二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.84 )
- 日時: 2010/03/17 19:01
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』
■━━…弐九
兄貴の部屋。
俺は高杉の前にあぐらを掻いて座り、兄貴は煙管を吸って紫色の煙を吐いていた。
俺は冷や汗を少し流しながら、落ち着かない様子で居た。
さっき兄貴に褒められて、気分も結構上々だった。けど。
『(兄貴にあの女を傷一つつけずに持って来いって言われてたの忘れてたァァァアアア!!! めっちゃつけちゃったよ! グッサリやっちゃったよ!!)』
という事についさっき気が付いて、落ち着いてなんか居られないんだ、どうしよう。
だって俺さ、あの女持ってきてもらいたいって兄貴に頼まれた時、
〝体目当て?〟って聞いたじゃん、あの後の答えが〝悪く言うな殺す〟って言ってきたんだよ!?(>>18 拾参参照)
肩グッサリ刺しちゃいましたなんて言ったら、俺の人生END!! ヤバい!!
どうする? 俺どうするよ!
もう頭も目もグルグル。緊張で気持ち悪くなってきた。
殺されるかな、俺。切腹がいいな、いやでももしかしたら打ち首獄門かも、うわァァァァァ!!!
「稜」
兄貴の事だからもっと重いかな、手足斬った後腹に刀刺して内臓かき混ぜたりとか…
「おい稜」
グロテスクだしサディステックだよォォ!! 想像しただけで吐ける自信がある!! 今もう吐ける!!
「稜!!!」
『うぇっ!! は、ハイ!! 何スか!!』
半分吐きそうになった。
兄貴がずっと俺の名前呼んでたの気付かなかったよ、ヤバいヤバい
焦ってまた子の口調が移ったよ。
兄貴は不機嫌そうな顔で俺を見ている。
仲間にできない目だよ。
「さっきも言ったように、しっかりあいつを連れてきてくれたのにゃァ感謝してるぜェ? 稜」
ククク、と不敵に笑う兄貴。
俺は『(また褒められた…)』と、内心嬉しかった。うん。
だけど。
「傷はつけてねェだろうなァ?」
『うッ!!!』
図星きたァァァァァアア!!
褒めるからの図星攻撃!! 兄貴は知ってる! 俺があの女ボロボロにして連れてきたの知ってる!!
何故分かったか? ニヤニヤしてるからさ!!!
どうしよう!! 正直に言うべきかな?
『え、えーと…、つ…』
「つ?」
『つ、つつ、つけ、ま、した……』
言った。この状況で遂に言ってしまった。殺される。
この時俺は死を覚悟した。
兄貴は、冷たい視線を俺に注ぎながら、俺の傍に歩み寄ってきた。
うひゃああああ打ち首獄門だああああ!!
「つけた、か…」
低い!! 声音が低いよ!!
サッと畳を鳴らして、兄貴は俺の目線ぐらいにしゃがんだ。
そんで。
「仕方ねェ、次の任務を成功させたら、今回の件は不問にしてやらァ」
って、半分怒り、半分優しい声でそう俺に言った。
『へ…?』と、俺は顔を上げる。
兄貴は、淡々とした口調で次のように述べた。
「不問にしてやるっつってんだよ。銀時の抹殺を成功させたらな」
一瞬俺は、兄貴が何を言っているのか、分からなくなった。
■━━……