二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- リリなの衛宮士郎に憧れたもの改
- 日時: 2013/03/21 11:12
- 名前: れ、れ、れ、霊 ◆3gSCMfYtlY (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/regist.cgi
この物語は
駄文
主人公チート
キャラの言葉づかいが変わるかも(原作キャラも)
更新は遅い可能性大
原作を知らないと分かりにくいかも
デバイス、魔法、原作知識勉強中
能力が時々変わるかもかも
でお送りします。
ぜひとも温かい目で見守ってください。
感想は、あったほうが嬉しいです。
キャラ設定
主人公
衛上 雪地
魔力ランクD(faterの世界の魔力だから感じないが、本当だったらEXある。しかし、投影した物の魔力は感じる。)
性格
衛宮士郎を目指した少年。困っている人がいたら必ず助ける。生きている者を物みたいに扱う奴がいるとキレル。”自分の事はいい、他人さえ幸せになれば”をモットーにしており、人のためなら自分はどうなってもいいと思っている。
特技
大抵の事は何でもできる。
神の特典
『英霊エミヤの容姿と能力』そのまんまだが、
外套は赤ではなく青。右目は、髪で隠れてしまっている。
剣の他にも様々な物が投影出来る(士郎が神に頼んでやってくれた)
『ディーグレイマンのアレンに変身する能力』イノセンスは右手にある。(目の能力はもとから眼には特殊な力があるので使うときになると△の中に▼の禍々しい感じの目になる。)
この二つの特典はチェンジと唱えるか、己の意思で切り替えられる。
カードの能力と、目の能力はどちらでも使える。
目の能力は、基本右目だけで使うが両目でも使うことが出来る。
『歌姫の力』
シャイニングブレイドの歌姫の力。回復してくれなどと念じて歌えば、その効果が表れる。歌詞は関係ない。
『封印のカード』
どんなものでも封印出来るカード。見た目は、普通のトランプより少し大きいカードで表は白紙(封印してある物が表に写る)、裏は☆と真中に◆が書かれている。
使い方は、カードを投げて結界を作ったり、カードの中に物を封じ込めたりして持ち運ぶことが出来る。封印を解く方法は、自分の意思で念じると解けるが、ある条件を付けてその条件が達成できれば解けたりもする。カードは無限に作ることができるが、作るには負担がかかる。作るカードは元から何か封じ込めてあるカードも出せる。例えば、カリバーン、炎など出せ操れる。カード自体にも効果を付けることが出来る。
ある日、パソコンで見た衛宮士郎の生き方に惹かれ自分も人助けをしようと心に決める。雪地は中学生の時、いじめから人を助けてそのせいで自分がターゲットとなり、引きこもりをしていた。だが、またほかのところで人を助けようと考えていたのだが小さい女の子が指名手配中の男に殺されそうになったところをかばって自分が死んだ。しかし後悔はなく、逆に満足している。あの世の狭間では、神様の力で士郎とセイバーにあって話をして楽しいひと時を過ごした。あと士郎が神様にお願いをして、雪地の能力が強化された。
幼少期編
>>1
>>2
>>3
>>4
>>6
>>8(オリキャラステータス)
>>9
>>10
>>11(裏設定)
>>12
>>13
>>14
少年期
>>15
>>16
>>17
>>18
>>19(キャラ設定)
>>20
>>21
>>22
>>23
>>24
>>25
>>26
>>27
>>28
>>29
>>30
>>31
>>32
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.32 )
- 日時: 2013/03/16 12:35
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http//www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 雪
あ〜もう、面倒くさいな。
俺は先程まで付けていた団服を脱ぎ、先程雪が着ていた服を脱いでいる。
