二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 夏の夜空
- 日時: 2012/09/24 23:30
- 名前: 結衣 (ID: qiixeAEj)
7月7日 七夕。
ここは、天文学部。
15人の部員で成り立っている。
部員の男子の一人翔くんが突然立ち上がって言った。
「今夜星を見に行こう!」
「たまには、良いこと言うんだね」
「よし!じゃっ、みんなで行くか!」
何て言って、みんなして笑った!
「じゃっ、夜の8時に裏山集合!」
「りよーかい!」
そう言って私達は、家に帰宅した。
夜。
「よし!みんないるか?」
「いるよー」
「じゃっ、行くか!」
私達は、裏山を登って行った。
私達は、明かりも無い道を、バカみたいにはしゃいで歩いた。
「お前ら、そんなはしゃいで落ちるなよ!」
笑いながら、翔くんが言った。
「あと少しで頂上だぞー」
その言葉を聞いた私達は、走って頂上を目指した。
たどり着いた頂上の夜空は星が降るようだった。
私は、「キレイ!」と呟いた。
隣にいた翔くんが言った。
「ああ、キレイだな!」
みんなは、地面に座って話していた。
翔くんが「わかるか?」と言って私に星座とか教えてくれた。
「あれが、デネブ、アルタイル、ベガでそれをつなげると夏の大三角になるんだ!」
「へぇー。本当だ!三角だ!」
「だろ!で、あれが織姫さまだ。」
「そーなんだ。」
私は、空を眺めていた。
あれが織姫さまなら、あれは、天の川か!
そーいえば、彦星さまはどこ?
私は、翔くんに聞こうと思って隣を向くと。
翔くんと茉莉菜ちゃんが楽しそうに話していた。
茉莉菜ちゃんは、翔くんの事が好きで、翔くんも茉莉菜ちゃんの事が好きらしい。
両思いなのは、友達として嬉しい事なのに。
だけど胸を刺す痛みは増してく。
ああ、そうか。
好きになるってこういう事なんだね。
「よし!じゃっ、みんな帰るぞ!」
「はーい!」
みんなは、山を下って行った。
私は、一人で星を眺めていた。
「おーい。どうした?帰るぞ!」と翔くんが言って私の手を引いて山を下って行った。
私は、思った。
何で、そんなに優しくするの?
何で、私の手を引いてるの?
何で、私にかまうの?
そんなに優しくすると、私勘違いしちゃうよ。
そう思っていると、山を下り終わったのと同時に涙が出てきた。
『だめだよ。泣かないで』と私の心がそう言っているのに、私の目からは涙が溢れてきた。
「えっ!どうしたの?俺何かしちゃった?」
「ううん。違うの。ごめん。」
「大丈夫か?さっ、帰るぞ。みんな先に帰ったみたいだし。家まで送るよ。チャリだけど。後ろ乗れ。」
「うん。ありがとう。」
私は、翔くんの自転車に乗り、家まで送ってもらった。
次の日の学校で私は、茉莉菜ちゃんと話していた。
「あのさ、あたし翔くんに告白しようと思うんだけど」
私は、驚きが隠せなかった。
もちろん、ダメって言いたかったけど、私の口がかってに「いいと思うよ!」と言ってしまった。
「本当!?愛衣が言うんだから、大丈夫だよね♪」
茉莉菜ちゃんは、少し頬を染めて言った。
「じゃっ、放課後に言うから!」と言って茉莉菜ちゃんは、教室に戻って行った。
放課後。
今頃、茉莉菜ちゃんは、翔くんに告白してるのかな?
