二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA ( No.31 )
日時: 2010/04/07 18:12
名前: ミホ ◆3Z7vqi3PBI (ID: A37J8i.9)

#06


 幸村は驚いた。

 目の前の少女は、1本の刀で幸村の槍を防ぎ、空いた左手で、槍を握った。

 「危ない、危ない。容赦ないなぁ・・・」

 「・・・、素手で受け止めるとは・・・」

 「あははは〜すごい?」

 紬は笑ったまま、槍を握る。

 手のひらに、槍が刺さっている。

 「___隙あり」


 バシッ___


 幸村の体が、後ろへと飛んだ。

 紬の刀で、押しのけていた。

 「くっ・・・不覚なり」


 幸村は体制を整えようとしたが、彼の手に何かが刺さった。

 「・・・矢!?」

 左手の甲に、矢が刺さり、抜こうとした。

 「正解で〜すっ」

 紬が脳天めがけて刀を振り下ろした。


 シャキ____


 髪の切れるような音がした。


 「・・・?」


 幸村は周りを見回した。


 目の前には、笑っている紬がいた。


 「真田さんの負けだね」


 ハラリと赤い鉢巻が2つになって落ちた。


 「つまりあたしの勝ち。首じゃなくてそっちにしてあげたんだから感謝しなよ〜」

 紬は後ろを振り返り、叫んだ。

 「ですよね—!!佐助さん!!!」

 がさがさと音が鳴って、木々の中から猿飛佐助が現れた。

 「佐助・・見ていたのか」

 「ま〜ね〜。何かおもしろかったし。ま、旦那。アンタの負けだね。御館様の言うとおり油断は禁物だな」

 幸村はがっくりと肩を落とした。

 「・・某、まだまだでござる・・」

 「あたしは首なんか興味ないけど〜容赦はしないよ☆」

 その顔は笑っていた。

 落ちた鉢巻で、左手を包帯代わりにして包んだ。

 「じゃ、他の人をやっつけて来ます!!」

 落ちた刀を拾って、人ごみのなかに消えた。