真っ黒な服は夜の町にすっかりと溶け込んでおり、行く道すれ違う人にはもはや気付かれない時もあるぐらいだ。
ちなみに俺は…完全に雪地と同化した。
アイツの今までの戦闘経験値?見たいなのが俺の中に入ってきてる。
まだ少し……変な感じがする。
「まぁいい、それよりも確かこの辺だった気がすんだけど。…お、あった、た」
俺は今、神が用意してくれたと言われる家を探していた。
「へぇ、結構いい家だな」
目の前にあるのは、コンクリートの仕切りで囲まれた、昭和時代風の家だった。
「丁度いいくらいの大きさだし…とりあえず、入ってみるか」
やや草が生い茂っている家の敷地を踏みしめながら、引き戸式のドアを開く。
すると、違和感に気付いた。
「…解析・開始」
そのまま引き戸のドアを握りしめ、解析を始める。
一見普通の家の構造だが、何処か魔術的な物を感じる。
少し先には階段、さらにその先には洗面台と風呂場。
ここまではいい、だが…。
「天井、か」
ゆっくりと天井を見上げると、そこにはサークル型の光が滲み出ていた。
「…この先に、大きな魔力の塊達を感じる」
サークルの中は何所かに繋がっているようだ、その先に何かがいる。
数でいえば…ダメだ、今の俺じゃこれが限界か。
分かった事を言えば、魔力の塊は人型であること。
数は三人以上、個々の実力もかなり高い。
「…本気で行くか」
様子を見に行くだけだが、いつ襲われてもおかしくはない。
あれらすべてを相手にすることは、今の俺には出来ない。
俺は弓矢に変身する。
視点 弓矢
「さて…精々死なない様にはするか」
天井まで飛び、そのままサークルの間を突っ切る。
…辺りは白い空間になり、私はナニカに引っ張られるように下へと落ちて行った。
下に落ちるにつれて感じる魔力はどんどん高くなっていく。
…人間ではないのか?いや、恐らく“あいつら”と同じ魔力生命体か?
どちらにせよ、人間でないなら…殺していいのか。
などと思いながらやがて足場がつく場所になった。
「出来れば荒野を期待したのだが…まさか、ただの広いだけの丘とはな」
自分を中心とし、半径1キロはあるのではと思うぐらいの広さだった。
「…投影・開始」
ふと、自分の背後から何かが飛んできたのを感じると、反射的に干将・莫耶を投影し右手の干将で弾く。
弾いたものは綺麗な弧を描きながら、私の眼の前に突き刺さった。
それは西洋の剣の形をしており、刀身は黒く染まりきっていた。
…私は、この剣を、知っている。
「………オリーウスの剣、だと?」
この剣は『勇者殺しのアースムンドのサガ』に出ていた剣。
『勇者殺しのアースムンド』とは、アイスランドに伝わる伝説の物語の事である。鍛えた刀身はかつて、殺された者達の怨念が詰まっているという妖刀の様なもの…いや、それはいいだろう。
問題なのは…なぜ、この場にあるのかという事だ。
「ほう、我の攻撃を弾くか…流石は“贋作者”(フェイカ—)と言ったところか」
…目の前から金色の鎧が目立つ、中々に整っている顔立ちの“王”と呼ぶにふさわしい傲慢な声色の男が近づいてきた。
「…相も変らず慢心な態度だな、英雄王?」
目の前に居る男は…この世のすべて財を手にした男、英雄王。
私が(アーチャー)いた世界に登場する、“イレギュラー”として第五時聖杯戦争に参加した最強と謳われたサーヴァント。
「はっ、この俺が慢心だと?当り前だ!慢心こそ王である証よ!!」
だが、私に英雄王の話は耳に入ってきていない。
それよりも、重要な事を考えていた。
———なぜ、ここに英雄王がいる?
———ここは、何所だ?
———なぜ、私の住処と此処が繋がっている?
———他に、英雄王の他にサーヴァントはいるのか?
疑問を上げればきりがない。だが、最後の疑問は分かっている。
他のサーヴァントは居るのであろう。
此処に来るまでの過程で複数の魔力の塊を感知したのだ、他のサーヴァントがいる可能性は高い。
「おい!聞いているのか我の話を!!!」
ビシッ!と、効果音が付きそうな勢いで私に指を指し、叫ぶ。
その事もあってやっとギルガメッシュの方に意識が行く。
「…なんだ、英雄王。居たのか?」
「先程まで話していた相手に何を言う!?」
「話などしていない、挨拶をしただけだろう?」
「だったら尚更気付くであろう!!」
………英雄王はこんな性格だったか?
