二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.233 )
日時: 2010/03/17 20:39
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: アリスハワタシノカガミ。ワタシハアリスノカガミ。


*+第百五十七話+*


「何で、輪廻が試合に出てるんだよ」

ボソッと相手は呟く。驚きながら。
「やぁ、裕太」
そう言って現れたのは、氷帝のジャージを着ている唖李栖。

「やぁ。じゃねーよ!! 何でりん」
裕太はそこで言葉を切った。
唖李栖が左右に首を振ったのだ。

「シー。だよ」
唖李栖は左手の人差し指を自分の口元に置く。
そして、片目を瞑れば、輪廻にそっくりで。
一瞬、裕太はドキッとしてしまった。

「駄目だよー?? 僕にドキドキしちゃ。輪廻に似てるからって」
クスッと悪魔のような微笑みで唖李栖は言う。
「なっ?!」
その発言に驚いたのは、裕太。

「それより、あそこに居るのは“暁野宮 輪廻”じゃないよ。“篠鞍 零”って子」
唖李栖はにこっと笑いながら言う。
「でも、アイツは」
裕太は言いそうになるのを躊躇った。
と言うか、その名前に突っ掛かりを覚えたのだ。

「そっかぁ。直ぐに分かっちゃうんだね。裕太は輪廻のコトよく見てるんだ」
唖李栖はニコニコ笑顔で言う。
「なっ?!」
裕太は少し赤くなった顔をしながら、唖李栖を見る。

「……ありす??」
裕太は唖李栖に呼びかけた。
すると、寂しそうだった表情が一瞬にして、笑顔になる。
「続き、だよね。輪廻は強くなるために、青学に行ったんだ。
 男装って言うのは、輪廻が言ったんだよ」
唖李栖はそこで区切ると、“零”を見る。



「……… 人ってさ、変われるものなんだね。凄く」
唖李栖は淋しそうに言う。




「僕は変われてないんだけどね。ずっと、あの日から同じ場所。
 だけど、輪廻はどんどん先に行っちゃうんだ。
 昔みたいに、手を差し伸べてくれない。僕がそれを望んでないから。
 でもさ、本当は、置いて行って欲しくないんだ。
 だって。一人になっちゃうだろ?? それが、淋しい。
 僕達、双子はずっと一緒に居たから。親が居なくたって、淋しくなかった。
 最近、気づいたんだけど。俺さ、“双子”じゃなくて、男の子として、輪廻が好きだ」

唖李栖が最後の方だけ、ぼそっと言う。
「え??」
と、裕太が困惑してると、唖李栖はニヤリと笑った。

「だから、早くしないと、ね?? 裕太」
唖李栖は首を傾げて、にこっと笑う。
「え、あ、え?!」
一人状況を飲み込めない裕太。
















































































「へぇー?? そういう態度するんだぁ」

































































唖李栖は悪魔のような笑みになると、裕太に耳打ちをする。







































































言い終わると笑顔で、「覚悟してなよ??」と言い残す。





















































唖李栖は氷帝の応援席に戻る。裕太は零を見ると、ため息をつく。

































































































「ったく。何なんだよ…ッ」






























































































































































『惚けてばっかり居ると、俺が取っちゃうからね。早いもの勝ち』