二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様 -いつでもキミのすぐ側に オリキャラ募集- ( No.2 )
日時: 2010/03/10 13:55
名前: ?? (ID: 2nrfRM.C)

 
 【いつでもキミのすぐ側に】-序章-



キミに少しでも近づきたくて。
近づけるなら、少しくらいきつくてもかまわない。
特別になれるなら、傷ついてもかまわない。



「おっはよー」(葵)
「あ、葵部長! おはよーございます」(桃)
「よッス、桃」(葵)
「いいんスかー、女テニの部長がこんなところで遊んでて」(桃)
「へーき、へーき」(葵)

女テニ部長、日向葵。中学3年生。
そして、生徒会書記。

いつも、こうして朝練も放課後も、男テニに様子を見に来るのが日課のようなモノ。

「見つかったら、怒られますよ?」(桃)
「大丈夫だって。 まだ来てないでしょ?」(葵)
「え、イヤ・・・」(桃)

呑気にニコニコしている葵をよそに、急に目を背ける桃。

「どーかした? 桃」(葵)
「あ、葵部長、後ろ・・・」(桃)

桃は控えめに指を指した。

「へ? な、に「日向ッ!!」・・・あ(汗」(葵)

「出た・・・」(葵)

振り向くと後ろには、男テニ部長の手塚国光。
生徒会会長。

「何をやっている、日向。 部活に戻れ」(手塚)
「ハハ。 イヤ、ちょっとばかり偵察に・・・」(葵)
「・・・毎日、毎日・・・」(手塚)
「あーっと、じゃ、失礼しまーす」(葵)
「あ、葵部長!」(桃)

苦し紛れの葵の言い訳。
どんな言い訳であっても、手塚は容赦しない。 

「待て、日向」(手塚)
「はい?」(葵)
「今から部活に戻っても、2分35秒の遅刻だ」(手塚)
「細かいなァ・・・」(葵)

なんて、感心している場合じゃ無い。

「・・・グラウンド30周!! 今すぐだ」(手塚)

ほら、出た。

「はァ!? ちょっと待ってッ 何、30周って!」(葵)
「聞こえなかったか? 今すぐ走ってこい」(手塚)
「ちょ、昨日は10周で許してくれたじゃんッ」(葵)
「昨日は昨日だ。 行ってこい」(手塚)
「鬼ィ・・・」(葵)

女テニより男テニのほうが、権力が強いのが事実。
だから、今日も葵はグラウンドを走る。
これも、日課になってしまった。
いつもは10周で許されるところだが、今日は30周。
だけど、今日も彼と自分だけの会話。
テニス部部長の、私の特権。


「あ、また走らされてるよ。 葵」(菊丸)

菊丸が事態に気がつき、「お〜い」と呼びかける。

「本当だ。 手塚部長も容赦ないッスね」(桃)
「30周を朝練の時間以内に終わらせられなかったら、スーパー乾汁を用意してあるぞ」(乾)

「「ゲッ」」(葵&桃・菊丸)

「が、頑張れー 葵ッ」(菊丸)
「おー!! 絶対飲まないよッ 乾!」(葵)
「いい度胸だ」(乾)

葵のスピードが上がる。
だってほら、後ろでアナタが見てるから。


「毎朝がんばるね、葵。 ねェ手塚?」(不二)
「何度も何度も、遅刻するのは良くないからな」(手塚)
「じゃァ、どうして走らせるばかりで、部活に戻らせてあげないの?」(不二)

不適な笑みを浮かべ、尋問口調で手塚に問う不二。
手塚は眉ひとつ動かさない。

「手塚?」(不二)

だが、口も動かない。
そこには、少しだけほおを赤らめた手塚がいた。

「集合だ」(手塚)
「・・・」(不二)


葵、キミの恋はきっと叶う。


彼はこんなにも、キミのコトを見守ってるよ。


手塚の見つめる先は、いつも、キミの笑顔。







そのことに本人達が気がつくのは、もっともっともっともーっと先の話。