まぁ、いい。
そんなことより、早く一つでも多くの疑問を明かさねばならない。
「英雄王、ここは何所だ?」
「?…何を言っている。ここは固有結界の中だ」
「…一体、誰が作り出した」
「貴様……何を言っている?あの憎らしいマスターではないか!?」
「?憎らしいマスター、だと?」
「…そうか、貴様は」
ギルガメッシュは何かを思い出したようにつぶやくと、にやりと不敵に笑い俺にあることを提案した。
「そうだな、これ以上何の利益も得ずに話すのは王である我に失礼であろう」
「…何が目的だ?」
「久々に我と手合わせをしろ………!」
後ろからは“王の財宝”(ゲートオブバビロン)を出しており、YESしか言わせない威圧感を出している。
「はぁ、いいだろう。その代わり、後で洗いざらい吐いて貰うとしよう」
「そうだ、それでこそ貴様だ。行くぞ贋作者!!」
「来い…英雄王……!!」
視点 弓矢OUT
すいません!!超超超駄文です!!!更新も遅くてすいません!
あと、出来ればどなたか感想をください。
お願いします!!
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.33 )
- 日時: 2013/03/22 18:04
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http//www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 第三者
キィンッ!!キィンッ!!キィンッ!!ガキンッ!!
金属同士がぶつかり合い、金属音がこの空間全体に広がっている。
それは止む事を知らず、すでに数十分の時が流れている。
さて、あれから弓矢とギルガメッシュの戦いだが……ギルガメッシュが劣勢だった。
「(この我が、押されているだと……!?)」
そう、先程も言ったが現時点でギルガメッシュが弓矢に後れを取っているのだ。
“王の財宝”をいくら使おうとも、目の前の弓矢は干将・莫耶を使い、全て弾き返している。
「くそ!?」
劣勢と言ったが、はたから見れば互角にも見えるこの勝負。
しかし、明らかに違いがあった。
ギルガメッシュは王の財宝という圧倒的な手数を見せても、弓矢はそれを立った一対の剣で対応しているのだ。
だが時々弾き切れず、外套にかすりはするもののまだ、一切のダメージを与えられていない。
「どうした!?英雄王!!その程度かァァァァァ!!!」
「!?チィッ!!!」
弓矢は王の財宝の射出が弱くなった瞬間、ギルガメッシュの懐に入り込む。
「!?天の鎖!!!」
慌ててギルガメッシュは王の財宝から天の鎖を呼び出し、四肢の自由を封じる。
「クッ!」
流石の弓矢もここで止まってしまい、完全な隙を見せてしまう。
「終わりだ、“天地乖離す開闢の星”!!」
ギルガメッシュはこれを最大の好機と見て乖離剣を取り出し、己の最大の一撃を繰り出す。
最初は少し遊んでやるか…と、言う具合に戦っていたギルガメッシュだが、最初から圧倒的な強さを持つ者相手に“勝負”では無く、“死合い”となってしまった。
理由は——“恐怖”
誰にでもある本能というのか、又は王であるが故に己の身に対する危機感が働いたと言うのか…つまりは、目の前の脅威を消し去りたいと思っているのだ。
勿論、ギルガメッシュにはその様な経験が一度もないので、混乱してしまったのが大本の理由であるのには間違いない。
さて、EXランクの一撃が目の前に迫ってきているのに対し、弓矢はどうするか。
「——熾天覆う七つの円環・嵐!! (ロー・アイアス・ストーム!!)」
ブワァッ!!と自分の視界を覆い尽くすほどの鮮やかな薄紫の花が展開される。
それは一つの花から二つの花へ、二つの花から三つの花へと増殖していく。
そしてギルガメッシュの渾身の一撃が、投擲武器に対して最強の盾へ激突する。
「オォォォァァァァァァ!!!!!!!」
