二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】…空白の歯車…【3/14up】 ( No.298 )
- 日時: 2012/03/26 18:37
- 名前: なさにえる (ID: vb2iUJ7K)
第21夜
グロリアの首筋にギルバーシュが噛み付いた後、グロリアは苦しみの中で助けを求めていた。
痛いよ
痛い……
____…………
苦しい
____ぃ…ぶ
苦しい
____だぃ…ぅ…ぶ
死んじゃうの?
____大丈夫……
……誰?
____グロリアは心配しなくていい
誰……
_____俺が殺るから
シエ……r
____俺がグロリアを守るから
そして、グロリアの意識は消えた。
「で、なんで立ってるわけぇえぇ?」
心の底から分からないというように首をひねるギルバーシュ。
「お前に言う筋合いはネェな」
もはや完璧に男の声だ。
そんな彼をテッサイアは複雑な思いで見つめていた。
「どうせ名前が分かるわけでもネェし教えてやろうか?」
挑発するように元グロリアがギルバーシュに言った。
「何を?」
「俺にお前の能力が聞かない秘密♪」
歌うように言う元グロリアから語られた言葉はギルバーシュに衝撃を与えた。
彼女……グロリア・カンパネルラという人物はもうこの世には存在しない。グロリアは数年前に任務で命を落としている。
さっきまで存在していた彼女はとある人物の脳内で生み出された別人格なのだ。
彼女の双子の兄によって。
その話をそばで聞いていたテッサイアの脳裏に数年前の出来事が甦ってきた。
当時、任務で一緒だったテッサイアとグロリアと探索部隊だったシエル。
その日のアクマの数は異常だった。
すぐに退却を余儀なくされ、三人は他の仲間の待つ場所まで移動している時。突然の急襲、結界装置が壊れたシエルをかばってグロリアはアクマの弾丸に当たり……そのまま砕け散った。
シエルの絶望ぶりは酷いものだった。
精神までも病んでしまい……結果としてシエルは自らの人格を殺し、死んだグロリアという人格を自分の中に作り出す事で精神の安定を図ったのだ。
それ以来、シエルはグロリアとして生活している。
事件の事も、シエルの事も知らないグロリアとして……
黒の教団も仲間のエクソシストたちもそういうことと扱う事に決めたのだ。
「でもたまには出て来れるって違う気もするがな」
「はっ」
笑うシエル。
しかし、納得がいかないのがギルバーシュだ
「二重人格だからって、ワタシが憑いたのに変わりないでしょ?」
「二重人格ってのは、現実から逃げるために作られるんだよ」
テッサイアがシエルの方を見ながら言った。
「人格が変わるだけでその人が本当に持っている病気が消えるなんて事もある。簡単に言うとそういうことだ」
「そんな気休めにワタシが負けたって言うの!?」
再び口調がかわっている。
「絶対殺す!!!」
ギルバーシュが叫ぶと赤い瞳の光が増した。
(なんかする気か?)
判断するや否やテッサイアの黄色のダーツがギルバーシュの両手を捕らえた。同時に周囲を飛び回るダーツがギルバーシュを囲むように当たった。
目映い火花が飛び散り、身体を強力な電流が駆け巡ったギルバーシュはあまりの衝撃に一瞬意識が飛ぶ。
ギルバーシュの赤い眼が輝きを失った。
それを見るとシエルは落ちていたイノセンスを拾い上げた。
、
「発動……"裏千里鏡"」
……
チート設定はいりましたぁ((汗汗
初期からこういう設定は考えてたんですけど、、、
こうするにしてもちゃんと伏線貼っとくべきでした((汗
すいませんm(_ _)m