二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 東方Project百合(GL)短編小説@リク歓迎
- 日時: 2012/11/09 16:32
- 名前: みさきち (ID: r4kEfg7B)
どうもこんにちは、みさきちといいます。
この小説には女性同士の恋愛、いわゆる百合・GLと呼ばれるものが含まれております。
苦手な方はご注意を。
東方Projectの百合短編を書いていくつもりです。
リクエストは大歓迎です♪ジャンジャンどうぞ。
自己紹介
名前 みさきち
性別 ♀
東方が好きな学生。
贔屓にしているCPは、せいよし、ゆかれいむ、ゆかゆゆ、ゆゆみょん、幽メディ、えーてるなどなど。まあ基本なんでも好きです。
東方のほかにはヘタリアとか好きです。
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- Re: 東方Project百合(GL)短編小説@リク歓迎 ( No.1 )
- 日時: 2016/10/03 00:30
- 名前: 毛糸 (ID: 15pPKCWW)
よしせい(←)みこ
ふわりふわりと
彼女からはいつも桃の香りがしていました。
瑞々しい桃の香りが。
「?」
豊聡耳 神子は座敷に入るなり、首を傾げました。
外から帰ったばかりなのでつけたままのマントも不思議そうに揺れています。
「太子どうしました?」
座敷の前で佇んでいる自分の主に屠自古も不思議そうです。
「屠自古、私のいない間に誰か来ませんでしたか?」
「えと、うーん、お客ではないですけど青娥と芳香が茶を飲みに来ましたよ」
屠自古の答えを聞いて、なるほど、と言うように深く頷きました。
「用事があったんですか?」
「いえ、桃の香りがしたもので」
神子の答えを聞いて今度は屠自古が首を傾げました。
「桃の匂い、ですか?」
くんくんと空気を嗅いでいるようでしたが、分からなかったのかまた首を傾げました。
「あ、夕飯の支度の途中でした」
思い出した様に屠自古は台所へ戻っていきました。
ひょこひょこと窓の外から紫色の何かが見えました。近付くと紫色も気付いたのかにっこり笑いました。
「忘れ物を取りに来たんだー!」
紫色もとい宮古 芳香は言いました。
「忘れ物ですか?」
神子が聞き返すと芳香もブンブンと音がしそうなほど首を縦にふりました。
久々に青娥に会いたかったのに。等とう残念な気持ちをきれいに隠しているので(さとり妖怪でもない限り)わからないでしょう。
「そうだ!青娥のお気に入りの櫛だぞー!」
神子がざしきを見回すと机の足下に落ちていました。
神子は見るからに高そうな櫛を拾い上げ、芳香に渡しそうとすると拒むように大きな風が吹きました。外に居たため芳香の髪がぼさぼさになっています。
神子は不意に芳香から香った桃の香りに苦い顔をしています。
それは青娥と芳香がずっとよりも長い時間一緒にいたという証明に過ぎないからです。神子が眠っていた一万二千年も二人は一緒にいたのでしょう。
胸の奥の痛みに気付かないふりをして、差し出しました。
「はい、どうぞ」
そういって櫛を返すとき髪を直してあげなかったのは子供じみた嫉妬です。
「あ」
神子は思い出したように言って紙袋の中に入っていた更に小さい袋を芳香に渡しました。
中身は青娥が以前おいしいと絶賛していたお菓子です。予約をしていないと買えないお店で買ったものです。
「二人で食べてくださいね」
芳香は今日一番の笑顔で頷きました。
青娥の元へ帰った芳香を見送って何気なく下を見ると櫛が落ちていました。
きっとお菓子に夢中で忘れたのでしょう。
拾い上げると台所で夕食を作っている屠自古に声をかけました。
「少し、散歩に行ってきます。夕食までにはもどりますね」
そう言った神子の顔も今日一番と言って良いほどに嬉しそうでした。
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