最初はアイアスの増殖スピードより上回っていた一撃だが、弓矢の絶叫とも言える叫びに沿ってアイアスの増殖率がギルガメッシュの一撃を上回る。
やがて渾身の一撃は衰え始め、最後には虚空へと消えてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
目の前の出来事が信じられないのか、ギルガメッシュは行動を停止してしまい、弓矢は久しぶりに大量の魔力を使って息を切らしながらも、天の鎖を引きちぎろうとする。
天の鎖は相手の神性が高ければ高いほど拘束力、耐久力が強まる。
しかし、何の神性も持たない弓矢にとっては多少頑丈な鎖でしかないので、すぐに千切れてしまった。
鎖をちぎった時に前かがみになった姿勢に体重を乗せ、一気に加速する。
「なぬッ!?」
右手を前に突き出し、逆に左手は後ろに突き出す。
「——投影・開始」
そして、両手に先程自分がやられたものをやりかえした。
「——天の鎖!!」
「ばかな……!?これは、俺の」
そう、弓矢は自分を拘束した天の鎖を投影し、ギルガメッシュノ四肢をがんじがらめにした。
「さて———覚悟はいいか?もっとも、よくなかろうが止めを刺すが」
そして、弓矢は手合わせと言う事を忘れていないので、思いっっっっっきり殴るだけで済まそうと(タダでは済まない)ボキボキと腕を鳴らす。
その後ろには何やら阿修羅の様な物が見えたとか見えないとか……。
慌ててギルガメッシュは時間を稼ごうと質問をする。
「ちょ、ちょっと、待てい!!なぜ貴様が天の鎖を使える!!?貴様の能力は、一度視認した“剣”の本質、構成を理解し、複製するはずだ!!何故“剣”以外の物を複製できる!!」
「……こちらも何故それを知っているのか…と、質問したiのだが、いいだろう。答えてやる」
確かにギルガメシュの疑問はもっともだった。
ギルガメッシュが言った通り『無限の剣製』は(以下略)だが、弓矢は『進化する力』のおかげで『無限の剣製』改め『無限の戦域』と言い換えられるレベルになっている(変えないけど)。
「私の能力はとある影響でな、剣の複製、貯蔵は勿論の事。一度視認した“武器”もそのカテゴリーに入っているのだ」
「なっ!!何故その様な事g「機密事項とでも言っておこう」…」
ギルガメッシュはそれっきり口を開かず、ただ顔を伏せているだけだった。
「…おっと、それでは洗いざらい吐いて貰おうか?」
殴る気を失せた弓矢は天の鎖を解除する。支える物が無くなり倒れそうなギルガメッシュを支え、大事ないか、と声を掛ける。
「…あれから何処へ行っていた」
「…どういう事だ?」
「惚けるな!!今まで忘れていたが、我は思い出したぞ!!!」
弓矢からは疑問符しか浮かばない。
だが、一つの可能性が頭に浮かんだ。
——ギルガメッシュは、私をアーチャーと勘違いしている。
まさか、ここに居たアーチャーは何か事を起こしたのか。
確かに弓矢はアーチャー(第五時聖杯戦争の)と酷似している。
訂正をしなかった弓矢が悪いのであろう。
ギルガメッシュは弓矢をアーチャーと思い続けながら、言葉を紡ぐ。
「貴様は…自分の命と引き換えに、我以外のサーヴァントを契約から解除したのだぞ!!」
「…何だと?」
視点 第三者OUT
中途半端ですいません。続きに切羽詰まってしまって。
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.34 )
- 日時: 2013/03/29 11:31
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 弓矢
どういう事だ?
ギルガメッシュが言っている事は嘘には見えなかった。
ギルガメッシュは此処に元々居たアーチャー(衛宮)が、自分の命を犠牲にし、此処に居た他のサーヴァントを忌々しいサーヴァントから解放したと言った。
…明らかにおかしい、ギルガメッシュの発言には矛盾が生じている。
他のサーヴァントを契約から解除した?
