。」

・・と、言った感じで今日は終わった。
この後、さらなる悲劇がこの二人を襲うのは、まだ誰も知らない。

Re: FAIRYTAIL【トリップ】 二人の少女 ( No.9 )
日時: 2012/12/19 22:42
名前: 鳳凰 (ID: ia9Umcvq)

第7話

≪カナメ目線≫

ユ「・・要。」
カ「なに?優姫。」

今いる所は二人の家。
二人だけの時や、家にいる間は〝本当の名〟で呼ぶ事にしていた。

ユ「この世界、どう思う?」
カ「ん〜?アニメとかで見てるよりも仲間を大切にしてるって感じ?なんか家族みたい。」
ユ「そうじゃなくて。記憶や魔力の事だ。」
カ「回りくどいな〜、何が言いたいの?」
ユ「俺達は本来、この世界にはいない人間だ。なのに、この世界で育ったという記憶や、魔力がある。まるで、俺達が元々こちらの世界の人間であったかのように。」

確かに変だった。
普通にトリップしたのなら、記憶も魔力もあるはずがない。
その世界に体が合わせたとしたら、魔力だけがあると考えるのが妥当だ。
ユウキと私には通常ならあるはずのない物がある。

カ「きっと神様がそれじゃ不便だからってくれたのよ。」
ユ「・・・・」
カ「もう、難しく考えないの!来ちゃった物は仕方ないんだから、思いっきり楽しめばいいのよ!そうすれば、難しい事でも少しは楽になれるでしょ?」
ユ「ったく、人が一生懸命考えてるって言うのに・・!!」
カ「優姫?」
ユ「血の匂い・・」

ダンッ!!

カ「ちょ!優姫!?」

急に家を飛び出して行った優姫の後を追いかけると、近くの大木の前に肩膝をついて治癒魔法をかけていた。
大木の幹には、全身傷だらけのロメオがよりかかってた。

≪全体目線≫

カ「ロメオ君!?」
ユ「カナメ!カバン持ってきてくれ!ギルドに運ぶぞ!!」
カ「う、うん!」
ユ「しっかりしろ、ロメオ!」
ロ「・・ユウキ姉・・俺・・」
ユ「喋んな、すぐギルドに連れてってやるから。」

そう言うのが早いか、いつの間にかギルドの前に来ていた。
カナメが先に連絡を入れてくれたおかげで、すぐウェンディが治癒に当たってくれた。

エ「一体何があったんだ?」
カ「分かんない。急にユウキが血の匂いがするって言って駆けだして、そしたら、木のそばでロメオ君が倒れてた。」
ユ「すまない、俺のせいだ。俺がもっと早く気付いていれば・・」
ル「ユウキのせいじゃないわ。自分を責めないで。」
ナ「何処の誰だか知らねえが、ぜってー許さねえ!!俺達の仲間を傷つけた事後悔させてやる!!」

ナツは拳を握りしめ、眉間にしわを寄せながら言った。
それは〝仲間〟というより、〝弟〟を傷つけられて怒っている〝兄〟のようだった。
もしも、仲間の命と世界を天秤に掛けるとしたら、迷わず仲間の命をとるだろう。
フェアリーテイルとはそう言うギルドなのだ。

マ「今夜はもう遅い、ロメオに事情を聞くのは明日にしよう。ユウキ、己を責めるでないぞ。」


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