二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 15話更新 ( No.25 )
日時: 2010/05/21 18:36
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

16話
   そろそろ本当にやばい事態が起きそうなこの世界




竜人は閉じていた目を開ける。こっちは現実世界。
あの後、村に戻った2人に村人は皆が驚いた。猛吹雪の中、雪山に行ってきたことも
そうだったが、二人の傷だらけで帰ってきたからだった。

暮羽は凍傷と衰弱で大変だったが、とくに問題はなかったそうだ。
一方竜人には一生に傷モノが残ってしまった。
右目は完全に失明していたのだ。深く抉られていたからどうしようもない。



だが、こっちの世界じゃそんな傷はない。ないのだが

—ズキン!ズキズキ—

右目がどうしようもないほど痛い。鏡を見ても傷跡もないし、ちゃんと見えている。

「何なんだよ、こりゃあ」

竜人はぶつくさ言いながらも身支度をすると下へと降りていく。

「おはよう、竜人。・・・どうしたの?顔色悪いわよ?」

竜人を見て心配そうな声をあげる綾、竜人は無理に笑顔を作り

「そうか、別に体調は悪くないんだけどな・・・気のせいじゃないか?」

『最近、各地区で未確認生物が目撃されています。それを見た目撃者は口を揃えて
「まるで、恐竜のような化け物だった」と言っております。

前回の不審な死体もそれらがやったのではと言う説も出てきています。
近隣の住人はくれぐれも厳重な注意をお願いします』

ニュースの言葉に耳を傾ける。

(恐竜のような化け物・・・やっぱり、こっちでもかなりパラレルワールドの衝突が影響してる)

「・・・いってきます」

「あ、待って竜人」

準備を終えて家を出ようとする竜人に綾が声をかける。

「これ、最近物騒だからお守り。あと、あなたの無事を祈って」

そう言って渡したのはミサンガのようなリングだ。竜人は大事そうにそれを握りしめる。

「いってきます」

勢いよく家を出た時には右目の痛みは消えていた。



〜学校〜

学校では最近の物騒な話でもちきりだった。

「なあ、見たことあるか?」

「いや、ねえ。お前は?」

「実はチラッとだけ見たんだ。やばいぞあれ。本当に化け物だ」

「ほら、もう静かにしろ。授業が始まるぞ」

先生の声で皆が自分の席に着く。その時

—ガラッ!—

教室のドアが開く。そして入ってきたのは見知らぬ男。
いや、それはあくまで客観的に言うとだ。その男を知っているものも2名ほどいる。

「な、刹那」

「ふぃ〜。やっと見つけたぞ、竜人、暮羽」

「誰だね君は。二人に何の関係があるか知らんが、今は授業中だ、出ていきなさい。
それ以前に不審者は即刻退場だ」

先生の言葉に刹那はそんなの知らんといった顔で

「お前こそ、どういうつもりだ。こんな所に子供たちを閉じ込めて。何様のつもりだ?」

「なに?」

刹那のまじっぷりに先生も言葉を失う。

「あのな、ここは学校だぞ。閉じ込めるなどと言う言い方は失礼だ」

「ん?ここがガッコウという所か。一定の教育目的に従い、教師が児童・生徒・学生に計画的・組織的に教育を施す所。
と、本で読んだことがあるが、なるほどな。それは失礼した。
それでは、ホウカゴというのが来るまで退場しよう」

刹那はそう言うと、何事もなかったように出ていった。

「お前たちの知り合いか?竜人、刹那」

それを見送るように視線を追っていた先生が尋ねた。

「・・・ただのうさんくさい、哲学者です」



〜放課後〜

「ったく、いきなり学校にやってくるなんて」

「ははは。済まないな。俺は学校という所はいったことがないんだ」

笑い顔で刹那が言う。その言葉に不思議そうな顔で暮羽が

「学校に行ったことないんですか?」

「ああ、正確には行く必要がなかった・・かな。俺はもう6歳の頃から研究所の一員として働いていたからな」

と、少し自身気に言う。

「うそくせえ」

「俺は嘘はつかない男だ」

まったく、この男はつかめない。竜人はそう思った。この男の言葉には不思議な力が宿っているような気がした。
自分の言ったことを相手に信じさせる力とでも言おうか。
こいつがそうだと言えば、そうなんだと簡単に受け入れてしまいそうになる。

「それで、学校に何の用だったんだ?」

「決まってるだろう?昨日の夢の報告だ」

刹那は自分たちが情報をもっていると確信しているような口振りでいう。
そこで、一応夢で見た幻を竜人が細かく話した。
それを刹那はうんうんと頷くだけでメモろうともしない。

「言ったこと、ちゃんと覚えてんのか?」

不安になり問うと、「大丈夫だ。一字一句記憶している」という。それで竜人もなんとなく納得してしまった。
全て話し終えた後、刹那は微笑しながら

「なつほどな、あの場に夢の中のお前がいたのか。摩訶不思議な出来事だな。
じゃ、お前は自分の姿を見て驚きあの場所にやってきたのか?」

冷静言われると何だか恥ずかしい。それは気のせいだろうと頭を振ると

「それと、思うんだがあっちとこっちではこっちの方が強く影響を受けてると思うんだが」

最近の妙な事件と、今日の自分の痛みを思い返して言った。

「ああ、そうだな。そろそろ限界は近いかもな。そろそろ
次の段階に移るか・・・」

「次の段階?」

「ああ、前に言ったな。お前たちのやってもらいたい3つのこと。
1つ目は調査。だから次に2つ目だ。そんでその2つ目ってのが・・・・」