なら、なぜあの時にほかのサーヴァントの魔力を感じた。
「英雄王、洗いざらい吐け」
「…なんだ」
「一つ、なぜお前だけは契約を解除されなかった?」
「……あのマスターは、貴様の代わりに“六人”のサーヴァントを解放すると言った。だから、王である我が残るのは必然であろう?下々の者たちを護るのも王の務めだ」
…なるほど、それなら合点がいく。
つまりギルガメッシュはここに残ると率先して買って出たというわけか。
…本当にギルガメッシュか?こいつ。随分と周りに気遣いがいっているが…もはや慢心王の欠片もない。
まだ少々の疑問が残るが、先にこちらの情報も渡しておこう。
「英雄王……言っておくが、お前は騙されている」
「! 何を言うかと思ったら、とんだ戯言だな」
「…本当に、セイバー達が解放されたと思っているのか?」
「…詳しく話せ」
私は今までの自分がしている情報を伝える。
私がアーチャーではないという事を。
他の魔力の塊を感じた事…つまり、他のサーヴァントの存在を確認した。
そして、セイバーと戦闘をした事を。
その事を伝えると、ギルガメッシュはわなわなと震えだした。
それは、何かを必死に耐えている様だった。
それに該当するものは『怒り』。
「我は…騙されていたと言うのか…ッ!ふざけるなァァァァァ!!!」
ギルガメッシュが感情を吐き出すその姿は、まるで、昔の自分の様だった。
『力があれば…救えるはずではないのか?力で足らぬなら……私の命なぞくれてやる!!』
力を貰ったからと言って慢心したことはなかった。
傲慢になったこともなかった。
全ては救済の為。
いかに己の力が強力であろうとも、それはあくまでも自己の防衛程度。
手の届く範囲も守れない小さな力。
……物思いに耽る(ふける)暇はない。
自分の愚行(過去)を頭から消し去り、未だ肩を震わすギルガメッシュに話しかける。
「英雄王、こんなところに長居は無用だ。出るぞ」
「…この空間は、我の最高の一撃でも崩壊せぬ」
「何をバカなことを、貴様の“天地乖離す開闢の星”は空間をも切断できるのであろう?」
「…切断、と言うより、ほんの数ミリの罅も入れられぬ」
「は?」
思わず呆けてしまう。
まぁ、もっとも出来ていたなら初めからやっているか。
「…仕方がない、か」
このままでは、ギルガメッシュのプライドが木っ端微塵になる。
先程も言ったが仕方がないので——壊してしまおう。
「……少し距離を取れ」
ギルガメッシュは言われたとおりに距離を取り、私は軽く魔力回路の開閉をする。
すぐにでも効果は表れた。
魔力回路が、服の上からでも分かるくらいに点滅している。
それが段々と点滅速度を上げて行き、遂には点滅をやめ、青く光ったままだ。
もういいだろうと思い、“封印のカード”からある本を取りだす。
「“世界の記憶の本”(ワールドメモリーブック)」
本は意思があるように空中に漂い、必要な情報を開示していく。
「——憑依経験——工程完了——全投影待機——全投影強化」
「ば、バカな…ッ」
ギルガメッシュは目の前の光景が信じられない様に声を漏らす。
それもそのはず——私は、全ての宝具を投影しているのだから。
だが、それだけならば驚かない。
弓矢が投影している宝具は——後々世に伝わるであろう、未来の宝具である。
ギルガメッシュは宝具の元となった原典を全て所有している。
つまり、この世の全ての武器を持っているのだ。
その自分が見た事もない武器を見れば驚くのは当り前であろう。
「——真名解放——停止解凍——“世界の終焉を実現させる物”」
ゴワァァァァァァァァァ!!と、数多の兵士たちの雄叫びを錯覚させる轟音を発しながら、目の前にある空間を砕いて行く。
何もなかった空間には亀裂が入り、ビキッ!と中々に良い音をたて穴が開いた。
「…ふぅ、こんなものか」
まだまだ残っている宝具を破棄し、“世界の記録の本”もカードに戻す。
後ろを振り向けば顎が外れそうなほどに口を開いてるギルガメッシュが居た。
「さて、他の奴らを救いに行くぞ?」
視点 弓矢OUT
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.35 )
- 日時: 2013/04/06 14:50
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http//www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 ギルガメッシュ
ば、馬鹿な…我は夢でも見ているのか?
