二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師〜キミとの約束〜 ( No.14 )
日時: 2010/07/08 19:50
名前: 刹那 (ID: uT.X2sVB)

第九話「ゆうきの叫び」

助けて・・・姉上・・・
唯はぱちりと眼を開けた。一瞬で目が覚めた。
暗闇の中には、何もない。
唯は、身を起こすと、刻が過ぎた、闇の中を見る。
やはり、何もない。
唯は、息を一つつくと、布団にもぐりこんだ。

何だろう。今のは。
唯は、夢を見た。
誰かが、助けて、助けてっていってる夢。
でも、誰か分からない。そのとき、目が覚めた。
なんだろう。この感覚は。
変な夢が覚めたというのに、この罪悪感は。
あのとき、助けてと言った人が、ひどく悲しく思えて、手を伸ばそうとした。だが、手を伸ばしたらいけないと、私が言っている気がした。
だから、手を伸ばさなかった。
なのに、何だろう。この罪悪感は。
あの時、手を伸ばせばよかったのだろうか。でも、あのとき私の心は・・・
どちらが、良かったのか、私は分からない。

ふと、昌浩の顔が浮かんだ。
何だろう。昌浩に、非常に会いたくなった。
昌浩。昌浩。
でも、今行ってはいけない。夜が明けるのをまとう。

昌浩。この罪悪感を、私から放って。