頭の中がずっとその事ばかりで授業がまったく入ってこなかった。
私は、それを考えながら家に帰って行った
その日の夜。
茉莉菜ちゃんからメールがあった。
その内容は、『告白大成功!全部愛衣のおかげだよ!ありがとう』と書いてあった。
私は、悲しすぎて、涙も出なかった。
私は、メールの返信をしなかった。
次の日。
学校に登校していてふと前を見たら、そこには茉莉菜ちゃんと翔くんの姿があった。
そっか、二人は恋人なんだ。
私の恋は儚く散ったんだ。
学校で、茉莉菜ちゃんが私の教室にやって来て、私を呼んだ。
「どうしたの?」
「えっ!」
「昨日、メール返信してくれなかったからさ。」
「いや、ごめん。その後すぐお風呂入っちゃったんだ」
「そっか。なら良かった。もしかしたら、愛衣も翔の事好きなのかもって思って、そしたら悪い事しちゃったなって思ってたんだ」
「ないない!全然大丈夫だよ!」
「そっか!あっ、授業始まる。じゃっ、部活でね」
放課後。
私は、先生に用事を頼まれたため部活に遅れてしまった。
急いで階段を降りてると私は、足を滑らせて階段から落ちてしまった。
私が、保険室のベッドにいると、血相かいた翔くんと茉莉菜ちゃんが入って来た。
「大丈夫か?坂本」
「愛衣、大丈夫?」
「二人ともありがとう。大丈夫だよ。ちょっと足をくじいただけだから」
「そっか!良かった」
「そんな足で今日帰れるのか?」
「うん。先生が後で親呼ぶって」
「何なら俺が家まで送るよ?俺、自転車だし」
「いや、いいよ。悪いし」
「翔。そーだよ。先生が親呼ぶって言ってるんだからさ」
「でも、もー部活終わりだし。ついでに送るよ」
「ちょっといいかしら?坂本さん、親御さん何だけど、繋がらなかったわ。どうしましょ?」
「先生、俺がこいつ送って行きます」
「そう?じゃぁ、頼んでいいかしら?」
「はい!」
なんやかんやで私は、翔くんに送ってもらうことになった。
最後に茉莉菜ちゃんが寂しそうな顔をしている気がしたけど、気のせいかな?
私は、翔くんに1つ質問した。
「翔くんは、誰にでも優しいの?」
「そんなことないよ。少なくとも家まで送ったり自転車に乗せたりしたことあるのは、坂本だけだけどな。」
私は、翔くんの制服を掴んで翔くんに聞こえないように言った。
「好き!」
「ん?何?」
「今日は、ありがとう!」
あっという間に家についた。
「本当にありがとね」
「いえいえ。足気を付けろよ」
「うん。バイバイ」
「じゃあな」
次の日の午後、茉莉菜ちゃんから電話がかかって来た。
電話に出ると、茉莉菜ちゃんは、泣いていた。
「愛衣・・・どうしよう・・翔が・・翔がぁ」
「落ち着いて、茉莉菜ちゃんどうしたの?」
「今日、翔とデートだったんだけど・・翔が待ち合わせ場所に来る途中で工事で使ってた鉄柱が空から降ってきて、翔がもろそれに生き埋めになったって・・死にそうだって」
「え・・・」
私は、驚きで言葉が出なかった。
気付かないうちに私は、電話を切って病院に向かって走っていた。
病院につき、翔くんの病室を聞いて走った。
そして、翔くんの病室の前に来ると足を止めた。
私何かが行っていいのか?
私の心の声が『どうしたい?』と問いかけてきた。
私は、「翔くんに会いたい」そして、ドアを開けて中に入った。
翔くんは、身体中包帯で、顔は、多分自分で守ったのだろう、身体より傷は無かった。
私は、翔くんを見た瞬間涙が溢れんばかり出てきた。
翔くんの病室には、茉莉菜ちゃんと家族の人がいた。
「・・愛衣・・」茉莉菜ちゃんが私を見て言った。
「・・・翔・・くん・・やだ・目を開けて・・」
私は、喉が裂けそうなくらい大きい声で言った。
「・・私・・まだ・翔・・に、言いたいこと・・があるの・・」
私は、泣きながら言った。
そして私は、「・・翔・・くん・・好き・・好き・・だよ」
私が、そう言うと私の頬に手が触れた。
「俺・・も・愛衣が・・好き・・だ・」
そう言って、翔くんは、天国に旅立った。
最初で最後に翔くんが「愛衣」と言ってくれた声は、今でも耳に焼きついている。
翔くんが天国に旅立って数年。
私達は、高校を卒業して、社会人になっていた。
今日私は、翔くんのお墓参りに来ている。
そして、七夕の日に登った裏山にも来ていた。
あの夏の日、きらめく星今でも思い出せるよ。
そして、翔くんと見た夏の大三角も・・・
翔くん。
笑った顔も、怒った顔もすべての翔くんが大好きだったよ。
ありがとう。
たくさんの愛をありがとう。
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- Re: 夏の夜空 ( No.1 )
- 日時: 2012/09/25 21:43
- 名前: 結衣 (ID: qiixeAEj)
どうも!
初めて小説を書きました!結衣と申します。
読んでくれた方々ありがとうございます!
これは、supercellさんの「君の知らない物語」がもとになっています。
機会があればまた、書こうと思っています!
次回も是非読んでください!
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