我は眼を背けたくなるほどの圧倒的な力に見入っていた。
いくら我が破壊しようと奮闘しようが、無慈悲にも壊れなかった次元の壁が…薄い紙に鉛の銃弾を撃ち込まれたように、大きな穴が開いている。
そもそも奴の武器(宝具)自体が異常だったのだ。
この世の全ての武器を所持している俺は無論、この世全ての武器を知っていると同意義。
だが、奴の武器に、俺が認識した事のある武器はなかった。
…つまりだ、奴の武器は“この世”の物ではない。
先程から“奴”と言っているが、奴とは『アーチャー』のことだ。
しかし、我が知る『アーチャー』ではなく、奴曰く『別次元のアーチャー』
と言っておった。
当初は少々疑っていたが、この実力を見れば、別の次元のアーチャーであると納得できる。
圧倒的な力を見せつけたのは、目の前に居る青い外套をなびかせ、不敵にこちらを笑っている。
「さて、奴らを救いに行くぞ?」
そういいながら、次元の穴の縁に手を掛け、穴の中に身を乗り出す。
…は?
「いやいや待て、何処に向かうと言うのだ?」
「? …無論、他のサーヴァントの救出に他ならないだろう」
当然だろ?と、首をかしげながら言ってきた。
「先程の宝具でお前の魔力は殆どないだろ!いったんここは体勢を立て直し…」
「必要無い。…それに、もう時間がなさそうだが?」
我の助言を一言で切り捨て、我の後ろの遥か遠くを見つめる。
「何を言って…!?」
最初はどうしたことかと思ったが、背後から禍々しいオーラを感じた。
「…来たか」
視点 ギルガメッシュOUT
視点 弓矢
「…来たか」
予想はしていたが、かなり早い。
「…あれは……何だ?」
「さてな、“ナニカ”であろう」
ギルガメッシュも予想していなかった事態に呆然としている。
ギルガメッシュの遥か後方には…真っ黒い“ナニカ”が在った。
その“ナニカ”は徐々に成長していき、この空間を侵食している。
「…おい、アレは」
「! 急げ!!手遅れになりたいのか!!?」
未だに呆然と立ちすくんでいるギルガメッシュを次元の穴に放り込み、私も後を追う。
中の空間は先程と変わらず、相も変らず広い丘が真下にあった。
しかし周りを見渡してみれば生い茂っている木々や、隣接するように流れる川があった。
その川辺の付近に、強力な魔力の塊が感知できた。
「…居たか」
「おい!何とかしろォォォォォォォォオオオオオオ!!」
他のサーヴァントの存在を感知した後、英雄王が叫び声を上げる。
放り込んだ際にバランスが崩れたと思ったが、立て直したようだ。
だが、英雄王に空を飛ぶすべはない。
…はぁ、仕方がないか。
「——投影・開始」
“天の鎖”をもう一度投影し、胴体に巻きつけ、近くに引き寄せる。
「英雄王、すまないが下手に動くな!!!」
バランスが崩れないよう、そのまま宙吊りの体勢を維持させ、もう一度ある物を投影する。
「——投影・開始。“イカロスの翼”」
背中から二の腕にかけて、黒に染まった一際大きな翼を投影する。
一度大きく翼を動かし、高度を上げ、そのまま急降下する。
「ま、待て!!このままでは、地面に衝突するぞ!!!」
確かに、速度を上げるために急降下していたが、体から空気の摩擦により、火が体を包んでいく。
本来であればこのまま相手に追突し、大ダメージを与えるのだが今は移動手段として用いている。
故に真名解放をしていないので、真名を解放すれば体を守るためのコーティングがされるのだが、今は使用していない。
「構うな!そんな事より、サーヴァントを見つけたら英雄王、お前の宝具で釣り上げていけ!!」
「!? ええい!!任せておけ!!!」
英雄王も事の深刻さを理解しているので、俺の意図にも気付いたみたいだ。
今は説明している時間がない…!
目測だが高度約三百メートル程度の場所から一気に二十メートルあたりまで下げ、水平に飛行していく。
丘の位置からやがて川辺に近づいて行き、川辺の上に移動する。
「…見つけた。英雄王!!」
「分かっている!!」
私の呼び掛けに応じるように、少し先の人影に向かって“王の財宝”から天の鎖を飛ばす。
人影はすぐに反応できなかったのか、抵抗する間もなく鎖に絡まれた。
「ハハハハ!!大量大量大量!!!」
自分の手柄を誇示するかのように叫ぶ英雄王。
…やはり、英雄王はパラレルワールドから来た可能性が高いな。
ここまで私の知っているものと違うと…もはや確定だな。
そんな思考を続ける間もなく、急に増えた重量に体勢が崩れそうになる。
どうやら人影が釣り上げたようだ。
「ちょ、何なのよ!?」
甲高い女性特有の声を耳に響かせながら、視線を下に向ける。
眼に映ったのは紫色の法衣を纏い、手足をジタバタと動かしながら必死に抵抗する——キャスターが居た。
「まずは、一人」
視点 弓矢OUT
…更新遅れてすいません!!どうか、見捨てないでください。
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.36 )
- 日時: 2013/04/16 20:39
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http//www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 弓矢
「いいから、放しなさいよ!!」
体の胴体を天の鎖でがんじがらめに縛られてなお、無駄な抵抗を続ける、心身ともにまっ紫なキャスター。
このままではバランスが崩れてしまう危険があるので、注意を呼び掛ける。
「無駄な抵抗はよせ!!下手に暴れるな!?落ちて死肉を烏共の餌になりたいのか!!?」
少々皮肉気味に言ってやったが、今の状況を理解したのかすぐに大人しくなった。
「…後でおぼえておきなさい……」
……恨み事を言われた様な気がするが、この速度の中で聞こえることはありえない。
故に、ただの空耳であろう。きっとそうであるに違いない。
自分に言い聞かせ、先程から震える体を止めよう努力する。
「贋作者!!次はどうする気だ!?」
ギルガメッシュは脂汗を額に滲ませながら、これからの事を聞く。
…決まっているだろ?
「キャスターが別の次元に存在していた!!他の奴らも居るはずだ!!!」
「貴様、このまま行く気か!?」
「愚問だな、行くに決まっているだろう!!」
先程の速度を維持したまま、川の上を流れている木の葉を追いこし目の前六百m先の空間を見据える。
「…“底無しの暗黒眼”(オーバアイブラッカー)」
刹那、六百m先の空間が、闇色に染まる。
「な、贋作者!!先にあの“ナニカ”が…」
「落ち着け!俺の能力だ!!“ナニカ”はまだ後ろだ!!!」
ギルガメシュは慌てて後ろを振り返ると、軽く息を吐き、安堵の表情を見せた。
だが俺は、使い慣れていない能力の眼を操るのに意識がいっている。
能力が多いという事は多様性が上がると言う事だが、熟練度は上がりにくい。
「…イメージしろ、目の前の全てを葬り去る瞬間を……明確に、的確に」
やはり、飛行の操作と眼の操作の両方はなかなかやりにくい。
いけるか?否、“逝く”に決まっている。
この場で最適な方法を考える。——かなりいい案が浮かぶ。
「…封印のカード発動」
「な、なんだ!?」
「ちょ、何よこれ!?」
眩い光がギルガメッシュ達の体を包む。
…刹那、ギルガメッシュ達を釣り上げていた天の鎖という痕跡を残し、消えていた。
「…封印のカード解除」
そして、コッソリと握っていたカードの柄には。
——己の力を誇示するかのように数え切れない数の武具を背後に見せるギルガメッシュと
——禍々しい色を放っている短剣で顔を覆うように持っているキャスター
の、絵が描かれていた。
「退避成功、の様だな」
視点 弓矢OUT
…すいません。駄文アンドブランクです。
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